苦節30年!
石の上にも30年!
トヨタが悲願のルマン初優勝!
おめでとうございます!
\(^o^)/
・・・って素直に称賛してあげたいんですよ、
私ホントに頑張れトヨタ!って思ってましたからね。
ルマン24時間レース優勝!
凄い!
たしかに凄い!
んだけども・・・・
何でしょう?このもやもやとした感情は・・・・
端的に言うと、
アウディもポルシェもルマン24時間から撤退して、同クラスのワークスマシンはトヨタだけです。
ライバル不在、そこに何か伝説は生まれたのか??
無論、
レーシングスピードで24時間を競技車両が走り切る、その行為そのものは並大抵の事ではありません。
しかも今回のトヨタは確実に以前を上回るパフォーマンスで優勝しているんですから、
そこに誰も疑問を差し挟む人は居ないでしょう。
しかし、何とも「遠すぎた勝利」であったような気がしてならないのです。
(決して
”遅すぎた勝利”ではありませんので、念の為)
ノルマンディー上陸作戦以降の第二次大戦、連合軍が実施した
マーケット・ガーデン作戦と、それに続く、レマゲン鉄橋を巡る戦い。
トヨタのルマン優勝はまさしく私にそれを連想させました。
物量で勝り、連戦連勝だった連合軍のモントゴメリー元帥はマーケット・ガーデン作戦で一気にドイツ占領下に空挺降下で侵入し、ライン川にかかる橋を奪取して、短期にベルリンを攻略すると言う大胆な作戦を実施しました。
「クリスマスまでには戦争を終わらせる」
と自信満々だったそうです。
この
状況はトヨタも似ていて、WRCで一時代を築き、第一次ルマン参戦でも好成績を上げて
ヨーロッパに現地工場を次々と建設し、順調に
欧州でのシェアを伸ばしてイケイケだったトヨタは、
一気に欧州市場を席巻するために数十億の供託金をポンと払ったり、デザイナーをライバルチームから強引に引き抜いたりして、
F1参戦を決定します。
「3年で優勝、5年でF1のチャンピオンチームを目指す」
と、当時の記者会見では豪語しました。
ところが・・・・
連合軍もトヨタも、待っていたのは無残な敗北でした。
連合軍は精強なドイツ軍の反撃に遭遇し撤退を喫し、
連合軍がライン川を渡ったのは、ドイツが本格的に弱体化して橋を爆破する爆薬にすら困窮する様な状態になり、やっとレマゲン鉄橋を奪取した翌年の3月で、ドイツ降伏の僅か2ヶ月前。
トヨタもF1で140戦して未勝利と言う前代未聞の惨敗とリーマンショックのダブルパンチ更には日本GPを富士で開催した際には未曾有の観客軽視の運営の混乱を発生させ、宣伝どころかイメージダウンとなり、F1を撤退。
そして、トヨタが第一次ルマン初参戦から30年後の第二次ルマン参戦で初優勝した時は、ライバルたちはハイブリッド技術の世界シェアでトヨタに市場を席巻され敗北が確定したため、これ以上ハイブリッドに投資する必然を見失ったドイツメーカーはルマンを見限り、戦場から去った後でした。
皮肉なことに、
トヨタはF1でドイツ勢に殆ど叶わず、ルマンでもドイツ勢に叶わなかったと言う状況まで似ていますし、
戦術的には負けていても戦略的には勝利したと言う連合軍の状況ともオーバーラップします(^_^;)。
戦争とスポーツを一緒にしてはいけないのです
が、どちらの事例も
何処か持てる者の側に「傲慢」さと「敵への侮り」が有ったような気がしてなりません。
物量や力で勝る強者が、陥りがちな事ですが、
「勝つまでやる、最後まで立っていた者が勝者だ」
それは戦略的には
その通りですし、事実です。
トヨタの勝利はまさしくそれそのものだったと感じた人も居たのでは無いかと思います。
私も偽らざるその一人です。
翻って、トヨタが優勝するまで唯一の日本車の優勝車であった
マツダはどうでしょう?
