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2014年09月26日 イイね!

2014年式NX200t/300h感想文~後編~

●NX200t いわゆる車好きが好きな味
NX200tに試乗した。
前編のおさらいだが、新開発の8AR-FTS型エンジンは
トヨタが欧州ダウンサイジングターボに対して
反抗ののろしを上げるべく開発したエンジンである。
L4の2000ccでありながらV6の3500cc相当のパフォーマンスが与えられている。



この手のエンジンとしては既にAUDIやBMWと類似したスペックを有している。
燃費もまぁライバル並と言ったところで、まだまだライバルを超えたとは言いがたいが、
それでもトヨタが国産技術で欧州競合に伍したことが価値といっていいだろう。

車に乗り込んでエンジンをかけると計器盤中央ガラケー液晶が
「NX」とオープニング映像を流した。

試乗車は2WDのFスポーツ。
専用スポーツシートのドラポジを合わせたが、
営業マンいわくサイドサポートが高い=サポート力が高い事が、
女性ユーザーに不評なのだそうで気を遣うらしい。
個人的にはシートバックの肩甲骨サポートが心地よかった。

ステアリングはこのクラスでは珍しい電動チルテレ。
あまり使わない部分ではあるが、
「おおっ」と高級車感を感じやすい装備だと感じた。

電動PKBなのでDレンジに入れてアクセルを踏むだけで
自動的に駐車ブレーキが解除される。
便利かどうかと言われると中々便利だと感じた。

ちょっと運転しただけでRXよりもコンパクトだと
いうことが非常にありがたく感じる。
決して日本では大きな車ではないが、
それでもRXと比べると非常に扱いやすい。

特にドアミラーはドア付けタイプとなり、
ミラーとピラーの間が見えることで
ハリアーと比べると随分とすっきりした視界になった。
この構造はベルトラインの補強材に大穴を明ける必要があるため、
素性として衝突安全に対して不利になるが、
ユーザーによってのメリットはとても大きくハリアーよりも安心感がある。

ただ、ベルトラインが高く、クオーターガラスも小さいので
視界の良い車と言う印象はない。
オプションでパノラミックビューモニターが選べるが、
余程運転に自身がある人でない限り選択しておきたいところだ。

しばらく市街地走行をするが、ターボという感じはあまりしない。
緩く加速をしてもトルクの立ち上がりはNAのようで「有り難味」がない。
深くスロットルを空けるときにはターボらしい加速を見せてくれた。
ドライブモードダイヤルをECOに変更すると、スペックを考えると
完全に期待はずれな加速しか見せてくれない。
口うるさい同乗者を乗せるときと給油警告ランプが点いたときくらいしか
個人的に使いたいとは思わないモードだった。
E/G始動後の標準モードがこれのレヴォーグとは異なり、
ダイヤル操作しないとECOには入らないと言う点に救いがあった。

Fスポーツということもあり脚周りは若干の堅さがある。
勿論、不快なレベルでは決して無いが明らかにスポーティ。
イヴォークはもっと尖がった乗り味だったが、
NXとしてはこれでよいと思う。

接着ボディやLSW、スポット増打ち、あるいはパフォーマンスダンパーなど
乗り味のしっかり感向上アイテムを盛り込んでいるが、
ハリアーで感じた「トヨタ感」がすっかり影を潜めている。
おそらく、様々なアイテムを採用することでこの乗り味にたどり着いたのだろうが、
いつかはオーリスクラスのモデルでもこのような乗り味が味わえるようになって欲しい。

さて、自動車専用道路へ向かうが、合流路ではS+モードを試した。
フルスロットルは胸のすく加速が得られる。
絶対値で比較するとDS3よりは劣るが、1740kgという巨体をグイグイ引っ張っていた。

100km/h時のエンジン回転数は1800rpm付近。
その回転域では少しスロットルを開けるだけでトルクを感じることができる。
トルクのあるエンジンに有段ATを組み合わせた恩恵だろう。
ATは6段しかなくこのあたりは批判の的のようだが、
私は6段もあれば十分であると断言する。
どうせ9段あっても飛ばしシフトをしているだけだ。
トルクのあるエンジンなら、6段もあれば十分カバーできる。
現状、FF車用の大容量ATがこの6ATしかないばかりに、
若干枯れた技術を使う羽目になったのだが、これはむしろ美点に感じた。

ちなみにハイペースでも動力性能、安定性共に十分。
メーターは260km/hという楽観的な値が刻んであるが、
サーキットをぶっ飛ばした営業マンから聞くところによると
国内の最高速度がそのままNX200tの最高速度らしい。
(基本的にレクサスは世界共通スペックらしい)
ドイツだとちょっと遅いと思われるかもしれないが日本では十分だ。

高速道路をのんびり流している状態の燃費はA/C使用で
13km/L付近を示し、カタログ値に迫る勢いであった。

一区間で高速を降りて港湾地区を走る。
営業マンに一言断った上で
見通しが良い屈曲路を少し意地悪目なコーナリングを試みた。

車高が高い割りにロールは抑えられていたが、
コーナー出口でフルスロットルをかけると、古典的なトルクステアを感じた。
350Nmものとるくるを前輪で受けるとなるとやはりトルクステアも生じるのだろうが、
個人的にはこの大トルクは4輪で受けるべきなのだろうと感じた。

周囲に車が居ないことを確認してLDAを試した。
白線を踏む前に警告があるのかと思いきや、
踏んでしまうところまでは行ってしまう。
このまま逸脱・・・という危ないところで
ピピピと言う作動音が作動してステアリングに
微妙なトルクがかかりレーン内に進路を戻してくれる。
絶対無くてはならない装備ではないが、
着いているなら便利さは享受できると思った。

