(1月6日 その2)
Getzの燃料計は大分エンプティーマークに近づいてきていて、この後どのぐらい走ることができるのか検討もつきません。
「今、南に向かっているんですが、次のガソリンスタンドってどこですか?」
「カナーボン(Carnarvon)の街にある」
「カナーボン、、、ここから何キロですか?」
「80kmだ」
う~む。。。
乗用車は運転手がエンプティだと認識してから100kmぐらいは走れるように設計されているのが普通ですが、その常識がGetzにも通用するのかどうか・・・
まぁ、最悪ガス欠になっても死ぬわけじゃないですから、迷わず行くしかないですね。
「カナーボンのガソリンスタンドは今から行っても営業してますかね?」
「大丈夫だ。あちらはここよりも大きな街だし、24時間営業のスタンドがあるよ」
「カナーボンまではダートロードが続くのですか?」
と、質問してみたのですが、ダートロードが和製英語で通じない様子。
「砂とか石とかの道で、こう、覆われてなくて、、、」
と、さらに説明してみたところ、
「グラウンドロード?。そう、カナーボンまでグラウンドロードだよ。道の状態はとてもラフだ。」
とのこと。
まぁ、舗装されていることを期待しつつも予想はしていたので、そこまでショックではありませんでしたが。
そして、小さな声で
「ナインダラー」
と、値段を言うので、内心やっぱり1リットルは入ったんだと思いつつ10ランド紙幣を取り出し、
「お釣りはチップね」
と、手渡すと、控えめな動きで腰の辺りで親指を立ててくれたのがちょっと可笑しかったです。まぁ、おじさんもガソリンを売ることができなくて申し訳なかったのでしょう。

とにもかくにも、カナーボンに向けて出発進行!(16時15分)
ガソリン、持ちますように!
出発してすぐ、ヒッチハイク待ちの黒人のおじさんが大アピールしてきて、たしかにこの道は交通量が少なくて捕まえるの大変だろうなぁとは思ったのですが、やはりトラブルが怖くて、つい日本風に「ごめんなさい」と手のひらを顔の前に出して謝ったら、親指を立てて「いいよいいよ」という笑顔で返事が返ってきました。
それを見て、さらに申し訳なく思いつつ、アクセルを踏みます。

あれ、(ウチワ)サボテンだ。
って、どう考えてもこの手のサボテンって南北アメリカ大陸が原産って感じがするのですが、なぜここに生えているのでしょう?

お~、燕が次々に飛び立ちますよ!
延々と電線に停まっているので、私が走る前を数キロに渡ってつぎつぎと飛び立たせながら走っていきます。
あと、シャカイハタオリの巣もちらほら見かけました。

川が作り出した崖ですかね?
なかなか迫力があります。

こちらは道路脇の大きな水溜り。
水溜りがあるってことは、このエリアも少し雨が降ったのでしょうね。

道の状態は相変わらず「ラフ」です。

この区間で対向して走ってきた唯一の車は警察車両でした。

あ、サボテン畑。
やはり栽培していたわけですね。
(
Opuntia ficus-indica の実が食用になるのだそうです)

柵の内側に居た馬。お願いだから飛び出して来ないでね~。

オレンジの大地がいかにも乾燥地帯って感じです。

相変わらず片側の車線は走れない状態が続きます。
気温が高いからか、つむじ風に一度ぶつかってしまい、車が横に1mほど流されて焦りました。

交差点を右に。
どうやらガソリンは持ちそうです。

前の写真にも写ってましたが、変わった形の山が現れ始めました。

ようやくカナーボンの街に到着しました。(17時10分)
黒人の方専用の居住区があるあたり、たしかに立派な(白人の方々の住む)街のようです。

燃料計はまだ振り切ってはいないですが、次の街には絶対に行けないレベルです。

さすがに教会も立派です。

ガソリンスタンド発見!
早速、給油機の前に車を停めて、南米系のスタッフの方に
「レギュラー満タン!」
って、注文すると、
「うちはペトロール(ガソリン)は売って無いよ。ディーゼル専門だから」
という、これまた大予想外の返事。
しかし、給油機にはちゃんと「アンレーデッド」(レギュラー)って表示されてますし、英語でなんて確認していいのか瞬間的に思いつかず、口をパクパクさせていると、
「ペトロールはあっちのガソリンスタンドで入れられるよ」
と言いながら、ちょっと離れたところにあるガソリンスタンドの場所をジェスチャーで教えてくれました。
いやぁ~、びっくりしました。

