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2011年05月27日

ユーノスロードスター 平井元主査 四国講演 感想文

ユーノスロードスター 平井元主査 四国講演 感想文

この記事は、四国ミーティングについて書いています。




平井元主査のお話を聞きに、四国まで行って来ました。



せっかくなので、ちょいと偉らそーに、感想なんぞを書いてみようと思います。(前回の貴島元主査のレポートのように講演内容を網羅するものではありません)





まずは講演会ではおなじみの「J58Gへの想い」上映。


この社内向けビデオの中で「我々(開発チーム)が作りたかった車」のオーナーになったとたん、急に「週末はドライブをしようよと仲間を誘って、驚かれるかもしれません」というくだりが出てくるのですが、まさに私の日常がそんな感じで、見事に言い当てられてるなぁって思います。

ちなみに、私は「両腕に前輪、両足に後輪がつながったような・・・」のフレーズと、操安部分について語った「現代の車としての安定感を実現、しかしドライバーがその気になったときに頑なにグリップし続ける後輪はいかがなものか」のあたりが毎回グッと来ます。

後半には「ときめき」という言葉と「こだわり」という言葉が何度も出てきて、最後には互いが絡まって「増幅させるものなのだ」と結ばれるわけですが、私の人生の「ときめく部分」の大部分をロードスターが占めていて、生き方そのものに対する「こだわり」が何なのか明らかにしてくれたのが、やはりロードスターだったのだと改めて思ったのでした。


ニト朗さんのブログを是非どうぞ。






場所を会場に移して冒頭の一言。



「女性の方が何名かいらっしゃっているようですので言いますが、お子さんを失敗を恐れない人に育て上げて欲しいと思います」



と、切り出されました。

もちろん、ロードスターの生い立ちを考えれば「失敗を恐れる」ような開発チームであれば、とてもあの完成度で発売に漕ぎ付けられなかったのは明らかなのではありますが、ちょいとひっかかったことがあったので、講演が終了した後に平井元主査とお話させていただき確認してみました。それでわかったのは、平井元主査が楽天的に育ったのには母親の影響が強かったと自己分析されていたことでした。失敗を恐れないように育てることと、あえて女性に限定して話されたのが私には違和感があったのですが、謎が解けました。

しかし、振り返って考えてみると、私もたいがい楽観論者なのですが、それが両親どちらの影響かと問われれば母親の影響だったような気がします。「失敗を恐れず突き進め」というような直接的で力強いメッセージは母から受け取ってませんが、楽観的に考えるというベース部分は父よりも母の影響だった気がします。

なるほど。



続いてカーグラフィック1988年3月号の記事、「誰かライトウェイト・スポーツを造らないか!」の紹介。



「本職のモノ書きなのに「つくるの字」を間違えておる。これは工場で造る方、正しくは創造の創」


と、笑いながら切り出し、ロードスターが生まれる寸前の時代背景について解説されました。
この記事については白神爺。さんが解説されていましたので未読の方はどうぞ。



さらに、平井元主査の講演会では必ず登場する「金沢ディーラー出向」の話へと続きます。


「他に出来ることが無いし、するやつも居なかったから自ら手を挙げて債権回収を毎日やった」


と、当時を振り返りつつ


「こんなにも自社の車が壊れるのは、もう最初の設計段階から見直すしかない」


と、サービスの現場で意を固め、本社の設計部門に戻った直後に、自ら「デザインレビュー」を行う仕組みを企画立案されたそうです。

自動車業界にお勤めの方で詳しい方が居たら教えて補足して欲しいのですが、当時自動車業界では、上流行程である設計段階で開発に携わる全関係者が集まって議論を徹底的に行う「デザインレビュー」採用の流れが徐々に始まっており、マツダ社としてデザインレビューの明らかな成果として言い切れる最初の車種が


「手前味噌だけど、ユーノスロードスターなんです」


とのことでした。

デザインレビュー導入に当たっての苦労話なんかもされていましたが、ここでの平井元主査の立ち振る舞いは、後のJ58Gプロジェクトでのリーダーシップに通ずるものがあり、「表面的な形や体裁ではなく、あくまでも本質論に沿って進める」という感じだったのだと想像されました。