ブレーキだが、今回の感想文を書くにあたり、3台のNX200tに試乗した。
NX200tのブレーキは重量級の車体をしっかりと止め得る実力を持っているが、
個人的にはもう少々初期ストロークでの利きが良い方が好みであった。
パワフルな走りをする車なので
頼りがいのあるフィーリングの方がいいと思ったからだ。
速い車には良く利く(感じがする)ブレーキが必要。

また、3台のうちの2台はブレーキペダル操作をすると、
キュキュキュという引っかかるような感触を感じた。
ゴムブッシュと軸の相性がよくないのかと疑いたくなり、
全くレクサスらしくないチープなものだった事は残念だった。
3台のうちの1台は問題がなく、個体差と信じたいが、
「レクサスの部品はトヨタを超える厳しい品質管理をしていて・・・」という
説明から考えると、これで良いのだろうかと疑問を感じる。
トヨタ車でこんなブレーキフィールの車は無かった。

気になる燃費だが、30分ほど試乗したところ11.8km/L程度。
営業マン曰く、市街地だけだと7程度とのことだが、
高速巡航だと13km/L程度を示して高速での燃費は良好であった。

●NX300h 市街地走行ユーザー向け

NXのHV版である300hに試乗。
前編にも書いたとおりFFの組み合わせが初となる。
計器盤からタコメーターが消えて
パワーメーターになっている点がガソリンとは違う。

発進はEV走行。
ディーラーを出て40km/h付近を越えるとエンジンが始動する。
ARハイブリッドはカムリもクラウンもハリアーも試してきたが、
従来型のハリアーHVなどの高級車向けHVと比べて
相当燃費に振った味付けになっている。



アクセル操作に対するツキはそんなに良くなく、
中間加速も2500ccという排気量を考えると良くないが、
かなりEV走行をさせる事ができる。
ボディやインテリアはNXなのだが、
HVならではのEV走行ができると言うWOWがある。

ストップアンドゴーの連続する市街地を走れば、
走り出すたびにEV走行の感動が味わえるが、
同時にあのカックンブレーキを味わわねばならない。
走り出すときの感動を、カックンブレーキが回生してしまう感じ。

電気式CVTと表現される変速機構だが、
市街地走行は実に巧みに車体を引っ張るが、
少し強めの加速を与えたときに「もうちょっとトルクが欲しい」
と思うシチュエーションでも控えめな加速度しか与えてくれない。
これがプリウスやアクアなら気にならないのだが、
スポーティな装いのNXになるとこれが気になってしまう。
CTの場合、車体が軽いので非力感は無いのだが、
NXは本当に3000cc相当のパワーあるの?と言いたくなるような
力強さに終始するのが気になった。

ちなみに、ハリアー同様WOT加速をくれてやると
キックダウンスイッチがコリッと作動して
グオーーーーンと加速するため、体力測定をすれば
パワフルという印象になるが、普段使いで力強さが無いのはいただけない。
普段は本気出さないアスリートみたいな・・・・。
もちろんHVである以上燃費は重要なテーマだが、同時に高級車でもある。
ハリアーは「300万円以内で高級車テイストを味わえる車」なので
内装の高級感を考えれば走りを一切切り捨てることには渋々アグリーできるが、
NXの場合、ボディのしっかり感から期待されるパフォーマンスがもう少し欲しい気もした。

仮に新規エンジンを使ったHVとしてNX350hがあったとすれば
カタログ燃費は20km/Lを切ってしまい価格も今以上に高くせざるを得ない。
ギリギリOKなラインをハリアーに続き攻めてきたということなのだろう。



高速域になると完全にCVTフィーリング。
エンジン回転が上がり加速が追いついてくるイメージ。
Sモードにするとパワーメーターがタコメーターになる演出は
面白かったが、私は基本的にノーマルモードで走行していた。
90km/h付近で走っていて、速度調整のためにアクセルペダルを
少し踏み足したときなどにパワーメーターがピクピクと動いて
落ち着きがない点が若干気に触る部分ではあった。
燃費はさすがHVと言える値で全開加速をしたのに16.5km/L付近を指した。
レギュラーガソリンが使える点も経済性に優れる。

●グレード選びは単純明快
ディーラーに戻りカタログを読みながら見積もりを作成する。
このレクサスは商談中、美味しいケーキが登場した。
甘党な私はモンブランを選択し、舌鼓を打ちつつ最適な仕様を考えた。

グレード構成は以下の四種類。
(価格はターボ/FFの税込みで記載)
(HVは80万円高、AWDは26万円高)
Version-L:最上級グレード(492万円)
FSPORT:スポーティなイメージリーダー(492万円)
I-Package:若年富裕層向けお買い得グレード(442万円)
標準:ベースグレード(428万円)

営業マン曰く、
ざっくりとシートの好みでグレードを選べばよいとの事だった。
本革がいいなら、Ver.L。
スポーツシートがいいなら、F-Sports。
合皮L-TEXでもOKならI-PKG。
布シートが良いなら標準。

本来はもっと色々な違いがあるため、
かなり乱暴な仕分け方だが確かに分かりやすい。

428万円の標準グレードをチェックするが、
高級車なので装備は元々充実している。
ナビ、前席パワーシート、LEDヘッドライト、電動チルテレ、
17インチアルミ、本革ステアリング/本革シフトノブ、
ドライブモードセレクトスイッチやクルーズコントロールなど十二分だ。

