
きっかけは牽引の資格のある若い人が別の業種に移るか辞めていく会社のリストラ策が原因。結局残った人の中から新たに資格を取りにいかなければならない状況になります。その白羽の矢が今回私に。
でも50歳過ぎで新たな資格を取るのは結構大変なことです。特に自動車関係の免許は。実際年齢制限(上限)のある自動車教習所もあります。今回はどんな風に50歳overの年齢で牽引免許を取得できたか紹介します。(このお話は長文です。興味のある方のみ拝読ください。)
会社側から10月に牽引免許取得の依頼(自動車教習所費用は会社持ち)があり、一度は断りました(予算の関係上今年中に自動車教習所入所が条件ですが、日ごろの業務を行いながらの教習はとても大変)が上司からの依頼があり、仕方なく自動車教習所に手続きに行ったのは11月初旬。12月の業務をやりくりし、教習は「通いの合宿」(即ち業務時間中に毎日教習所で指定された時間に教習する短期集中型)でお願いしました。
教習は技能教習(教習最短時間;第1段階5時間+第2段階7時間=12時間)のみ。
“合宿”ですから、教習期間内は食事の心配無し。(実際教習中の昼食は毎日教習所でした。)
「通いの合宿」とは“宿泊しない自動車合宿免許”のことです。
入所日は12月11日(月曜)。午前中に適正検査(視力と深視力)OKとなった時点で入所の案内を受講し、午後には2時間(1教習は50分を1時間としてます)の技能教習。教習車両は中型トラック(積載4t)+1軸トレーラー。そして1時間目は教官よりいきなり教習コースを指示通り(クランク、S字路)走行(前進)とのこと。中型&大型トラックの運転経験(車幅感覚)があれば走行(前進)は問題ありませんが、普通自動車の経験しか無い場合は大変かもしれません。一通り走行できた場合は別コースで突然直線バックの指示が。多分その時の教官の考えかもしれませんが、手本なしに実施でした。当然ハンドル修正の仕方が判らないため真っ直ぐにバックはできません。出来ないことが判りやっと教官から指導が来ます。(多分この時の教官は「感覚で覚えろ」の教え方なのでしょうか。)
アイドル回転で後進し、トレーラ荷台を見ながらトレーラ荷台が車体右に出たなら、トレーラ荷台が車体と真っ直ぐになるまでハンドルを右に微修正し、トレーラ荷台が車体と真っ直ぐなったら一旦停止しハンドル直進状態に戻し。トレーラ荷台が車体左に出たなら、右に出た操作と反対の操作を行います。私は覚えが悪いのでその時間では3mしか直線バックはできませんでした。
そして連続して2時間の教習。1時間目の教官とは別の教官でしたが、教習内容は同じで教習コースを指示通り(クランク、S字路)走行(前進)と直線バックの練習でした。まあ少しは直線バックのコツを教えてもらえて教習終了時には20m程度まで直線バック(真っ直ぐバックできないと再チェレンジの嵐)ができるようにはなりましたが教官の指導(という名の御叱り)でホント「心が折れました(50過ぎで怒られるのはほんと辛いです)」。PM17時に教習は終了し会社に戻ったのはPM18時。それから2時間ほど業務をこなした次第。ほんと精神的に参ります。
12月12日(火曜)は前日と同じく連続して2時間の教習。1時間目は前日と教習内容は同じで教習コースを指示通り(クランク、S字路)走行(前進)と直線バックの練習でしたが、コース走行時は縁石から70cm離したら減点とか、この区間は40km/h出さないと駄目とか、停車時は縁石から30cm離したら減点とか、結構厳しくなりました。直線バックも100m何とかできるようになったところで、いきなり曲線バック(コースに沿ってバック)の指示が。直線バックの練習でいくらかトレーラーの動きは制御できるようになっても所詮上手くは出来ず。(この時の教官、何も教えずに、「練習して感覚で覚えろ」主義のようですが、不器用な私には「どれが正しい操作か」感覚だけでは判りません。このときホントバックのコツを教えて欲しかったです。)曲線バックはこの時間では10mが精一杯。
連続して2時間目の教習。1時間目の教官とは別の教官でしたが、ひたすら曲線バックの練習で教官からもバックのコツを教えていただき、それでも不器用な私では30mがその日の最長記録。果たして1段階見きわめは合格するのか。
12月13日(水曜)は前日と同じく2時間の教習。教官は前日1時間目に受講した教官と同じ。今回は1段階の見きわめです。教官の指示通り、教習コースを走行。そして直線バック、曲線バックを実施。指示通り上手く走行できたと思ったら、教習コースの外周部半周ぐらいをバックで走行での指示。100mはバックできるのですが、完璧に荒さがしの状態。結局教官の心象が悪かったのか技術的に問題あったのか見きわめ不合格でした。(なにが悪かったも指導無く本当に「心が折れました」)
連続2時間目の教習。再び1段階の見きわめです。1時間目の教官とは別の教官でしたが、教官の指示通り、教習コースを走行。そして何度も直線バック、曲線バックを実施。指示通り上手く走行でき、1段階の見きわめ合格です。(なにも無いときはこんなもんです。)でも結局は1時間の「ダブり」となり、土曜の卒検の予定は無くなりました。
12月14日(木曜)3時間の教習。毎日“指導”と言う名の“御叱り”を受けながら、教習所から帰ってきては通常業務をこなしているとホント「心が折れっぱなし」です。