新たな開発手法の採用と言えば、常に人員不足の中、ゲリラ的に開発されたロードスターは新たな開発手法のオンパレードで(皆さんの方がお詳しいとは思いますが)、コンピューター(シミュレーション、設計)の積極活用、外人派遣スタッフの採用なんかも有名なエピソードだったと思います。
私の理解が正しければ北米子会社での企画に加えて、フォーカスグループインタビューというリサーチ手法の採用もこのプロジェクトがマツダ社では初だったと思います。
平井元主査はデザインレビューのエピソードもそうですが、必要とあらば最新の開発手法を積極的に採用される方だったのだと改めて思いました。「J58Gへの想い」の中でも「レトロなどと言う余分な要素を省き、現代の技術でライトウェイトスポーツを・・・」へつながる話ですね。



さらに、当時の役員から「ロータリーエンジンを積むことを検討してくれないか」と言われたときの話。
NAどころか、その後のNB、NC含めてレシプロエンジンしか積んでないことから、氏がどのように考え答えたかは皆さんの想像通りなわけですが、冒頭の「失敗を恐れない」精神で、というよりは楽天的な考えで、


「まぁ、クビにはならないだろうと思っていたけどね」


と笑いながら当時のことを話されておりました。







その後質疑応答に移り、平井元主査が影響を受けた車として「ポルシェ911」を挙げ、「とにかく運転して楽しい車だった。とても参考になった」と説明されていました。


さらに、どのようにデザインが決まって行ったかの質問にも、当時の田中氏の活躍ぶりも交えて丁寧に答えられていました。(ご存じない方は白神爺。さんのフォトギャラをどうぞ。私もDUO101の実車を見たときには「田中さん、ありがとう!」って心の中で叫んだ口です)


そして、最後に


「ホワイトボードを使って「人馬一体」について語ろうかと思っていたけど、次回にするよ」


と、おっしゃられて講演会終了。


思わず「今話してください!」って言いそうになりましたが、次回があるのも良いことだと思い直し、グッとこらえました。



感想文は以上でございます。




開催に尽力された四国の皆様、本当に貴重な機会をありがとうございました!!




ブログ一覧 | 日記
Posted at 2011/05/27 02:38:15

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この記事へのコメント

2011年5月27日 2:57
「造る」のくだりですが、正に私が自分のブログにて全く同じ過ちを犯しています
(^_^;)
直さずに恥をかく事にします・・・
(^o^)
コメントへの返答
2011年5月27日 22:05
そんなの私はしょっちゅうですよ。(笑)
でも、平井さんはこだわりたかった部分なんでしょうね。

恥をかくことを決意する、、、、う~ん、大人だ!
では、1週間ぶりに大雨の軽井沢で!
2011年5月27日 3:31
こんにちは。

北海道でロードスターに乗っています。ふらのミーティングのスタッフをやっています。

ロードスターに乗って6年。大学生活全てを、ロードスターライフで満喫しました。そして、この、「一つの文化を生んだ」ともいえる自動車創りを、この世から絶対に消してはならないと思っています。

念願かなって、来年から本社でエンジニアとして働けることになりました。しっかり勉強して平井さんや、mazdaのエンジニアのみなさんが創ってきた、守ってきた文化を、未来へつなげられるような人になりたいと思います。

丁寧なレポートで、平井さんがどのような想いで語られたのかが伝わってきます。読んでいて胸が熱くなりました。

ありがとうございます。
コメントへの返答
2011年5月27日 22:18
こんばんは。

ふらのミーティング、一度参加して直線パレードに参加したいものだと思っております。

私は愛知出身なのですが、大学4年間と就職後3年間の計7年間を札幌市で過ごしました。そこで、先輩が購入したロードスターを運転させてもらったのがすべての始まりです。
レンタカーのロードスター借りて積丹半島なんかに行ったりもしたんですよ。

なんと!
それはそれはおめでとうございます。
それは是非よろしくお願いいたします。
赤提灯研究会というのがあると思いますので、是非そこに参加して、いつまでも我々をときめかせてくれる車を作り続けていただきたいと思います。

こちらこそ、こんな感想文の行間から平井さんの想いを感じ取っていただき、誠にありがとうございました。

ご活躍を心の底より期待しております。
2011年5月27日 6:19
↑ このような方に、受け継いでいけるなら、ロードスターの未来は明るいです、感激です!
(次期○査のH谷川さんも、おられますし!  (*^^)v)


>次回があるのも良いことだ

素晴らしいです!
コメントへの返答
2011年5月27日 22:20
良い話ですね~。
私の方が感動しちゃいました。
では、彼が次々期主査ですね!
ところでH君は元気にやってるんでしょうかね?



