各国で、感染拡大が続いています。
感染症専門家はもっと厳しい移動規制をしないと、東京もニューヨークのようになるとの意見が多いようです。 政府は今になっても経済成長が大幅にダウンするのを避けようとしているのでしょうか?。
勿論、経済をどうでも良い事とは思いませんが、国民あっての経済です。
とにかく家に居ましょう!。 我が家でも、隣の市に住んでいる孫を毎週、日曜保育で預かっていましたが、先月から中止しスカイプでのお話に変えました。
かわいい盛りに会えないのは辛いけど、しばらくお互いに我慢するしかありません。
先月のブログに書いたドイツのメルケル首相の、国民向けのメッセージの翻訳全文を以下に載せます。これだけ率直に語れるトップと、それを真摯に受け止め自分の行動を制御できる国民を、私は心から尊敬します。
このメッセージに国民が応えた結果、ドイツはEU各国の中では最も低い死亡率になっています。
各国の死亡率(4月5日現在) イタリア 12.33%
フランス 11.01%
スペイン 9.42%
ドイツ 1.46%
以下は一ヵ月程前、メルケル首相がドイツ国民に出したメッセージです
(著作権の問題があるので指摘があったときは削除します)
====================================
国民の皆さん。
新型コロナウイルスは、いま私たちの国の日々の生活を劇的に変えています。
正常であること、公共の生活、社会の協調。こうした全ての概念がかつてない試練にさらされています。
何百万人もの皆さんが仕事に行けず、お子さんたちは学校や保育園に行けず、劇場や映画館や店は閉まり、そしておそらく最も困難なこととして、私たち全てにとって当たり前だった社会での出会いをなくしています。こうした状況で、今後について多くの疑問や心配があるのは当然です。
私はこうした異例の形で皆さんに呼びかけています。それはこの状況において、ドイツ連邦共和国の首相としての私と、連邦政府の同僚すべてが、何を指針としているかをお話ししたいからです。これは開かれた民主主義の一面です。私たちは政治的な決定を透明な形で行い、説明します。私たちの行動が正しくあるように意思疎通を図り、人々が理解できるようにします。 この試練の克服を、全ての国民が誠実に自身の任務だと考えるなら、それは可能だと私は確信しています。
だからこそ、この問題は深刻だと述べさせてください。そして深刻に受け止めてください。(1990年の東西ドイツ)再統合以来、いや、第2次世界大戦以来、私たちの国にとって、連帯の精神をもって行動することがこれほど重要な挑戦はありませんでした。
この感染症の中で私たちがどういう状況にあり、連邦政府と各州が私たちのコミュニティーを守り、経済、社会、文化の面で悪化を抑えるために、何をしているかを話したいと思います。ただし、なぜすべての皆さんの助けが必要で、それぞれに何ができるかということも伝えたいのです。
この感染症についてですが、私が皆さんに申し上げることは全て、連邦政府がいま、ロベルト・コッホ研究所(生物医学に関するドイツ政府の中央研究機関)の専門家や、他の科学者、ウイルス学者と検討していることに基づきます。ウイルスについて世界中で集中的な研究がされていますが、処方箋やワクチンはまだありません。
そして今回の場合、これは私たちのすべての行動の指針なのですが、唯一大切なことは、ウイルスの感染拡大を遅らせ、数カ月にわたりカーブを平らにして時間を稼ぐことです。その時間は、研究者のコミュニティーが薬とワクチンを開発するために、しかし何よりも、病気になった人たちができるだけよい治療を受けるために必要なのです。
ドイツには素晴らしい健康管理システムがあり、おそらく世界最高水準です。それは私たちの心の拠になりえます。しかし私たちの病院がもし、多すぎる患者を最速で受け入れることになれば、このウイルスによる様々な症状に苦しみ、完全に圧倒されてしまうでしょう。 これは抽象的な統計の数の話にとどまらず、父親や祖父、母親や祖母、配偶者、つまり人々の問題です。そして、それぞれの命と人格が大切にされるのが私たちのコミュニティーなのです。
まず、私たちの病院や健康管理システムで働く医師、看護師、その他の人々について述べたいと思います。あなた方は、私たちのための戦いの前線にいます。最初に患者に接し、このウイルスの症状が時にいかに過酷なものかを目の当たりにします。日夜、人々を救うために職場に戻り続けます。とてつもない働きであり、心から感謝します。
私の目標は、ドイツ全土へのウイルスの広がりを遅らせることです。私たちにとって死活的に重要なこととして、公共の生活をできるだけ静穏なものにするという一点を何よりも心がけねばなりません。国の機能は動き続けるので、(静穏な公共生活とは)合理的でバランス感覚を持ってということです。物資を供給する流れが保たれることはもちろんですし、経済活動はできるだけ維持したいと思います。
しかし私たちは、人々を危険にさらし、個人だけでなくコミュニティーを害する全ての要素を減らさないといけません。ある人から他の人に感染する危険をできるだけ抑えねばなりません。 すでにどれほど劇的に様々な制限がなされているかは承知しています。 イベント、見本市、コンサートは中止。そして当面、学校、大学、保育園は開かれず、公園で遊べません。連邦政府と各州が合意した様々なことの中止が、私たちの暮らしと、民主主義社会としての私たちにとっていかに侵略的なものであるかも承知しています。こうした制限はドイツ連邦共和国が経験したことのないものです。
私は皆さんに保証したい。自由に旅行し移動する権利を得るのがとても大変だった私のような人間に言わせれば、こうした制限は絶対的な緊急時にしか正当化されません。民主主義社会では決して軽々しく発動されてはならず、暫定的でないといけない。しかし今は、多くの命を救うために欠かせないのです。
