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2011年03月06日 イイね!

南アフリカ&ナミビアドライブ (11)  カラハリTFP → バンバイクスフレイ

南アフリカ&ナミビアドライブ (11)  カラハリTFP → バンバイクスフレイ



1月6日(木) 10日目



2時半ごろ目が覚めたので、トンボの顔面襲撃を警戒しつつテントのチャックをそっとあけて、顔を外に出します。



外は満点の星空です。今日は天気が良さそうです。


テント内の気温も22度まで下がり、ちょっと肌寒いのでフリースを着て再び横になります。



そして、4時半ごろ再び目が覚めました。

今日も地平線が明るくなると同時に鳥達が鳴き始めます。



5時15分に起床。


朝露でテントがびっしょり濡れていましたが、どうせ今晩も使うので軽く畳んで車のトランクに放り込み、エンジンをかけます。

計画がそうなっているとは言え、後ろ髪を引かれる想いとはまさにこのことです。



車の窓ガラスが全部真っ白に曇っていたので、フロントはワイパーを動かしつつエアコン全開にして、両サイドのウインドウを一度下ろして夜露を振り払います。


すると、運転席側のウインドウが「ガキガキ!」っと音を立てながら斜めに開いて途中で止まり、それ以上ウンともスンとも言わなくなってしまいました。


勝手に直るかもしれないと思い、ひとまず車を走らせながら、どう対応するか考えることにします。






6時ちょいすぎにゲートを通過。

入場するときにもらったチケットの提出も求められたりと、かなりきちんとした入退場管理をしているみたいです。









道路脇の牧場からも湯気が上がってますが、エアコン全開でフロントウインドウに当てても、常にワイパーを動かしていないと速攻で曇って来てしまい、太陽が正面にあるので前を見辛いったりゃありゃしない感じです。






あ! あの動物は!








犬・・・・


今回の旅の最大のぬか喜びはこの犬だと思います。











本日も朝食は酵母パンです。

何の準備も買い物もせずに、すぐに腹を満たせるので便利です。


が、ちょっとだけ飽きてきました。







さて、問題はこれをどうするかです。
相変わらずパワーウインドウはうんともすんとも言いません。
たぶん、連日のオフロード走行とシーリングの甘さから砂がパワーウインドウのギア周りに入り込み、今朝の夜露で水に塗れて固まった為、どこからの駆動パーツが動かなくなって外れたか折れたかしたのでしょう。


グローブボックスからAVISに渡されたルートマップを取り出して確認すると、当初の計画からするとちょっと遠回りになりますが、トゥイーリフィエーレンから260kmほど南のアピントンの空港にAVISのオフィスがあるみたいです。

ひとまず、そこに相談に行くことに決めました。







青い線が当初の計画で、まずはオーグラビス国立公園に立ち寄り、そこからひたすら南下し「B」地点のカルー国立公園で一泊する計画でした。

走行距離がどのぐらいになるのかちゃんと計算していなかったのですが、実は1000km弱あります。

カルー国立公園の受付時間は夜19時までで、ゲートが開いている時間が22時までなので、できれば19時に到着して受付を済ませたく、かなりきつめの計画になっていたわけです。


それに加えて、パワーウインドウの故障。

さすがに開けっ放しで旅を続けるわけにもいかないということに今更気がつき、急に焦りはじめました。



アピントン空港のAVIS、ちゃんと対応してくれるんでしょうか?
というか、飛行機が飛ばない日でそもそも営業してない可能性もありますし・・・。


最悪のケースとしては「即修理対応不能」&「代替車無し」で旅の続行不可能とか・・・


とにかく、パワーウインドウが壊れたままでもいいから、とにかく一度閉めてもらおう。そうすれば何とかなります。
そう決めて納得し、目の前の景色を楽しむことにします。








この、なんでもない写真、なぜ掲載したかと言いますと、右上に変なものが写っているからです。









こんなものが写っていたのですが、いったい何なのでしょうか?


