
若い頃、マツダのディーラーの整備として就職した友達がいて、下取りで廃車にすると言う3代目カペラを店長から5万円で譲ってもらい、閉店後、友達と一緒に整備して車検を取り乗り回した。
重ステ、手動ウインド、4速マニュアル
スタイルなんてどうでも良かった
色なんてどうでも良かった
車名なんてどうでも良かった
パワーなんてどうでも良かった
ただ自分の、自分だけの車に乗って何処へでも行ける。
もうそれだけで嬉しくて嬉しくて、、、、、
ぶつけてドアは開かない、フェンダーは取れてタイヤは丸出し、バンパーは取れてしまっていたけど、運転が凄く楽しかった。
濃厚な1年だった。
あれから30年以上経って、色々な車に乗ってきて、今はランクル300、718ボクスターs、トイファクトリーROBO、ボルボC70と4台所有
でも、あの頃のときめきはもう無い、、、、、
20歳でカペラを手に入れてから、ボロを買い、乗り回し、またボロを買って、ただただ乗り回す事が楽しかった20年間。
貧乏だったからこそ、上を見ず、純粋に手に入れられる価格の車と言う1点だけで選んで転がしていた頃が一番楽しかった気がする。
月2万円の12回払い、そんなじり貧の中の車は、まさに宝物だった。
不足が有るから、不満に思うから車に手を加えるし、それが自分の色に染める事にもなり、世界で1台の自分の車と言う満足感にも繋がったんだと思う。
でも、10年程前から、車はただ楽しい乗り物からステータスに変わってしまった気がする。
スタイルが気に入らないと触手が動かない
メーカーや社名、グレードが大事
パワーが無いと乗る気にならない。
乗り心地はやっぱり一番大事。
他人の目が気になる、、、、、、、
有る時、ヤフオクでプジョー207CCが30万円で出品されていた。
オープンカーは憧れでプジョーにも興味が有った。
まだその頃は妻と僕の2台所有が限界だったので、帆のオープンカー夢物語と諦めていた所にクーペコンバーチブルと言う機構に心が動いた。
このサイズなら露天でもOKだし妻の通勤にも使える。
4人乗れると言うのも後押しして手に入れた。
実際乗ってみると免許取り立てのあのワクワク感が蘇って来た。
クローズにすればクーペ、開けると解放感。
この特別感に、このスペシャルな体験にワクワクが止まらず、ただただ走る事がまた楽しくなった。
凄く手の焼ける子だった。ボタンはベタベタで海外から部品を輸入して取り換え、グズグズだったシートは程度の良い中古と入れ替え、曇ったヘッドランプは研磨。
液晶が消えて海外オークションで購入して取り換え、ルーフが動かなくなって修理、、、、
そんな手が焼ける所も、若かった頃の自分で弄るワクワク感と重なったのかもしれない。
久々にいじる楽しみが蘇ってきた。
世の中、こんなに沢山の自動車メーカーが有り、これだけ沢山の車種が有るのに、乗らずに死ぬなんて勿体ないと思うようになり、色んな車に目が行くようになった。
シトロエン、プジョー、DS、レンジローバー、ポルシェ、ボルボ、JEEP
どのメーカーも色が有り楽しかった。
今後、所有してみたいと思うのはマセラッティ、アルファロメオ、ロータス
でもメルセデス、アウディ、BMW、フォルクスワーゲンには全く興味が湧かない。
ポルシェ以外のドイツ車には全く触手が動かないのは自分でも不思議。
そんな星の数程ある車の中で乗ってみたいと思っても1番手が出しにくい車
2シーター、幌のオープンに乗ると言うのは、自動車の中では一番無駄で実用性が無く贅沢な道楽だと思う。
ポルシェ 718ボクスターS
2人しか乗れない
荷物も積めない(後から718ボクスターは日常困る事が無い事が解る)
雨の日は乗れない(乗りたくない)
音が煩い(718は静かな方だと今は思う)
目立って恥ずかしい(みんなそれ程こちらを見てないと思う)
乗り心地が悪い(得に助手席に乗る人は感じると思う)
オープンにすると髪の毛が乱れるし日光がキツイ(妻談)
乗降が大変(これは慣れるしかない)
正直、走る事に全振りした実用性0の運転を楽しむ為だけに作られた車
車両が高価と言うのは置いておいても
家族が全員が乗れないから
幌車を雨ざらしに出来ない
複数台所有出来ないとこの車は無理
と、とにかく手に入れる為のハードルが高く孤高の存在。
プジョー207CCでオープンカーの魅力に開眼
1台で2台所有している様な、日常と非日常が1台に混在している様な高揚感。
その後C70に乗り換え207CCの時の感動はそのままに、モアパワーの快感。
滑るように走る気持ち良さ。
別宅を手に入れ、駐車場が6台分になり、カーポートを設置して雨ざらしにしなくて良くなると、ムクムクと幌車が視野に入って来て、、、、、、
そんな時に見つけてしまった、今所有している718ボクスターS
でも、C70と入れ替えのハズが、手放せず何故かオープン2台持ちに、、、、
C70と718ボクスターS
なぜオープンカーを2台も所有するのか?
と言われる事が有るけど、この2台、似て非なる物
C70は4人が快適に座れるクーペコンバーチブルで、冠婚葬祭に乗って行っても、気分がアゲアゲなパレード気分な時にも対応可能な1台。
4人で1泊2日の旅行に行ける程便利で、炎天下でも雨でも閉めれば普通の車として使える。
しかも滑るように走り、230馬力の5気筒エンジンはアメ車の様な不等和音を轟かせ、ホイルスピンしながらダッシュする俊足
718ボクスターSは街乗りでは大人しく、峠に放つと恐ろしくソリッドに駆け抜ける。その2面性がたまらない。
ベースグレードでは低回転のパワー不足にちょっとイライラしてしまうけど、S以上に搭載されている「可変ジオメトリーターボ」は低回転からターボが効き始め、あっと言う間にレッドゾーンに。ハンドリングは正確無比。MRなのでヒラヒラと鼻が軽く運動性はC70とは段違い。
このグラファイトブルーメタリックの718ボクスターSは、内装の配色も相まって特別な1台だと思う。
どうしてもいつかは所有したいと思っていた1台。
たまたま所有する事が許される環境になったから手に入れられた。
そして、ボクスターSが所有出来る環境が有ると言う事は、更に趣味に全振りした車だって所有可能。
それは今まで考えもしなかった様な選択肢が広がると言う事、、、、、、
モーガンを所有したと言う気持ちがムクムクと、、、、、、