
教習所の危険回避ドライビングシミュレーター並みに人が飛び出してくるボーフォートウエストの街を抜けていきます。

そう言えば、「街中はノーエグゾーストブレーキ」って看板が出てたんですが、たしかに、こんなに路上に人が座ってたり、スイカ売り(写真)がある状態で排気ブレーキなんか使った日には大迷惑ですね。
(※トラックなんかに付いてる、アクセル抜いたときに作動する排気ガスの力を利用したブレーキで、アクセル踏んだ瞬間に排気ガスが「ボワン」っと出るやつです)

あいかわらず木陰で何かを待つかのように座っている人々が気になります。
(ちなみに南アフリカの失業率は常に20%を越えています。黒人の方々であればその数値はさらに高いことでしょう)

さすがN1号線、かなりの交通量です。

交通量が多いからかどうかはわかりませんが「景色の良いR62号線へどうぞ」という看板が出てました。
私も本日の予定ではR62号線に行くつもりです。
(目的はR62号線自体ではなく、その手前にあるのですが)

追い越し、追い越されつつ走っていきます。
この譲り合い文化のおかげで本当に気持ちよく走れます。

しかし、こんな看板が出てました。
こりゃぁ、警察の取り締まりをシビアに警戒した方が良さそうです。
(スピードにはかなり注意して一切スピード違反しないで走ってますが、ボーフォートウェストの街を出て、120kmに加速していく手前のまだ60km制限のところで取り締まりをやってましたし、ころころ切り替わる制限速度を見落としたらアウトです)

交通量が多いと、こういうシーンも良くみかけます。

「おまえは殺人者だ!」とは、なかなか強烈な内容の看板。

トラックを追い越しつつ、ひたすら南西へ走っていきます。
突然対向車がふらついたので、「旋風だ!」と気がついたのですが、どうにも出来ずにこちらも車が横に振られます。
Getzで時速120km走行だと緊張感満点です。

お~、120km制限の区間でも取り締まりをやってますね~。
写真は対向車線の取り締まりですが、こちらの区間で取り締まりをやってるときは対向車がちゃんとパッシングで知らせてくれます。
あと、N1号線にはパトカーがすごい台数走っているのですが、日本のパトカーと比べてパトライトが目立たない上に車種も様々なので、よっぽど近づかないとそれとはわからないです。
そして、警察車両と同じぐらいたくさん走っていたのが
ヒュンダイのSUV。
こちらではバカ売れしてるらしく、やたらと見かけました。
(レンタカーのせいで私の脳内でヒュンダイレーダーが作動したからかもしれませんが)
ついでにマツダ車も南アフリカでは検討していると感じました。(デミオ、アテンザあたりは日本より遭遇比率が高い感じがしました)

少し小腹が減ったのでヴェルハムット(Welgemoed)のガソリンスタンドに立ち寄ります。

これが覆面パトカーです。そして、その向こうが普通のパトカー。
キオスクに入って他のコーナーには目もくれずにミートパイのコーナーに向かうと、残念ながらペッパーステーキ味は売り切れとのこと。
仕方がないので、売っているものの中で一番人気のもの尋ねてみたら、「チーズスモークドベーコン味」(15ランド 190円)だと言うのでそれを購入。

毒は入っていないでしょうが、美味しいかどうかは「神のみぞ知る」といったところでしょうか。
(たまたま停まっていたワゴンのデカールがツボにはまったので撮影)

珍しいダブルレストコーナー看板。
(この写真に別段意味はないですが、重ね重ねジョンさんが来ていたTシャツを買いそびれたことが悔やまれます)

R62号線方面に向かうために、R353号線に入ります。

300番台ですから当然のことながらグラウンドロード。
まずはN1号線と平行して走っていた線路を跨ぎます。

グラウンドロードとは言ってもそこは天下の西ケープ州、道の状態は悪くないです。

橋を渡ります。
沈下上等というデザインです。

川があれば周囲に崖があるのはこれまで通り。

カラハリTFPを紹介してくれた写真家の方が執筆しているガイドブックによると、「この道」は地元っ子には有名で大人気と書かれていたのですが、今のところ車1台(しかも農家のピックアップトラック)としかすれ違ってません。
「地球の○○方」よりはよっぽど参考になる本なので、今回こちらもちゃんと持ってきたのですが、先ほどのカルー国立公園も書かれていたイメージと全然違う場所だったので、もしかしたら、人気が無い「普通の道」なのかもしれません。

