総合評価が特別に高い訳では無いが、現実的な有力候補であるプロボックスに試乗することにした。
ディーラーに試乗車はなく、あったとしても10分程度の限られた時間とコースでは分かる範囲に限界がある。
(最近は希望のルートはありますか?と聞かれる場合もある)
そのためレンタカーを借りて、定番の清里ドライブに行くことにした。
7月初旬の土曜の朝8時の営業開始時間に借りて翌日の8時までの24時間コースである。
ちなみにレンタカーは兄弟車のサクシードで、完全オートライト(ライトOFFポジション無)は未対応モデルであった。
現在は販売店に関係なくプロボックスに統一されている。
まず運転を初めての第一印象で、センターコンソールの角が左ヒザあたりに当たる。
つま先を少し車両前方に移動すると当たらなくなるが、フットレストが無い床面では体を安定させる位置としてはベスト位置では無いが、許容範囲ではある。
フットレストを後付けすると、足踏み式パーキングブレーキをかけた時にペダルの奥につま先が入らなくなるかもしれない。
助手席側に座ると右ヒザがセンターコンソールにぶつかり車両外側におされて自然な姿勢が取れない。
小柄な妻はギリギリ大丈夫だった。
センターコンソールに100V&USB&シガーソケット電源、カップホルダー、テーブルなどが付属するため大きくなってしまっている。1人乗り優先のビジネスカーなので、設計的には理にかなっているのだが、プライベートカーにはマイナスである。
シートは以前のトヨタ車の寝そべった姿勢向きの形状ではなくなったが、腰上の張りが強く、それに対し肩周りが後ろに反ってサポートが弱く感じる。
ただし、ベースグレード用のハイバックシートであり、候補のFグレードのヘッドレスト別体シートは少し異なるかもしれない。
実際に運転を始めると動力性能不足を感じる。
ラフェスタ基準にすると、同じ2000cc排気量で25%ほど重いハイエースは思ったほど加速が悪くなかったが、25%排気量の少ない1500ccの4ナンバー車の割には加速が悪いと感じた。逆に高速走行時の伸びはラファスタより明らかに悪いがハイエースよりは良かった。車重やギヤ比の設定の問題かもしれない。
燃費は、清里まで登り坂の往路は高速道路を使ってほぼエアコンONで171.6km/16.81L=10.2km/L、降り坂の復路は一般道のみのほぼエアコンOFF で171.4km/8.16L=21.3km/L、総合346km/24.97L=13.85km/Lであった。
往路と復路ではほとんどが異なるルートだったのに距離がほぼ同一なのは偶然である。
<詳細>
往路は走り始めてすぐに山越えの登り坂である。あいにく雨も降りだした。
天候が良くないので国道でもあまり混んでいないかもしれないが、いつもの狭い裏道で登ってゆく。
加速が落ちるうえ155/80R14タイヤが心もとなく、いつものリズムで登れない。
駆動と操舵の両方を担ううえ、登り坂で荷重が下がっている。上限を超えると一気にグリップを失いそうである。
復路の逆側の登り(こちらは国道)で、一瞬であるが急にグリップを失った。夜で暗く路面状況がよくわららなかったが、強めの雨が降っていたので路面が荒れて接地面が少ない状態で凹んだ部分に水が溜まった場所で食いつきが弱まったのかもしれない。歴代の所有車で何度も通った道だが、こんな事は初めてである。
劣化して固くなったタイヤで走った時のように感じたが、2020-2021製で新しくはないが劣化と呼ぶには早い。LTタイヤなので元々固めなのだろうか?
ハイエースの195/80R15タイヤもちょっとペースを上げると外に膨らみ気味であったが、ここまでの不安定感は感じられなかった。
高速道路区間では路面はドライ~少し湿り化を感じる程度であったが、追い越し車線を流れに乗って走っている状態では不安定感はなかった。
強い雨により水しぶきで白くなる様な強い雨の状況では分からない。
ハイエースの高速道路区間で普通のウエット状態があったが、不安感はなかった。
走行中に一番気になったのはアイドリングストップである。
アイドリングストップはエアコンがぬるくなるし、バッテリー費が高額になるが、一番の問題は再始動の反応が悪いのだ。
ブレーキを放し、アクセルを踏み込んでやっとスターターが回る。スターターが回り始めても通常の始動時の様にクゥクゥクゥと3回転程してやっと始動する。ステアリングでも30度くらい回さないと始動しない。
今までの経験ではブレーキを放した瞬間にクゥクゥっと2回転程で再始動する。ステアリングもちょっとでも動かせば再始動するイメージがある。
アイドリングストップ無しに比べてひと息どころかふた息ほど遅れて発進するイメージである。車の切れ目で右折する時に怖い想いをする。
スイッチでOFFにできるのだがエンジンを再始動すると自動でONになるので、毎回OFFにする手間が必要。
エアコンOFFでアイドリング状態が続くと、送風口から外気温以上に温まった空気が出てくる。走り出してしばらくすると外気温まで下がる。
後方排気のFF車の問題で、外気の取入れ口がエンジンの熱で温められるためと思われるが、プロボックスでも発生。
荷室の広さはラフェスタとほぼ同等。
長さはほぼ同等。プロボックスはリヤシートの座面が簡単に外せる分フラットな面の長さは作りやすい。
幅は内装が薄い分プロボックスの方が広く感じる。特にリヤタイヤハウスのはり出しを除いた最小幅は。プロボックスの114cmに対しラフェスタは100cmしかない。
車中泊を考えた場合、ややプロボックスの方が有利か?
なお、商用規格のタイヤは設定サイズが限られインチアップや幅を変更するには乗用車タイヤに交換する必要がある。
ただし乗用車タイヤでは車検が通らないので、毎年の車検毎に交換が必要になる。
蛇足になるが、大昔はコロナやブルーバードにも4ナンバー仕様があり、商用規格のタイヤが必要なはずだがどうしているのだろうか?
純正の商用規格の155/80R14のタイヤ径は、タイヤメーカーのカタログで604mmであり、
これに近いタイヤ径は下記である。
175/65R14:602mm
185/60R15:603mm
195/55R16:602mm185/60R15185/60R15
ただし、195/55R16は流通量が多くないらしく、実勢価格や将来の供給を考えると避けた方が良さそうである。
ホイールは若いころから一度は履いてみたいと思っていた、BBSのメッシュかワタナベのエイトスポークで、サイズを確認した。
BBS RG-Fの場合
6J-15 オフセット45:OK
6.5J-15 オフセット42:ギリギリ
6.5J-16 オフセット 48:OK
ワタナベのエイトスポークの場合
5.5J-15 オフセット40:まあまあ
6J-15 オフセット35:ギリギリ
6.5J-16 オフセット30:NG
上記の候補ホイールの組み合わせでは、185/60R15のタイヤに BBS RG-F 6J-15 オフセット45のホイールあたりが妥当と思われる。
価格はラフ見積もりで、30万円くらいだそうだ。