(飛行機ならボディが写りますよね)






Googlemap上には登録されていない新しい道が出来ていたので、文字通りまっすぐアピントンに向かえそうです。

(まっすぐ向かって260kmです)











うわ~、すごい!!  花が咲いて黄色い絨毯になってます。











車から降りて撮影。











もう一枚撮影。











さらにもう一枚。






気が付きましたでしょうか?


2枚目の写真です。









こんなものが写ってました。3枚の写真のタイムスタンプは1分以内なので、一瞬で目の前を通り過ぎて行ったんだと思います。

(この写り込みは帰国してから気が付きました)


第九地区のパート2でも撮影していたんですかね?




それとも、ヤオイさんに画像を送って鑑定してもらったほうが良いのでしょうか?









それはともかく、黄色い絨毯の中をアピントンへと急ぎます。











こうやってお花畑を堪能していますが、やはり心の中では不安な気持ちが渦巻いています。





アピントンの空港は中心街の北の外れにあるので、まっすぐ空港に向かいます。



期待はしていませんでしたが、やはり地方空港並みの規模です。(8時20分)







オフィスは開いて、、、、AVISだけ開いてないじゃないですか!!


隣のユーロレンタカーの白人のお兄さんに事情を話すと、


「じゃぁ、メカニックの人に電話してあげるから、そこで待ってて」


と、電話でAVISのスタッフさんを呼び出してくれました。いやぁ、親切な方で助かりました。


それから待つこと15分(たぶん、街中のオフィスか自宅からやって来たのだと思います)、駐車場に到着した車から赤い制服を着た身長の低いぽっちゃりとした黒人のスタッフさんが降りてきたので、声をかけます。


事情は伝わっていたらしく、車を見るなりすぐにパワーウインドウの様子を確認してくれます。


「動かなくていいので、閉めた状態にしてもらえませんか?」


と、頼んでみると、



「修理は時間がかかりますから、そちらの車を使っていいですよ」







と、奥に停まっていたコンパクトカーを指差します。

期待をはるかに上回るすばらしい展開に歓喜しつつ


「いいんですか?」


と、確認すると


「どうぞどうぞ、今すぐに書類作りますから、荷物を移しておいてください」


と笑顔で言い、書類の作成に取りかかってくれます。



いやぁ、良かった良かった!


大喜びで次に乗る車を確認してみます。


はてさて、見慣れないコンパクトカーですが、これは何でしょう?











ヒュンダイGetzをゲーッツ!!


(もう40歳越えているので親父ギャグを内心でつぶやくのは許してください)




なんでしょう、今まで嬉しさ一辺倒だった気持ちに混ざるこの微妙な残念感は。



いいじゃないですか、ヒュンダイでも。


どうせ、今日を含めてあと3日走るだけですし、南アフリカはナミビアほどダートロードばかりじゃないでしょうし、これで問題無いじゃないですか。


ゴルフポロとかに乗りたかったけど、それは贅沢と言うもの・・・



さ、荷物を移しちゃいましょう!


対応に当たってくれたスタッフさんはリチャードさんという方で、終始笑顔で、とても親切に、気を遣って対応してくれました。

フロントリップラバーの件も(フルカバーの保険には入ってますが) 「いいよ、いいよ、問題ないよ」とのこと。


i20の車内が連日のキャンプ生活でむちゃくちゃ散らかっていて恥ずかしかったのと、そのせいで荷物の移動にえらい時間がかかりました。

リチャードさんもGPSや望遠レンズに興味津々だったので、あれこれ解説します。最後にオーグラビスまでの道を確認してからいよいよ出発です。



4500kmの旅を共にしたi20と、とても親切に対応してくれたリチャードさんにお礼と別れを告げ、ヒュンダイGetzを発進させます。(9時)




ん~、なんでしょう、この懐かしいフィーリング。



1990年代のコンパクトカーの味がします。






しかし、この車の走行は6000kmちょい。

まだ、全然走っていない車です。








i20みたいに、変なところにバックギアが配置されて無いので、(逆に慣れるまで何回か間違えましたが)シンプルで良いのですが、シフトを持つフィーリングが最悪で、斜めに動かすと手の平の皮がよじれます。