ひとまず、先ほど購入したミートパイをいただきます。
・・・・・・やはり、ペッパーステーキ一択で間違いないみたいです。
(不味くはないですけど、あのミートパイ独特の味付けが好きなので)

左右に長く伸びる山脈が正面に見えてきました。
「人気の道路」とはあの山々を越える「スワルトバーグパス(Swartberg Pass)」のことです。
山々に近づくにつれ気分が盛り上がってきました。
山脈の一番高いところで標高2300mぐらいあるそうです。

撮影ついでに付近を散策してみると、Carpobrotus属の多肉植物が花を咲かせていました。

アロエの木とかはありませんが、いろいろな種類の多肉植物が見られます。(こちらもCarpobrotus属でしょうか?)

ここも「カルー」に含まれる乾燥地帯なんだなぁと実感します。

アップダウン注意の看板が出ましたが、ナミビアの悪路をi20で走った私からすれば、看板を出すまでもないほどのレベルです。
(相対的な話です、走られる方は気をつけてください)

スワルトバーグパスに入る手前に街があるみたいです。(木陰ショット)

プリンスアルベルト(Prince Albert)という街です。
(木陰ショットパート2)

特に意味は無い写真です。
(木陰ショットパート3)

あの建物は何でしょう?
(木陰ショットパート4)
と、木陰の下で休む人々を記録することに、このときなぜか執着しておりました。

教会の大きさからして、かなり立派な街のようです。

プリンスアルベルトの街を抜けると、道のナンバーがR328号線に変わりました。
いよいよスワルトバーグパスに突入するみたいです。

さて、どんな峠道なのでしょうか?

道がグラウンドロードに切り替わり、ぐいぐいと登り始めます。
対向車がちらほらと出現し、気がつくと後続の車がルームミラーに見えています。
プリンスアルベルトを境に急に交通量が増えたイメージです。
どうやら、人気の峠道というのは間違いないみたいです。

お~、これはすごい迫力ですね~!

カーブを抜けたところで突然出現した岩壁地帯に驚きの声が出てしまいます。

後ろから車がついて来て無くて、対向車がまったく来ないエリアだったら、車から降りて撮影したかったのですが、、、、人気の道にありがちな悩みです。

いや~、しっかし、これはスゴイ迫力です!

後続がパーキングに立ち寄ったので、見通しの効く場所に停めて撮影。

対向車は5~10分に1台ぐらいのペースで来ます。
これまでの300番台道路(30分~60分に1台)に比べると、格段に多い印象を受けます。

なるほど、こりゃぁ、人気になるわけです。
例のガイドブックにはこのエリアの写真はちゃんと掲載されていなかったので、こんな場所だとは想像しておりませんでした。

へぇ~、乾燥地帯なのに水が流れる川があるんですね~。

珍しい植物もいろいろ見られます。

アロエの仲間でしょうか?
あちらこちらに林立してます。

パノラマ写真で撮影してちょうど良いぐらいで、とにかく360度すごい眺めです。

角度はゆるむことなくガンガン登っていきます。
私と同じ方向に走っている人はほとんど居らず、反対方向に走ってくる人がほとんどだということに途中で気がつきました。
(最初に後ろに居た1台を除いて、追い越されも追いつきもしていないです)

正面の斜面をつづら折れに登るようです。

つづら折れの途中から見下ろしつつ撮影。

まだまだ登っていきます。

ようやく、登り切ったと思ったら、その先には山腹を巻くような道が延々と続いていて壮観でした。

山腹を走るために、斜面をそのまま削ったようです。

振り返ると、水が川となって土を削り取り、ちょうど渓谷になっている箇所を登ってきたことがよくわかりました。

下から見上げただけでは想像も付かない景色が広がってます。

チャイパッドで確認すると、どうやらあの山の辺に峠のピークがあるみたいです。

峠付近に広大なお花畑が広がっていました。

綺麗に見えますが、ここもトゲトゲです。

山間部を駆け抜ける脇道があるのですが、四駆オンリーとのこと。
ちなみに、今居る場所はグルートスワルトバーグ自然保護区(Groot Swartberg Nature Reserve)のど真ん中です。

ここにも多肉植物がありますね。(Carpobrotus属でしょうか?)

