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2015年05月24日

G’s紀行 上州編 < ユネスコ世界文化遺産 富岡製糸場と絹産業遺産群 >  

G’s紀行 上州編 < ユネスコ世界文化遺産 富岡製糸場と絹産業遺産群 >  









群馬県では古くから養蚕、製糸、織物といった絹に関する産業が盛んで、絹産業に関する文化遺産が数多く残っています。平成26年(2014)にユネスコ世界遺産一覧表に登録された『富岡製糸場と絹産業遺産群』について紹介してみようと思います。

富岡製糸場
券売所から入るとすぐ正面にある木骨レンガ造の建物が東繭倉庫です。明治5年(1872)に建設された長さ104.4m、幅12.3m、高さ14.8mの建物で、1階は事務所・作業場などとして使用し、2階に乾燥させた繭を貯蔵していました。




西繭倉庫
東繭倉庫と同様、2階を繭の貯蔵庫として使用していました。建物の構造・大きさは、ほぼ東繭倉庫と同じです。





敷地面積53,738㎡(16255坪)の場内です。幕末開港した横浜港から生糸が主要な輸出品となっていましたが、粗製濫造の横行によって国際的評価を落としていました。そのため、官営の器械製糸工場建設が計画されるようになりました。
富岡製糸場は明治5年(1872)にフランスの技術を導入して設立された官営模範工場で、器械製糸工場としては、当時世界最大級の規模を持っていました。そこに導入された日本の気候にも配慮した器械は後続の製糸工場にも取り入れられ、働いていた工女たちは各地で技術を伝えることに貢献しました。

明治26年(1893)三井家に払い下げられ、明治35年(1902)原合名会社、そして昭和14年(1939)に現在の片倉工業株式会社(東証1部、本社東京)の所有となりました。
片倉工業は昭和62年(1987)まで操業を続け、閉業した後も解体・売却は行わず、年間1億ともいわれる経費を使い土地・建物を維持・管理し続けました。
平成17年(2005)に富岡市に譲渡(土地のみ有償、建物は無償)しました。






繰糸場
長さ140.4m、幅12.3m、高さ12.1mのこの繰糸場で、女工たちが繭から生糸を取る作業を手作業で行っていました。
開業当時は、工女の求人を出しても「工女になると西洋人に生き血を飲まれる」などの根拠のない噂話が広まっていたことなどから思うように集まらず、苦心した初代工場長は、その噂を打ち消すため自らの長女を工女として働かせました。





内部の様子です。昭和62年(1987)当時の機械がそのまま現存してあります。







女工館
日本人工女に、器械による糸取の技術を教えるために雇われたフランス人女性教師の住居として建設されました。
初代工場長・尾高惇忠(おだか じゅんちゅう)の長女・勇(ゆう)や、ここでの技術を郷里に伝えた和田 英(横田 英)らの工女が生まれました。





ブリュナ館
開業当時、指導者として雇われたフランス人、ポール・ブリュナが家族と暮らした住居です。開業当時は、赤字経営が続きました。その原因は、フランス人技師らへの高額な給料でした。ブリュナが日本を去った明治8年(1875)以降は黒字に転換し、日本産の生糸はやがて米仏で高い評価を受けることになりました。





寄宿舎
工女たちの労働環境は充実していました。当時としては先進的な七曜制の導入と日曜休み、年末年始と夏期の10日ずつの休暇、1日8時間程度の労働で、食費・寮費・医療費などは製糸場持ち、制服も貸与されました。
写真は明治15年1882)建設の工女たちの寄宿舎です。過酷な労働を強いられがちなイメージがありましたが、富岡での労働環境は意外にも良好なものであったようです。






午前9時の開場まで多くの人だかり、長蛇の列でした。お土産を買って次の目的地へ向かいました。






荒船風穴
荒船風穴(あらふねふうけつ)は、富岡同様世界遺産に登録された文化遺産で、富岡市から西へおよそ30㎞の山間にあります。ここでは、自然の冷風で繭(卵)を冷凍保存し、年に1回しか生まれなかった蚕を年に数回ふ化させることを目的とした貯蔵庫がありました。
冷凍室が普及する前の技術の結集でした。






石垣造りの上にあった建屋内で、繭(卵)を保管していました。ここに来て驚いたことに、日なたの気温は25度近くありましたが、岩の隙間から驚くほどの冷風がでていたことです。






1号から3号まで、上から順に3つの建屋があった跡です。石垣の間は大きな窪地(風穴)になっています。







2号風穴の気温です。ここに立っただけで涼しい冷風が吹いています。





その上、10mしか離れていない1号風穴の気温です。





1号風穴の近くにあるこの岩穴から、風穴に冷気が吹き出ています。自然の冷気で、冬に降った雪が岩の中で凍結し、その氷から冷気を年中吹き出しています。





冷凍室がなっかた時代、人々はいろんな知恵をつかって最終的に生糸を生産するノウハウを発明したことがよく理解できました。
富岡製糸場と同様、入場料が大人1名500円はかかりますが、たいへん勉強になりました。






田島弥平旧宅
富岡同様、世界遺産登録を受けた田島弥平旧宅は、幕末から明治にかけて、優良な蚕の卵を生産する養蚕技法『清涼育(せいりょういく)』を体系的に完成させ、近代養蚕飼育法の確立を図った田島弥平の旧宅です。
弥平の考案した養蚕建物は、空気環境を良くするための2階建て、瓦葺、気抜き用の窓付きの建物で、全国の模範になりました。
明治後期に、高山社の『清温育(せいおんいく)』が普及するまで、養蚕技術に大きな影響を与えました。






高山社跡
高山社跡(たかやましゃあと)は、高山社の創設者・高山長五郎が養蚕法の改良を行った高山社発祥の地です。高山家は武家でしたが、長五郎は先祖伝来の屋敷を壊して蚕室を建て研究を行い、試行錯誤の中から、『清涼育』に変わる、『清温育』という優れた養蚕飼育法を確立した人物です。
長五郎の功績は、清温育をこの場所で指導し、多くの人物を育てたことです。
やがて、高山社はより広い他の場所に移転しますが、ここ長五郎の生家が『富岡製糸場と絹産業遺産群』として、ユネスコ世界文化遺産に登録されるにいたりました。









朝6時に出発、関越道を北上し、群馬県往復420㎞の行程でした。2014年ユネスコ世界文化遺産『富岡製糸場と絹産業遺産群』でした。
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Posted at 2015/05/24 16:00:01

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