(1月1日 その2)
帰りに公園管理事務所に立ち寄り、大人1名、車1台で90ドル(1200円ぐらい)支払い、ついでにジュースも購入しました。
このジュース、ナミビアのあちこちで売っているのですが、すっごく美味しくてハマリました。(ここでは13ドル、160円ぐらい、場所によって値段がすごい上下します)
さて、本日のコースです。ゴール地点はナビブ砂漠手前のセスリウムになります。今、右下のフィッシュリバーキャニオン国立公園を出発し、D601号線を東に向かっているところです。(赤い星のあたり)
総走行距離は600km弱と比較的短いのですが、問題は緑で線を引いたB4号線以外は全部ダートロードなんじゃないかということです。
あと、後半になればなるほど地図上でも道がクネっているので、「楽勝」とは感じておりません。
あと、もうひとつ、この先C12号線を北へ50kmほど行ったところで大きな涸れ川を渡るのですが、昨日雨が降ったのでどうなっているか心配です。
(川を渡れない場合は右にあるダムの方へエスケープするルートがあるみたいなので、それを使用することになると思います)
では、行きますよ~!
多肉植物の世界ともそろそろお別れでしょうか。(
Aloepillansii)
踏み切り注意の看板ですが、なかなか恐ろしい面構えの列車が走ってくるんですね。
踏み切りです。一応一時停止しておきました。
右側の大地と前方の晴天域が気になって撮影。
気になったと言えば、途中で若い白人カップルが乗るトヨタRAV4とすれ違ったのですが、運転していた男性がこちらを見ながら明らかに笑っていました。
それが、この先の川を渡れなさそうだから笑っていたのか、ただ単に二人の会話が弾んですれ違うタイミングで笑っていただけなのか、妙に気になってしまいました。
そうそう、ナミビアの列車ってこんなイメージですよ。
綿雲の浮かぶC12号線。
昨日、雨の中を走ったので、車の後ろがドロだらけです。
お、向こうからワンボックスが走ってきた!
って、ことはこの先の川は大丈夫そうですね。(ワンボックスですら通過できるぐらいという意味で。もしかしたらダム側から来たかもしれませんが)
そして問題の川に到着。(LOWEN川、ドイツ語読みでレーベンって読むんですかね?)
余裕で渡れたので、猿に見守られつつ、車に川の水をかけて少しだけ綺麗にしました。
(ドアやトランクを開け閉めするたびに、手がドロだらけになるので)
しかし、車を洗った後になって水溜りが登場し始めます。
まぁ、このぐらいならゆっくり進入して避ければ良いだけなのですが。
ぬわ~、せっかく洗ったんだから勘弁して~!!
というわけで、すっかり元通りに汚れたところで、B4号線との交差点にあるゼーハイムの街に到着しました。
食べ物でも売ってるかなと街中に入って行ったのですが、思いのほか悪路でびっくりしました。
ゼーハイムの街は家が数件と、あとはガススタンド付きのホテルがポツンとあるというレベルでとてつもなく小さな街なのでした。
すごすごとUターンし、B4号線に乗ります。
いやぁ~、舗装路は快適ですね~。
気温は29度。
窓を開けて走ればまだまだ暑さも問題無い感じです。
フィッシュリバー(涸れ川)を橋で渡ります。
あんな渓谷を作り出すだけあって、さすがにでかい川底です。
道端にはヤギ、、、
牛や馬、、、
それにダチョウなんかが居ました。
あと、地層のむき出し具合がすごいです。
いかにも時間をかけて積み重ねました! って感じのわかりやすい地層がマニアじゃない私にも素敵に感じます。
う~ん、気分爽快!
(後部ドアの中途半端な汚れ具合を気にしなければ、、ですが)
とにかくナミビアは車の交通量が少ないです。
なんせ、この広い国土(日本の倍以上の面積で世界33位)に人口210万人ですから。
そう言えば、南アフリカもそうだったのですが、道路脇には延々と柵が設けてあって、あらゆる中・大型動物が飛び出しこないようになっています。
どおりでオーストラリアみたいに動物の死体が落ちていないわけです。
楽しかったB4号線舗装路ドライブも終わりを告げ、ここからC14号線を北上します。
ありゃ、ここも舗装路ですね! こりゃ快適。
そして、ついに牛の死体を発見しました。肋骨の内側が綺麗さっぱり無くなっているのを見て、動物の死体をまったく見かけないのは、アフリカにはオーストラリアやニュージーランドと違って肉食動物がやたらと居るからだと認識を改めました。
あんなところを人が歩いてますが、あの人はどうやってここにたどり着いたのでしょう?