それ故に、今週の初めから、より厳しい国境管理と入国制限が、私たちにとって最も大切ないくつかの隣国に対して実施されています。
大企業から中小企業、店やレストラン、フリーで働く人々を取り巻く経済は、すでに大変厳しい状況です。今後数週間でさらに厳しくなるでしょう。経済への衝撃を緩和し、何より雇用を守るために、連邦政府はあらゆる手を打つと私は保証します。この最も困難な時期に、私たちの企業の従業員を救うために、私たちはあらゆることができるし、することでしょう。
食糧の供給は常に保たれるので、皆さんは安心してください。スーパーマーケットの棚に、ある日はたまたま何もなくても、翌日にはいっぱいになるでしょう。スーパーマーケットに行くすべての人に言いたい。まとめ買いに常に意味はありますが、常識の範囲においてです。明日がないかのようなパニック買いは無意味で、連帯への意識に全く欠けることを結局は示すのです。
ふだんめったに感謝されることのない人々に感謝を述べたい。スーパーマーケットで、レジを打ったり、棚に商品を並べたりしている人々は、今まさに最も大変な仕事をしています。国民のためにその現場にあり、私たちの暮らしを支えてくれている皆さんに感謝します。
いま最も緊要と私が信じることを述べたい。もし私たちが、ウイルスの急速な拡大を防ぐために最も効果的な手段をとることに失敗すれば、国家によるすべての取り組みは無に帰すでしょう。これは私たちの問題なのです。
このウイルスは誰にでも感染しますから、私たちひとりひとりが対応せねばなりません。何よりもまず、いま何が大切かを真剣に考えてください。パニックには陥らず、しかしあの人たちは関係ないと一瞬たりとも考えないでください。誰も犠牲になってはいけない。誰もが大切にされるべきであり、私たちは一体となって努力することが必要なのです。
感染病がもたらす深いメッセージ。それは、いかに私たちは脆弱で、いかに心ある他の人たちの振る舞いに頼り、そして突き詰めれば、一体となって行動することで、いかに私たち自身を守り、励まし、支え合えるかということです。
すべての個人が大切です。私たちは、避けられない現実としてこのウイルスの拡大を受け入れるように運命づけられてはいません。 戦う手段があります。
よく考えて相手との距離を取らねばなりません。ウイルス学者たちははっきりと助言しています。握手をしない、手をしっかり何度も洗う、相手と少なくとも1.5mの距離を保つ。お年寄りは特に危険にさらされており、あらゆる接触を避けることが理想です。
大変なことを求めているのは承知しています。特に苦難の時にはお互い寄り添いたいものです。私たちはそばにいて手を差し伸べることで愛情を示します。しかし今、私たちは反対のことをせねばなりません。相手を大切にする唯一の方法は距離を保つことだと、私たちすべてが今すぐ理解せねばなりません。
ぜひにというわけではない善意の訪問や旅行は、感染を広げるのですぐにやめるべきです。祖父母と孫の接触はすぐにやめるべきだと専門家たちが言う理由があるのです。
ひとりひとりが不要な出会いを避ければ、病院で日々増える患者の世話をする人たちが助かります。そうして私たちは命を救うのです。多くの人々には難しいことでしょう。誰も見捨てることなく、応援と励ましを必要とする人々を世話することは大切です。家族として、社会として、私たちは他に助け合う方法を見つけることでしょう。
このウイルスと社会への衝撃に立ち向かおうと生まれたアイデアはたくさんあります。いまでもお孫さんたちはポッドキャストの録画を使って、祖父母たちは孤独でないということを伝えています。
私たちすべてが愛情や友情を示す方法を見つけないといけません。スカイプや電話、eメール、そして昔ながらの手紙を書くことでもやり取りをしています。郵便は必ず届きます。近所で助け合う美しい例を耳にします。一人で買い物に行けないお年寄りを支える人たちがいます。もっとできることがあるはずです。私たちは互いに見捨てることのないコミュニティーであると示せるでしょう。
だからこそ私は皆さんには当面の間、まだなされていないルールの順守を強く求めます。政府は常に、様々な対策のどれを見直すべきか、続けるべきかについて再評価をしていきます。事態は動いており、そこから学び続けることで私たちはいつでも考え方を調整し、新たな手段を用いることができます。その際には政府はまたその理由を説明するでしょう。
それ故に、私は皆さんに、どんな噂も信じず、公式のメッセージだけを信じていただきたい。政府は常に多くの言語に訳して発信するでしょう。
私たちは民主主義社会です。私たちの繁栄は、何かをせよと強いられるのではなく、知識を共有し、積極的な参加を促進することによるのです。この歴史的な任務は、私たちがともに立ち向かうことによってのみ果たされるのです。
私たちがこの危機を克服できることに、私は全く疑いを持ちません。しかし、被害者はどれほどになるのでしょう。愛する人たちを何人失うのでしょう。答えはほぼ私たちにかかっています。いますぐ皆で一緒に決定的な行動を起こせます。現在の様々な制限を受け入れ、互いに支え合えるのです。
事態は深刻で、先行きは不確かです。ひとりひとりがいかにきちんとルールに従うかにも、私たちの成功は大きく左右されるでしょう。かつて経験したことのない事態でも、私たちは暖かい心で、かつ合理的に行動することで、命を救えます。
ひとりひとりが例外なくできるかどうかなのです。
あなた自身と愛する人たちを、どうぞお大事に。
ありがとう。
👇ノーベル賞受賞の山中伸弥教授が発信する新型コロナ関連情報です