
6月に箱替えして以来、
約2ヶ月4,000キロほど行動を共にしました。
ここらで一度、
同一モデルを乗り継いだ者の視点から、総括。
結論から言うと、箱替えは「大正解」。
2004年の登場以来8年間かけてじっくり熟成された、
完成度の高さを実感してます。
【エクステリア】
口の悪い同僚からは、
「どうしてわざわざカッコ悪い方へ乗りかえたの!?」
と、言いにくい事をズバッと言われてしまいましたが(笑)…
スポーティさは薄れたものの、
個人的には高級セダンの定石通りの堂々とした佇まいがお気に入り。
衝突時に火薬が点火してボンネットが持ち上がり、
歩行者のダメージを低減するポップアップフードが搭載されたせいで、
フロント廻りが少々ぶ厚くなり重厚感が増した印象。
万が一人をはねてしまった場合に、
最悪の事態を避けられる率が高まるという点でありがたい装備ではあるものの、
生涯出番が無い事を祈るばかりです。
リア廻りは、、、
アルミブロー成形ならではの曲線美とリアバンパーの厚み感でシンプルにまとめているのが良い。
つくづく、ホンダのセダンって昔からリアスタイルが命で、顔が弱い…というか凡庸。。。
全長が4930mmから4985mmへと55ミリ伸びたものの、
その殆どは中央部分が尖んがったスタイリングに依るものなので、
実際の取り回しは殆ど変わっていない感じ。
KB1の頃からの売りだったフラットなセンターピラーサッシュも、
KB2から採用されたサイドシルのメッキガーニッシュも、
ブラックボディだとその存在感がより際立つのがGood。
【インテリア】
センターコンソールが木目調パネル化されたおかげで、
KB1からKB2に乗り替えた感がしっかり実感出来ます。
クルリンパ機構のアクセサリーソケットは格納動作が格段にスムースになった。
助手席側に移設されたおかげで、
レーダー探知機を挿しっぱなしにしてもシフトの邪魔にならないのが良い。
ステアリングスイッチを始めとするソフト触感塗装の部位が、
KB1では3年くらいで結構剥げてたけど、
KB2では5年経過しても全く劣化していないのは改善ポイント。
中古車をいろいろ見て回った印象からみても、
明らかに耐久性が向上している模様。
空調スイッチ廻りに風量ボタンが追加され、
A/C操作画面の階層に入っていかなくても風量調整出来る様になったけど、
個人的には使わないのでどうでも良いかな。
オーディオ・ナビ廻りは操作系が結構ガラチェン。。。
ボタンがデカくなったのは良いとして、
よく使う「現在地」ボタンの位置が遠くなってたり、
ゾーニングの考え方が未だに理解出来なかったりと、
この時期のHonda HMIは結構迷走してた様に感じます。
ただ、ナビ廻りの操作系レスポンスが格段に良くなり、
画面が従来比4倍精細なワイドVGAに進化し、
ナビ画面がとにかく綺麗になった。
当然、DVD視聴時のクオリティも車格に見合ったものになりました。
…ていうか、KB1の車格に対し1/4VGAはあんまりでしたね(^^;)
iPhoneをUSB接続出来る様になり、
CDを4倍速リッピングしてHDDに格納出来るサウンドコンテナが搭載され、
いずれも楽曲名表示される様になった時代進化も大きい。
N-ONEでは対応しているジャケ写表示に非対応なのは残念ですが。。。
それよりも何よりも一番気に入らないのは、
走行中になると一番上の楽曲名表示を残して選曲画面がマスクされてしまう事。
走行中操作制限の自主規制なのはわかるけど、なんだかなぁ。
KB2になって、
ハンズフリー電話&音声認識用のマイク部分が室内側にかなり出っ張った形状になり、
しかもマイクが2個並んだアレータイプとなった様で、
通話品質は格段に良くなってます。(通話相手談)
ただ、音声認識は相変わらずお馬鹿さんですね(笑)
あれはもう、認識エンジンが駄目駄目なんでしょうね。
相変わらず、「自宅へ帰る」と「近くのコンビニ」くらいしか使い途がありません。
ナビに「インターナビルート」と称する、
サーバー側でルート計算機能してくれる機能が追加されたのは地味に嬉しい。
有償スマホナビアプリ「インターナビポケット」で提供されている高精度なルートが車載ナビで得られる訳で。
ただ、KB2はリンクアップフリー非対応な上、
USB通信アダプタによる定額通信サービスも終了してしまった今、
インターナビの通信機能を享受するにはガラケー(または極一部のDUN対応スマホ)か、
アイオーデータ機器のNV-SPH1(販売終了)が必須というのが大きなハードル。
ホント、この分野の時代進化は激しすぎて、
KB1/KB2共に少しずつ時代に取り残された不遇を味わった感がありますね。
せっかく追加されたBluetoothもマサカのBluetoothオーディオ非対応だし。。。
メーターが少し変わったらしいけど、ハッキリ言ってよく判らん(@@;)
ま、間違い探しレベルですな。。。
よ〜く比べてみると、文字盤の目盛が全部印刷だったのが、
大目盛だけ立体的になってます。