(前後数十キロは街が無いのと、移動手段となる車などは見当たらなかったのですが・・・)
ベサニーの街に到着しました。
ガソリンスタンドが目に入った時、車の残り走行可能距離(i20の時計のところに表示されています)が160kmになっていたのでどうしようかと一瞬悩んだのですが、日本で調べたGooglemapの情報によると、この先のヘイマジンハウーゼン(Helmeringhausen)の街にガソリンスタンドがあって、そこで入れるのが給油ポイントとしてはベストなので、そこまで給油しないで行くことにします。
ベサニーの街を出たとたんダートロードに切り替わったので嫌な予感がしたのですが、万が一ヘイマジンハウーゼンにガススタンドが無かったとしても、片道80km、往復160kmならi20が表示している走行可能距離上ギリギリ行って帰ってこれることになっているので、そのまま走り続けます。
これ、牧場の門のようです。
広大な大地に突然門だけ登場するので、最初は廃墟か何かかと思いました。
ダートロードにはなりましたが、道の状態はすこぶる良く、舗装路と変わらない感覚で走ることが出来ます。
これはかなり気持ちが良いです!
ん? あの看板は舗装路になるってことですかね?
あ~、なるほど、ヘイマジンハウーゼンの街中は舗装されてるんですね。
舗装されていることで喜んだのですが、やはり街の規模は先ほどのベサニーと比べるまでも無く小さいです。
というか、家が全部で数軒ってレベルじゃないでしょうか?
それでもちゃんとガソリンスタンドがあったので、車を給油機の前に停めて、フルサービスが基本なのに従業員が見当たらないことに不安を覚えつつ事務所の方に歩いていくと、ドアになにやら張り紙が・・・・
「1月1日はお休みします。用事がある人は電話してね。○○-○○○・・・・」
げげげ、正月早々やっちまったぁ!
携帯電話でローカルコールってどうやってかけるんだっけ?
いや、そんなことでモタモタするぐらいならベサニーに戻るほうが早いか・。。
と、張り紙を見つめながら考えていたら、突然ドアの上半分だけ開き、中から黒人男性が顔を出します。
「あ! ガソリン入れたいんですけど!」
「いいよ、ちょっと待っててね」
と、言うなり彼は事務所(と、思ってましが中は倉庫みたいな感じでした)の奥に歩いていき、発電機のエンジンをかけて準備を始めました。
いやぁ、助かりました。
彼はガソリンを入れつつ、
「ナミビアははじめて?」
と、笑顔で質問してきます。
「アフリカが初めてですよ。」
「そうなんだ! どう? アフリカは?」
「とてもすばらしいです!」
「そりゃぁ、良かった。」
「今日は暑いですね。いつもこんなに暑いのですか?」
「そうだね~。でも昨日は雨が降ったし涼しかったかな」
「なるほど。ところで、写真撮らせてもらってもいいですか?」
「いいよ」
「では、、、ハイチーズ、、、」
カシャ!
