タイヤチェーン装着車での運転にはコツが必要

2019年1月16日

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タイヤチェーンを装着した際はいつもとはまったく違うドライビングが必要です。タイヤチェーンを装着するということは、クルマにとっては異常事態ともいえるほどに特殊な状況です。そこを理解して運転しないと、間違った方法で運転しまい危険な事態に陥ることも考えられます。まずは知識として、頭にいれておきましょう。

金属チェーンは30km/h、非金属チェーンは50km/hが限界

チェーン装着時には走行速度に制限がかかることを知っていてください。一般的な情報ですが、金属チェーンは30km/h、非金属チェーンは50km/hが限界となっています。正確な数値についてはタイヤチェーンの説明書に記載されているはずですのでそれを参考にして下さい。

タイヤチェーン装着時、クルマの性能は普段とはまるで異なるものになります。クルマの走行性能はタイヤと路面のグリップで決まりますが、そのグリップが最低レベルまで落ちます。タイヤチェーンを巻いた状態では500馬力のクルマも40馬力のクルマも走行性能は大して変わらないということを覚えておきましょう。とくに金属チェーンの場合はそうなります。どちらかというと大パワーのクルマのほうがアクセルコントロールがシビアになるぶん、難しいかもしれません。

よく言われることですが「急」が付く操作は禁物です。たとえば加速の際、急加速をしようとしてもタイヤチェーンと路面がグリップしませんから、加速はせずに空転するだけです。ですのでゆっくりと加速することが大切。コーナーでもしっかり速度を落として余裕を持ってハンドルを切ることが大切です。

ブレーキも同様に早めに踏み始めていくことが大切ですが、危険な状況になったら急ブレーキを踏むしかありません。現代のクルマはABSを装備していますで、急ブレーキを踏んでも効率よくブレーキが効きます。しかしABSはブレーキを効かすことが目的ではなく、ブレーキを踏んでいるときもハンドル操作が可能になることを目的にしています。つまりブレーキを踏みながら回避することが目的です。回避できる場合は回避しますが、この際に大切なのが逃げる方向をしっかり見ることです。見ることができれば自然にハンドルを切って回避可能です。最後まで、完全停止するまでブレーキは決して緩めません。

チェーン装着時の走行モードは?

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現代のクルマにはさまざまな走行モードが選べるようになっています。スノーモードが用意されているクルマはスノーモードを選ぶのが基本だと思ってください。スノーモードにすることで、出力カーブがゆるくなりアクセルに対する反応がゆったりとなりますので運転が楽になります。スノーモードがないクルマの場合はエコモードなどでも同様の効果が得られます。そうしたモード設定がない場合はゆったりとアクセルを踏むことが大切です。ATで2速発進が可能な場合は2速発進をしましょう。MTでの2速発進は普段使っている人にはオススメできますが、馴れない人がやるとクラッチを傷める可能性があるのであまりオススメできないです。

そもそもですが……チェーンはどこに巻く?

雪が降ったときに走っている車を観察していると、チェーンを間違ったほうの車輪に巻いている人をたまに見かけます。タイヤチェーンは駆動輪に巻くのが基本です。FFなら前輪、FRなら後輪です。では4WDはどうするか? そのクルマの基本駆動方式のほうです。ラインアップ中に2WDがある場合、その2WDが何駆動かで判断できます。また2WDに切り替えることができる場合は2WDにしたときにどちらが駆動するかです。4WDしかないクルマの場合は説明書に記載されているとおりです。まあ、どんなクルマでも説明書に記載されているでしょうし、万が一説明書がなくてもディーラーやメーカー、インポーターに問い合わせればわかるはずです。

金属チェーンは、タイヤに対してゆるく装着されることが多くあります。そうした場合、トラクションコントロール(TCR)が働くことがあります。トラクションコントロールはタイヤが空転したときに出力を抑える装置ですが、タイヤチェーンのなかでタイヤが空転してしまうとトラクションコントロールが作動してしまうのです。こうなると駆動力は路面に伝わらないのです。こうしたときはトラクションコントロールをオフにして走ることと、タイヤチェーンをしっかりとまき直すことも大切です。


(諸星陽一)

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