忙しくて、やっとアップできました。
尚、ブログの写真は、サポートされた皆様の写真を拝借してるものがほとんどです。ドライバーだったので、自分で撮影した写真がほとんどありませんでした・・・拝借した方、すみません
毎年恒例の「アイドラーズ12時間耐久レース」に参戦してきました。
車は、去年からカラーリングやフェンダーも大きく膨らんだ72年式のナローポルシェ(エンジンは3.2カレラエンジン)です。
去年の12時間耐久日記
今年もお友達のmedjaiさんがオーナーのチームでのドライビングです。
去年は、目標だったポルシェ1位、総合10位以内をクリアしたので、今年の目標はポルシェ1位はもちろん、総合シングル入りです。
事前の呼びかけで、ドライバー、メカニック、お友達のサポート含め、総勢36名の大所帯での参戦となりました。
参加台数113台の中、ポルシェは燃費が悪い方に入るので、その分ラップタイムでその分をカバーしなければいけません。
かと言って、バンバン飛ばしても余計に燃費が悪くなっちゃうので、燃費とラップタイムのバランスを考えながらの走行をしなければいけません。
また、せっかく頑張っても、他車との接触等でリタイヤしては台無しになってしまうので、リスクを最小限に抑えながらラップも刻むという走行が必要になります。
そこで・・・
・回転数はレッドまで回さず、決められた回転数で抑えて走る
・コース上では、2速は使わない(通常2速で走りたいコーナーも3速で走る、要はあまりコーナーリング中に速度を落とし過ぎないような走りが必要)
・5速からの減速では、ブレーキングで速度を落とすようにして、4速は飛ばして3速に入れる(4速にダウンする時のアクセルを煽る分のガソリンを節約する)
以上の決まり事で走ります。
しかし、それだけではありません。
113台もいればコース上はどこも車ばっかり・・・速度差もかなりあるので、抜こうとする前方の集団を観察して・・・・
★各車の位置、速度を一瞬で判断して、集団をぬってどこから抜いていったらいいのか?
★そこがコーナー手前だと、その車はアウト?イン?どちらに避けてくれるのか?
★もし他車がコーナー中で外に幅寄せやインを締めてきた時には、どこに避難(グラベルとか・・)するのか?
★コーナー手前で集団があった場合は、無理して一緒にコーナーに突っ込まず、ちょっとアクセルを抜いて集団をコーナーで先に行かせ、その先のストレートで一気に抜こうか?
★ちょっといやらしいですが、なかなか抜けない中途半端に早い車両がいたら、前方の遅い車両にその車両が引っかかるようなライン取りをして、そのひっかかってる間に抜き去る・・・
このように、耐久レースは燃費走行しながらも、かなり頭を使った走りが必要になるのですが、真夏のしかも灼熱の車内でのドライビングでそれを考えて走るので、精神的にもかなりの疲労を伴います。
このような極限のドライバーを、サポートスタッフにフォローしてもらいながら、みんなで戦う耐久レースだからこそ、感動も大きくなります。
さー、みんなで手押しでスターティンググリッドに車を運びます。この瞬間もいいんですよねー・・・みんなの気持ちが一体化します。
グリッド上でドライバー記念撮影
チームみんなで記念撮影
しかーし・・・113台のグリッドはクジ引きで決めるのですが、なんとグリッド106番をゲット、後ろから7台目・・・medjaiさん、クジ運悪過ぎーーー・・笑
スタートはローリングスタートです。
レーススタート・・・
第1ドライバーは、オーナーのmedjaiさん。どんどん抜きます、抜きます、抜きます・・・結局、1時間弱のドライビングで100台以上抜いて、5位くらいで第2ドライバーの僕にバトンタッチです。
さすがに上位に食い込むと、みんな早い車が多いのでなかなか順位が上がりませんが、なんとか僕のドライブでトップに上がりました。
ここからは、燃費で順位がコロコロ変わってきます。