そして、すごい重ステと決まらない走行ライン。


i20に乗らずにこれだけ乗っていたら、「韓国車はまだまだだね」って、したり顔で語っていたかもしれません。


早速帰国後にGetzについて調べてみたのですが、Getzが2002年発売、i20はGetzの後継車で2008年発売ということでした。

つまり、小早川さんが言う「韓国車の急速な追い上げ」をまさに実感したドライブでした。

そう言えばこんな記事もありました。



ちなみに、Getzは欧州で設計開発されていて、高速域の安定性が熱狂的なファンをうんぬんとWikiぺディアには書かれていますが、i20との比較では比べ物にならないぐらいフラフラ走る印象で、時速120kmでゆるいコーナーに差し掛かるとかなり緊張させられました。



さて、車の話はこのぐらいにして、、、







せっかくなのでアピントンの街で食料を調達していくことにします。


いやぁ、これは綺麗な街ですね~。








ガソリンスタンドのキオスクに立ち寄ります。










やった~! ミートパイ、選びたい放題!


早速店員さんにどれが一番人気か尋ねたら、「ペッパーステーキ味」とのことだったので、それを注文し、あと、目に付いた三角形の小さなパイも頼みました。
(両方で200円ぐらいだったでしょうか)

さらに、オレンジジュースを持ってレジに行くと、黒人と南米系のハーフな感じの若い女の子が


「プラシーバ?」


と、笑顔で尋ねてきたのですが、どういう意味なのかわかりません。


「プラシーボ?」(偽薬)


「ノーノー、プラシーバ」


と、言いながら白いビニール袋をレジの奥から取り出して見せてくれます。


「あぁ、プラシックバック! ください」


と、答えると


「どこから来たんですか?」


と、質問されたので、


「日本です」


と、答えると


「遠いところから来たんですね~。○○ランドです」


と、急に値段を言われたのですが、肝心なところを聞きそびれてしまったので、財布から手の平に小銭を広げて彼女に見せます。


すると、5ランドコインを2枚摘み取り、お釣りを乗せてくれた後、さらにもう1枚の5ランドコインをつまみ上げ、レジの中からピカピカの5ランド硬貨を代わりに乗せてくれました。

いやぁ~、なんと、気の効いたサービス。

日本のコンビニで、お釣りを上空5cmから自由落下させる若い店員さんは、一度アピントンにサービス留学したほうが良いと思いますよ。









朝の不安はどこへやら、すっかり良い気分でアピントンの街を抜けていきます。















「親指立ててグー」禁止?



そのすぐ後がストップ禁止・・・・



そっか、ヒッチハイク禁止のサインだ。

丘の上のカーブですしね。









引き続き美しい道(N14号線)を西に向かって走ります。











親指立ててヒッチハイク中な方々。

(もちろん、ここは禁止エリアでは無いです)








右手に広がっているのはブドウ畑です。南アフリカに戻ってきたんだなぁと感じます。











ペッパーステーキミートパイをいただきます。

あ!、これ、一昨日カラハリTFPで食べたミートパイと同じ味です。

ってことは、カラハリTFPの売店では一番人気のペッパーステーキ味のみを置いていたってことですね。

なるほど~。










道路工事区間なのですが、アスファルト下の土の色がいかにもカラハリって感じでメモ撮影。

ケッペンの気候区分では、ここはまだ砂漠地帯です。

アフリカの植生マップだと、「半砂漠」ってことになってますが、いずれにしろカラハリ地域の一部です。











カイモスの街を通過。











Getzの運転にも少しずつ慣れてきました。











続いて、ちょっとした峠道を通過。

Getzのハンドリング、常に微修正が必要でおっかない!











次の街(カカマス)が見えてきました。











カカマスの先はブドウ畑が続いています。











オーグラビスの案内標識が出たので、ここで右折します。


1週間前に通過した「スプリングボックの街」までここから300km弱です。

スプリングボックという名称は南アフリカの国獣でもあり、街の名前にもなってます。私は詳しくは無いのですがラグビーチームの名前にも採用されているみたいですね。

ちなみに、動物のスプリングボックは肉食動物に追いかけられたときピョンピョン跳ねるからその名前になったんでしょうね。









オーグラビスの村に入りました。


オーグラビスとは「コイ族」の言葉で「すごい音がする場所」という意味です。










今のところすごい音も聞こえてこず、いたって長閑な感じです。











トラクター飛び出し注意の看板。











オーグラビスフォールズですから、「すごい音のする滝」ってことになります。











こんな奥深くまでちゃんと舗装されています。

さすが南アフリカ!