車が数台停まっているのが見えました。
どうやらあそこが峠の頂上(標高1583m)のようです。
(この後、ノートPCにバックアップを取るなど気をつけていたにもかかわらず、20枚ほど撮影データを吹き飛ばしてしまったので、他人様のアップした写真へのリンクを使って記録を残します)
Die Topという案内看板が出ていたので、靴をトレッキングシューズに履き替え、登り始めます。(英語で言うと「The Top」、頂上という意味なのでしょうか)
最初の内は石に泥が付いていて明らかに人が歩いた形跡が残っていたので、それをトレースしていたのですが、上に行くにつれ痕跡が薄くなり、
最後にはどこがコースだかすっかりわからなくなってしまいました。
それほど斜度のきつい山でもなかったので、たまに手も使いつつ、15分ぐらいで強引によじ登ってしまいました。

想像していた通り、いや、それ以上の絶景が目の前に広がります。
(14時半。コンデジTX-7のパノラマ撮影のデータが残ってました。そしてデジイチの写真データ吹き飛んだのは、ここまでです)
例のガイドブックに掲載されていたのは同じ立ち位置から普通の広角で写した写真だったので、実際にここに来るまでは、「つづら折れのグラウンドロードを抜ける峠道」ぐらいに思ってました。(上の写真で言うと右半分ぐらいの写真)
ここは現場に立ってみないと何もかもわからないスケールだと思います。
標高1650mぐらいあるらしいのですが、風が(強く)涼しくて気持ち良いです。(ちなみに、私一人しかいません)

道中もそうでしたが、いろいろな植物が花を咲かせていて目を楽しませてくれます。
山頂からの景色を10分ほど楽しんでから下り始めます。

そして、下り道。
あれ? なんで、こんな立派な道を見落としたんだろう?

不思議に思いつつも、植物を観察しながら下ります。

多肉植物以外にもいろいろあって興味深いです。

立派な登山道は駐車場までちゃんと続いてるみたいですね。

石の上でひなたぼっこしていたトカゲ君。
そして、Die Topの看板付近まで戻ってきて、ようやく自分がどこで道を間違えたかわかりました。

もう、最初っから間違ってたみたいです。
写真は登り始めてすぐのところですが、右に一度下に降りて奥へ続くのが登山道、そして、私は泥の付いた岩の踏み跡を頼りに左上の尾根筋を登ってしまったのでした。
(たぶん、そういう人が多いんだと思います)
どおりで先行して登っていた誰ともすれ違わなかったわけです。

まぁ、人気の峠道と言っても、南アフリカではこんなレベルです。
ちょっとタイミングがズレればすぐに自分一人だけの世界になります。

反対側に下る前に、これまで走ってきたエリアを目に焼き付けます。

それでは下りますよ~!

下りも急なので、スピードが出すぎないように気をつけます。

先ほどのDie Topを振り返ったところです。

畑地帯が眼下に広がっています。

なんか、初夏の北アルプスを車で走っている気分です。

さらに下ると秋吉台みたいなエリアに。
なんとお得な!
途中で白人の若い子が運転する四駆が猛スピードで駆け上がっていくのとストレートですれ違ったのですが、昨日のカルー国立公園手前の峠道でもそうでしたが、そういう人も極希に居るみたいなので、ここを通過する方は気をつけてください。(ほとんどの人はノロノロ運転ですが)

さて、楽しい気分でスワルトバーグパスを下ってきたわけですが、ここからまっすぐR62号線に向かうのも面白くなかったので、つい、山脈に沿って西に延びる脇道に入ってしまいました。

お~、予想以上に快適な道!
これは選んで正解!