給油では、強制ストップが5分、その5分後からタイヤチャックやドライバー乗り込み、ガラス拭き、無線機装着などで2分近く・・・合計約7分間をロスしてしまいます。モテギのラップで考えると、約2周分になります。
給油作業
ピット作業(仲間がやってくれます)
僕がトップで帰ってきても、給油作業で5位あたりに落ちてしまい、また次のドライバーで早いラップで1位まで上がって、また給油で順位を下げます。
ちなみに、給油は1回20Lしか入れられないのです。
燃費の悪いポルシェでは、毎回ドライバー交代ごとに給油(7分ロス)になってしまいます。
ドライビングが終わると、サポートの仲間達が冷たいタオル、ドリンク、そして団扇サービスをしてくれます。本当に嬉しかった・・・みんなありがとうございます。
こんなんで、1位を走っては給油で順位が落ち・・・の連続が続きます。
天気も良かったので、気温もどんどん上がってきました。
じっとしてても汗が出てきます。
気温がかなり上がってきた時の僕のドライブタイムでは、暑くてだんだん頭がボーっとしてきて、息使いも荒くなり、今までの耐久ではちょっとでも長く乗ってたいなーといつも思うのですが、今回は初めて早く僕の時間が終わってくれーと思うくらいヤバかったです。
案の定、ドライブが終わって車から降りたら、もう足がフラフラ・・・・はい熱中症?脱水症状?になってしまいました。
たまたま隣のチームがお子様プールを持ってきていて、「どうぞ」と言ってくれたので、ジャボーン・・・パンツ1枚でしばらく体を休めて復活しました・・恥
このように、1位から3位の間を行き来する気が抜けないレース展開を続けました。
途中、1位に名前を刻んでるモニターを見て、嬉しくて何度も涙が出てきちゃいました・・・恥
みんなでモニターに釘付け
BB号のボディメイクでお世話になってるラウ・ヴェルトチームのポルシェ
medjaiさん、ryumaさん、木村プロ・・・みんなガンバって走りました。
だんだん、トップ5の車が固まってきて、我ポルシェ、お友達のスポコンPさんのシビック(昨年優勝)、BMW、ロータスエリーゼ、そして燃費NO.1のザウルス(日産が作ったフォーミュラカーベース車両、車重700kg、燃費リッター9キロ)・・・・
終盤になって、BMWが脱落し、なんと優勝候補No,1で、ずっとトップ争いをしてたスポコンPさんのシビックのホイールが走行中に割れてコースアウト → リタイヤになってしまいました。
残り1時間の時点で、1位我ポルシェ、2位ザウルス、3位エリーゼ、4位ザウルスになりました。
僕の最後のドライブは最後から2番目で、もうコースは夜になって真っ暗です。インのクリッピングポイントも見えないので、10年間で何百周も走ったモテギでの勘を働かせてのドライビングです。
なんとか、1位を奪取して最後のピットインをして給油です。そして、アンカーのmedjaiさんにバトンタッチです。
やはり、バトンタッチでの給油ロス、2位を走ってたザウルスは、無給油でのドライバー交代(5分の強制ストップが無い)だったので、またまた逆転され2位でコース復帰しました。ザウルスとの差は、約3分くらい?(1周半)
そのザウルスのドライバーは、アメリカINDYレースを戦ってたプロドライバーのロジャー安川選手でした。
medjaiさんがコースに復帰して、僕がヘルメットを脱いだら、急に涙が出てきました。
最後から2番目の重要な部分をチームから指名で任され、ミスが許されない1位を守んなきゃいけないそのプレッシャーからの開放、自分の中では精一杯のドライビングをして4回のスティントの仕事を精一杯やり尽くせた満足感・・・・こんなんで目から大洪水でした。
ここから、medjaiさんの猛追です。
ちなみに、このトップを走ってるザウルスは、僕が3年前に富士の1000km耐久レースに出場した時にドライブしてたマシンだったんです。
富士の1000km耐久レース日記