442万円のI-PKGは営業マンが「インテリアパッケージ」と呼んでいたが、
シートが合皮のL-TEXになり、シート/ステアリングヒーター(2.7万円)がつく。
外装は三眼式のフルLEDヘッドライト(7.56万円)となる。
L-TEXシート(+パワーイージーアクセスシステム)の価格差は3.74万円となる。
更に内装色の選択肢が上級グレードと同じ数に増える。
CTではセットオプションとは言え9.3万円のL-TEXシートが3.74万円で選べるのは戦略的だ。

本革シートは冷静に考えれば夏場は蒸れるし、傷がつきやすいし、色落ちもある。
メンテナンスも大変で天然素材のために生産量も限られている。
それでも本革シートが高級車のアイコンになれるのは
馬車時代の文化の名残に過ぎず、ハイテク布シートで可能性を追求する方向もあるが、
個人的にはこのような「伝統」とか「手仕事感」が高級感に繋がるとも思う。

L-TEXは本革に比べると柔らかいが、夏場は蒸れるし、
と冬場は冷たいという革の特徴は変わらない。
ISの場合、シートヒーターと通気性を良くする
ベンチレーションシステムが着いているがNXにはそれがない。
つまり、冬は良いが夏はちょっと蒸れるかもしれないシートであることは間違いない。
価格を安くする為に見切った部分なのかもしれないが、
個人的に価格を上げてでもベンチレーションは採用するべきだっただろうと思う。
CTの場合、オプションでL-TEXシートがあるが同様にベンチレーションがないので、
ここはセグメントを考えて割り切られてしまったのだろう。

横道に逸れてしまったが、一番「売りたい」グレードが
I-PKGであることは疑う余地がないだろう。

492万円のFSPORTはレクサスではおなじみのスポーティグレード。
専用メッシュグリルや専用アルミホイール、アルミペダルや専用内装、
AVS(10.8万円)やパフォーマンスダンパーの装備などエンジンや変速機以外の
スポーティ化が図られているグレードだ。
専用装備が多く、走り好きの人間としては魅力的な装備が数多いが、
価格も価格なので少し躊躇してしまう。

同じく492万円のVer.Lは、442万円のI-PKGに対して18インチアルミホイール(3万円)、
ベンチレーション機能付き本革シート、後席電動リクライニング(5.4万円)、
アームが室内に張り出さないスピンドルパワーバックドア(5.4万円)、本杢オーナメント(9.4万円)、
アクセサリーコンセント(0.8万円)がつく。
これら24万円分の装備を差し引くとシート代が26万円と言う計算になる。
ISの場合32万円、CTの場合26万円ということでまぁまぁ許容範囲に入ると思う。
つまり、どうしても本革シートが欲しい!とかオプションのマークレビンソンが欲しい!
と言うわけでなければ、それほど積極的に選ぶ理由にはならない。
(後席リクライニングは個人的にいらない)

最近のプレミアムブランドの戦略として
「魅力的な外装差別化オプション戦略」というやつがある。
必要十分な標準品に対してより意匠的な華やかさを持った装備品を
上級グレードに与えて、ユーザーに上級グレードを選択させる作戦。
標準グレードでも一部上級装備をオプション選択できるが、
結局、価格差を考えると上級グレードを選びたくなるようにうまいこと出来ている。




標準でもいいと思いきや、フィンタイプの
17インチアルミホイールが若干SUVにしてはひ弱に見えたり、
単眼LEDヘッドランプで十分素晴らしいのに、
三眼LEDのL字に光るヘッドランプがかっこよかったり・・・・。
ここが巧みな商品戦略と言える。

営業マンから聞くところによるとシート部品の
製造が間に合わないことを理由に
FSPORTは納期が遅れて来年4月以降の納車となるそうだ。
それくらいFSPORTの魅力がユーザーに伝わったということだろうし、
この企画を分かりやすく伝えるグレードがFSPORTなのだろう。

私がもし本当にNXを買うとしたらI-PKGを選ぶ。
+3万円で18インチアルミを履けるし、三眼LEDヘッドランプが選べ、
Ver.Lと見た目が変わらなくなるからだ。
専用装備の本革シートは確かに魅力的だが、40万円支払う必要性は感じない。
(ちなみにVer.Lは似非Ver.L封じのために
専用デザインの18インチアルミが5400円で選べるきめ細やかな配慮)

標準車は18インチアルミが履けるが、LEDヘッドランプが選べない。
私はヴィッツなら必ずしもオプションでLEDヘッドランプを選ぶ必然性を感じないが、
高級車たるNXではブランドを象徴するため積極的に選びたい。

ただ、本当にお金があるのならFSPORTは魅力的だ。
例の三眼LEDを装着して500万円に達してしまうが、
もし年収1000万円越えの富裕層ならばこれを選ぶだろう。

個人的にはL-TEXシートにそこまでの憧れを抱かないが、、
もし標準車にLEDヘッドライトの選択ができてもI-PKGの魅力度は変わらない。

●悩ましいエンジン選択
売り手が売りたいグレードが明確な為に
グレード選択は非常に簡単だった。

一方で悩ましいのはエンジン選択だ。

トヨタ初のダウンサイジングターボは、
いわばトヨタが欧州を追ったパワートレーンであり、
安定のHV仕様はトヨタがリードするパワートレーンである。

営業マンの説明では30代までの若年層はHVを選び、
中高年層はターボを選んでいるとの事だ。
やはり環境問題とともに成長したこの世代は、
エコという性能をとても重視している。
また、パフォーマンスの高い車に乗る機会にも恵まれていないので
200tの力強さは過剰に映るのだろう。
一方、スポーティカー全盛時代を生きてきた中高年世代は
自動車の持つ原始的な魅力に共感している。

