
以前に
ディーゼルエンジンのオイルというブログを書きました。
PVがかなり出るのですが、自分でディーゼル車に乗るようになって知ることもあったので改めて書いてみます。
どういうオイルを選ぶべきか?
前回のおさらい
・DL-1規格品はベースオイルを疑う。鉱物油ベースは避ける。
(VHVIとかGTLベースオイルのものを選ぶ。化学合成油表記は信用しない)
・ACEA C5規格ならトヨタ純正C5 0W-20を
・DPF再生間隔が長いものは良いオイル。
基本的に今回言いたいことも同じです。
重要なのは
「DPF再生間隔」
これに尽きます。
上で色々書いてますが、鉱物油だろうが純正だろうが現状DPF再生間隔が500kmを超えているような車両は乗り方とエンジンオイルがマッチしています。
ここから先を読む必要はありません。
もっと再生間隔を伸ばしたい。現状300km以上伸びない人は読んでください。
ボルボV60は一昨年の8月に購入したのですが、エンジンフィールが随分良かったのを覚えています。
エンジンオイルが凄く良さそうな感じでした。
体感とても良かったので何km乗ったか判らないオイルなのに3000kmも乗ってしまう程…
これはMobil1に入れ替えからも「前の方が良かったな」と思えるほどでした。
前オーナーに直接聞けなかったのですが、入っていたオイルはMOTUL8100のようでした。
(もしかたらSPECIFIC RBS0-2AE 0W-20かも?)
個人的にMOTULは8100とか4100が好きだったのでこれは納得。
でも、これがベストか?というとちょっと違う。
これは購入直後のボルボのDPF再生間隔の記録です。

10/25にエンジンオイルをMobil1に交換しました。
以降は0W-20ないし0W-30のMobil1を使っています。
DPFの再生間隔が600kmで張り付いているのが判りますよね。
V60は600kmでDPF強制再生に入るのでホントはもっと伸びてる。
これは今も一緒です。ずっと600km間隔。
対してMOTULの時は300kmくらい。
再生中に止めてしまうと100km間隔な時も?
グラフでは2プロット分しかMOTULありませんが、それ以前もこんな感じです。
Mobil1も再生中に停めてしまうと次回再生までの間隔は短くなるのですが、それでも600kmが3~500kmになる程度で差は歴然でした。
MOTULとMobil1の違いはベースオイルです。
MOTULはGr.III鉱物油(VHVI:高精製鉱物油)でMobil1はGTL(天然ガスベース)です。
MOTUL以外も大半のメーカーはVHVIですのでMOTULがダメという意味ではありません。
VHVIと合成油の差が体感では出ないけどDPF再生間隔では如実に出る。
それだけ不純物に差があるということです。
VHVI含む鉱物油は分子量が揃っていないため軽量な分子のオイルは蒸発しやすくこれが煤の発生源となります。(Noack)
鉱物油だとここに芳香族系の炭化水素が加わりより不純物が増えます。
GTLやPAOのような本当の化学合成油は芳香族を含みませんし、分子量もそろっているので蒸発するオイルな少なく煤の影響は少ないです。
煤の発生源は軽油も半分あるので軽油の芳香族系の影響の方が大きいと思います。
VHVIベースオイルでも長距離乗れば再生間隔は伸びると思います。
恐らく500km以上も可能な筈です。
重要なのは普段使いでも再生間隔が安定しているか?です。
瞬間燃費計で30km/Lを超えるような希薄燃焼中は排気温度が250℃を超えるので煤は増えません。むしろちょっと減る。(酸化減少)
商用車が乗用車ほど煤の問題を聞かないのはこれです。
(とは言え商用車もGTLやPAOベースに変えると再生間隔が伸びます)
ディーゼルの煤が出るのは加速時です。特に発進時。
ガソリン車に関してはある程度体感に頼っても良いけどディーゼルは数値でモニターすることも重要だと痛感した次第。
体感が良いオイルでも煤は出ている。
元々の考えは合ってたので答え合わせが出来た感じですね。
重要なのは自分の体感とそれを裏付け出来る化学的根拠です。
逆に言うと、
「ベースオイルより添加剤が重要」と言うオイル屋さんはこういう理屈を逆手に取って販売しているということですね。
Gr.II鉱物油ベースでも添加剤で何とか初期性能を誤魔化して売る。
「フィールがいいなら問題ないじゃんって?」
不純物入りの鉱物油は当然煤も出るしスラッジも出ます。