第2段階はひたすら方向変換・車庫入れです。バック走行でトレーラーの動きがわかるようになれば、出来るようにはなります。
下の図がステアリングの動きとトレーラーの動き出し・きっかけ作りの関係です。

ステアリングの動き量は1/2回転、1/4回転など割と少ない量でトレーラーは動きます。
(教習のトレーラーが短尺車なのチョットしたステアリングの動きで敏感にトレーラーが動きます。大型トレーラーは長尺車なので敏感な動きは無く修正しやすいと私の同僚は言ってました。)
課題は右後方の駐車エリアにクルマを入れて左の道に出るコースです。
バック前にステアリングを左に1/2回転入れて置きます。そしてゆっくりとバックです。
トレーラーの動き出し・きっかけ作り(トラクターとトレーラーの角度はほんの僅か)ができれば、一度車両を停止してステアリングは直進状態にします。そのままバックすれば右にきっかけを作っておけばトレーラーは右に、トレーラーが右に出しすぎたのなら、トレーラーの動きに合わせてステアリングを右に少し(ここは練習で学んだ感覚で)切って、トレーラーが右へ寄りが足りないなら、トレーラーの動きに合わせてステアリングを左に少し(ここは練習で学んだ感覚で)切って行きますが、ちゃんときっかけ作りが出来ていれば、ステアリング修正無しに右後方の駐車エリア入り口にトレーラーを入れることが出来ます。
この状態(下の写真のような感じ)で一旦停止して、トラクターとトレーラーを真っ直ぐにするためステアリング右に1.5回転してバック。
下の写真のような状態からトレーラーの動きに合わせてステアリングを徐々に右に増してフルロックまで回転させながらバックです。
トラクターとトレーラーを真っ直ぐになったところで一旦停止して、ステアリングを直進状態に戻します。そしてトレーラーの動きを見ながら規定の位置なでバックします。
駐車エリアにトラクターとトレーラーが斜めに止めようとも、障害物にぶつからずトラクターとトレーラーを真っ直ぐに駐車できること。そして縁石に乗ることなく左の道に出ることです。
12月13日(木曜)3時間の教習、14日(金曜)3時間の教習はひたすら方向変換・車庫入れの練習です。教官ごとにそれぞれ教え方が違い、指導の度に「心が折れました」が、自分に合う教え方を探した結果が上の指示内容です。このやり方なら何とか自分で方向変換・車庫入れ出来ます。
そして12月15日(土曜)1時間は2段階の見きわめ。教官は1段階の見きわめを落とした教官でした。緊張しまくりで、方向変換・車庫入れは何度も行いましたが何とかミス無くできましたが、教官の顔はどうも信用良くないような・・・。落とそうという口ぶりで「明日は教習できそう?」と聞いてきたので、「済みません、明日は親の介護(嘘は言って無いぞ。実際日曜は家族で東京の母親へ年末の御挨拶に行ったので。)なので・・・。」と言ったら、「忙しいからね、とりあえず見きわめOKだから。ただ卒験は相当頑張んないと駄目ですよ。」とのこと。どうあろうとも第2段階は規定の7時間をダブり無く完了。これで卒験が受けれます。
12月17日(月曜)は卒験です。受かってしまえば1週間で卒業です。ここで受からないと遅れ気味の通常業務が更に遅れ月末の残業調整が大変になります。なにが何でも合格するため、方向変換・車庫入れは一発で入れられない場合は切り替えして確実に入れる方針に変更しました。切り替えしは減点が発生しますが3回以下なら試験中止にはなりません。(縁石接触・脱輪は即試験中止です)
とにかく習ったことをきちんと行いました。試験終了後検査官から2点ほど注意を頂きましたが、大きな失敗の連絡はありませんでした。そして合格発表のアナウンスで私の受験番号が呼ばれました。牽引技能卒験は合格です。これで自動車教習所は卒業できました。(参考情報ですが自動車教習費用・牽引は税込126,900円/教習は終了まで&卒験は合格まで追加費用は発生しない「安心プラン」です。)
今回のことで1つ言えることは、年をとると覚え(特に感覚を覚えるもの)が悪くなるので、連続で習うこと・反復練習が必要とあらためて確認した次第です。
12月27日(水曜) 業務最終日のこの日、23日休日出勤の代休として、運転免許・牽引追加申請のため、県運転免許センターに行きました。申請受付時間はAM8時30分~午前9時です。
申請に必要なものは以下の通りです。
・運転免許申請書(写真貼り付け)
・運転免許証
・卒業証明書
・印鑑
・IC免許証の「4桁の暗証番号&バーコード」を記したシート
費用は試験手数料1,750円(学科試験は無いので適性試験のみでこの費用は高い?)+交付手数料2,050円の県収入証紙が必要になります。
AM8時30分に申請受付窓口に運転免許申請書と卒業証明書を出したら、即適性試験へ。
しっかり睡眠を取り、深視力用の眼鏡も準備しましたので、普通自動車&普通自動二輪免許は裸眼でOK。大型&牽引免許は眼鏡必要となりました。
AM10時には免許用写真撮影、AM10時30分には免許交付、丁度ゴールド免許への切り替えにもなりました。
牽引免許があっても、即大型トラクタ運転は自分の技量では無謀と思ってます。
(教習所では教えない第5輪の連結切り離し作業が満足できない状況では駄目でしょう)
今後は大型トラクタ運転のキャリアがある同僚に教えを請わないと駄目ですね。