
イマイチと評した
出光のapllostationoil Premium 5W-30ですが、油圧低下もありませんので固体潤滑材評価の試料になってもらいます。
流石に1200kmで交換はもったいない。
固体潤滑剤は以前ボルボでもチラっと評価したのですが、そもそも振動が大きいディーゼルでエンジンマウントの容量が大きいのであまり変化が判らなかったんですよね。
そんな訳でMTのガソリン車であるGRカローラで再度検証します。
今入れているオイルは出光のアポロステーションオイルプレミアム5W-30。
このオイルは限りなく5W-20に近い5W-30なのでG16E-GTSに使うのには粘度的にはピッタリなのですが、イマイチスムーズさに掛けます。
高回転でビリビリする感じもあるしアイドリングの振動もちょっと大きい。
体感だけでは信ぴょう性も薄いでしょうから、ちゃんと根拠も示します。
PDSの性状を見てください。
硫酸灰分が何と0.71%しかありません。(金属系の添加剤少ない)
一般的なACEA C系オイルでも0.8%未満です。
DL-1でやっと0.6%なのでディーゼルエンジン並みに低灰分オイルです。
SP規格以降のガソリンエンジンオイルはLSPI対策でCaが制限されるので硫酸灰分も減少傾向にあります。
この他SP-RC(Resource Conserving)適合品だと触媒保護のためリン(P)の規制(<0.08%)があります。
なので一般的なSP品でも硫酸灰分は凡そ1.0%前後になっているのですが、このオイルは更に低灰分で0.71%です。
Caは無灰分散剤で代替していると思いますが、それ以外にPも減らしているとするとZnも自動的に減ります。
無灰系のFM剤で代替しているのなら良いのですが、そういう感じもしません。
低灰分オイルも一見良さそうですが、必要な金属系の添加剤が最小限と考えると不安要素が残ります。
ACEA系添加剤を使ってな無さそうですし、単にFM剤が3割減だとしたら怖いですよね…
なので手始めにZnDTPを添加してZnとPを補完することにします。
ZnDTP(ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ZDDP)はエンジンオイルには必須添加剤です。
ZnDTPは金属表面に被膜(ポリリン酸亜鉛)を生成してエンジンを保護しますが、適度に硬くて柔らかいのが特徴です。
アッシュフリーのような特殊なオイル以外には必ず添加されています。
今回15cc添加したのでオイル総量の0.35%です。
Znが260ppm程度、Pが200ppm程度増える計算です。
最新のエンジンなら触媒保護もあるので添加量は1%程度に留めて置いた方が良さそうです。
添加後どうなったのかと言うと、まずアイドリングの振動が減ります。
境界潤滑に近いアイドリング領域でZnとPの増量は当然効果大です。
シフトの入りも良くなりました。
100km位走行すると皮膜も生成されたようでビックリするくらいスムーズになりました。
出光プレミアムはZnDTPを添加してやっとプレミアムオイルになった感じがします。
(0W-20はモリブデン高配合なので印象違うかも?)
ただ、油膜が相変わらず頼りない感じがします。
5W-30でほぼノンポリマーなのにこの頼りのなさは何?
ZnDTPで金属皮膜は形成されても所詮は1um以下の膜です。
油膜の厚みとは比較にならない。
弾性が無い感じ。GTLベースの20番の方が頼りがいがある。
ZnDTPの効果が落ち着いたら次は有機タングステンの評価に移ります。
最後にMoDTC評価してこのオイルはおしまいですね。
余談ですが、最新のSQ規格では硫酸灰分が0.9%に制限されます。(RCね)
SAE40以上の粘度はSPから引き続きRC適応外なのでこの制限から外れます。
5W-30が指定の車両で5W-40や0W-40を使用する場合、粘度以外にもこんなメリットもあったりします。
ただし、RC適合品と同じ添加剤を同量添加されている40番のオイルは30番動同様にイマイチと感じる場合があるかもしれません。
40番だからZnやPが高配合とも限らない。
その場合、やはり松クラスのオイルを購入する必要がありそうですね。
出光のapollostation oil 5W-40はC3とA3/B4の2種類ラインナップがありますが、硫酸灰分はそれぞれ0.8%と1.01%です。
ガソリン車で使うならA3/B4の方がスムーズに感じると思います。
DPFや触媒保護には有効な低灰分オイルですが、潤滑性とトレードオフの部分がどうしてもあります。
ガソリン車でGPF非搭載の国産車ならあまり低灰分じゃないオイルの方が幸せかもしれません。(硫酸灰分1.0%位)