そして実際に売れている数はターボの方が多いとの事だった。
NXは若者向きに開発したとは言ってもやはり
収入的に余裕がある中高年層が購入の多数派と考えられる。
力のある車に憧れた世代にとっては一気に気持ちが
若返る「タイムマシンかもしれない。」

両者に試乗してみてターボの場合は
ビッグトルクを前輪だけで受け止めるのは心もとない。
実際に強力なトルクステアを経験した為、AWDを選択したい。
これなら信州にボードに行く際も活躍できるはずだ。
一方、HVはFFで十分だし、トルク制御が入っていてスムースさは勝る。
(そのスムースさもカックン回生ブレーキで回生されます)

市街地走行が多いor年間走行距離が多くて経済的メリット、
エコムードを追求する向きにはHVを選んだほうが良いだろう。

一方であくまでも自動車らしさを求めるならターボを選ぶのがよいと思う。
自身がダウンサイジングターボに乗っている事もあるが、
低回転でググッとトルクが湧き上がり、リニアに加速する感覚は
ターボのほうが優れるし、ブレーキのタッチはHVよりも明らかに自然。
NXにHVしかないなら我慢するしかないが、ターボがあるならターボを選ぶ。
環境商品と言うよりもかなりエゴイスティックな性格を持ったSUVなので
ここはターボで豪快に行きたい。

●そして見積額は・・・
商談ルームでモンブランを食べながら決めた
私が現実的に買うつもりの仕様は以下の通り。
ちなみに、色は最も迷うファクターだ。
自分がDS3を買うときもルーフとボディの
配色の組み合わせが有り過ぎて悩み、
納車までの3ヶ月で気分が変わったらどうしよう・・・と
びくびくしている時に真っ黒の特別仕様が出て
それに飛びついたというエピソードがあるので、
NXも色だけは悩みどころだ。

営業マン曰く、白黒は人気色との事だがどうせ新車を買うなら
減点色を積極的に選びたいと思い、今回はメテオブルーを選んだ。
くすんだ青と微妙な色だが、元気一杯の青と比べて大人っぽくてかっこいい。
内装色はガーネットであえてエグイ組み合わせを選んだ。
本当は真っ黒な方が高級車的な重さが出たのだが、
ピラーガーニッシュやルーフヘッドライニングの色が白いので逆に
赤×黒×白の3色まぜこぜにすることにした。
買わないのに買うつもりで悩んで見たところ、本当に悩んでしまい困った。
個人的にはCTのイエローの設定があっても良かった。

<基本仕様>
NX"I-PACKAGE" 8AR-FTS AWD
メテオブルー/ガーネット×ダークフィルム






<メーカーオプション>
スペアタイヤ(0円)
18インチホイール(3.2万円)
プリクラッシュセーフティ(6.4万円)
パノラミックビューモニター(15.1万円)
寒冷地仕様(3.6万円)

<ディーラーオプション
ガラスコート(2.16万円)
ボディ・タイヤ・ホイールコート(10.8万円)
レクサスシートコート(5万円)
ETC(0.3万円)
フロアマットタイプA(8.9万円)←高すぎ。
ホイールロックナット(1万円)

<合計>
本体価格:468万
MOP:28.5万円
DOP:28.5万円
=524.9万円
その他諸費用:12.9万円

支払い総額→537.8万円

・・・・・・まぁ、目が覚める価格ですこと。
本体価格468万ですが、イヴォークが見えてくる価格。
ただ、Q5は608万円からという価格設定で、
これよりはお得と言いたいのだろうが、私らのような一般人から見ると
NX=高くてムリ Q5=最初からムリ みたいな感じ。

そんなわけで私のようなサラリーマンはNXを買うのは無理・・・・
と思っていたら、知り合いの同い年の友達は
ゴルフVのGTIからの乗換えでFSPORTを新車で購入。(納車は3月以降)
更に、自分の会社の後輩もI-PACKAGEを購入したらしく、
清水の舞台から飛び降りる人も居るんだなぁと思った次第。

●売れ行きは凄まじいが・・・・

9月のプレスリリースでは受注台数が9500台。
月販目標台数が700台の車に対して
14か月分の受注があったということだ。
輸出仕様の生産も始まることを考えると、
急に増産する能力があるのかが心配になる。

ただ、ちょっと可哀想なのはせっかく500万円以上のコストを支払って
新車を購入するのに、恐らく年次改良モデルがすぐに出ると思われることだ。
高級車と言うのは見せびらかし消費のための商品と言う側面がある。
(みんながみんな車好きというわけではないので)
納車が延び延びになったら年次改良モデルが納車されるというのなら
文句も出ないと思うが。

そしてNXよりも上の価格帯のRX。
元祖プレミアムクロスオーバーSUVだが、
この車の新型が来年にも発表されるようだ。
同じ2000ccターボエンジンを主力に置き、
スクープされた写真を見てもNXそっくりな・・・・・。
NXの開発陣が描いた「RXとは違うSUV」を目指していたはずが
まさか後方から弾が飛んでくるとは・・・・・・。
ブランドを通して共食いしないのかと他人事ながら心配。

●まとめ
先行きに心配な面もあれど、
支払い総額500万円を超えるような車が
9500台の受注を一気に受けるというあたり、
市場はNXのような車を求めていたのだろうと考えられる。

こうしてヒット作が産まれると、競合メーカーも
お買い得なモデルを出したり、NXよりも小さい
Q3のようなモデルを開発したりする動きが考えられる。

実際に私自身もNXに試乗して商品性の高さを感じた。
デザイン的にも攻めているし、キビキビした走り、
特にターボの胸すく加速を魅力に感じる人は少なくないのでは?と思う。

