
さて最終回。
グループの活動を通じて考案したカリキュラムを少し詳しく紹介して、一旦は仕舞いにします。
先ず、最初にこれを考案する際にボクが強く拘った点は、
効率よく正しく運転が上手くなることで、実際にそれは達成できました。
しかしながら今となっては、この"正しく上手くなる"ことは
最大の価値ではなかったんです(^_^;)。
じゃぁ無駄だったのか?といえばそうではなく、必要条件ではあったけど十分条件ではなかった、みたいな。これは後で説明します。
このカリキュラムの特徴は、
・少し練習すれば何度か上手くいく程度の難易度の課題を与える
・その課題をクリアしていくと確実に運転が上手くなる
と説明しました。
そして課題は難易度順に細分化され、最終的に3ステージで7つの課題となってます。
ステージ1(基礎)
課題1:G一定の運転操作(減速・旋回・加速)とi-DM青ランプ点灯
課題2:G-Bowlアプリを活用した0.2Gボール回し
課題3:G-Bowlアプリを活用した0.3Gボール回し
ステージ2(応用)
課題4:ワィンディング走行で0.3Gリミットの鐘が鳴らない運転
課題5:課題4に加え、速度制限60km/hで出来るだけ速く、i-DM高スコアで走る
ステージ3(実践)
課題6:初めてor不慣れなワィンディングで課題5で走る
課題7:Gリミットを0.4G以上、速度制限を60km/h以上に上げる(但しクローズドコースを使用)
実は
これらの「課題」は「ゲーム」と言い換えることが出来ます(笑)。
なので、ステージ毎に
各課題に沿ったルールを設定した競技を設けることで、参加者が各課題に取り組むモチベーションになります。
元々課題(=ゲーム)がそれぞれ「上手くいく/失敗する」を繰り返すことによってハマる(面白い/夢中になる)ように仕立ててあります。
これに加えて、メンバー間での腕比べの場まで用意すると人間は、自分が多少なりとも「イケている!」と感じられるようになれば"
自慢したくなる"という心理が働く(笑)ので、益々のめり込む要素になります。逆に腕比べをして成績が思わしくなければ"
悔しい"という心理が働きますから、これもモチベーションになります。
ステージ1は基礎を身に付けることが目的で、課題それぞれのクリア基準を成功率66.7%(3回に2回)に設定していますが、競技となればライバルが居るので、クリア基準は関係なくなり、
更なるスキルアップを目指す効果もあります。
現実問題として、66.7%のクリア基準ではスキルは十分ではないのですが、
あまり基準が高過ぎるとなかなかクリアできずに嫌になってしまいます。しかし次の課題に進むと2/3のクリア基準ではスキルが不十分であることを参加者自身が痛感するので、これ以上クリア基準を高くする必要はないのです。
不足を感じた人が前の課題に戻って更に練習するか?は参加者次第ですが、、、(^_^;)
そして課題1がクリアできなければ課題2は上手くいかず、課題2がクリアできても課題3は改めて難しい、といった仕立てにはなっていて、これが冒頭に述べた「正しく運転が上手くなる」ためにこのような構成になっています。
冒頭で述べた「正しく上手くなる」ことがこのカリキュラムの最大の価値ではないって話ですが、恐らく
・運転が出来る人なら誰でも楽しさを感じられるゲーム感覚の構成
・課題をクリアしても次の課題、更に次の課題があって中々終わらない継続性(中毒性かもw)
・一般公道で練習でき、普段の運転でも練習や実践が出来る手軽さ
・最終的に極めて高度なスキル習得が可能なのに、それを感じさせない気軽さ
といった点の方が、
より価値があるのだろうと最近は思っています。
何度も自画自賛で恐縮ですが(^_^;)、ステージ1で基礎を身に付け、ステージ2で身に付けた基礎の応用を学び、そこそこのスキルレベルに到達すると、一般のドライバーからすれば
仙人か神様かwというレベルになります。
しかしやっている人たちは、自分がそんな高度なスキルを身に付けていることにそもそも気付いていませんし、やっている最中も目の前の課題をゲーム感覚で楽しんでいるだけで、高難易度のトレーニングをしている自覚はありません。
更に言えば、この手の高度なトレーニングはどーしても
体育会系のノリになりがちですが、このグループの活動はおおよそ
体育会系とは無縁、というか
対局です。オフミで集まっても、
走るより駄弁る時間が長いとか(笑)。
一般にこの手のスキル習得のカリキュラムって、中身が緩ければ到達レベルは低く、到達レベルが高いモノは内容も厳しいモノだと思うのですが、
このグループのカリキュラムって、個々のメンバーが
自分のペースで緩~くw取り組める一方で、到達できる
レベルはとても高い、
そのようなメニュー構成(課題と基準設定)になっていることが、
最大の価値なんだろうと。
という感じなので、これを素直に「運転が上手くなりたい人向け」としてしまうと、