入場ゲートで帽子を被った黒人のお兄さんに、どうせ聞かれるだろうと予想して


「車一台、大人1名です」


と、先に申告したら


「オゥ、グレート! で、今日はどのぐらいここで時間を過ごすの?」


と、質問が帰ってきたので、


「滝だけ見たらすぐに帰ります。ところで、ウォーキングコースを歩くとどのぐらい時間がかかりますか?」




と、質問を返すと、


「すごいかかるよ(笑)。滝を見るだけなら、この先3km行ったところに駐車場があって、そこから歩いて3分。すぐに着くよ。」


と、言いながらゲートを開けてくれました。


あれ? お金は払わなくて良かったのでしょうか? 滝を見るだけなら無料とか?


ひとまずゲートを開けてくれたので、そのまま先に進みます。(11時)







改めてヒュンダイGetzです。

昔のトヨタ車っぽいデザインです。ちなみに日本でも販売していたらしいので、中古車で検索すると出てきます。








お、久しぶりにアロエの木が出現しました。(Aloe dichotoma











言われたとおり3kmほど走ったところで売店やレストランのある駐車場に到着しました。


そして、車の外は信じられないぐらいの暑さです。



売店で水を購入したのですが、レジのお姉さんが黒人のショートヘア&四角いメガネの方で、やはりアピントンのキオスクのお姉さんと比較すると遥かに事務的な対応に感じたのでした。(我ながら気にしすぎ)







早速、サイン看板に従って歩いて行きます。









お、滝が見えてきました!













展望台の向こうに濁流がすごい勢いで流れています。










オーグラビスフォールズの全景が見えました!(パノラマ写真。さきほどの展望台は右端)












早速私も展望台に立ってみました。

(パノラマ写真)

名前のとおり、すごい音が鳴り響いています。









こちらもパノラマ写真で落ちていく様です。
落差は56mとそれほどでも無いのですが、水量がすさまじいです。

水面を見ていると目が回りそうになるのはイグアスの滝以来です。














あまりに暑いので、100円ショップで購入した温度計を取り出して確認してみたら38度になってました。

温度を知ったらよけいに暑く感じました。







展望台から滝を眺める若い警察官達。











さらに展望台の上から。











こちらが滝の上流域です。











危険なエリアって、さすがにここから柵を乗り越えて滝に落ちる人も居ないと思うのですが。。。











滝の周辺に散策路があったので一周してみます。











滝の下から眺めたところです。








滝の下流方向。川が花崗岩を削り取って、渓谷を作り出しています。


ところでこの川、「オレンジ川、フル!」のオレンジ川なんです。ですから、この先に私が通過したナミビアと南アフリカの国境事務所やポンツーンがあります。


先日この辺りで大雨が降ってポンツーンが運行停止になったのでしょうか?









あ! あれは!!

(みなさん、わかりますか?)








ロックハイラックス(ケープハイラックス)です。(Procavia capensis

何か居るかもと思ってかさばるのに超望遠レンズを持ってきて良かったです。









眉毛(に見える模様)があって、いたずら書きされたみたいな顔になってます。











これはもしかして威嚇されているのでしょうか?