とりあえず60km/hまでとチーフエンジニアが
自ら割り切ったハリアー(これはこれで正解)と比べ、
NXはハリアーをベースとしながら随分と違う味付けに
なっているのは従来の兄弟車の範疇に入らない
良い差別化の例と言えるだろう。
ドアを開けたときに見えるロッカーは酷似しているがロッカーの
ウェザーストリップやシワ取り座面やドアヒンジの配置は別物。
恐らくロッカーの中やサイドドアオープニングの一部は一緒なのだろう。

VWのMQBに続く形では、日本勢も追随しているが、
先に試乗した他メーカーのCMF第一弾は期待はずれだった。
TNGA前哨戦ともいえるハリアー/NXは上々だと感じる。
せっかくなので大元のベースたるRAV4も国内販売してくれたらよいが、
ハリアーと共食いするのでそれはムリか。

ちなみに本感想文の写真も三個一体開発にちなみ、
ハリアー用の写真を転用して
ブログも賢く共用、上手に差別化した。(笑)
Posted at 2014/09/26 22:12:17 | コメント(3) | トラックバック(0) | 感想文_トヨタ・レクサス | クルマ
2014年09月14日 イイね!

2014年式NX 200t/300h 感想文~前編~

●カテゴリーのパイオニアとしてどうしても必要なRXの弟分
2014年7月にレクサスから新ブランドNXがデビューした。
NXはXの名が示すとLX、GX、RXに続くSUVのボトムレンジを支えるモデルだ。



特に北米で圧倒的な支持を誇るRX同様にオフロード性能を追求しない
「クロスオーバーSUV」というカテゴリーに属している。
このNXが産まれるにいたった背景を想像したい。

クロスオーバーSUVというジャンルはトヨタが開拓した数少ない市場だ。
1994年にRAV4、1997年にハリアー/RX300としてトヨタが世に問うている。





現代ではジャーマン3から強力なライバルが
RXに挑戦状を突きつけている他に
レンジローバー・イヴォーク、ポルシェ・マカンのような
C、Dセグのプレミアム・クロスオーバーSUVが市場に現れたほか、
アルファロメオもSUVを企画しているとの情報がある。










このような中、先駆者たるレクサスはRXだけで対峙せねばならなかった。

RX自体のセールスは北米を中心に順調だ。
ジャーマン3との販売競争もRXがトップの座を維持していて、
アメリカ人とRXの絆は相当に固いと言える。

少々ペルソナマーケティング的な思考も持ちながら考察したい。
初代RXからこのカテゴリー、そしてRXブランドを
支えてきてくれたロイヤルユーザーは社会的地位もあり、
そしてレクサスを愛していたが、北米でのRXデビューから16年。
ロイヤルユーザーは高齢化が始まっている。
ブランドというものは常に世代交代を考えねばならない。
上手に歳をとり、上手に若返ることがブランドの継続には必要なのだ。

今、20代や30代の若い富裕層はどのような車を選ぶかを考えたとき、
RXは「祖父母や父母が乗っている車」という見方をされてしまう。
上の世代の常識を否定したいと思うのはどの時代の若者のも同じなのだ。
かつて新ジャンルのRXに飛びついた層の息子/娘たちが社会人となり、
人とは違う車を欲しがっている。

この層の代表的な愛車がBMW MINIのようなプレミアムBセグメントであろう。
コンパクトでありながら走りは他社には見られないゴーカートフィーリング。
更に装備水準や質感では決して我慢させず、セグメントとしては高い価格だ。
それでもBMW MINIに続けとばかり各社がDS3、MiTo、或いはAdamや500のような
質感を高めたプレミアムコンパクトを出し続けているというのは、
ビジネスとしての美味しさがそこにあるからだろう。



ここにNXが生まれてきた理由が見出せる。
プレミアムBに乗っていた若年富裕層が次に購入する車こそ
コンパクトSUVだと各社は踏んでいるのではないだろうか。
プレミアムBが持つキビキビした運動性能、尖ったデザイン性能が
魅力とはいえプレミアムBセグの弱点はユーティリティだ。
パーソナルカーとして企画されているので居住空間は必要十分だ。
そして結婚などを機に家族が増えたり、遊びのスケールが大きくなってくると
Bセグプレミアムでは支えきれなくなる。

もちろん各社はMINIクロスオーバーや、500L、
或いはジュリエッタのようなステップアップ用の受け皿も用意しているが、
そこに本格的なレクサスのNXをぶつけようという企画になる。

また、これから販売台数が伸びる中国市場を考えたい。
中国は成長著しいマーケットであり、
若年富裕層が多いことでも知られる。
人口が多いから数パーセントしか居ない富裕層が、
他の国家の何倍も存在するからだ。

彼らもSUVを選ぶ機会が増えている。
彼らもセダンは年寄りが乗る車、という認識を持ちはじめている。
セダンが実際に古臭いというよりは、
他人とは違う車に乗りたいという
欲求を満たすために主流ではなかった
SUVが注目されていると状況だ。
そして交通状況が悪い都市部では
アイポイントが高いSUVが求められている。
あの国際問題以降、ジャーマン3に水をあけられている
中国ビジネスを展開するためにもNXは必要な存在だ。
ワールドプレミアが北京モーターショーだったことは偶然ではない。

そして日本。
セダン中心でブランドが導入されたレクサスだが
RXの導入以後、販売的にはまずまずの成功を収めている。
CTがある程度の若年層の吸引に成功したように、
本来は若者に人気のあるSUVで挑みたいところだが、
RXは日本では少々持て余す。
ここに比較的コンパクトなNXを訴求したいという向きもある。
ミニバンが大ヒットした日本ではクーペ、セダン=狭い車
として幾らカッコよくてもそれが大いに売れる状態に無い。
ミニバンを経験しつつ、ミニバンを卒業した人は
かっこいい車が欲しくとも、セダンやクーペには行けない。
彼らがぎりぎりOKを出すボディタイプがSUVというわけだ。
SUVの方がデザイン的にカッコ良くしやすい理由は
ヴェゼルの時に書いたとおり現行の法規も関係している。