訴求する人たちは非常に限定されてしまいますし
勿体ない(苦笑)。
ボク自身の手応えとしては、コレは課題(ゲーム)をそれぞれ
体験して「面白い」と感じる人全てに訴求できると考えていますが、残念ながらその
面白さを言葉で表現するのはとても難しいため、如何にして体験して貰うか?を考えないと、広がりは期待できません。
そして、体験させるにも当然、誘いに「乗り易い人」「乗り難い人」があるワケで、本気で広めようと思うのなら、シッカリとターゲットを絞り込まないとイケません。
マーケティングでは「セグメンテーション」「ターゲティング」なんて言いますが、具体的には例えば以下の通り。
走る歓びを掲げるマツダですが、マツダ車のオーナー全てが運転好きってワケでも、走りの良さを理由に購入したワケでもありません。デザインで決めたとか、ディーゼルの燃費が良いとか、コストパフォーマンス(値段の割に出来が良い)とか、或いはディーラーと付き合いが長いとか(笑)、理由は様々です。
一番釣り易いwのは「i-DMに興味を持った」「i-DMが気になる」人たちですが、残念ながらこれは極めて少数。
「運転が好きだ」は対象になり得るのですが、ちょっと横に置きます。理由は後述。
「デザインで選んだ」であるとか、運転に興味のない人を釣るのは難しいので、優先度は低くせざるを得ません。
ところで、第6世代以降のマツダ車が登場してから「以前はそうでもなかったが、マツダに乗り換えたらなぜか運転が楽しい」という声が一定数、ネット上でも挙がるようになりました。中にはご夫婦で「以前のクルマでは運転の押し付け合いw、マツダになったらハンドルの取り合いww」とかね(笑)。
そこで、こんな感じにセグメンテーションしてみます。

マスの大きさは、独断と偏見でなんとなーくオーナーの人口比で調整してみました(笑)。
i-DMへの興味については「無し」はどちらかというと「嫌い」でしょうか(笑)。
「どちらでもない」は興味がないか、機能の意味や存在を知らない人って感じ。
他方、運転が「楽しい」か否かは、例えばデザインが好きか否かは関係がありませんよね?デザイン好きで買ったが「楽しい」と感じる人だって居るでしょうし、「そうは思わない」人も居るでしょう。
で、このようなセグメンテーションをした上で、どこにターゲットを絞るか?

色の濃さで優先順位を表します。
i-DMに興味が有って、運転が楽しい人は既に
グループi-DMsに入ってます(笑)。
ただ、i-DMに無関心、或いは嫌いな人でも「運転が楽しい」と感じている人は居るでしょう。
ここでポイントなのは「運転が楽しい」と感じている一方でi-DMが「嫌い」な人(グレー)の取り扱い。ターゲットにすべきか否か。
結論を言えば、ターゲットから外すか、優先度は一番下に下げます。
なぜなら、既に運転が楽しいと感じている一方でi-DMを嫌っている人は、少なからず運転に自信があって、しかしi-DMの評価が低いから嫌いなワケです。こういう人たちに運転を指導すると、かなりの高確率で自信があった自分の運転を全否定されてしまうことになり、最悪の場合は自信を失って運転が嫌いになってしまいます。
既に運転が好きで、(例え自己流でも)自分なりに運転を楽しいと感じている人に、運転が嫌いになってしまうような何かをすることは望ましくありませんA^_^;)
だからターゲットから外すか、優先度を下げた方が正解なのです。
他方、運転は楽しいがi-DMには無関心な人なら「運転が更に楽しくなる」と訴求できますし、運転が楽しいとは思わないがi-DMのスコアが低いのは面白くないwという人には「良い点数が取れる運転を教えますよ」というエサで誘って、運転の楽しさに気付いてくれる可能性があります。
i-DMは嫌いだし、運転が楽しいとも思わない人は一番ハードルが高いので、新しいことを始めるに当たってソコから手を付けるのは効率が悪い(苦労ばかり大きくて成果も少ない)ので、まぁ後回しですね。
という感じで
ターゲットを或る程度絞り、そんな人たちがどの位居るの?を考えたときに、あまりに少なければセグメンテーションをやり直さないとダメですが、そこそこ居そうであれば、彼らに
どんな謳い文句が響くのか?を考えると、
色々とアイディアが出てきます。例えば
・同乗者に必ず「運転が上手い!」と言われます(承認欲求)
・乗り物酔いしやすい同乗者が酔わなくなります(これは人に拠っては切実)
・マツダになってから楽しいと感じているなら、もっと楽しい運転は如何?
なんて感じですかね。
こういった検討は商用としてやる際には必ず必要なステップですが、ボクは個人でやっているだけwなので、ここまではやりませんけどね。
ただ、今までやってきた経験から得た手応えとしては、ここまで書いてきたところまでは確信があって、今後どーするか?については色々と考え始めてます。
以上5本の雑談は、個人的なこれまでの活動に関するボク自身の"
頭の整理"ということで(^_^;)。