先ほどの青空スタンドとは比べ物にならないぐらい立派なBPがありました。
黒人のお兄さんに「レギュラー満タン!」と、注文すると、
「今日は暑いからレギュラーは売れないよ」
という、恐れていた返事が帰ってくることも無く、無事に給油がスタートします。
やっとガソリンを入れられたという安堵感から、スタンドのお兄さんにこれまでの経緯をあれこれ説明したら、笑ってました。
ちなみに、お兄さんによると、ここ(カナーボン)からR63号線の区間は舗装路なのだとか。やった~!
ちょうどそこへ、中学生ぐらいの黒人の男の子が小さなポリタンクを持ってガソリンを買いに来たので、
「元気?」
と、声をかけると、
「うん。あなたは?」
と、英語の教科書どおりに逆に質問されたのですが、さすがに子どもに疲れた表情を見せるわけにもいかないので、
「ファイン センキュウ!」
と、これまた中学校のときに習ったとおりに答えておきました。
まぁ、日本男児代表ですしね。
トリップメーター読みで540km走って入れたガソリンが42リットル。リッター89ランドで374ランド(4700円)でした。
そろそろ夕飯の時間だったので、スタンドのキオスクに入ったら、実はそこは金物屋さんで、女性のおばさんにアフリカーンス語で話しかけられたのですが、英語で「食べるもの買いたいのですが」と伝えると、「スーパーは斜め向かいにあるわよ」と英語で教えてくれました。

というわけで、こちらが教えてもらった斜め向かいのスーパーです。

中はこんな感じです。
南アフリカを走り始めたばかりのころ(アルコール探し)のときにはかなり緊張していましたが、今となってはリラックスして店内を散策できます。

お~、ここにもありました、ミートパイコーナー。
写真に写っているおばさんに、念のためどれが一番人気か聞いてみたところ、
「ペッパーステーキディーンパイ」
とのこと。
昼に食べたものと微妙に名前が違うような気がしましたが、きっと同じ物だろうと思います。これを頼むと本日2食目になってしまいますが、尋ねておいて買わないのもなんですし、別に美味しいから2食ぐらい平気だったので、それを出してもらってレンジで温めてもらいました。
水と一緒にレジに持って行き24ランド(300円)払ってスーパーを出ます。

ちゃんと荷台に人が乗る専用の椅子があるんですね~。
って、違うか、ただの柵ですね。
では、出発しますか!(17時半)

隣町のロックストン(Loxton)まで60kmほどです。
ガソリンスタンドのお兄さんが言っていた通り、R63号線は舗装路です。やった~!

さっそく、ペッペーステーキディーンパイを頂きます。
やはり、味は同じでしたが、昼に食べた銀皿に乗っていたやつのほうが、味に高級感があって美味しかったです。

文字通り、あっという間にロックストンの街に到着。(18時10分)

えーっと、ボーフォートウエスト(Beaufort west)まで、71メートル? じゃなくてマイルか・・・・
1キロメートルは1.6マイルだから、、、、、110kmちょいですかね。
ボーフォートウエストの街が本日の目的地となるカルー国立公園の入り口なのですが、19時の受付時間にはどうやら間に合いそうもありません。
ただ、すでに宿泊料金は前払いしてあるので、メインゲートさえ開いていてくれれば、あとはどうにでもなりそうな気がします。
ロックストンの街は素通りして先に進みます。

イエース、グラウンドロード! (R381号線)
すでに朝から900kmぐらい走っていて、大分脳みそが疲れてきています。
まぁ、それにしても、荷台の皆さん、よく平気で座ってますね~。(砂煙からご推察の通り、けっこうスピード出してるんですよ)

だんだん上下の起伏が増えてきました。
チャイパッドで確認すると、この区間はけっこうカーブも多そうです。
ロードスターならいざ知らずGetzで走っているので、迷惑なことこの上無しです。

相変わらず忽然と登場する牧場正門。
このセンスは私には理解出来ません。

轍が深いので、スピンしないように慎重にレーンを選びます。

ここで、北ケープ州から西ケープ州に入りました。

おおおお、なんだ、この舗装路のようなグラウンドロードは!