開発陣は上記のような理由からRXの弟分の車を企画したが、
「ミニRXにはしない」という明確な意思があった。
ジャーマンプレミアムブランドは、C、DセグコンパクトSUVを企画しても
その上級車種のイメージを色濃くイメージさせる戦略をとっている。
かつて、レビン/トレノは巧みにソアラを意識させるデザインを採用して
似たような戦略をとっていたのに今回は違った戦略をとった。
ミニRX案はRXとのカニバリズムが起こることが容易に予想されたからだ。
RXはRXの世界を保ちつつNXは異なる方向性を目指した。




NXは「プレミアム・アーバン・スポーツ・ギア」
というキーワードで企画されている。
「高級街乗りSUV」ということなのだが、
レクサスはギアというところにこだわりたいらしい。
ギアというのが「かっこいい道具」という意味を込めたそうで
ハイテク感があったり洗練感があったり本物感があるということらしい。
出来上がったNXはCTをSUVにした様なキャラクターになった。

スクープ誌などによるとRAV4とハリアーとNXは3個一体開発というらしい。
こう書くと、何だかNXが流用品だらけの安物感があるように感じるが、
見えない部分を共用化して見えるところや感じる部分を差別化しようという
現代的な兄弟車関係のため、カローラ/スプリンターとか
RAV4 L/Jのような兄弟関係とは全く違う。








VWがMQBという大胆な共通化をしていて、
トヨタはTNGAでそれを追おうとしているが、
NXの様な一体開発はTNGA以前から進めていたので
いわばTNGAパイロット版のようなものだ。

●ISテイストの菱形エクステリア
実際のNXをショールームで確認した。
実写を前にして真っ先に感じた感想は
「でかい」ということ。



コンパクトと謳われているし、写真で見たイメージも
コンパクトなので勘違いしそうだが
4630×1845×1645という立派なサイズだ。
それでもRX比では140mm短く、40mm狭く、45mm低い。

日本車らしい「怒り顔」のNXだが、
特に特徴的なのはドアベルトライン下の盛り上がりだ。
一定に流すならありがちだが、4隅のタイヤの張り出しとは違って
ボディは前後が絞り込まれてBピラー付近が最外側のイメージだ。





イメージスケッチを見ると
スピンドルグリルから始まる菱形ボディに
力強いタイヤの張り出しが組み合わされている。
トリッキーといえばトリッキーだが他とは違う
レクサスらしい見た目といえる。

サイドのシルエットはクーペ風のルーフラインを描いているが、
ルーフ高さのピークがBピラーの少し後ろにあるという点は独特だ。
空力的には水滴のように前が一番高く後ろに進むに従って
ルーフが下がっていく形状が有利だが、NXはその定石とは異なる。
これは陸上選手のクラウチングスタートを連想させていかにも走りそうだが、
実は後席の乗降性を確保する意味でも有効な処理で、
実際に乗り降りしても不都合がなかった。



個人的にはクオーターパネルがプレス成型的に見て辛そうに感じた。
例えばRrコンビランプの先端は尖っているが、
このような尖った面を作ることは難しい。
更に難しいのはクオーターガラスだと思う。
三角パッチでふたをしてしまうのではなくSUSモール付のガラス付だ。
ガラスという事はウレタン接着剤を塗るための構造面が必要だが、
ある程度の深さがひつようになる。
深くて尖った意匠面を表現することはとても難しい。
担当者はきっと大変だったんだろうなぁと、遠い目をしてしまった。
(実際は楽勝だったかもしれないけど・・・・)

更に給油口も、トヨタにしては珍しいワンタッチで開閉できる
ダブルアクションのリッドを採用している。
欧州車の採用例は多いが、このS字の面にヒンジがかじらない様に
設計して複雑な面なのに建付けをも保証するとは攻めた設計だと思う。

リアビューもレクサスらしいとんがったデザインだが、
顔とサイドビューと比べるとびっくり具合は割り引かれてしまう印象。
樹脂バックドアとかにしちゃえば良かったのに、と無責任なことを言いたくなるが、
ライバルのアウディはバックドアにRrコンビランプを
ビルトインして連続感のある意匠を実現している。
NXもボディ側とバックドア側のコンビランプが連続して光って
見えるような努力は怠っていなかった。

ライバルのBMWやアウディと比べると、お上品な感じはしないが
ギラギラとした挑戦的な意思を強く感じる。
プレミアムSUVの元祖でありながら
新規モデルのNXでは攻めていて個人的には良いと思う。

●ちょっと攻め切れていないインテリア
ドアを開けて中に乗り込むと
ちょっとスポーツカー風のインテリアにドキッとする。



インパネはセンタークラスターのアルミ調の骨格の両サイドが
柔らかいステッチ入りの表皮でちょっとFT86を思い出した。
ステアリングはISと同じような円形状のステアリングで
D字型や楕円形よりもグッとスポーティで素性がよいデザインだ。
その奥のメータは一般的な4眼式にガラケー液晶を挟んだデザイン。
個人的にはメーターで少々ドキドキしたい気持ちもある。
先日、産業技術記念館へ行った際に初代セルシオ/LSの
オプティトロンメーターを見学したが、
ポーンと白い針が浮き上がる感じはハイテク感もありながら
視認性にも優れていた。
内装の注目ポイントはプレミアムモデルらしい
アナログクロックと新世代リモートタッチ。
実際に使用してみると走行中の操作感も上々だ。
そして全車に採用されているニーパッドは
LFAと同じ化粧ボルトが使用されていて見せる締結となっている。
このあたりはギア感があって良いのではないだろうか。

