
昨年末に、トーヨータイヤのPROXES T1 Sportから、POTENZA S001履き替えましたので、遅ればせながらインプレッションです。
製造年月日は、2018年の第6週。
サイズは、フロントが、225/35R19、リアが、255/35R19です。
製造国は、日本製になります。
ネット通販で購入し、タイヤショップに持ち込みで装着を依頼しました。
候補として挙げたのは以下のタイヤです。
・ミシュラン パイロットスポーツ4S※
・トーヨー プロクセススポーツ
・ブリジストン POTENZA S001
・ピレリーP-ZERO
※パイロットスポーツ4は、サイズ設定が無いため候補から外しました。
この4つの候補の中で、プロクセエスT1 Sportの次に価格が安かったのが、旧モデルとなった、ブリジストンのPOTENZA S001でした。
S001が旧モデルとなったことから、価格も値下がりしていたことと、前車レガシィツーリングワゴンに乗っていた時に、REGNOを装着していた時の好印象が忘れられず、基本設計は古いものの、ブリジストンのプレミアムスポーツタイヤがどのようなモノか試してみたくなり、今回は敢えて、S001を装着することにしました。
以下、装着したPOTENZA S001のインプレッションになります。
比較対象が、PROXES T1 Sportの丸坊主に近い状態のタイヤであるため、単純な比較は難しいことをまずはじめにお含み置きください。
【静粛性】
走り始めてみると、まず最初に感じたのが静粛性です。ノイズの質というべきか、周波数が低く全体的に抑えられていて、明らかに静かになった印象です。
やや路面の荒れた道路では、ノイズの音質が低周波なので、それほど耳障りに感じることもありません。
さらに、よく整備された路面での静粛性は非常に高く、さすがに、メーカーが静かさに定評のあるプレミアムタイヤ REGNOシリーズにも採用された「サイレントACブロック」を採用して静粛性に配慮と謳っているだけのことはあり、PROXES T1 Sportよりも静かに感じられました。
【乗り心地】
XL規格のため、空気圧をやや高めに設定しているものの、PROXES T1 Sportと比べて特に悪化した印象はありません。
大き目な段差を乗り越える際は、タイヤのサイドウォールがやや柔らかめのためでしょうか、比較的穏やかに段差のショックを吸収している感じます。
市街地走行レベルはもとより首都高の継ぎ目の段差などスピードレンジがやや高めの走行中における大きめの段差があっても、PROXES T1 Sportよりも突上げ感が若干ですが穏やかになりました。
具体的には、角が丸まったマイルドな印象で、薄いヴェールに包まれたような感じで、段差を乗り越えたときの衝撃吸収については、タイヤ全体で往なして衝撃を上手く吸収しているように思います。
【ハンドリング性能】
ハンドリングはスポーティで、コーナーリング中にタイヤに負荷が掛かると、しっかりと路面をグリップしている感覚を掴み易いので、300馬力オーバーのFR車でもコーナー出口で安心してアクセルを踏めます。
また、ワインディング走行では、路面の追従性も良く、ハンドルを切った瞬間に「スッ」とシャープに反応する感覚は、スポーツタイヤと呼ぶに相応しいフィーリングです。ハンドルを切ると切った分だけノーズが反応して向きを変えてくれるので、FRの特長でもある雑味の無い自然で素直なハンドリングの長所が活かされるタイヤだと思います。
ブレーキングの際に、フロントに大きな荷重が掛かる場面でもタイヤ剛性の高さもあり、いたずらにタイヤが捩れる感じも無く、しっかりと路面状況をハンドルを通じて手のひらに伝えてくれるので、安心してコーナーに侵入することが出来るため、ワインディングでもスポーツドライビングを十分楽しめます。
普段の街乗りで交差点などを低速で曲がる際も、ハンドル操作に過剰に反応することもなく、かと言って鈍重でもなく穏やかでタイヤのしっかり感がハンドルに伝わってきます。
【ドライグリップ】
路面の荒れている状況での急激なアクセルオンによるゼロ発進加速では、大パワーのFR車ということもあり、今まで履いていたPROXES T1 Sportでは一部ホイールスピンによるスキール音を発生することもありましたが、S001では発生しませんでした。