西ケープ州、バンザーイ!!
(西ケープ州はケープタウンを擁する州です)

道の状態が良いのでカーブでもアップダウンでも何でも来い状態です。
川越え注意のサインなんかもたまに出たりするのですが、笑ってしまうぐらいスムーズに整地されています。

不思議な形の山がポツポツと見えてきました。
富士山のミニチュアみたいな山もあります。

「すっげ~~~!」 (と、車内で絶叫しました)
写真だとスケール感を伝えにくいのですが、奥までドカーンとこの景色が広がったときには感動ものでした。

この区間(R381号線)は変化に富んだ絶景が続きます。疲れた脳みそに良い刺激になりました。

お~、なんか柱状節理みたいな崖が見えてきました。

いやぁ~、これはすごいです!

さらに舗装路!やった~!

やってなかった~!
でも、景色はすご~い!

いや~、日が陰ってきちゃったのが誠に残念。

カルー国立公園の目の前まで来ているので、明日、時間の余裕があったらもう一度ここに走りに来ようと心に決めます。
この区間で対向して走ってきた若い白人男性が運転する四駆が道路の真ん中からなかなか自分の車線に戻らないまま猛スピードで突っ込んできて、内心ヒヤヒヤしました。
一歩間違えたら崖下転落なんですけどね~。

最後は舗装路になり、それと同時にボーフォートウェストの街並みが下界に広がりました。

この、右側に見えている高い台地がカルー国立公園だと思います。

その台地に今まさに太陽が沈もうとしています。

ここでN1号線に乗りました。
首都のヨハネスブルグとケープタウンを繋ぐ大動脈道路です。

ぬわ~、太陽が正面に、、、まぶし~~~。

ガソリンスタンドのキオスクに立ち寄り、明日の昼食を買っておくことにします。
(朝食は例のつぶれた酵母パンがまだ残ってます)

ハンバーガーをテイクアウェイで注文して、出来上がるのを待ちます。

この、なんとも言えない表情が気になって記録撮影。

彼女にせがまれてUFOキャッチャーをやらされるのは洋の東西を問わないんですね~。
頑張れ、南アフリカ男児。
きっと取れないと思いますけど。
私の前に注文していた男性が「ダンキー」と言いながら受け取っていたので、レジの黒人の女の子に、
「ありがとうは、ダンキーって言うんですか?」
と、確認すると、ちょっと笑いながら、
「ダンキィ↑って言うんですよ」
と、イントネーションが尻上がりだと教えてくれました。(関西弁の「おおきにー」のイメージ)
私のハンバーガーが出来たので、「ダンキィ↑」と言いながら受け取りキオスクを出ました。

ボーフォートウェストはけっこう立派な街でした。
さて、どこにカルー国立公園の入り口があるのでしょう?
チャイパッドに登録されているGooglemapを見ながら、この道だろうという国立公園の中に伸びていく道に入っていきます。

丘橋で線路を越えました。
そして、周りを歩いている人々(皆黒人の方)が、「なぜ君はこんなところを走ってるんだ?」という視線をこちらに投げかけてきます。

さらに奥に進むと、黒人の方の居住区の中に入り込んでしまいました。
一番ヤバイ空気を醸し出していた場所で写真は撮ってませんが、明らかに場違いな上、視線が突き刺さるようで、速やかに出ないとトラブルになりそうな雰囲気満点でした。

居住区の反対側に抜けて(偶然)N1号線に入り、国立公園内に伸びるもう一本の候補の道路に向かいます。

すっかり日が沈んでしまいました。
右側がカルー国立公園です。
取り締まりか検問をやっていたのですが、その手前でカルー国立公園の案内看板が出たので右折します。
入り口が見つかって、ほっと一安心。