なんかヨーロッパの風景みたいです。
ダチョウも放牧されてますね。

ありゃ、グラウンドロードになちゃいましたか。
世の中、そう甘くはないみたいです。

牧場だと思っていたエリアにスプリングボックが居ます。
食肉用に飼ってるのか、野生なのか、私設保護区か・・・・

グレータークドゥ(雄)にオリックスも居ました。

まるで北欧の絵はがきみたいな景色ですが、実はけっこう暑かったりします。
景色と体感温度のギャップが何とも言えない複雑な感想を心に生じさせます。
明確な境界線があるわけではないのですが、カルー国立公園がある広大なエリアがグレートカルーと呼ばれているエリアで、そしてスワルトバーグの南一帯のエリアをリトルカルー(アフリカーンス語ではクラインカルー)と呼ぶのだそうです。
というわけで、国立公園とは関係なく、まだカルー地帯に居ます。

そう言えば、まだ宿をどこにするか決めてなかったのでした。
一応候補はあって、ここ最近の「国立公園キャンプ生活」が大いに気に入り、ちょうど按配の良い場所にあったボンテボック国立公園をターゲットにしております。
カルー国立公園やカラハリTFPがそうであったように、レセプションは遅くとも19時ごろに閉まるはずなので、残りの距離を考えるとそろそろ急がねばならなくなってきました。

こんな道もそれはそれで楽しいのですが、ちょっとペースが出ないですね。

右のブルドーザーと左のアロエを見比べて欲しいのですが、信じられないぐらいでかいアロエです。(上に花のついた茎が伸びてるんですよ。5m近くあるんじゃないでしょうか?)

いや~、どこまでも続きますね~、グラウンドロードが。

お! あれは・・・

ちょいと拡大。
あの黒い動物は・・・

ダチョウの子ども達でした。(ちょっと別角度の写真です)

そして、これが超巨大なアロエ。
見上げる高さです。

ちょうどタイミングよくR62号線にエスケープするルートが出現したので、これ幸いとそちら(左)に曲がります。

いかにも川沿いという感じの渓谷を南下していきます。

レッドストーンヒルというエリアを通過したのですが、文字通り赤くてでかい石がごろごろ転がっていました。

B&B(宿泊施設)なんかもあって、ちょっとした観光地のようです。
ただ単に抜け道で利用しただけなので、得した気分です。

ようやくN1号線にお勧めと看板が出ていたR62号線に到着しました。

プライベートゲームリザーブ(私設動物保護区)の土地販売の看板が出てました。
一区画1000~2000万円ぐらいみたいですね。
さきほど見た草食動物は、こういったプライベートゲームリザーブの一つだったのかもしれません。

カリッツドープ(Calitzdorp)の街を通過。

街の向こう側に峠道が見えてきました。

R62号線の看板、なかなかお洒落なデザインです。

いまにも分解しそうな車。
ノロノロ走っていたので、途中で追い抜かしました。

Huis River Passに入りました。

Huis Riverが作り出した渓谷はとてもすばらしい景色です。

いやぁ~、R62号線、恐れ入りました!

リトルカルーエリアも楽しいですね~。

南アフリカでラッパ(クラクション)禁止のマークを見ると、ブブセラ禁止に見えてしまいます。
しかし、前の車もボロボロですね~。

ラディスミス(Ladismith)の街ですが、相当立派な街です。

R62号線は街の真ん中で左に曲がっているのですが、気づかず通り過ぎてしまったので、Uターンして戻って右折します。

ちょうど交差点にエンゲンのスタンドがあったので食料調達のために立ち寄ります。(17時)

そして、またもやペッパーステーキミートパイは売り切れ。。。

レジの若い女の子、基本無表情ながらも売っているものの中で一番人気のミートパイ(チキンパイ)を教えてくれ、一番形が良さそうなやつを選んでくれました。
手の平に小銭を全部乗せて渡すいつものやり方で、ちゃんとお金を取ってくれました。(水とセットで23ランド、290円)
早速食べてみました。

間違いないです、ミートパイはペッパーステーキ一択でオッケーです。(ラディスミス クレインカルー(Ladismith Kleinkaroo)エリア)
(って、同じ台詞を以前もつぶやいた気がします)
というか、このチキンパイ、チキンと言うよりは臭いシーチキンみたいな味なのですが大丈夫なのでしょうか?
全体的にしょっぱくて、生地も固く、この旅で食べた食事の中でダントツワーストワンの味でした。

木陰に古いカローラに黒人の家族。
私の中に植え付けられた典型的な南アフリカの景色です。(これでエンジン冷やすためにボンネットが開いていたらパーフェクトでした)
ちなみに、白人家族が木陰で休んでる場合は、車がでっかい四駆に変わり、ビールっ腹のお父さんがボンネットの代わりに自身が上半身裸で佇んでいるパターンが多いです。

