
今晩は。
今日は、Caterhamのデフ、及びその取り付け方法についてです。
かつてのCaterhamには、Ford製のデフケースが使用されていました。
しかし、現行のDuratec搭載車では、ほとんどがBMW製のデフケースに変わっています。
従来のFord製デフは、既に生産が終わっており、今から使用する場合は全てリビルト品となります。
1枚目の画像が現行品、2枚目が旧来のFord製です。
現在では、620およびR300レースカーのみにFord製デフケースが使用されているだけで、それ以外は全てBMWケースのデフが装着されています。
何故、620&R300Racerにのみ、Ford製デフが使用されているかというと、要するに過激なトルクやハードな走行によって、「BMW製デフケースでは壊れるから」というのが、その理由だそうです。
元来、フォード用のデフを使うことを前提に設計されたシャシに、BMWのデフを装着するためのアタッチメントを介してBMWデフを装着している訳ですから、当然、強度は落ちてしまいます。
また、歴史の長いFord製デフ用のLSDは選択肢が多く、メンテナンスに通じているメカニックが多い事も、耐久レース用の車体には好都合だからでしょう。
自分もMy 7のUpgradeに際して、デフケースをFord製に換装する事も検討しました。
しかし、結果的には現行のBMW製デフケースを使用する事にしました。理由としては、
1、Ford製デフケースを使用する場合、全てリビルト品となり、状態の良い物をベースに組み直さねばならない。依って、個体差が出やすい。
2、ドライブシャフトもFord製デフケース用は現行と異なるものを使用する。
3、お気に入りのカーボンペラが使えず、現在、それに合うカーボンペラは流通していない。
そして、決め手となったのが、
4、BMW製デフケースを現在のシャシにFord製デフケース以上に頑強に取り付けられれば、上記1~3の問題は全て解決する。
・・・と言う訳で、LSD選択肢の多さ、今までの破壊データの蓄積等、Ford製デフケースのアドバンテージはあるものの、今回は、BMW製デフケースを使用する事に決定しました。
お陰で、カーボンペラ続投可(実はコレが1番の理由-と言うのは内緒です 笑)、LSDも現在使用中のTITAN製機械式(定評があり、現状不満無し、馴らしも終わったばかり)がそのまま使える、等、自分にとっては、Ford製デフケースを使用する事は不必要な事となりました。
しかし、そのためには大前提として、BMW製デフケースの取り付けに万全の対策が必要となります。
上の画像は、あるSEVENレースで起きたトラブルの1例です。
使用されているのは、Ford製デフです。Ford製デフで、補強ストラットを入れていても、マウントが損傷し、そのためストラット取り付け部分に負荷がかかったのでしょう。
この当時のシャシは、シャシ側のデフブラケットブッシュを装着する部分が弱かったので、そこが剥離し、補強を入れているにもかかわらず、その補強が結果的にリヤのフレームを破壊しています。
現在のシャシは、そのブラケットブッシュの部分は補強されています。
しかし、この例からも分かる通り、デフマウントの強化も、やり方によっては逆効果になる事もありうるわけです。
DuratecにBMW製デフケースを使用する際、R500のみ、デフストラットが装着されていました。要するにベースのデフマウントだけでは強度不足である事をメーカー側が知っていた、と言う事です。
しかも、そのストラット付きのマウンティングでも強度不足だとして、今度はストラットなしでも取付強度の上がる代替品の強化マウントが、メーカーから無償で提供されました。
My 7も、当初、ストラット仕様でしたが、途中でこの強化品に交換しました。その顛末は、以前、「業務連絡」と銘打って、自分のブログに載せてあります。
それ以前は、デフ周りからの原因不明の振動や異音がありました。
ですが、この強化品に交換以降、デフの取り付けに関して問題は起きていないので、一応、十分な強度が確保されているのだとは思います。
しかし、今回のUpgradeでは、エンジン出力の大幅な増加に伴い、現状のままでは、やはり不安が残ります。
そこで、お世話になっているFactoryと相談の結果、更に高強度のデフマウントをone-offで製作して頂くことに決定しました。
コレが、ケータハムから提供されたストラット無しの強化品。
昨年7月、LSD(内部)のトラブルがあった為、ケータハム本社から取り寄せて自宅で取り付けたBMW製デフケースAssyに付いていた物。
そして、コチラが、今回、製作して頂いた特製強化ブラケット。
一見して、そのタフネスの違いが分かります。
計測したわけではありませんが、若干の重量増にはなっていると思われます。が、ここでは、多少の軽量化よりも強度の方が重要です。
これにより、先に述べたように、BMW製デフケースを使用する事が最良の選択となる訳です。
コレは一例ですが、今回のUpgradeにおいては、先日Upしたタンクガードの他、7にありがちなトラブルを最小限に抑えるべく、トータルでの改良を実施しています。
よりパワフルで、より軽く、より信頼性に富んだエキサイティングな7にしたいと考えています。
依然、途中経過なのですが、何かのご参考になれば幸いです。
Posted at 2018/05/10 23:10:51 | |
トラックバック(0) | 日記