前席に座った感じは、SUVらしい広々感が意外と無いことに気付く。
というのも、Frヘッダーもおでこに迫ってきているし、
インパネのデザインもコックピット感を追及していて
特に広く見せる意思を見せていないことが原因かもしれない。
このあたりは明るい内装色を選択すれば問題ないだろう。

スポーツカー風といえどもSUVであるNXの顧客層は
さまざまなアイテムを車内に持ち込むことが容易に想像される。
ポケッテリアへのコダワリは国産車の得意分野であり、
ペットボトルが片手で開け閉めできるカップホルダーや
タブレット収納スペースもある。
特にNXらしいのはリモートタッチ近傍のサングラス入れだ。
スポーツタイプのサングラスも入るように容量を取りたいが、
ここにヒンジ式のフタを付けるとサングラスが入らなくなる。
そこでマグネット付の脱着式の蓋にしてしまった。
その蓋に機能を持たせようということで手鏡にしたのは、
苦し紛れだが、オリジナリティがある。
女性にとってはサンバイザー裏のバニティミラーよりも便利らしい。

高級車らしさという点では、スイッチ類の数がものすごく多い点が
ちょっと前の高級感という感じもある。
私たちのような人種はステアリングコラム右下のスイッチベースを
全て埋めたくなってしまうが・・・・(笑)

外はSUVなのに一転してスポーツカーらしい内装
という部分はちょっとした驚きだが、
高級感という意味では個人的にはハリアーのほうが秀逸に感じる。
実際の革の質感を樹脂で表現した前面ソフトパット張りのI/Pは
NXと比べた後でも見事だと思う。
助手席側のセーフティパッドも
もう少し張りがあった方が良かったかなと思う。
指で押したときすぐに底付きするのではなく、
押し込み力が強くなるほど反力を出すような
二次曲線的な触り心地の方が個人的には好きだ。
また、センターのアルミ風骨格も見た目はいいが、
触ると途端に樹脂だと分かってしまう質感でこれもがっかりしてしまった。
例えば友人が乗っていたアウディTTはオーディオのフタや空調吹き出し口のベゼルは
本物のアルミが使われていて触るとひんやり冷たく、重量感もあった。
ハリアーは高級感を味わうI/Pなので本物ではない材料で本物を思わせることに
知恵を絞った印象だが、NXももう一分張りできなかったか・・・。
触るとヒンヤリ冷たい金属調塗装技術があれば、TTのように質量を犠牲にせずとも
本物感を出せるのに・・・・・。
あの部分をリアルにすることで他の柔らかい表皮の優しさが際立つようにも思う。




後席は身長165cmの自分には必要十分な広さがある。
ウィンドウが切れ上がってるので開放感こそ無いが、
ヘッドクリアランスもニースペースも十分にある。
また後席空調吹き出し口もあり高級車としての期待感は満たしてくれる。

ハリアーでは後席に座るとシートベルトの肩が
浮いてしまう構造的な弱点を持っていたが、
NXはどうやらリトラクターやアンカーの位置が移されて
そのようなことはなくなった事は喜ばしい。

パッケージング的にはハリアー同様にヒップ×ヒール段差が足りず、
座面角度が浅いので太もものサポートが足りない。
またシートリクライニングのため、シート幅が少々足りていない。
一部グレードには電動リクライニングが設定されているが、
この作動音はかなり安っぽいので要改善。
電動で動いてくれることはありがたいが、
あの音(うなるので品質感がない)はいただけない。
前席とは明らかに異なるテイストで機能的だが高級感が無いのが残念。

ラゲッジルームにも見所がある。
シートバックを倒さずにゴルフバッグが4つ積める点は立派。
私はゴルフをしないんのだが、
インプレッサSTiでゴルフをする知人いわく、
「4人乗車状態で4つ積めないなら意味が無い。
 4つ積むためにシートを倒したら4人乗れなくなる」と言うのだ。
特に日本だと、プレミアムSUVでゴルフに行く向きも多いだろうし
必要な性能かもしれない。
デッキ下はパンク修理キットが標準だが0円で
スペアタイヤも選択できるところは親切と言えよう。

●パワートレーンは欧風か和風の選択
NXの最大の売りはトヨタが高級車向けに開発したダウンサイジングターボだ。
型式を8AR-FTSと言い、L4ミドルサイズのARエンジンをベースに
2Lターボで3500ccV6エンジン並みのパフォーマンスを発揮する。
2000ccであれば本来はZRエンジンが選ばれるところを、
強度的に余裕がある2500ccの2ARエンジンをベースに排気量を縮小させている。
細かい内容は割愛するが、ターボながら圧縮比は10。
先日ヴィッツ/パッソに載せられたアトキンソンサイクルエンジンが
こちらでも採用され、熱効率は36%と世界最高レベルとの事。



カタログ燃費は12.8km/Lと低燃費に感じないが、
例えばGRエンジンを積むRXは9.1km/L、ISは10.0km/Lなので燃費は勝っている。

自身がこの手のダウンサイジングターボに乗っている事もありとても期待感がある。
DS3もトルクに余裕があり、高速道路のクルージングは心地よい上に燃費もそこまで悪くなく
長距離を走る向きには非常に良い選択かと思う。