バリィデート(Barrydate)の街です。
この道を走ったわけではないですが、あまりに印象的な景色だったので助手席越しに記録。

街を越えてすぐにR324号線方面へ左折。

再び峠道(Tradouws pass)を越えるのですが、どうやら山脈のかなり凹んだ鞍部を通過するみたいです。
スワルトバーグパスのような景色を期待していただけに、ちょっと残念な気分。

なんか注意書き看板が出てるなぁと思って、わざわざ減速して確認したら、「ヒヒに餌やり禁止」の看板でした。
こんな「まじめ風な看板」でそんなメッセージを出さないで欲しいと内心で突っ込みをいれつつ、再び加速します。

300番台ですけど舗装されてますね!

お! こちらもなかなかいいですね!
今日走った道のレベルが高すぎたので、すっかり感動ラインが引き上げられてしまっていますが、これは素晴らしい景色です!

大分日が傾いてしまってまったのが実に残念。

舗装路なので景色を安心して景色を見てられるのがポイント高いです。

この道も川沿いの渓谷に沿って走っているみたいです。

峠の頂上を通過します。標高351mだそうです。

展望台でしばし休憩。(18時)
ここはランゲバーグ・ウース イーストマウンテンキャッチメントエリア(Langeberg-Oos/East Mountain Catchment Area)と呼ぶのだそうです。

ちょっと写真ではわかりにくいですが、チョロチョロと水が落ちてくる滝がありました。

谷筋に沿って下界方向を見下ろします。
では、ぼちぼち行きますか!

峠の南側はなだらかな丘陵地帯になってますね。
リトルカルーの中心地から景色が一変しました。

北海道の美瑛みたいな景色です。

スーアールブラーク(Suurbraak)という小さな街を通過。
街は小さくても木陰の様子は変わりません。

人が道を自由に歩いているのも同じ。

幹線道路のN2号線に出ました。

こちらもさすがの交通量です。

スウェレンダム(Swellendam)の街の手前でボンテボック国立公園(Bontebok National Park)に続く道に入ります。

ゲートを18時35分に通過。(夏の時期は19時まで開いているようでした)
私の旅の場合、「しまったぁ~、18時半で閉門だったぁ!」というパターンが非常に多いのですが、本日は出来すぎなぐらいスムーズかつパーフェクトです。
(途中、ゆっくり見たい景色も多少すっとばしたかいがありました)

国立公園に入りましたが、普通の野っ原に見えます。
一応「希少種のボンテボックを保護している場所」という最低限の基礎知識はあったのですが、それ以外に何があるのかは実は知りません。
私としては安全かつ快適にキャンプが出来ればそれで良しと思っていたわけです。
いかにもマイナーそうな国立公園ですし、ボンテボックという言葉の響きもあって人気もなく、予約無しでも余裕で泊まれるだろうという思惑もありました。

受付に行くと白人のお姉さんが対応にあたってくれました。
売店もあったので、朝食用の食べ物を探したのですが売ってないとのことだったので、牛乳をカウンターに置きつつ、受付手続きを行います。
彼女がキャンプサイトの説明をするときに、
「テントを張る場所は特に決まってないので、好きな番号のところに張っていただいてかまいません」
と、説明したので、
「もしかして、今日泊まるのは私一人ですか?」
と、質問したら、
「いえいえ、たくさんの人が泊まってますよ」
と、予想外の答えが返ってきました。
ボンテボック国立公園、人気があるんだ・・・
ちなみに料金はテン場の使用料金(電源付き)と国立公園の入場料含めて230ランド、(2900円)でした。
お姉さんが簡単に国立公園についてレクチャーしてくれたので、いったい何匹のボンテボックが居るのか聞いてみたところ、170匹前後とのことでした。
毛皮目的の乱獲で一時わずか17頭まで減少した後保護され、3000頭まで回復したとのことですが、この国立公園のキャパシティでは200頭が限界なのだとか。

受付も済んだので、暗くならないうちにキャンプサイトに向かいます。

お! あれは!!