ゲートのおじさんに予約の紙を見せて、中に入れてもらいます。(19時50分)
中に入るときに、「ライオンが居るから気をつけてね」と、言われたのですが、私が読んだガイドブック(地球の○○い方含む)には、そんなことは書かれていなかったので、遅い時間に到着したアジア人を軽くからかったんだろうと思いました。

国立公園の中に入ります。
日中であれば絶景が広がるであろうことが容易に想像できるシルエットです。

ゲートのおじさんに聞いたとおりに車を走らせつつ、念のため看板も確認しながら進みます。

ここがキャンプ場の入り口です。
お、自動ゲートですよ。
このときは気が付かなかったのですが、足元にワイヤーがたくさん張ってあって、触れると電流が流れるようになってます。
こちらのキャンプ場は一箇所ずつ木で囲われたスペースがあって、それぞれ車を入れてテントを張るだけのスペースがあります。加えて電灯と電源、それからキャンプファイヤー用のスペースと水場が完備されています。
ぱっと見たところ、どこのスペースもほぼ満杯で、開いてるスペースを見つけるために場内を一周回ってしまいました。
こんな時間に車を走らせているのは私ぐらいなものなので、かなり注目を浴びてしまいました。
一番奥のあたりにようやく開いてる場所を見つけて車を入れ、すぐにテントを張って夕食の準備にとりかかります。

蚊が飛んで来たので、早速蚊取り線香で対抗です。
蚊取り線香の香りに癒しの効果でもあるのか、煙に包まれていると妙な安心感があるのが自分でも可笑しかったです。
スパゲティ&缶詰&錠剤&プロテインをセットで頂き、シャワーを浴びて、ようやくほっと一息つきました。
21時になると、自動的に電灯が消えたので、どうやら消灯時間のようです。
空に雲が出ているのかと思ったら、またまた天の川でした。
カルー国立公園は晴天率の高さと空気の澄み具合から、天体観測適地としても有名なんだそうです。
テントに入って明日の計画をあれこれ考えていたら、テントをパラパラと叩く音がします。
先ほどまで快晴だったのに、雨でも降ってきたのかと思ったら、虫がテントにぶつかる音でした。
さらに耳を澄ますと、ネズミか何かの小動物がテントの周りを走り回っている音も聞こえます。
逆にそれ以外の音はまったく聞こえません。
本当に静かなキャンプ場です。
トイレやシャワーは清潔だし、静かだし、言うこと無しです。(値段が165ランド(2000円)と、ちょっとお高めなのが何ですが、だからこそキャンプ場は静かで安全なのでしょう)
さて、今日はいろいろあって疲れましたし、そろそろ寝るとしますか!
おやすみなさい(22時半)
1月7日(木) 11日目
2時ごろ目が覚めたので、軽くテントの周りを散歩してみます。
相変わらず満天の星空。リフタスフェルトとほぼ同じぐらい星が見えています。日本でこれだけの星を見ようと思ったら3000m級の山に登って一夜を過ごさないと無理だと思います。
たぶん、気温は20度前後なんだと思います。
さすがにちょっと寒いので、フリースを着てから再び横になります。

目が覚めたので時計を見たら4時45分。
空が明るくなりはじめていて、鳥も鳴き始めました。

良い場所で朝日を拝みたかったので、テントを畳んでキャンプ場を出発します。(5時半)
ここのキャンプ場は昨日の夜に到着し、早朝出発してしまったので、いったいどんな人たちが周りに居たのかさっぱりわからないままでした。

