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2017年03月08日

『111111』 を走破したプログレ讃歌

『111111』 を走破したプログレ讃歌 〜2000年5月からの伴侶「小さな高級車」STORY ①〜

「瑞兆(ずいちょう)」という言葉がある。佳いことの起こる予兆、めでたいことのある前兆という意味らしい。わたしの場合、同じ数字がきちんと揃うと、それが何かの瑞兆と歓んでしまう……。

 3並びの3月3日は桃の節句、朝から東京の空は見事に、明るく晴れ渡っていた。午前8時30分に最寄りの私鉄駅北口のロータリで、RJCメンバーの飯嶋洋治さんと待ち合わせている。11時から御殿場のホテルをベースにしたVOLVOの新世代フラグシップS90/V90の試乗会に、わがプログレで駆け付ける予定で、そのあとガンさんと久しぶりに懇談するつもりだった。





  8時20分になったところで、NIKONのカメラバッグに300mmの望遠レンズを詰め込んで(これで富士山を狙うつもり)、駐車場に降りる。
 前夜の雨で、プログレはしっとりと濡れたままで、朝の光を優しく受け止めている。くしゃみ一つでも、今にも雨滴がボンネットから滑り落ちそうだった。イグニッションKEYを優しくひねってやる。そしてODOメーターを確認する。

 111075。あと36kmで「1」並びとなる。プログレに、よくここまで連れ添ってくれましたね、と頭をさげる。さて、これから環八で用賀に出て東名高速に入るつもり。どこでその記念すべき瞬間が訪れるのか。

 飯嶋さんの柔らかい笑顔が待っていた。走り出してすぐに、ここから「111111」になる瞬間まで、ドライバーはわたしが務めることを伝えた。が、すぐに思い直す。

「恐らく、横浜・町田ICあたりだろうから……そうだ、その手前の港北SAで交代してもらって、カメラでその2度とない瞬間を、ぼくが撮ります」
 いつも勝手なことを押しつけてしまうわたしの注文に、飯嶋さんはやっぱりいつものように笑顔で受け止めてくれる。


 
 週末金曜日の環状八号線は、なかなか前へ進めない。こうなれば奥の手、かつて「FISCO通い」をしていた頃の抜け道ルートへ逃げこむしかない。

 青梅街道の手前から西寄りの古い幹道に入ると、交通量は途端に少なくなった。問題は渋谷と吉祥寺を結ぶ井の頭線の踏切と、その区間に限ってルートが午前9時までは、一方通行で進入できないことだった。ダメな場合は再び左折して渋滞している環八にもどるしかない。微妙な時間帯ではないか。

 ジャスト9:00。大きな神社脇にある問題の一方通行の出口に差しかかった。ありがたや、制限時間は解除された直後で、京王井の頭線富士見ヶ丘駅脇を抜けるルートに、先頭で突入できた。そのお陰で、甲州街道にぶつかったところで左折、すぐに環八へ流入。そこからは順調に用賀ICを目指す。

 プログレのメーターはまだ「1並び」までに、26kmほどの余裕を残している……。

 東名高速に乗ると直ぐに、プログレが甘えてきた。久しぶりに高速へ入ったんだから、ちょっと踏み込んで、エンジンのカーボンを吹き飛ばしてくださいよ、と。
「よっしゃ!」
 その声に、助手席の飯嶋さんが怪訝そうにこちらを見る。わたしの左手はすでに走行モードを変更できるスウィッチに伸びていた。ポンと左サイドに抑えてやると《ETC PWR》の青いランプがついて、プログレが変身する。3ℓ、ストレート6DOHCがクオーンと咆哮しはじめたのである。飯嶋さんもニヤリとしている。

「良い音、しますね」
「うん、プログレ・ミュージック!」
「嬉しそうですね」

 飯嶋さんは、かなり年季の入ったM3のオーナー、そして『自動車エンジンの基礎知識』と『自動車メンテとチューニングの実用知識』(どちらも日刊工業新聞社刊)の著者である。わかってくれている。






 多摩川を渡った。多摩丘陵南端の緩やかなアップダウンを東京料金所まで、プログレNC300 iRバージョンはODOメーターに「111100」の数字を刻みながら、いつもよりちょっとヤンチャに駆け抜けていった。

 予定通りに、トイレタイムを兼ねて、港北SAに滑り込む。「111107」か。もうすぐだ。イグニッションKEYを飯嶋さんに託して、後部座席からNIKONでその瞬間を待つことにした。なんだか妙にはしゃいでいるおのれに苦笑した。と、不意に湧いてくる想いがあった。
 