いきなりボンテボック(
Damaliscusdorcas phillipsi)の親子発見です。(ボンテボックを保護している国立公園ですから、当然と言えば当然ですが、こんなにあっさりと出会えるとは思ってませんでした)
ボンテボックだということは、レセプションに剥製が飾ってあったので、見てすぐにわかりました。

マウントしようとしたり(2枚上の写真)、互いの生殖器の臭いをかぎながらぐるぐる回っていたので、発情期かどうか確認しているのか、求愛のダンスをしていたのでしょうか?
ゆっくり観察していたかったのですが、それは明日の朝することにして、ひとまずキャンプサイトに向かいます。

いよいよ日が沈みます。

野原の中にちょっとした森が見えてきました。
キャンプ場はあの中にあるみたいです。
中に入ってみると、お姉さんが言うとおり、ほぼ満杯ぐらいの勢いでサイトが埋まってます。

空いてる場所をなんとか見つけて、すぐにテントを張りました。
周囲を見渡すとほとんどがファミリー連れです。ケープタウンから割と近い国立公園として人気があるんですね~。
そう言えばジョンさんも「南アフリカは休暇が多い」って言っていたので、休みの日は国立公園でキャンプをするのが定番の過ごし方なのかもしれません。
(ホテルに泊まるよりは圧倒的に安い上に安全ですし)

早速洗面所に行き、ドレッシングで汚したズボンを短パンに履き替えてから洗濯します。
(専用の洗濯板状のシンクがあり、助かりました。ちなみに昨日泊まったカルー国立公園にはコインランドリーもありました)
ついでに、エティハド航空でもらった快眠キットに入っていた靴下(1日使ったやつ)を雑巾代わりにして、Getzのすべてのドアの内側の砂を落とします。

というのも、Getzのシーリングの甘さはi20の比じゃないぐらい酷くて、2日間の走行でご覧の通りドアノブから砂が吹き出してしまう始末です。
ドアとボディの間にもあっという間に大量の砂が入り込んでしまい、ドアを開け閉めする度に砂が舞い上がり、それが運悪く風上側だったりすると、すべて車内に入り込んできます。
車内にはデジイチやノートPC、チャイパッドなどを転がしているので、こればっかりはなんとかしないと、と思っていたのでした。
すべてのドアの内側と車内を(グラウンドロードの国立公園まっただ中で)一生懸命掃除しているのが相当奇妙に映ったらしく、隣にテントを張っていた白人ファミリーのお父さんが笑いながら、
「次は僕の車も掃除してくれるかな?」
と、でかい四駆を指さしながら声をかけてきました。
気の利いた返しをとっさに出来ず、思わず「ノー」と笑いながら返事をしたら、肩をすくめるジェスチャーで返されました。

そうこうしているうちに日が暮れてきたので、先にシャワーを浴びてから夕飯の準備を始めます。(20時半)
アルコールランプの扱いもすっかり慣れました。
このキャンプ場も川に近い場所にあるからか蚊が飛んでるみたいなので、蚊取り線香を焚きながらいつもの夕飯メニュー(スパゲッティ+缶詰+錠剤+プロテイン)を頂きます。
マイナーな国立公園で一人寂しくテントを張るぐらいのつもりでいましたが、むしろ周囲の家族連れが賑やかな感じで、ナミビアスワコップムンドの街中にあったキャンプ場を思い出しました。
電灯はテントからちょっと離れた各サイトの入り口のところにあって、虫を集めてくれるぐらいしか役に立っていなかったので消そうと思ったのですが、どこにスイッチがあるかわらかず消せずじまいでした。(他も皆つきっぱなしでした)
カルー国立公園みたいに自動消灯かとも思ったのですが、朝まで付いていた気がします。