すでに太陽は昇りはじめていて、正面の山々に日が当たっているのですが、公園内部のゲートはまだ閉まっています。

仕方が無いので、一度レセプションの方へ移動します。
もちろんレセプションも閉まっていたので、その辺を散策しながら朝日が顔を出すのを待ちます。

5時45分、レセプション付近に太陽光が降り注ぎ始めました。朝日を浴びて納得したので、走行可能なエリア(距離は短いですが)を走ってみることにしました。
レセプションの自動ゲートを出るときに、猟銃を持った若い白人のレンジャーさんが歩いてくるのが見えたので、声をかけました。
「ここは危険な動物が居るんですか?」
「あぁ、ライオンとかバッファローが居るからね」
昨日の夜、ゲートで注意された話は本当だったようです。
ひとまずレセプションとメインゲートの間をゆっくり往復してみることにします。

あ、スプリングボックだ。
へぇ~、比較的大きな街の脇にある国立公園ですが、居るもんなんですね~。

昨日の夜にこの道を走ったときはかなり暗くなっていてシルエットぐらいしか見えなかったのですが、予想通りすばらしい景色だったのでした。
午前6時を回ったので先ほどのゲートのところに行くと、ちゃんと開いていたので先に進みます。

ゲート越えてすぐの所でクリップスプリンガー峠(KlipspringerPass)の「ビューポイント」とポートレッカーキ「周回ルート」(Potlekkertjie circulerroot)45kmという案内看板が出て居たのですが、まず最初に峠の「ビューポイント」を目指すことにします。

急坂を登って高度をぐんぐん稼いでいきます。(振り返ったところです)

お、対向してキャンピングカーが下りてきました。
どこかで寝泊りしていたのでしょうか? (この先にも宿泊施設はあるみたいです)
Getzの車幅間隔がまだ無いのと道幅が狭くて、すれ違いに難儀しました。

再び振り返って撮影。

ずーっと舗装路かと思っていたのですが、突然グランドロードになりました。

クリップスプリンガー峠に15分ほどで到着しました。
展望台みたいに特に何かあるわけでも無いのと、先に道が続いていたので、行ける所まで行ってみることにします。
(実は、この先の道が何であるか(周回路)は看板にちゃんと書いてあったのですが、このときはそれを読まずに先に進んでしまいました。下の2行がてっきりアフリカーンス語で書かれてると思い込んでいたんですよね~)

今日も朝から元気に酵母パン。
間違いなく飽きたのですが、幸いこれがラストの1個です。

峠から下るのかと思ったら、ずっと平らな台地が広がってるんですね~。
この国立公園は不思議な地形になってます。

お! あれは!!
(超望遠にレンズ交換)

レッドハーテビースト。

そして、ケープマウンテンゼブラです。(
Equuszebra zebra)

いやぁ、星と地層を楽しむ国立公園だとばっかり思ってましたが、けっこう動物がたくさん居るみたいです。

かなり気分が盛り上がってきました。

しかし、正面の山と言い、今走っている場所と言い、ここも不思議な場所です。

再びレッドハーテビーストの親子。

しかし、どこまでも道が続いてますね~。(周回路に乗っていることに気がついてないものでして)
チャイパッドにも国立公園内の道は登録されてませんし、まだレセプションに顔を出していないので案内図すら持ってないので、どこをどう走ってるのかさっぱりわかりません。

場所によっては舗装区間もありますが、長くは続きません。

写真を取り損ねてしまいましたが、ここで今まで見たことがない大型のレイヨウと出会いました。

お~、すご~い!
カルー国立公園は宿泊地として選んだだけだったので、こんな絶景に会えて得した気分です。
ところで、これ、もしかして周回してますかね?

ここの草食動物達はカラハリTFPのスプリングボックとかと違って、あまり近寄ることは出来ません。
この距離からもう少し先に車を進めると走って逃げてしまいます。

あ、さっき写真を取り損ねたレイヨウだ!
(グレータークドゥの雌 (
Tragelaphusstrepsiceros))
しかし、よくあんな棘だらけの潅木の間を走り回れますね~。