 あれは4年前、一旦は、このプログレを手放すつもりで『プログレへの別れ話』(こちらからどうぞ)を「みんカラ」に記しながら、話はやがて開発者であったTOYOTAの重鎮・和田明広さんに及んでいったあの頃、そして新車価格460万円強でわたしのもとへやってきた2000年の頃をなぞりはじめていた。




*初めてのロングドライブは2000年10月、四国への「ルーツ探訪」のお供だった。

 この機会に、いま一度、プログレとの関わりをおさらいしたくなってきた。
                  (以下、次回へ)
ブログ一覧 | プログレSTORY | 日記
Posted at 2017/03/08 15:16:12

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この記事へのコメント

2017年3月8日 19:07
プログレ懐かしいです。

私のプログレも26万キロを超えて

現在のオーナー様の所で

元気にしていると便りが来ました。

私のクラウンも、先日

11.1111キロを達成しました。
コメントへの返答
2017年3月8日 21:38
ご無沙汰です。

相変わらず、東奔西走の様子。何よりです。

プログレからクラウンにチェンジしたんですね。それぞれ、みんなが頑張っているようで、嬉しいですね。

この後の展開をお楽しみに。
2017年3月8日 22:35
こんばんは。
融雪剤が(殆ど)無い乾燥路が羨ましいです。

1並び、13万kmでやって来たティアナを除けば2台が達成済み、2台が10万kmちょっとで足踏みですが、定期的に手を入れてあげれば本当に単なる通過点でしかないような気がします。

続編楽しみにしています。
コメントへの返答
2017年3月9日 8:16
レスポンス、遅れました。

おはようございます。融雪剤と戦っているお国の人が、こんなにもクルマを長持ちさせているのに・・・・・・負けた気分です。

この「プログレSTORY」、結構、いれこんで書けそうです。
2017年3月9日 22:57
プログレはすごい気になる車なので今度機会があったら隣に乗せてください。
コメントへの返答
2017年3月9日 23:50
どうぞ、遠慮なく、ステアリングを握ってください。

ちょっといい感じで、動きとシンクロするステアリングの反応を是非どうぞ。

適当な時に足を運ばれたし。
2017年3月12日 12:21
こんにちは、陽射しが段々春らしくなってきました。

プログレ、今の時代にないのが惜しいですね。
和田さんのエピソード、懐かしいです。
コメントへの返答
2017年3月12日 19:42
明るい陽射し。南四国のそれは、一段と眩しいそれだろうな。

和田さん、ご健在なうちにもう一度会って、プログレ談義を聴いておきたいものです。
2017年3月14日 22:09
 マツダ クロノスは、5ナンバーサイズのエンジンに3ナンバーサイズのボデーで当時全く売れませんでしたが、今やそんな車が多数を占めています。次代カローラも3ナンバーになるとかならないとか。今や5ナンバーサイズであること自体が稀少なのに、それに3ナンバーサイズのエンジンを搭載する、孤高の贅沢車です。

*親戚はプログレを処分してマツダ車に、ブレビスは残しているようです。
コメントへの返答
2017年3月15日 19:30
一度、乗ってもらった後、足元を本格的にリニューアルしましたが、それは乗ってもらったでしょうか?

ますますこの手の直6エンジン車を、残しておきたくなりました。

また、どうぞ。
2017年4月26日 18:35
初めまして。以前から拝見させて頂いております。

プログレの1並び、おめでとうございます♪。まだ僕は免許取得まで1年を残す若造ですが、プログレは気になっている一台なのです。しかし、どうしても「初めての愛車にはY31セドリック・シーマかY31セドリックを」と思っているため、オーナーになる日はいつになるやら、なのですが(苦笑)。

「いつかはクラウン」ならぬ「いつかはダークレッドマイカのプログレ前期NC250」という想いを秘めて、頑張っていく所存です。
コメントへの返答
2017年4月26日 21:34
こんばんは。初めまして。

免許をとったらNC250のオーナーになる。すてきなアイディアじゃないですか。それもダークレッドマイカ。

お住まいが東京近辺なら、是非一度、わたしのプログレに乗ってみてください。連絡は「メッセージ欄」からどうぞ。


スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

プロフィール

「送りバントを処理した捕手からの何でもない送球をポロリとやって、無様な空振りを続けていた佐藤輝が2軍落ちしたまままだ帰ってこない。この日、G倒甲子宴のヒーローに選ばれたのは3番の森下。ヒット&ランのサインが見逃して1塁走者の中野を犬死にさせながら、直後に安打。そんな奴を選ぶなよ!!」
何シテル?   05/26 11:35
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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