今日が最後のテント泊ですが、96%ウォッカを半分ぐらい使用しました。
(旅を始めた最初の頃、強風の中で対策もせずに使って大量に消費したせいです。普通はこんなに使用しないはずです)
寝る前にトイレに行ったら、いままで便秘気味だったのが一転して下痢気味に変わりました。
カルー国立公園で水道水を使って歯磨きをしたのが原因なのか、今日食べた臭いがしたチキンパイが原因なのか・・・
まぁ、酷くはないのでどうってことは無いのですが。
さて、明日はいよいよスタート地点のケープタウンに戻ります。
長いと思っていた旅ですが、走ってみればあっという間。
もう、終わるのかと思うと一抹の寂しさが・・・
さて、星も綺麗に見えてますし、最後まで晴れるといいなぁ。
では、おやすみなさい。
1月8日(金) 12日目
2時頃目が覚めたのでテントから顔だけ出して空を見上げてみると、満天の星空だったので、ひとまず安心して眠りに就きます。
4時45分に目覚ましをセットしていたのですが、なぜか5時に目が覚めました。
振り切ったか、一度起きて二度寝したみたいです。
周りは寝静まっているので、静かにテントを畳んで車に放り込み、エンジンをかけてキャンプ場を出ます。

3時間前までは快晴だったのに、完全に曇天になってます。

これがマクロな大気の動きによる曇天なのか、偏西風の影響による朝靄なのかによって今日の天気は180度逆になりますが、気温が急激に下がっていることと、水平方向もガスってるように見えますし、雲の高さも低い感じがするので、朝靄なんだろうと推測しました。
では、セルフ・ゲームドライブコースを走ってみますか!

まずはおなじみのレッドハーテビーストが登場します。ボンテボック以外にもいろいろ居るんだとわかりました。

この国立公園は至近距離で見られるのが良いですね。
(カルー国立公園でもたくさん出会いましたが、ちょっと遠かったので)

急な上り坂はには、こんな感じでゴムタイルが敷いてある親切設計です。

どの国立公園よりちゃんとデザインされた「宝の地図」のようなマップを頼りに、時速20kmぐらいでノロノロと進んでいきます。
ボールペンで書かれている字は昨日レセプションのお姉さんが説明しながら書き込んだ文字です。

(これが朝霧だったとして)何時ぐらいに晴れるんですかね~?
早く晴れ渡ってもらいたい物です。

一部ですが舗装区間もあるみたいです。
そう言えば酵母パン、飽きたと言っておいてなんですが、もう一個ぐらい持って来ておけばよかったなぁ~。
昨日レセプションの売店で食べ物が手に入らなかったので、何も食べるものがありません。

スイミングエリア、というか水を湛えた川がありました。
海パンを持って来てないので論外ではありますが、こんな小雨パラつく寒い朝に川に入りたいとは1ミリも思いませんでした。
(気温が急上昇した後の午後の時間帯で海パン持ってたら泳いだかもしれませんが)

お、ようやくボンテボック発見です。(すでにコースの3/4走ってます)

こちらはボンテボックの子どもでしょうか。

親の方もサイズ的にはスプリングボックぐらいで、比較的小さなレイヨウです。

親子でツーショット。
ボンテボックはここでしか見られないだろうと思い、しばらく観察して目に焼き付けておきました。

ある程度まとまった数の個体が居たのですが、道路から離れていたのが残念。

どこでも必ず登場するダチョウのハーレム。

お! スタインボック(
Raphiceruscampestris)は初めて見ました。

1時間ぐらいかけて、ノロノロと一周回り切りました。
では、そろそろスタート地点でもあり、ゴール地点でもあるケープタウンに向けて出発するとしますか!

まずはN2号線に戻ります。

あ! ロードスターだ!
今回の全行程を通じて見かけた最初で最後のロードスターです。

国立公園側のスウェレンダム(Swellendam)の街にガソリンと朝食を手に入れるために立ち寄ります。

南アフリカでは古い車がたくさん走っていましたが、あそこまで古いと趣味ですね。(ちゃんと動いてましたよ)
ガソリンは420km走行で320ランド(4000円)でした。何リットル入れたか記録していなかったのですが、相場から逆算すると燃費はリッター12kmぐらい。峠を越えてきたからか、がた落ちしてます。
このペースだと、再びお金が足らなくなることが確定したのでキオスクのATMで引き落とそうとすると、なぜかエラーになりました。
まさか、キャッシング枠を使い切ったということでも無いでしょうし、どこかのATMでスキミングされて不正利用されて止められたとか・・・・、ちょっと不安になりましたが、海外で引き落とせないことはよくあることなので、他で試してから対応を決めることにします。
(ちなみにここ数年海外旅行でメインカードをATMで使えなかった理由は、ただ単にキャッシング枠が最初から設定して無かったというお粗末なオチでした)
さて、朝食はペッパーステーキミートパイで、、、、って、またもや売り切れ。