(別に「ガソリン入れたぜ!」という決めポーズをお願いしたわけではないです)
ちなみに、向かいのショップもドアがしっかりと閉じています。
なんと、これがスタンダードバンク! (※南アフリカ随一の銀行、日本で言えば三菱東京UFJとか、みずほクラスの銀行です)
まぁ、ATMだけ設置してあるとかそういう感じだと思うのですが。
ガソリンを入れてもらっているときに黒人女学生三人組が歩いているのを見かけた以外は、ひと気すら感じない街でした。
いやぁ、こんな小さな街で1月1日にガソリン入れられて良かったです。(34リットル280ドル 3500円)
500kmほど走って34リットルですから、i20の燃費はリッター15km弱ってところですね。(時速120kmで走ったり、4速に入れっぱなしのまま気づかず走っていたりしたので、80km巡行で低燃費運転を心がければもう少し伸びるとは思いますが)
さて、ガソリンも満タンになりましたし、あとはC27号線を北上するだけです。
本日の目的地、セスリウムまで残り約250km。この先街はありません。
当然のことながら昼食は手に入らなかったので、本日も食パンとポテチ、あとはクランキー(日本から持っていったザックにいくつか取り残されていたのを発見しました)で耐えしのぐしかありません。。。
しかし、道は相変わらずグッドコンディション。快適そのものです。
ん? 電信柱になんかついてますね。
あ! 鳥の巣だ。
しかも、すごい数の鳥が下の穴(ちょっとこの角度だとわからないと思いますが)から頻繁に出入りしてます。
シャカイハタオリというナミブ砂漠とカラハリ砂漠のみに生息するハタオリドリの仲間です。
英名が「Sociable Weaver」 学名が「
Philetairussocius」と、とにかく「社会的」であることを名前で示されている鳥です。
なんで、社会的なのか説明すると話が長くなってしまうので、興味がある方は
こちらからどうぞ。
簡単に説明すると、共同営巣で血縁関係なんかがある場合だと子育てを協力しあったり、寒い冬はお互い身を寄せ合って温めあったりするのだそうです。
そして、この鳥達を撮影するために、ようやくトランクから超望遠レンズを引っ張り出しました。
ん? こちらは巣が小さいのか、上に乗ってる鳥がでかいのか?
両方正解でした。
コシジロウタオオタカ(
Melieraxcanorus)が、まだ大きくなる前のシャカイハタオリの巣を停まり場として占拠していました。
(他でもこんな光景を数箇所みかけました)
お、なんか山岳地帯っぽいところに入ってきましたよ。
こうやって写すとちょっとわかりにくいかもしれませんが、カーブにはバンクがついてるんですね。
どおりで安心してカーブに飛び込めるわけです。
気温は28度ぐらいなのですが、日差しが強いからか、気温以上に暑いので、日焼け止めを(今更)塗りました。
この道(C27号線)は走りやすい上に景色が良いのですっかり気に入ってしまいました。
景色も眺めながらボーっと走っていると、たまに牧場や国立公園の境界ゲートがあったりするので、ちょっと焦ります。
チャイパッドの取り付けもようやく正しい形に落ち着きました。
電源ボタンへの干渉も無くなりましたし、ダッシュボードに軽く乗せているので、ダートの振動で床に転げ落ちることも無くなりました。
ただ、液晶のバックライトが暗いので、真っ昼間は見えにくいんですよね~。
(それでも、チャイパッド(現在地確認手段)があるのと無いのとでは安心感が全然違うのですが)
先ほどと同じ地図ですが、今ゴールの「A」地点から150kmほど南の右に逆「く」の字に膨らんだ場所のあたりに来ています。
この地点、何で右に遠回りするのか不思議だったのですが、実は北東のマルタヘーエから延びてきている道路との交差点がここにあって、そこにはガソリンスタンドと売店があったのでした。
ちゃんと営業していたので、ジュースでも買いに売店に行くとなぜかドアに鍵がかかっていて中に入れません。すると、ガソリンを入れていた若い男性白人スタッフが、
「こっちが終わったら、お店開けるからちょっと待っててね!」
と、声をかけてきます。
なるほど、一人で切り盛りしてるんですね。
その後お店を開けてもらって、例のジュース(本日2本目)を14ドル(さっきよりちょっと安い)で購入します。食べられそうなものは残念ながら売ってませんでした。
ここでついにお釣りがナミビアドルで返ってきました。
南アフリカランドはナミビアでも使えますが、ナミビアドルを南アフリカで使うことは出来ないんです。
なんとしても、このお金は出国までに使い切らねばなりません。
(余談ですが、ガススタンドのスタッフで白人の方が対応にあたってくれたのはここが最初で最後でした)
さて、本日の行程も残りあと少し、張り切って行きますか!
いや~、しっかし、暑い!
外気温が34度になりました。
ここまで、すばらしい状態を続けてきた道路ですが、ついに悪路に変わりました。
洗濯板状態に加えて深い轍になっています。
これは気が抜けません。
悪路に加えて牛まで登場。
柵があっても、たまに柵を越えている牛が居たりするから不思議です。
前方の白煙は対向車が発生させた砂煙です。
お~、端正な形の山ですね! かっこいい~!
左右に山が延々と続いているのも良いですね~。
(対向車も後続車も来ないのをいいことに、道の真ん中に停めているように見えるのは気のせいです)
お!! ついに見えてきました!