道中一箇所だけこんな場所もありました。

再びケープヤマシマウマ。
シマウマというとサバンナというイメージがあったのですが、山に住むタイプも居るんですね。

ダチョウのハーレム。
ここでもゆっくりと逃げていくのでした。

再びレッドハーテビーストのファミリー。

お! なんかレストスペースがあるので入ってみることにします。

「ライオンとかサイがあなたを傷つけるかもしれないから、ピクニックは柵の中に入ってね~」
という物騒な看板が出てます。
動物園の逆バージョンですね。

柵の中に入ってはみたのですが、特に景色が良いわけでもないみたいです。

トイレだけお借りしてから、出発しました。

こちらは別のコースで、看板には(Nuweveld route (20km) and Afsaal loop(13km))と出て居たのですが、下に「四駆オンリー」と書かれていたので、そのまま直進します。
このあたりで、ようやく自分が全長45kmの周回ルートを走っているんだと確信しました。

ケープマウンテンゼブラ、本当にたくさん居ますね~。

こちらはオリックス。

そしてダチョウ。

道路横断中のリクガメの仲間。

どうやらここが彼のねぐらのようです。

見覚えのある景色になってきました。
どうやら、もうすぐ一周回りきるようです。

というわけで、ゲートのところに出てきました。(8時40分)
途中ですれ違ったのは最初のキャンピングカーと他2台、合計3台のみという、なんともまぁ静かな周回コースでした。

国立公園の入場料金をまだ支払っていなかったので、レセプションに顔を出します。
四角いメガネでショートヘアの黒人の方と、そうじゃない黒人のお姉さんが居たので、迷わずそうじゃ無い黒人のお姉さんのところに向かいます。
あいさつがてら「少しの時間で歩けてお勧めのトレイル(散歩コース)はどこか」尋ねてみると、「化石トレイル(Fossil Trail)」がお勧めとのこと。
何でも公園パンフレットの表面を飾っている恐竜の化石が見られるとのこと。
断崖絶壁を歩くトレイルの写真があったので、そちらはどうか尋ねてみると、行って帰ってくるのに3~4時間かかるとのこと。(Pointer Trail)
さすがにそれだと予定時間をオーバーするので、ひとまず化石トレイルのスタート場所を確認してみると、このレセプションのすぐ横とのこと。
そんなところに化石が落ちてるんだと驚きつつ、国立公園の入場料金の支払いの話をすると、「それは、あちらでお支払いください」と四角いメガネでショートカットの女性のほうに案内されてしまいました。
3度目の正直と言うかなんと言うか、いたって普通の対応で入場手続きが完了。(100ランド 1250円)
四角いメガネでショートカットの黒人女性でも普通の対応をしてくれる方は居るみたいです。(当たり前)
売店が併設されていたので牛乳を買ってから出発します。

レセプションから車で1分。
化石トレイルの入り口に到着しました。

途中で食べる用のハンバーガーと超望遠レンズ(他にもレンズ2本に牛乳)を持って準備万端、いざ出発です。

ん? ゴンドワナ大陸?
そっか、化石ですからそんな時代の話になるわけですね。

カルー盆地の成り立ち。
なるほど、盆地に堆積した後、川の流れで削られて、あんな地形が出来たのですね!
カルー超層群と言って、その厚さは12km、さらにその上に厚さ1.4kmの玄武岩溶岩が被さっているのだとか。
しかも、カルーと呼ばれる地層エリアはこの国立公園周辺だけでなく、南アフリカ全域に広がっているんですな。(南アフリカの実に2/3がカルーだそうです)
いやぁ、為になります。
って、ちょっと待ってください。
これは、トレイルではなく、屋外(炎天下)博物館なのではないでしょうか?

気温も上がってきたので、まずは牛乳でも飲みましょう。(常温保存可能牛乳)

あのガラスケース、とても嫌な予感がします。

オ~ ノ~!
見られる化石とはこのことだったか!
(レプリカですよね、きっと・・・)

まぁ、たしかに真上から写せばパンフレットの写真、そのまんまなわけですが・・・・
てっきり、化石がその辺に落ちてたり、道中の石にへばりついてるものだとばっかり思ってましたよ。

かなり予想と違うトレイルでしたが、一つ一つのパネルを見て、散策路脇の植物も堪能してから車に戻りました。(トレイルの全長400mだそうです)
まぁ、たしかに、すぐに行って帰って来れましたね。
もちろん途中でハンバーガーを口にすることもありませんでしたし、超望遠なんて邪魔物以外の何者でもなかったですよ。