また、ワインディングにおけるコーナーリング中のグリップ性能は、路面とタイヤとのコンタクト感があり、高速コーナーにおいても、路面を適確に捉えつつ粘っこいグリップ感で、滑り出す前のギリギリのところで粘る感じです。好みは分かれるかもしれませんが、リアのグリップ限界も高く、コーナーリング中もしっかりと踏ん張った感触が得られます。
通常の市街地走行では、プレミアムスポーツタイヤの名に恥じない、何ら過不足のないグリップ力を発揮してくれます。
加速や減速の際にタイヤが空転することもないため、とても安心感が高いタイヤです。
いつものコーナーを+10〜15KM速いスピードで走行しても、それほど恐怖心を感じることが無く、それが楽しさに変わるくらい、ドライバーのドライビングプレジャーを掻き立てる高次元でバランスのとれた高性能タイヤという印象で、タイヤの性能差を身をもって体感することが出来ました。
限界域を超えての挙動変化等は、サーキット走行をしていないので、申し訳ありませんがレポートができません。
【ウェット性能】
今まで履いていたPROXES T1 Sportもウエット性能は高かったですが、それに比べても僅差ですが性能は少し上かな?という印象で、ウェット性能も期待通り非常に高いように思います。
実際にヘヴィウエット路面を走ってみましたが、何事もなく普通に走ることができます。雨の高速道路も走ってみましたが、縦に入った太いグルービングがしっかり排水しているようで、路面にかなり水が浮いた状態でも、ハイドロプレーニング現象がおこることもなく、不安になるような「手応えのヌケ感」も全く感じられずヘビーウェットの低ミュー高速路面でも安心して走ることが出来ました。
撥水性の高さによるものだと思われますが、ウェット走行時においてもタイヤが路面をしっかりと捉えている感覚がハンドルに伝わってくるほか、ウェット路面での制動においても、タイヤが路面との間に存在する水の膜を切り裂いて路面状況をダイレクトにハンドルへ伝えるような感覚があり、安心してアクセルやブレーキを踏むことができる安心感がありました。
【直進安定性】
通常の街中走行時はもとより高速走行時においても轍などの外的要因に対してハンドルを取られることもなく、ハンドルは常に安定しており、直進安定性は合格点だと思います。
高速道路を利用した長距離移動においても疲労感が少なく快適な移動ができました。
【総評】
ドライ&ウェット性能だけでなく、運動性能と静粛性、乗り心地をそれぞれ向上、両立させています。
ストリートからワインディング、高速走行まで、質の高い走りを楽しみたい。そんなユーザーにオススメのタイヤです。
素直で自然なハンドリングと応答性の良いコーナートレースの正確性と、ハイグリップによる運動性能の高さと、予想を良い意味で裏切る静粛性の高さと乗り心地を高次元で確保した、さすがは、ブリヂストンのハイパフォーマンスプレミアムタイヤだと思います。
コンフォート系タイヤに比べてドライやウェットでのグリップ性能が高く、また、グリップ重視のスポーツタイヤよりも静粛性が高く、そのほかの性能についても高いレベルを確保しており、運転を楽しみたい!スポーツ走行を楽しみたい!グリップの変化をダイレクトに感じたい!でも、静粛性も犠牲にしたくない!と考えている人に、まさにオススメのプレミアムスポーツタイヤと呼ぶに相応しい性能を持っているタイヤです。
昨年、新モデルのS007Aの発売により、市場ではS001の価格が下がっていましたので、製造年月日が比較的新しいタイヤであれば、この高次元でバランスの取れたブリジストンのプレミアムスポーツタイヤを購入するのは、コスパも良いので、満足感の高い買い物になると思います。
ネットでは、耐久性が低いとの感想もありますが、今後の摩耗状況をチェックしていきたいと思います。
最後に、今回私が購入したS001は日本製ですが、そのほかに、格安POTENZAとして、ルーマニア製やハンガリー製もあります。
基本設計などは変わらないと思いますが、生産国による性能の違いの有無は不明ですが、ご参考までに下記サイトにハンガリー製についての
トラブル記載がありました。
最後まで長文にもかかわらず、ご一読いただき、ありがとうございました。