ナミブ砂漠です。
(左奥)
ナミブ砂漠が見えてテンションが上がったのですが、坂を下ってきたら、よく見えなくなってしまいました。。。
ん? あれはシマウマ飛び出し注意ってことですかね?
こんな砂漠のところにシマウマなんて居るんでしょうか?
あ! レイヨウだ! (スプリングボック
Antidorcasmarsupialis)
ようやく、アフリカらしい動物の写真が撮れました。
お、飛行機が停まってますね。遊覧飛行用か、それとも自家用でしょうか?
ふむふむ、レイヨウ飛び出し注意なのですね。たしかに飛び出すかもしれません。
なぬ! キリン飛び出し注意!?
そう言えば、ここ、道路脇に柵が無いですね。
超望遠1000mmで写してこの程度にしか写らなかったヤマシマウマ。(
Equuszebra 数百メートル先)
我ながらよく発見したと思いますし、本当に居ました。
この写真を写した時は温められた空気の揺らぎでこんな写りになっているんだと思っていたのですが、実は超望遠レンズの組み付け(自分で組み立てます)が甘くて、焦点ズレを起こしていたのでした。
なので、それに気が付くまで超望遠写真はこの先もすべてピンボケ状態になってます。。。
お~、またもやレイヨウ!
スプリングボックでした。
このエリア、道路脇の柵も無いし、今まで見かけなかった野生動物が突然登場したので不思議に思っていたのですが、後に登場した看板により、プライベートネイチャーリザーブ、すなわち私設の自然保護区なのだとわかりました。
左のミニ富士山を撮影。
これまた不思議な山肌です。
黒い岩の斜面に草が生えているのでしょうか?
一瞬、セスリウムに到着したのかと思ったのですが、まだ先でした。
へ~、こんなところにもスパ(温泉)があるんですね~。
こりゃまた、全部真っ黒な山です。
お! ナビブ砂漠の砂丘が見えた!
しかし、景色もすごいけど、めちゃくちゃ暑い!!
ついに37度になりました。
さすが観光地、けっこういろいろな設備が整っているみたいです。
ついにセスリウムに到着!
ナショナルパーク(ナミブナウクルフト公園(Namib Naukluft Park))の外側ゲートを通過しました。(16時半)
外側ゲートの内側にある唯一の宿泊施設が本日宿泊するキャンプ場らしく、このキャンプ場に泊まった人だけが早朝(日の出前に)内側ゲートを通過してナビブ砂漠に入らることが出来るんだそうです。(外側ゲートは日の出と同時に開きます)
このキャンプ場はとても人気があって、たまに満杯になるらしいので、事前に予約を入れてました。(満杯になっても幕営を断られることは無いらしいという話も聞きましたが、一応念のため)
ますは受付に行き、キャンプ場使用の手続きを済ませます。
料金は事前にネットで現地の代理店経由で支払ってあったのですが、国立公園の入園料として90ドル(1200円ほど)支払いました。
キャンプ場の使い方や私がテントを張る場所(指定されます)、ナビブ砂漠の内側ゲートの開く時間などの説明を受けます。その後、受付の奥に売店があったので、軽く覗いてみました。
ここで夕飯の材料なんかも買えるという事前情報があり、事実置いてある雰囲気はありましたが、すべて売り切れ状態でした。
まぁ、食べ物自体はアルコールストーブさえ使えれば、日本からいろいろ持ち込んでいるので入手できなくても大丈夫です。
さて、日没までまだ少し時間があったので、内側のゲートを通過して(ゲート通過時にちゃんと車のナンバーも控えられました。きちんと出入りを管理しているみたいです)、クイセブキャニオン(別名セスリウム・キャニオン)に向かいます。
本日はキャニオンで始まり、キャニオンで終わる一日になります。
クイセブキャニオンに到着しました。