車に戻ってハンバーガーをパクついたら、ドレッシングが思いっきりズボンにこぼれました。
とほほ。。。
しかも、だいぶん後で気がついたのですが、伸ばしっぱなしの無精髭がハンバーガーのゴマだらけになっていて、「さすらいの旅人感」を出したかった本人の思惑とは裏腹に、「お風呂が大っ嫌いな謎のアジア人」という感じになっておりました。。。

美しい花には棘があるって感じです。

では、そろそろカルー国立公園を出発するとしますか! (10時)

一度ボーフォートウエスト(Beaufort West)の街に戻ります。
店の前の日陰にたくさん人が座っているのが気になり撮影しております。

婦警さんが交差点の真ん中で手信号をしています。
手信号に慣れてないのと、「行け」と「止まれ」がめまぐるしく切り替わるので、通過するのに少し緊張しました。

やって来ましたR381号線。
昨日の夕方、感動しながらも「陽が当たっている時間にもう一度走りたいなぁ」と思っていた道路です。

う~ん、予想通り!
とてもすばらしい眺めです!!

柱状節理もご覧の通り。

「昼間に来て大正解!」と思いつつ、景色を眺めながら走っていきます。

山岳区間が終了し、地平線が広がるエリアまで出てきました。
感覚としては川に沿って台地に登って来た感じです。
帰国後調べてみたら、この台地自体標高1600mぐらいあって、先ほどカルー国立公園で見上げていた台地で高いところは標高1900mもあったみたいです。
厚さ1.4kmの玄武岩溶岩が覆いかぶさっている部分ということなのでしょうか。

昨日は急いでいたので気がつきませんでしたが、道路脇にいろいろ花が咲いてます。

当然のことながら、日本では見たことも無い種類ばかり。

カルーは過酷な乾燥地帯なのですが、それに適応した植物達です。

探してみると、いろいろな種類がありますね~。
って、切りがないので、再び来た道を戻りはじめます。

う~ん、すばらしい!

日本にこんな区間があったら有料観光道路になっちゃいそうです。

石などはスケールが分からないのでGetzと一緒に撮影。

グラウンドロードではありますが、本当にすばらしい道でした。

そうそう、登ってくるときは坂を上がりきったところのカーブで舗装路から突然グラウンドロードに切り替わって危ない場所があります。
私は昨日下りで走って知っていたので、警戒しながら進入して難なく通過したのですが、知らない人が時速100kmで突っ込んできたら、ここでパニックになると思います。
普通、「グラウンドロードに切り替わるよ」というサイン看板があるはずなのですが、、、

ありました!
誰かが意図的に倒したのか、倒れちゃったのかはわかりませんが、R381号線を駆け上がる人は気をつけてくださいね~。

絶景の中をボーフォートウエストへと下っていきます。

道中凧を一度も見かけなかったのですが、このサインで地元の人にも通じるんですかね?

昨日ハンバーガーを買うために立ち寄ったエンゲンに再び入り、ガソリンを満タンにしてもらいました。(280km走行 17.6リットル 152ランド(1900円) リッター 16km)
Getzはなかなか燃費が良いみたいです。
別のスタッフさんが「タイヤに空気入れますか?」と聞いてくれたので、「是非!」とお願いし、運転席ドアに貼られていた表示に従い、高速走行用の220kPaにしてもらいました。
おかげでハンドルが少し軽くなりました。
さらに別のノリの良さそうな若い黒人の従業員が突然話しかけてきて、
「今回の旅はどこを回ったの~?」
と、質問してきたので、覚えている限りすべての地名を羅列して今日の予定も付け加えて答えたら、
「そりゃぁ~すごいコースだね! 疲れたでしょ。 頑張ってね~!」
と、腕をポンポンと叩かれました。
キオスクで冷えた水を購入してから出発です。(9ランド、110円)
しっかし、エンゲンの中にあったウインピーというレストラン、ほぼ満席で大人気でした。
(12時20分)
つづく