神奈川・東京・埼玉限定の話ですが、ウチの地元相模鉄道(以下相鉄・そうてつ)が11月末に新線を開業し、JR埼京線との直通運転を始めています。
あのタモリ俱楽部でも2回にわたり登場したりと、社運を賭けた広報をして満を持しての開業でありました。
※相鉄の筆頭株主は小田急
相鉄は大手私鉄といいながらも従前は自社での路線運営になっていて(=乗り入れ無し)、東京に出るには横浜か大和か海老名で他社に乗り換えていく必要がありました。
近年の若年層減とか都心回帰の流れがあり、沿線にこれといった観光地もないことからインバウンドによる乗客増もあまり期待できず、何も手を打たなければ乗客数がじり貧になるという危機感を経営層は持っていたかと思われます。
ということで新線を開業して他社への乗り入れを計画、最初東急に声をかけたものの相手にされず、JR東に声を掛けたら新宿方面ならいいっすよと言われ(相鉄は東京駅方面を希望していたらしい)、それを見て東急が慌てて再協議に応じて、両社への乗り入れが決まったとのこと。
当初は2015年くらいに開業といわれていましたが、2度にわたり延期となり今年JR側が開通、3年後に東急とつながる予定です。
東急とつながるときは新横浜から西側が相鉄、東側が東急の路線となり、新横浜まで乗り換えなしで行けることが沿線住民(相鉄・東急ともに)には大きなメリットとなるのではと思います。私の最寄り駅から新横浜までは電車だと最低40分はかかりますが、この新線では15分くらいになるそうです。
今は日帰りで新横浜から新幹線に乗る場合は車で駅まで行き、コインパーキングに停めています。
この図でわかるように、JRは結構大回りをしていて、東急直通の方が便がよくなるのではと思います。こちらは本数もかなり多くなるようです。
JRはすでに増発の余裕がほぼ無い湘南新宿ラインを通ることから、通勤時間帯でも1時間3本しか運転できず、昼間は1時間に2本だけと、JR側の都合にあわせたダイヤとなります。この本数ではあまり使う人がいないのでは?という予感はしていました。
ふたをあけて3週間、見えてきたことはこんな感じです。
①JR直通はかなり空いている
本数少なく、運賃が割高になる人が多いためか
②横浜駅行きが不便に
JR直通利用者が使いやすいダイヤにしてしまったことから、大多数を占める横浜への利用客が途中乗り換えを強いられたり、乗り換えなしでも以前よりも時間がかかるなど不便を被っている
③横浜駅行き混雑、遅延その1
横浜への本数はほぼ同じなのだが、特定の電車に乗客が集中する傾向にあり、そのために遅延が出ている
④横浜駅行き混雑、遅延その2
朝の通勤時間帯、以前は各停しか止まらない駅だった鶴ヶ峰・西谷に優等列車が止まるようになったため、遠方から横浜に向かう乗客からみると混雑がひどくなったと感じている
⑤JR遅延の巻き添え(その逆もある)
JRの乗り継ぎ先が首都圏で遅延が多い埼京線/湘南新宿ラインのため、JRの遅れの影響をかぶり、相鉄が毎日のように遅延するようになった
ということでユーザーの多数派はかなりお怒りではないかと思われます。
ユーザーが相鉄のいいところと考えていた
「ほとんど遅れない」
「台風・雪でもなかなか止まらない」
のうち、前者が過去のものとなってしまったこと、不満になるのはごもっともです。
SNSを見ると直通止めてしまえ、みたいな意見が電車遅延のたびに沸き上がっている状況です。ビジネスは難しいものだと改めて実感します。
(続く)
Posted at 2019/12/21 12:33:43 | |
鉄道 | 日記