いや、もちろん、ミニサイズだとは事前に知ってましたが、何もフィッシュリバーキャニオンを見た同じ日に来ることはなかったかと、見た瞬間に思いました。
深さ30~50m。ちょうどフィッシュリバーキャニオンの1/10の規模といったところでしょうか。幅は20m、こちらは1/100ですね。
フィッシュリバーキャニオンと違ってデイハイク大歓迎な感じだったので、降りてみました。
水は完全に涸れています。滝になっていたであろう場所は階段が整備されていて歩きやすいようになってます。
渓谷の底を歩いて行きます。
川底にこんなに青々とした植物が育つんですね~。(アカシアの仲間でしょうか)
こんな場所で青々と育つなんて、植物も不思議な生き物だなぁってつくづく思います。
15分ぐらい歩いたところで、他の人の足跡がほとんど無くなったので、ここで引き返すことにします。
上半身はだけたおじいさんが眺めているのは、どこかの誰かが石を使って残したメッセージです。「観光地」に来たなぁと感じます。
この老夫婦、歩いているうちに二人とも疲れてだんだん不機嫌になってしまったのか、ドイツ語っぽい言葉で軽く夫婦喧嘩していたのですが、なんとかここまで持ちこたえた様子。
(私が写真撮影したり、壁に見入ったりするのと二人が歩くペースがまったく同じだったので、道中ずーっと二人の言い合いを意味がわからないまま聞かされておりました。木を見ていたあたりまでは仲良く会話してたんですけどね~)
左が行きに下った階段。
そして、右に別ルートがあったので、どうせなら全部歩いてみようと決めて、入っていきます。
お、こちらは渓谷が狭くて、なかなか迫力がありますね。
この渓谷の岩壁を利用して鳥が暮らしているらしく、岩に糞がたくさんついてました。
前方を行く黒人ファミリーを追い越し、最後は岩につかまりながら、これ以上は進めないという場所まで来ました。
こんな奥地まで岩をよじ登ってきた理由は、渓谷の上を飛んでいた鳥を間近で見てみたかったからなのですが、渓谷の中には降りてこないのでこの写真を撮るのが精一杯でした。
では、戻りますか!
駐車場まで戻ったら、先ほどのおじいさんと再会して軽く挨拶しました。
おじいさんが乗ってる車、韓国の起亜自動車の
スポーテージというミニSUVなのですが、最初ヨーロッパ車かと思いました。実物はコンパクトで車高のわりに背が低くなかなか良いデザインです。(ヨーロッパのデザイン会社に発注したんじゃないでしょうか?)
では、キャンプ場に戻りますか!
(国立公園内で砂丘に続く道は写真のとおり舗装されてますが、クイセブキャニオン方面は未舗装路です)
内側のゲートを通過するとき、再び車のナンバープレイトを確認されました。やはり、ちゃんと出入りを管理してるんですね~。
キャンプ場に戻るとすぐに売店に行き、例のオレンジジュース(本日3本目)を購入。(10ドル、125円、ここが最安だった気がします)
我慢しきれずに、駐車場で飲み始めます。
冷たい! 美味しい!!
駐車場を飛び交う小鳥を眺めながらジュースを飲んでいると、レセプションから出てきた白人の家族連れのお父さんが「どこから来たの?」と、話しかけてきて、少しお話ししました。
ご家族はザルツブルグから来たとのことで、今日は予約をしていなかったらしく、テントを張る場所があまり良い場所じゃなかったのが大いに不満なようでした。
家族の皆さんがドイツ語で話しているので、
「ドイツ語で話されている人が多いのですが、どうしてですか?」
と、質問してみたところ、かつての歴史の話を丁寧にしてくれました。
詳しくはウィキペディアのナミビアの項をどうぞ。
(ちなみに、このとき私はザルツブルグがドイツの都市だと思っていたのですが、オーストリアの都市だったんですね、お恥ずかしい)
お! あれが噂のオーバーランドトラックツアーですね!