既にFRにもFFにも搭載できるとアナウンスされていて、
時期に3500ccV6エンジンと置き換わっていくだろう。
そうなると、本当にマルチシリンダー=高級メカニズム化が加速するだろう。

8AR-FTSが搭載されるNXはNX200tを名乗る。

一方でカムリ、クラウンに続きハリアーにも搭載された2AR-HVもラインナップされている。
こちらはNX300hを名乗るが、慣例どおり3000cc相当のパフォーマンスとのことだ。
ハリアー譲りシステムだがNXではFFと組み合わせがある点が新しい。
燃費もE-FOURのハリアーを超えていて21.0km/Lをマーク。




トヨタが始めて挑戦したダウンサイジングターボとトヨタの独壇場ともいえるHVは
なかなか個性的なエンジンラインナップだと思う。
輸出向けは3ZRを積んだNX200がある。中国やロシア向けには廉価版として用意されているが、
RXの例もあり、モデルライフ後半では日本市場向けに追加されるのではないかと予想する。
ハリアーの乗り味を考えると「アクセル踏んだら走り出す」レベルであることは想像に難くない。

●ボディやシャシーもチャレンジあり
ハリアーと共通のP/Fだが、ボディとしてはかなり手が入っている。
FMCしたISやMCしたCTにも部分的に導入された
レクサスの為の新工法が採用されている。
それがLSWや構造用接着剤だ。欧州車はレーザー溶接を売りにしているが、
トヨタはスポット溶接とレーザー溶接の利点を併せ持つ
「レーザーを使ったスポット溶接」をNXに採用した。
雑誌などでは盛んにレーザー溶接万能説を唱えているが、
要するに必要な性能が出れば方法は関係ない。
プレス方法も何が何でもホットプレスで無いと
いけないわけでもないと私は思う。



接着剤は全面的に採用したほうがボディ剛性には有利だが、
組み立て時に接着剤が垂れてしまったりする悪癖を考え、
効果的な部位のみの塗布となっている。
ボディ補修時は注意が必要かもしれない。
また一部グレードのみにパフォーマンスダンパーが採用されていて
CTが持っているキビキビ感をSUVでも味わえるようにしている。

こういうすごい技術をNXに採用するなら
ハリアーにも転用すればいいじゃないかと思うが、
このような先進技術は工場への設備投資も関係するので簡単にはいかない。
LSやISは田原工場製で、NXはトヨタ自動車九州製。
ハリアーは高岡工場製。恐らくレクサス車を生産する工場から
新技術を導入しつつ関連メーカーにも横展開していくのだろう。

●予告

実際に色んなディーラーに出かけてNXに試乗してきたので
後編では試乗感想文とベストバイグレードの探求をしたいと思う。
2014年09月08日 イイね!

DS3が故障した話

DS3が故障した話









走行距離が66666kmを迎え、
外国では呪われた数字だし
不具合が起こったりしたらイヤだなぁと思っていたところ、
8/7にしっかりとE/Gチェックランプ点灯

完全にいつもの故障パターン。
しかも、アイドリング時のエンジン回転数が微妙に上下する現象確認。

ディーラーの説明によると、
1.吸気ポート近傍が汚れている可能性あり
2.タイミングチェーンが伸びてバルブタイミングが狂っている可能性あり
とのこと。

部品が揃ったので1週間強の入庫で修理。
車を引き取ってきました。

詳しくは整備手帳に掲載しましたが、
ディーラー担当者が写真付でちゃんと説明してくださいました。

このエンジンで吸気側へのカーボン堆積が原因と思われるトラブルが
他の個体でも確認されているらしいです。
写真を確認しましたが、結構溜まってました。

直噴なので煤が出やすいとは何となく聞きかじった知識で知っていても、
まさか自分の車でそれが起こるとはびっくり。
他の車ではエンストなどがあるそうです。

私は走行距離の半分以上を高速道路で使用しているし、
煤が溜まりにくい条件のはずなのに写真ではあの有様でした。

・・・で修理後の感想ですが、走りが劇的に力強くなりました。
そりゃ、カーボン堆積で天然リストラクタがついていたようなものですものね。
この車、こんなに速かったっけ?という程に調子が良くなりました。

徐々に調子が悪くなっていても、
自分の車しか乗らないオーナーだと気付かないものですね。
とりあえず、これで再発しないことを祈るばかりです。

もうすぐ初回車検を迎えるのですが、
車検は幾らくらいかかりますか?
とたずねたところ25万円くらい、と言われました。
整備メニューにもよると思うのですが、
他のスポーツシックもこんな感じなんでしょうかね・・・・。

個人的に交換が必要なのはバッテリーと
ブレーキフルードくらいの交換だと思ってましたが・・・。
(LLCは冬にウォーターポンプ交換で一緒に交換したし、
E/Gオイルはいつでもいいし・・・・)
ユーザー車検で通すことも考えましたが、+2年の延長保証の絡みもあり
ディーラーに入れるつもりですが、、、、、。

うーん、一人アベノミクスは続く。
Posted at 2014/09/08 23:27:57 | コメント(3) | トラックバック(0) | シトロエン | 日記

プロフィール

「@キドニー何ちゃらの下僕 さん Google翻訳で発音させてみて爆笑です!優勝です!関連した話だともう25年前ですが、ホンダの小型車の名前がフィッタだったとそうです。スウェーデンではアカンらしくカタログも差し替えてフィットになりました。天麩羅もさる事ながらVW弁当も好きです。」
何シテル?   08/12 21:18
ノイマイヤーと申します。 車に乗せると機嫌が良いと言われる赤ちゃんでした。 親と買い物に行く度にゲーセンでSEGAのアウトランをやらせろと駄々をこねる幼...
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