マツダの優勝は伝説として語り継がれていますし、これからも
永遠に人々の記憶に残り続けるでしょう。
同じ”一勝”
しかし、
マツダの優勝はあまりにも劇的な勝利でした。
無論偶然と言う事も言えますし、幸運(いや、不幸?)という事も言えると思います。
すべてが偶発的なことだから意味がないって言う人もいるのかも知れません、勝利は必然でなければならないと言う考えもそれはそれで真理だと思いますし、
マツダの優勝も必然だったのかもしれません。
それにしても、
マツダはあまりにも逆境で、そしてあまりにも奇跡が起きすぎたのです。
日本でのシェアも下位に甘んじ、レースはプライベーターとして参戦し、資金もなく、協力者も殆ど居ない、
手探りの弱小チーム。
マツダの社内で見るに見かねて
ワークス参戦した後も、負け続けてそろそろ
10年。
更には
レギュレーション変更でロータリーエンジンの参戦は風前の灯。
並み居る
ライバルの巨大な壁、
プジョー、ポルシェ、ジャガー、そして
メルセデス。
これで最後というルマンで。
奇跡の逆転優勝!
(興奮した観客がコースになだれ込み、熱狂する様子、仕方ないのでピットレーンでチェッカーを受けたマツダ787B)
これほどの伝説は生まれる事自体が難しいでしょう。
多分
二度と起こらない奇跡ですが、
この一勝がマツダというブランドとロータリーエンジンという技術を世界に轟かせたと言っても過言ではないと思います。
その後のマツダはロータリーエンジンに何かと縛られてしまい、その事自体が結果的にプラスにもマイナスにも働いてしまった様な気がしますが、それもあまりにも劇的だった伝説が生まれたおかげと言う事も言えますし、
消費者サイドとしても、永遠に忘れることは出来ない勝利と言う最高のマーケティングになりました。
では
トヨタがマツダの様な”伝説”となるためにはどうしたら良いのか?
それは
続けること
それ以外に無いんじゃないか?と思います。
ルマンで勝って勝って勝ちまくる。
来年も
再来年も
次もその次も
ずっとF1の王者に君臨し続けていたフェラーリのように
ずっと耐久レースに君臨し続けていたポルシェのように
ルマンの王者として君臨するのです。
そして、
唯一のワークスという立場を利用して、どんどん主催者側に意見を言って、時代に求められるレースへと変革を促して、
ルマンの勝利を価値有るものとし続ける。
トヨタのマシンをかつてのポルシェの様に
他チームに供給すると言うのも良いでしょうね。
世界3大レースであるルマンの栄光は今後も色褪せないでしょう。
レーシングスピードで
24時間サーキットを走らせるという事は、どんな立場から見ても偉大な挑戦ですから、魅力ある戦いの場として、
今後はトヨタがルマンを引っ張っていくと言う姿勢で是非頑張ってほしいと思います。
そして、
新たなる挑戦者が現れた時に、絶対無敗のチャンピオンとして、堂々と戦ってほしい!
今は伝説への架け橋の端に立った所なんじゃないでしょうか?
これからも
戦い続ける事が出来るかどうかが試されているのだと思います。
私自身も小学生の頃、
「栄光のポンコツ車」
と言う小説を読んで、
ルマン24時間のファンになり、
バブルの頃のルマンの24時間中継は、毎年楽しみにしていたのです。
ワークスが次々と撤退して、
ルマン24時間やWEC自体が草レース化したらちょっと寂しいし・・・
私、傲慢じゃない浪花節のモリゾウ社長好きなので、個人的にも
応援してますよ!!
頑張れトヨタ!
そして、
ルマン初優勝おめでとう!!
<遠すぎた橋のシングルカット、いい曲なんですよね~、空軍大戦略と遠すぎた橋と史上最大の作戦の音楽大好きです!>
Posted at 2018/07/04 20:41:23 | |
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