Googleなんかで検索すると
山ほど出てくるのですが、トラックを改造したバスで100日とかかけてアフリカを縦断するツアーです。(
300日アフリカ一周コースとかもありました)
テントはトラックに積んであるのですが、張るのは自分達、料理も当番制で参加者自ら作るのだそうです。(なのでバスは移動をサポートするだけ。100日間で50万円ほどのツアー料金だとか)
セスリウムキャンプ場にも数台のオーバランドツアー用のトラックが停まっていて、どのトラックの脇にもテントがたくさん並んでいます。そして、若い男女(主に白人)が楽しげに談笑しならが夕食の準備をしていました。
で、本日は私も対抗してテントを張って夕食の準備です。
まぁ、なんというか、敷地がでかすぎるのか、私の車とテントが小さすぎるのか、えらいアンバランスです。
(これでもNo.22(入り口右下に表示されてます)は乗用車用の小さいサイズの敷地だったのですが)
敷地には電源(入り口左の箱)も来ており、水も使えるし、電灯もあるしで至れり尽くせりです。
あと、えらい風が強かったので、テントが飛ばされないように、車を風除けにして、しっかりペグダウンして張りました。
さらにそのテントの陰でお湯を沸かしてスパゲティを茹でます。
本日の夕飯は「ミートソーススパゲティ」と「さんまの蒲焼缶詰」です。
(あとはもちろん、錠剤とプロテインドリンクも)
食後に夕日を拝んでからシャワーを浴び、涼しくなった砂漠の風を全身で浴びながら、まったりと時間を過ごします。
明日は朝日に照らされたナビブ砂漠を見に行くわけですが、この夕日を見て期待に胸が膨らみます。
テントの中で残りの現金とこれまで使用したお金を比較してみると、まだ少し足りなくなりそうなことが判明しました。
南アフリカに戻ったら、どこかで下ろすことにします。
陽が落ちた後は、砂漠(の向こうの海)から絶えず吹き続ける涼しい風のおかげで、エアコンの前に座っているような気分です。
バーの方からダンスミュージックが漏れて聞こえてきますが、バーの営業時間は22時までと受付のお姉さんが言っていたので、そのうち静かになるでしょう。
(23時に目が覚めたときにはまだ鳴ってましたが)
暗くなると、夜空には今日も天の川と南十字星と偽南十字が見えていました。(相変わらずどっちが本物かわかってません、というか、帰国するまでわからないまま眺めてました)
そう言えばここは一線級の観光地だし、香港製のプリペイドSIMカードを入れたWiFiルーターが使えるんじゃないかと試してみたら、アンテナは三本立つのですが、ネット回線はなぜか使えませんでした。
まぁ、そのうち使えるようになるでしょう。
いやぁ、今日はパーフェクト(ノートラブル)な一日だったのではないでしょうか?
(せいぜい、ヘイマジンハウーゼンの街でガソリンスタンドが閉まっていて焦ったのと、昼飯が手に入らなかったぐらいで、両方とも何とかなりましたし)
2011年は最高のスタートを切りました!
と、自画自賛の独り言をボイスメモに残してからテントで横になりました。
おやすみなさい。(21時半)
1月2日(日) 6日目
夜中3時ごろに一度目が覚めたので、テントの外にちょっと出てみました。空を見上げると本日も満天の星空でした。
昨晩に引き続きフリースだけで寝ていたのですが、なんか寒いのでシュラフにもぐりこみます。
目覚ましが鳴って、4時半に起床。
初夢は時計を買い物する夢でした。
まだ時間が早いので、静かにテントをパッキングします。北アルプスのテン場と違って、まだ誰も起きている気配がないです。
5時ちょうどにゲートが開くというので、5分前ぐらいに出向いてみると、すでにオーバーランドトラック1台と数台の車が並んでました。起きている人は居るには居たみたいです。
6時ちょうどにゲートが開き、一台ずつ入場チェックをされ、私は6時ちょいすぎにナショナルパークエリアに入りました。
時速60km制限が出ていたので、そのスピードで走っていたところ、セダンと四駆が追い抜いていき、四駆の方はどんどん先に行ってしまったのですが、セダンが抜いた後に時速60kmぴったりで走り始めたので、しばらく後ろをついて走りました。
しかし、そのスピードで走るのならなぜ追い抜いたんでしょうかね?
お、空が少しだけ明るくなってきました。
砂漠の夜明けってのもいいもんですね~。
先を走っていたオーバーランドツアーのバスが停まってたので気がついたのですが、最初の目的地「Dune(砂丘)45」を危うく通り過ぎるところでした。
ちなみに前を走っていたセダンは先に行ってしまったようです。
(もちろん、この先にもビューポイントはあります)
朝日を拝むのに砂丘の下からが良いのか上からが良いのかわからなかったのですが、オーバーランドツアーの方々も皆さん登っているみたいなので、私もひとまず登ることにします。
砂で足を取られてバランスも取りづらいので、見ため以上に疲れると事前に聞いてましたが、たしかに大変です。
登り慣れていない(少し体格の良い系の)若い白人女性を追い抜かしたかったのですが、砂丘の尾根のトップにしか踏み分け跡が無いので、譲ってもらわない限り前に出られません。
彼女は相当余裕が無い様子で、後ろを歩いている私の存在に気づくことなく、ついに足が止まるまでひいこらひいこらと登っておりました。
砂丘の頂上付近まで登った皆さんは朝日の昇る方向を向いて座ってしまっているのですが、私はその先に進みます。
私は朝日そのものではなく、それを浴びた真っ赤に染まるナビブ砂漠が見たかったわけです。
一番頂上奥に座っていたグループを後方斜面に降りつつ慎重にパスしていた時に、、、
「アンニョン」
と、グループの中に居たアジア人風の若い男性に声をかけられました。
振り返りつつ、、、
「私は日本人ですよ。グッドモーニング」
と、答えると、
「グッドモーニング。お一人ですか?」
と、質問されたので、
「そうですよ。あなたは?」
と、そこに座っているアジア人は彼一人しか居なかったので、独り身同士を期待しつつ質問を投げてみたところ、
「あ、僕は友達とツアーに参加しています」
と、彼の背後に座っていた白人女性2名をジェスチャーで紹介してくれました。
何ですか、そのハーレムツアー?