カーボンは硬い物質なので金属を摩耗させます。
AP SP規格はLSPIとチェーン摩耗規制があります。
発生するカーボンでチェーンが摩耗するそうです。
当然チェーン以外にも影響があるので「鉱物油の方がいい」なんて理屈はやはり無理があります。
第一に再生間隔が半分以下だから燃費も結構悪化していると思いますよ。
燃料希釈も増えるからオイルの寿命は更に短くなるし。
以上、色々書きましたが、これはトヨタからのメッセージを読み取っただけです。
トヨタ純正オイルはガソリン用はエネオスと出光のVHVIないし鉱物油ですが、ディーゼル用は依然エクソンモービル製のGTLを使っています。
GRスープラ用もBMW純正をそのまま流用。(これもGTL)
リスクがあるところにはコストを掛けています。
煤の問題を一番知っているのは自動車メーカーなので当然の処置ですよね。
SN規格の頃はガソリン用もGTLを使用していましたが、あればGRエンジン(V6直噴)の煤対策だったのだろうな、と想像しています。
あのD-4エンジンも結構問題になってましたからね。
まとめ
・ベースオイルは本当の合成油ベースのものを選ぶ。VHVI除く。
・DPF再生間隔が長いものは良いオイル。
じゃあ、本当の合成油(GTLやPAO、POE)がベースオイルのディーゼル用オイルはどれか?
0W-20から5W-30をリストアップしました。
DH-2やACEA E規格品(商用車用)は載せていません。
・シェルヒリックスウルトラ ECT C6 0W-20
・シェルヒリックスウルトラ ECT C2/C3 0W-30または5W-30
・Mobil1 0W-20(ACEA C5適合)
・Mobil1 5W-30(ACEA C2適合)
・トヨタ C5 0W-20 for Diesel
・トヨタ SP 0W-20 C5 Supra
・トヨタ DL-1 0W-30
・ユニオパール OPALJET X-TREME 5W-30 ACEA C4
・Cumic マ ル チ デ ィ ー ゼ ル DL-1 0W-30
・スピードハート フォーミュラーストイック、他
・ROWE SYNT RS LONGLIFE IV SAE 0W-20(C5とVW508/509)
・ROWE SYNT RS C5 SAE 0W-20(C5、C6、SP対応)
・ROWE SYNT RS DLS SAE 5W-30(C3、SP、VW505)
・ROWE MULTI SYNT DPF SAE 5W-30(C3、SP、VW504/507対応)
この他にもありましたらコメントください。
Mobil1 EPS 5W-30は今はVHVIベースなので除外。
Mobil1 5W-30はACEA C3より少し柔らかいC2適合品です。
Cumicは激レアPAOベースのDL-1適合品です。
Cumic DL-1 5W-30はVHVI+鉱物油で別物なのでご注意を。
トヨタDL-1も5W-30はVHVIベースです。
スピードハートは結構あります。
この中でC3、C5、DL-1に適合するオイルが結構あるのでそこから選べはOK。

スピードハートのディーゼル専用オイルはVHVIベースなのでせっかく購入するなら上のリストに掲載されているPAOかPOEベースのオイルが良いでしょうね。
LOVCAのユーロスポーツの5W-30と5W-40はPAO+VHVIと書いてあるのですが、どちらがベースオイルか不明なので記載しませんでした。
この他だとBMW、VW、メルセデスベンツの純正オイルもGTLベースです。
MB229.52は以前は国産のゴ〇オイルでしたが、中国製に変わってからベースオイルがGTLになり良くなりました。国産の方が粗悪品とか情けない…
プラボトルのやつがGTL版です。金属缶の4Lは鉱物油です。ご注意を。
今はMB229.52(5W-30)、MB229.71(0W-20)ともにGTLベースです。
低灰分らしくガチャガチャ煩いのでおススメはしませんが。
GTLやPAOベースに変えてもDPF再生間隔が伸びない場合はDPF圧力センサの閉塞の可能性があります。
整備工場でセンサー異常が無いか確認してもらってください。
以前その辺の理屈を
ブログで書きました。
【余談】
マツダのCX-60やCX-80の直6ディーゼルのDPF再生間隔は1400kmくらいまで伸びるそうです。
純正オイルが変わった?もしかしてシェル製になった?
詳細不明ですが、出光製の鉱物油のまま再生間隔が伸びたならマツダの技術の勝利ですね。