
先日Novvi社の第1世代バイオシンセティックNovaSpecについて書きましたので本日は現行第2世代のSynNovaについて書いてみます。
NovaSpecは現在販売されているのか不明なので限定公開としました。
ちなみにバイオシンセティックオイルはSSBO(Sustainable Synthetic Base Oil)なんて呼ばれています。
Novvi社のバイオシンセ第1世代は酵母が炭化水素を合成する画期的な方法でしたが、酵母の発酵を待たなければならず生産効率が良くなかったようです。
第2世代は構造から一新されてバイオPAOと呼ばれるものに変わりました。
第1世代のファルネセン重合体もかなり魅力的でしたが、第2世代は果たして?
まず原材料ですが、第1世代はサトウキビ由来の糖(スクロース)を特殊な酵母で発酵させて炭化水素を合成していましたが、第2世代は一般的な植物油脂に変わりました。
パーム油、キャノーラ油、トウモロコシ油などなど。
原材料に汎用性があるところがまず第1世代と違いますね。
植物油脂を加水分解してステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸などC16~C18の脂肪酸だけを抽出します。
このままではOを含んだ脂肪”酸”なのでこれに水素を添加して脂肪族アルコールに還元反応させます。
この後、脂肪族アルコールを触媒を介して脱水処理をして
リニアαオレフィン(LAO)を生成します。
(植物由来のC12~C14のLAOも開発中らしい)
LAOの構造式はこんな感じ
以降の全ての構造式は不正確です。イメージとして見てください。
二重結合が端にあってそのままでは不安定なのでメタロセン触媒を介してこれを重合化します。
水添処理など最終処理を介してSSHC(Star-Shaped HydroCarbon)の出来上がり。
いわゆるバイオPAOと呼ばれるやつです。
それぞれの合成炭化水素がどんな構造なのかAIに書いてもらいました。
Cは30位あるものとして見てください(100℃動粘度4のイメージ)
間違いありましたら指摘をお願いします。
SSHC 星状、中心核のC(+と書いてるけど)からリニアαオレフィンが伸びる、小さく纏まる
GTL 直鎖、長い紐に時々枝
PAO
1-デセン(C10のリニアαオレフィン)が基本形態だけどランダム
私たちが思っている以上にLAOの形を維持してない。
mPAO
C30H62で書かせたので実際はムカデの足がもっと長いはず。
直鎖にLAOの足が付く感じ。PAOより規則的。
ファルネセン重合体(Novvi社バイオシンセ第1世代)
直鎖に枝が付く、枝はメチル基(CH3)は規則正しく配置
VHVI含めた鉱物油は炭素数がそもそも揃わないし、鎖が歪んていたり、メチル基ところどころ入ったりバラバラです。
炭素数だって奇数配列もあると思います。
(手が余計になるので何かとくっ付く)
VHVI4と言っても平均分子量が4相当粘度というだけで炭素数は適当。
放射状に広がるSSHCは理想的な構造的をしています。
他の合成油に比べて広がりが小さいので同じ分子量でも他の合成油よりも低粘度で振る舞うでしょう。
GTLは引っ掛かり(枝)が少ないので滑らかに滑る。
mPAOはムカデの足が長いイメージ。
ただ、こちらも1-デセンを基本とする構造体なので立体的とは言え大きくなりがち。
ある程度分子量が増えたら粘度指数向上剤の方が用途として向いてるかもしれません。
実際そうなってます。
実際のオイルの中にはこれらの構造体が沢山一緒に入ってます。
直鎖や星上の炭化水素は隙間無く並びやすいけどPAOやファルネセン重合体のように枝があると引っ掛かってしまい綺麗に並ばない。
ただし、綺麗に並びすぎると動かなくて固体化するので絶妙にノイズが入りつつ整った構造が必要なようです。
これらも理論上の話であって、分子量が大きくなった方がより滑らかですしPAOよりGTLの方が滑らかだ!とは一概に言え無さそうです。
この比較論は鉱物油より遥か上空でのハイレベルな争い。
VHVIを50としたら100~130とかそんな世界線。(言い過ぎ)
と言うことで非常に理想的なSSHCですが、どうやらこの植物油由来の合成炭化水素は
Gr.IVで承認されたという話です。
なのでバイオPAOなんて表現が出てきています。
ただ、製造元のNovvi社は未だに
SynNova(SSHCの商品名)をGr.IIIと謳っていますし正確なところは判りません。
まあ、GTLだってGr.IIIと言うには高性能過ぎますしそろそろAPIのグループ定義を見直す時期では無いでしょうかね?
ファルネセン重合体は酵母が作る規則正しい合成炭化水素ってところにロマンがありましたが、SSHCの美しい配列を見るとやはりこちらも理想的。
何となく構造式が美しいでしょ?知らんケドw
ROWEのSUNSPEEDのレビューはもう少し先です。
出光の固体潤滑材評価が終わってません!
0W-20のLONGLIFE IVとC5両方買いましたよw
関連ブログ
・植物由来の合成油
・NovaSpec(第1世代) ファルネセン 酵母が合成するオイル (限定公開)
Posted at 2026/05/14 12:45:59 | |
オイル | 日記