(長いオーバーランドトラックツアーを通して友達になったのかもしれませんけど)
いいんです、私には真っ赤なナビブ砂漠さえあれば。
で、砂漠が真っ赤に染まるためには地平線付近から太陽が顔を出さなければならないわけですが、ちょうど東の空に雲が出ていて、なかなか太陽が顔を出してくれません。
こりゃぁ、昨日夕日を浴びたナビブ砂漠を見ておけばよかったなぁと少しだけ後悔しました。
そして、一人ストイックな感じで待つこと5分後、、、
ついにナビブ砂漠に朝日が降り注がれました。(6:20)
これこれ、これが見たくてナミビアに来たのですよ!
パンフレットなんかに載っているナビブ砂漠の色そのまんまです。
当然のことながら、すべての人はこの景色を撮ろうとすると、私含めて前方に居る人をセットで写すことになってしまうので、(まぁ、みなさんそんなことは気にせずパシャパシャ撮ってたみたいですが)、長居して撮影の邪魔にならないよう、一度Dune45を下ることにします。
頂上に居た方々を再びパスし、尾根のトップについた足跡に沿って下って行きます。
明るいときに見ると、なかなか迫力ある砂丘ですね~。
左奥に見えているのがDune45の駐車場です。
姿は見えませんでしたが、昆虫か何かの足跡でしょうか?
太陽の角度が少し高くなっただけで、だいぶん色合いが変わってきました。
アルペングリューエンというドイツ語に対応するぴったりな日本語が無かったり、去年のパイネにしろフィッツロイにしろ、ヨーロッパ人は朝日や夕日を浴びた山や砂漠が大好きなんですね~。
(もちろん私も大好きですが)
ふと、前方の斜面を見ると、若い白人男性が斜面を駆け下っているではないですか!
UAEのルブアルハリ砂漠の砂がえらい崩れやすかったことから、ここでも斜面に足を突っ込んだらまずいと思いこんでいたのですが、どうやら固さが違うからか大丈夫なようです。
一眼レフ一式抱えているので転ぶわけにはいきませんが、いっちょ下ってみるとしますか!
最初は慎重に、、、
そして、慣れてきたのでだんだんスピードを上げて、、、
楽勝っぽいので撮影もしながら、、、
と、調子に乗って下っていたら、サンダルが脱げました。
自分の足が引き起こすミニ砂雪崩のせいで、いくら追いかけてもサンダルに追いつかないのでした。
途中でピンとひらめき、サンダルの真上からではなく、回り込んで前方に出てようやくキャッチしました。(我ながらあったま良い! と、ナビブ砂漠の斜面で自画自賛)
ちなみに、この砂雪崩のせいで、斜面を駆け下っても、かすかにそれとわかるぐらいしか足跡は残らないのでした。
へぇ~、下るだけじゃなくて、斜面を登る人もいるんですね~。(でも大変だと思います)
車に戻って少し離れたところから改めてDune45を眺めてみます。
私はてっきり45番目の砂丘という意味だと思い込んで居たのですが、実はゲートから45km地点の砂丘というのが正解でした。
高さ80m。この美しくシンプルな形と、道路脇にあると言う好立地が重なって、「世界でもっとも撮影された砂丘」という称号を与えられているそうです。
そして、私もそれに加担したわけです。
では、さらにナビブ砂漠の奥へ進むとしますか!
つづく