
ルパン三世(パート1)の再放送がTOKYO MXで始まったので登場したクルマをチェック。 地デジ放送で見るのは初めてだ。
このアニメの本放送は1971年10月から1972年3月。 よって登場するクルマはそれ以前のものになる。
▼オープニング1
オープニングは3種類に大別される。 最初のオープニングは歌詞が「ルパン・ザ・サ~(ド)」と「シャバダバ…」だけでできている。
▽メルセデス・ベンツ SSK (Mercedes-Benz SSK)
SSKはSS(Super Sport)のホイールベース短縮版(Kurz = Short)。 1928年~1933年に37台が生産され、SSと共にレースで活躍した。
エンジンは直6 SOHC 7リッター+スーパーチャージャーで225PS。 スーパーチャージャーはアクセルペダルをフルスロットル状態からもう一段踏み込むと作動する。
設計はフェルディナント・ポルシェだが、SSとSSKが発表された1928年にベンツ社を去った。 ポルシェの名を冠した356が登場するのは20年後の1948年である。

ルパンのクルマはラジエーター上のマスコットが、お馴染みのマークとは異なる十字型。 パイロット版(
YouTube)では「フェラリーV型12気筒エンジンを搭載」という設定がある。 外装はフェンダー上のウインカーランプやバンパーを備えた、放送の頃の公道向けの仕様と思われる。
ネットの検索で出てくる画像は、このようにサイドステップがなくサイクルフェンダーを備えたレース向けの仕様が多い。
スペアタイヤは背面に2本を重ねて積む。
塗り指定をミスしたらしく、下側のスペアタイヤが透けている。
▽キャデラック エルドラド (Cadillac Eldorado)
2ドアクーペのFF車。 1967年型。
ヘッドライトは丸型4灯式。 カバーが下方向へスライドする。
翌1968年型ではフロントのマーカーランプがフェンダーパネルの先端に変更される。
▼#01 ルパンは燃えているか‥‥?!
スコーピオンという組織が飛騨スピードウェイを建設してF1レースを開催、出場したルパンを事故に見せかけて始末しようと計画する。 スコーピオンにとらわれた不二子はルパンに助け出されるが、逮捕状の破棄と引き換えに不二子はルパンを銭形警部へ引き渡してしまうのであった。
▽フェラリー 312B (
Ferrari 312B)
ルパンのマシン。 劇中ではスコーピオンのボスが「フェラリー」と発音している。
もう1台、次元大介のマシンがあり、レース中に入れ替わる。
▽ロータス 72 (
Lotus 72)
銭形警部のマシン。

レーシングスーツの下にはシャツとネクタイを着用していた。
▽4台のF1マシン
名称は劇中のルパンのセリフより。 ルパン曰く、ドライバーもマシンもニセモノ。
・ジョン・サーティスのサーティスTS7 (
Surtees TS7)
・ジャッキー・スチュワートのフォード・タイレル(
Tyrrell 001 ?)
・デニス・フルムのマクラーレン(
McLaren M5A ?)
・ベルトワーズのマトラ・シムカ (
Matra MS120 ?)

1970年あたりのF1シーンと思われる。 マクラーレンはモデルがよくわからなかった。
▽雑魚キャラマシン
特徴的なフロントがブラバムBT34 (
Brabham BT34) に似ている。 円盤状のリヤウイングを持つ。
ルパンが追い越しざまに時限爆弾を投げると磁石でくっつく。

磁石でくっつく・・・ということはアルミやFRPではないらしい。
▽メルセデス・ベンツ (Mercedes-Benz) W108/W109
スコーピオンのボスのクルマ。
Sクラスの祖先にあたる、1965~1972年のモデル。

スコーピオンのボスがルパンに倒された後に、このクルマでサーキットにたどり着いて力尽きる。
W108はサスペンションがコイルスプリングで、W109はエアスプリング。
▽MAN F7 (MAN F7)
次元がフェラリー 312Bを載せていた。 峰 不二子に奪われて銭形の前に登場。
MAN社はドイツのメーカー。

MAN社のトラックは日本では馴染みがないが、鉄道ファンには旧国鉄のディーゼル機関車DF50のエンジンで知られている。
▽フィアット 1200 カブリオレ (FIAT 1200 Cabriolet) ?
▽日産 サニー クーペ (Nissan Sunny Coupe) ?
ルパンを銭形に引き渡して不二子が立ち去るシーンの背景画の2台。 確定しがたいので「?マーク」つき。

フィアット 1200 カブリオレ(1959-1963)は、アメリカ調デザインの前モデル(1100TV Trasformabile)のシャーシにピニンファリーナによる新たなデザインを与えたオープンカー。 1200の他にO.S.C.A.設計のDOHCエンジンの1500および1600Sがある。

日産 サニー クーペは初代サニー(1966-1970)に1968年に追加されたモデル。
エンジンはセダン、クーペとも1000cc。 7か月後に登場した初代カローラが「プラス100ccの余裕」と宣伝すると、サニーはフルチェンジで「隣のクルマが小さく見えま~す」と応戦した。
▽アルピーヌ・ルノー A110 (Alpine Renault A110)
峰 不二子の最初のクルマとして登場。
フランスの有名なRR方式のスポーツカー。 ラリーで活躍した。
ルパンを銭形に引き渡した不二子は海沿いを颯爽とドライブ。

ドアと後輪の間が2シーターFR車のように狭く描かれており、象徴的なキャラクターラインがない。

リヤエンジンでシートの背後にはスペースがあり、ルパンが潜んでいた。
2017年に復活するというアルピーヌ。 美女はこぞって乗るべし!
・本放送日:1971/10/24 再放送日:2016/4/4
▼ルパン三世(Part 1)のクルマ
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23