あとは針のセンターにリング加飾が入ったのと、
文字盤内側にも小目盛が追加された位か。
My KB2はショーファードリブンとして使われていた様ですが、
ナルホド後席の居住性は良くなってます。
まず、リアシートの座面部分について、
外側に向かってラウンドした形状だったKB1に対し、
KB2はしっかりと長方形部分を残して膝裏を受ける様に改善されてます。
地味だけど長時間座ってるとこの違いは案外大きい。
あと、これは営業マンから言われて知ったのですが、
シートバック両サイドがかなり前方に向かってラウンドした形状に変わっており、
視覚的な開放感向上が図られているんだそうです…けど…ハッキリ言ってよく判らん(笑)
後席用ヒーター追加は後席住民には嬉しいポイント。
お盆連休中に帰省中していた息子たちに、
「寒かったらそこのスイッチ入れてね〜」
と軽くボケてみた所、華麗にスルーされました(笑)
【パフォーマンス】
+200ccの余裕と6AT化の効果は、
発進加速時と中低速域でのドライバビリティ向上に振られており、
あまり引っ張らずにどんどんシフトアップしていく様になりました。
このゆったり感がKB2の身上。
アイドリング回転数が若干高めになったかな?…と思いきや、
タコメーターを見る限りあまり変わってない模様。
シフトパターンがマニュアルモード無しのシンプルなものになったのも時代進化。
走行ポジションはDとSしか無く、判りやすくなった。
KB1でも後期モデルでは、
Dレンジのまま直接パドルシフト操作出来る様になっていた訳で、
もはやマニュアルモードは不要なモノになってました。
いつでもパドルシフトが効くのはN-ONEも同様ですが、やっぱり便利。
新たに追加になったという、
アクティブサウンドコントロールに依る加速サウンドの演出は、正直よく判りません(笑)
効果が現れるという2,500回転より上の領域は、
もともとKB1でも「スイング」して気持ち良かったので。
フロントウインドゥの遮音ガラス化、
ノイズリデューシング・アルミホイール、
欧州仕向けの床下空力パーツ流用…等
の効果に依り、静粛性も良くなっている事が実感出来ます。
その反面、18インチ化に伴う乗り心地の固さについても実感しており、
サスペンション廻りのしなやかさはもうひと息煮詰めて欲しいところ。
KB2が欧州のEセグセダンと比べて一番見劣りすると感じるのは少々融通が利かない乗り心地かな?
奇麗な路面ではフラットライドで凄く良いのですが、荒れた路面になると途端にちょっとドタバタ。。。
【運転支援】
Honda SENSINGと命名される前のホンダの安全装備全部入りな訳ですが、
モーションアダプティブEPSという制御が加わり、
VSAのセッティングがより高精度になったとうたってます。
どれも限界域でのお話なので普段はその違いを実感出来ませんが、
先日の高速道路でゲリラ豪雨に遭遇した際、
水たまりにハンドルをとられる様なシーンでも安定してカウンターステアを当てられたので、
知らず知らずのうちに恩恵に授かっているのだと思います。
日常の使い勝手での大きな違いは、
LKAS(レーンキープアシスト)を単独で作動させられるようになった事。
ACC(アダプティブクルーズコントロール)だとどうしても車間距離が長めになるので、
一般道だとLKAS単独で作動させたいシーンって案外多く、重宝してます。
ただ、KB1のACCと比べ、KB2のそれは若干、
隣の車線の先行車を誤検知して速度ダウンしてしまうシーンが増えた様な気がします。
ここは熟成よりもミリ波レーダーのコストダウンが優先されたのかな?(@@;)
最終モデルではナイトビジョンの設定が無くなった訳ですが、
ハッキリ言って全く気にならない。(笑)
ACC+LKASが無くなったら死活問題ですが、
ナイトビジョンは私にとって単なるファッション装備に過ぎなかったという事か。
正直、安全運転に寄与していたとは思えなかったし、
10万キロ走っても恩恵に授かった事はほぼ無かった。
【まとめ】
過走行気味の極上車を購入した訳ですが、
これまでの不具合は購入時に判っていた2点のみ。
ひとつは過走行であるが故に寿命を迎えていた様で、開閉時にバキ音を発していたドアチェッカー。
これは部品を取り寄せてDIYで交換し、完治。
ショーファードリブンユースだったが故に利用頻度が高く、
常時書類満載で使われていた為にガタが来ていたと思われるドライバードアポケット。
ポケット両サイドの機構部が破損していたが、プラリペアでDIY修理して完治。
それ以外はまったくもって絶好調であり、
何と言ってもまだ5年と少々しか経過していない事による樹脂部品の瑞々しさが嬉しい。
やっぱり12年経過していたKB1と比べて7年若返った効果は大きく、
最終モデルならではの走りの熟成含めて満足度の高い買い換えでした。
9年間寄り添ったKB1に敬意を表しつつ…^^
新しい相棒、KB2とも永い付き合いになる事でしょう。
長文、失礼しましたm(__)m