ですね!

人馬一体をどのように語られるのか、すっごく楽しみです。
2011年5月27日 13:34
こんにちは、遠方?までお疲れ様です。

・・・(@_@;)ぎんがめ様の放浪記は、お母様のDNAでしたか。


>>当時の役員から「ロータリーエンジンを積むことを検討してくれないか」と言われたときの話。
NAどころか、その後のNB、NC含めてレシプロエンジンしか積んでないことから、氏がどのように考え答えたかは皆さんの想像通りなわけですが、冒頭の「失敗を恐れない」精神で、というよりは楽天的な考えで、

の下りですが、いまだもって納得行きません。

当時は、M社の本社まで「ロータリー資料」を取り寄せるほどにファンでもあり、アペックスシール?の行方を考えておりました(笑)

それに、友人がジムニーにロータリーを積載しておりました。(デフ、MTも壊れました(笑)

また、お邪魔したいですね。車を作る職人のお話は楽しいです。HVの今後同様に(ー_ー)!!
コメントへの返答
2011年5月27日 22:25
久しぶり(って言っても、半年振りぐらい)の四国でした。

放浪癖は父だと思います。
楽天的な性格が母、なので、楽天的な放浪家に立派に育ってしまいましたよ(笑)


私もロータリーを積んだライトウェイトスポーツはぜんぜん有りなんじゃないかと思いますよ。
RX-8を運転させてもらったことがあるのですが、あの感覚は独特ですよね。
ちなみに私の車のシフトノブはRX-8の三角形のものをつけています。

アフォーダブルプライス実現のためにも、安いレシプロエンジンが必要だったというのもうなづける話なので、この件に関して私はニュートラルな立ち位置です。

また、いつか北関東などで講演会を開催できるといいですね!

私もプロジェクトX含め、ものづくりの苦労話は大好物です!
2011年5月27日 19:18
遠いところ 参加ありがとうございました。
ホスト側が言うことではありませんが
今回も楽しかったですね。

ホワイトボードに向かわれたときは
どんなお話が始まるのかと 期待膨らみましたが
お預けをくらうとは思ってもみませんでした。

人馬一体のお話は次回持ち越しです 
また楽しみが増えました。

コメントへの返答
2011年5月27日 22:27
いえいえ、こちらこそありがとうございました。
本当に楽しかったですね!

ハイトさんが「今話してください!」って言うかと思ったんですけどね~(笑)

ですね!
次回はぜひそのネタで話してもらいましょう!
2011年5月27日 20:13
お久しぶりです!
以前に参加した栃木での講演を思い出しました。
毎回、新しい発見と次回ネタ!?により、次の講演が待ち遠しくなります。

機会があれば、ぜひまた参加したいですね。
コメントへの返答
2011年5月27日 22:30
ご無沙汰しております!
あそこはNAを並べた会場含め、最高でしたね!
そうなんです、逸話が尽きることが無いんですよね。そして、人馬一体とはというテーマで話されたのをちゃんと聞いたことが無い気がするので、次回もすっごく楽しみだったりします。

次回、場所はどこになるかわかりませんが、是非皆で押しかけましょう!
2011年5月28日 12:09
お話しできて楽しかったです~♪
お名前の由来が聞けて良かった!
ぜひまた、どこかでお会いしましょう。
コメントへの返答
2011年5月28日 14:11
こちらこそ、いろいろありがとうございました!
なかやさんもそういう名前の由来だったのですね~。(理由がかっちょよくてうらやましい)
是非、次回お会いしたときもよろしくお願いいたします!

プロフィール

「SF325レビューとユーノスロードスター乗り必携の本 http://cvw.jp/b/268932/42922046/
何シテル?   06/04 01:06
NA→NB→NB→NC→NAとロードスターを5台乗り継いでます。人馬一体最高!!
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