仕方なしにおばちゃんお勧めのソーセージーロールとジュースを20ランド(250円)で買って食べたわけですが、食事はペッパーステーキ一択で間違いないです! (8時)
う~ん、しょっぱい・・・・
スウェレンダム(Swellendam)の街にやたらとレストランや宿があったのですが、観光地なのでしょうか?
大挙して街に押しかけて宿泊し、ボンテボック観に行くってわけでも無いでしょうし。
帰国後に調べてみたら、すぐにわかりました。
西側諸国から見た南アフリカ史によると、スウェレンダムは16世紀にはコイコイ族との取引の場所として活用され、1743年に南アフリカでは3番目に行政地区であると正式に宣言された街で、東インド会社(オランダ)による統治時代の(ケープタウン側から歩いて)東端の拠点として、地元のコーサ人との国境(貿易拠点)、そして探検家達の中継拠点として機能していたようです。その後地元民が蜂起してスウェレンダム共和国を建国、直後にイギリスがケープタウンを占領してイギリス統治下に置かれ商業地域として発展、現在は農業都市として発展と、めまぐるしく移り変わった歴史を伝える建造物が数多く残る観光地として栄えているのだそうです。国立公園もボンテボック国立公園以外に2つあり、動植物も豊富でハイキングコースもよりどりみどりなんだと
Wikipediaに書いてありました。

さて、ケープタウンに向かうわけですが、その前に「アフリカ大陸最南端」アガラス岬に立ち寄ることにしました。
元々行くことを計画していたわけでもないですし、「どうしても最南端に立ちたい!」というわけでもなかったのですが、昨日の夜、テントの中でチャイパッドを眺めながら距離を測ってみたら、ボンテボック国立公園からアガラス岬まで100km強と、それほど遠回りせずに行けそうだったので、ついでだから立ち寄ってみようと気軽に決めたのでした。

まずは日本で計画を立てていたときから目をつけていた農道に入ります。
(最南端に行くことよりも、この道を走ることの方がメインの目的だったりします)

予想通り徐々に晴れてきたのですが、もうちょっとスピードを上げてもらえないですかね?

昨日もちらちらと見えていましたが、この辺りは丘陵畑・牧場地帯で北海道の美瑛とかヨーロッパっぽい景色が広がるエリアなのです。

しかし、せっかくの景色も晴れてくれないと威力を発揮できません。
(できれば綿雲も欲しい)

石が落ちているのかと思ったら、道路横断中の亀でした。

恩返し目的で道路脇に運んで差し上げました。
(この農道、たま~に車が走ってるんですよ)
写真の構図は手前から「恐怖の廃タイヤ」、「個人的に恩を売ったと思っている亀」、そして「すぐに車内が砂だらけになるGetz」の順番です。(写真では深い意図が伝わらないカットなので文章で書いてみました)

しかし、なかなか晴れないですね~。

おっと、少し晴れ間が・・・
本当は
こういう景色が見られる予定だったわけです。
(日本に居るときにGoogleMapで見つけたカットです)

しかし、この広大なスケール感はさすがですね~。

空は晴れ渡りませんが、なんだかんだと景色を楽しみながら走っております。

羊は警戒心が強いので、近寄らせてくれないです。
私がカメラを向けただけで、この注目され具合です。

ようやく、少しずつ晴れ間の面積が増えてきました。

あと1時間早くこんな空になってくれてたらなぁ~。

馬も居ました。

だんだん思い描いていた感じの景色になってきました。

ありとあらゆる種類の家畜が放牧されています。

う~ん、素晴らしい眺め!
少しずつ気温が上がってきたのですが、窓全開走行で気分爽快です。

ハゴロモツル(
Grus paradisea)
この辺りではちらほら見かけました。
そして、再び道路横断中の亀を発見、早速亀のまん前で車を止めます。
さきほどと同じように写真を撮ろうと車から降りて前方に歩いて行ったら、まったく想像していなかった猛スピードで亀が走り始めたので、慌てて捕まえて、今一度車の前に戻っていただきます。

(私にとっては)めでたくツーショット撮影。
撮影後はもちろん恩を売るために道端に戻しておきました。
つづく