その時は、僕がアンカー・・・2位でバトンを受け、怒涛の追い上げでトップに上がり・・・しかし、終了間近でフロントサスペンションのナックルアームのキングピンが金属疲労で折れて、タイヤが明後日の方向を向いてしまい脱落した苦い思い出があります。
で、今回はこの車両そのものが、ポルシェを逆転してトップ・・・いけないことだろうけど、僕のときと同じように足のピンが折れないかなー・・なんて思っちゃいました・・・笑
しかーし、終了間塚・・そんな悪いことを願ったのが災いしてか、モテギのオフィシャルが我チームにところに来て、「ポルシェの助手席が開いて走行してるので、ピットインしなさい」との指示・・マジーーーー
急いで、ピットボードでピットインの指示・・・・そしてピットイン・・・でも助手席が閉まってる・・どうやら、medjaiさんが車を左右に振って「エイッ」と助手席ドアを閉めたとのこと・・結局、そのままピットをスルーしてコース復帰。
せっかく追い上げてたのに、また差が開きます。しかも、3位のチームも同一周回・・マズイ
ガンバレーとみんなで応援しましたが、その思いも虚しく、激しい追い上げもほんのちょっと足りず、12時間でたったの約1分50秒差での2位でチェッカー
3位の車も、ザウルス・・・実は、このマシンも僕が2年前に出場したセパン24時間レースに出場して優勝した時のマシンだったんです。
ということは、1位のザウルス、2位のポルシェ、3位のザウルス、みんな所属したチームで争ってたということになり、何か複雑でした・・・笑
さて、ゴールの瞬間、もう感動で目からまた大洪水です。
ピットロードに戻ってくるポルシェをみんなで拍手で出迎え、もうチームは感動の嵐です。
たぶん、僕以外にも泣いてた人がいたでしょう・・・
ドライバー4人でシャンパンファイト。
実は、ゴール前にみんなで「ゴールに戻ってきたmedjaiさんに、みんなでペットボトルに入れた冷たい水を一斉にかけちゃおう」とかくらんで、何本も冷水ボトルを作っておいたんです。
さー、みんなでmedjaiさんにかけるぞー・・・と思った瞬間・・何故か僕に冷水の集中砲火・・・おいおい、話が違うぞー・・笑・・いつの間にか、ターゲットが僕に代わってました・・爆・・でも、嬉しかったです。
1位と3位のザウルスは、リッター約9km走ることができます。
ポルシェの倍燃費がいいんです。だから、給油も少なくて済みます。
結局、うちは給油14回、1回給油で約7分ロス、合計約1時間40分近くは給油ストップしてた計算になります。
ザウルスは、燃費が倍と計算すると半分の給油(約50分)で済んでます。
ここが勝負の分かれ目になりました。さすがに、この50分をラップで縮めるのは大変でした。
こんなんで、サポートの仲間と一緒に長~い12時間レースの戦いが幕を閉じました。
最初からサポート参加の人は、24時間近くにも及ぶサポートになりましたし、本当にありがとうございました。
サポートのみなさんのお陰で、ドライバーはレースに集中することができましたので、この113台中2位の結果は、チームみんなで勝ち取った結果だと思います。
ゴール後の記念撮影
ポルシェ戦いの勲章(タイヤカス)
表彰式お立ち台
1分50秒差・・・最後のドア開きのトラブル、細かしピット作業の短縮、毎ラップを1秒づつでも早く走ってたら・・・たらればですが、優勝もできてました。そう考えると超悔しいです。
でも、総合2位、ポルシェ1位、市販車1位・・・
アイドラーズ耐久では、ポルシェが表彰台は無理と言われてた中での総合2位は非常に価値が大きいものになりました。
今、我チーム状態を考えたら、悔しかったけど最高の結果だったと思います。
来年への目標ができました。
今回もドライバーとして呼んで頂きましたオーナーのmedjaiさん、本当に感謝してます。
そしてメカニックの田●さん、一緒に戦ったドライバー、そしてなんと言ってもサポートに来てくれたポルシェ仲間の皆様、本当にありがとうございました。
来年は、忘れ物を奪取しにいきましょう。