まぁ、なんにせよ、仕草も顔もかわいらしい動物です。










散策路なのに道に迷いつつ、40分ぐらいかけて一周歩いてみました。

(実はこのとき、ウエストポーチに入れていた温度計をどこかに落としてしまいました。Getzにも温度計はついてませんので、以後は温度がまったくわからない状態になりましたので、暑い!(30度台後半)とか寒い!(10度台後半)という感覚だけの話になります)









再び売店に顔を出し、水をもう一本追加で買っておきます。(写真は売店の庭に生えていたアロエの木(Aloe pillansii









ふむふむ、昨日のゲームドライブで見られたであろう動物が左上に記載されてますね。









草食動物ぐらいしか居ないのかと思ったら、肉食動物(豹まで!)居るんですね。

私が出会ったのは真ん中上のこちらでは「ダッシー」と呼ばれているケープハイラックスです。


あと、写真に取り損ねたのですが、このトカゲの雌を見つけたのですが、メスはえらい地味な配色なのでした。


ここも泊り込みでゆっくりしたほうが良い場所なのですね。




そう言えば、先ほどの看板の右下に1月13日に(ダム開放で)水量が増えて2010年の2月を越えるうんぬんって書いてあったのですが、、、






2010年の2月もそこそこの水量だったはず。(写真で右)

左上の棒グラフでもわかるとおり1988年は別格ですね。



帰国してから今年の1月13日の様子を動画で探してみたら、ありました。私が帰国した1月11日からすでに水量が上がっていたみたいなのですが、どうせならこれを見たかった!!
(1ヵ月後とかなら諦めもつくのですが、5日後ですからね)


滝の規模としては世界6位を誇るオーグラビスフォールズの本来の姿はこちらでどうぞ。映像は2011年1月11日のものです。


なんにせよ、今年は「雨」という意味では本当に当たり年だったようです。









歩行者を保護してくれるようなカンガルーバンパーが開発されたら、ぜひ四駆を買って取り付けたいんですけどね~。

(単純にかっこいいと思って撮影)



さて、そろそろ本日の宿泊地を目指しますか!







帰りもゲートを通過します。

先ほどの帽子を被ったノリの良いスタッフが、


「そうそう、君! さっき、お金払ってもらったっけ?」


と、声をかけてきたので、やはりと思いつつ


「払ってないですよ」


と、笑いながら財布を取り出すと、


「君、いい人だねぇ!」


と、感心されました。

料金は100ランド(1250円)でした。


「絶対にまた来てね!」


と、親指を立てながら見送られ、こちらも親指を立てて返事をしつつ車を発進させます。(12時20分)








お~、トラクタートレインです。たしかに、これなら簡単に避けられないので飛び出し注意です。







ブドウ満載のトラックを追い越し中。











このエリアは本当に長閑でいいですね~。











N14号線に戻り、先ほどの峠を越えてカイモスの街に向かいます。




カイモスの街では相変わらずいろいろな人が道に飛び出してきます。


対向車線を走ってきたパトカーが目の前で停まり、運転席から警察官が降りて私の車の前に飛び出してきたときには、てっきり呼び止められるのかとブレーキを踏んだのですが、ただ単に道路を渡って向かいの売店に行きたいだけのようでして、売店に入って行く警察官を私は呆然と眺めておりました。







カイモスの街で一瞬悩みます。

アピントンまで戻って、幹線道路のN10号線経由で行くか、当初の計画通りR27号線で行くか・・・



とりあえず、道の状態を見てみて、問題なければR27号線で行こうと決めてハンドルを右に切ります。









門のところにアロエの木が並んでいます。いかにも砂漠地帯流のガーデニングって感じがして素敵です。











すぐにオレンジ川を渡ります。 この橋は1車線分しかありません。


オレンジ川、さすがの水量です。











お、R27号線、いい感じじゃないですか?











やっほ~、120km制限道路です。

これなら、うまくいけばキャンプ場のレセプションが閉まる19時前に到着できるかもしれません。









本当に雲ひとつ無い良い天気ですが、とりあえず暑いです。(体感40度弱)











アロエの木が林立してますね。











ケンハルトの街に到着しました。(14時)

どんな小さな街にでも立派な教会があるんですね~。


さて、ここでR27号線を左折して離れるわけですが、、、、って、言っているうちに街を出てしまいました。

チャイパッドにケンハルトの詳細地図を登録してこなかったので、どこに左折すべき道があったのかさっぱりわかりません。


R27号線自体はここから南西方向に向かってしまうので、このまま乗り続けるわけにもいきませんし。(R27号線経由だとざっと目算で100kmぐらいの遠回りでしょうか)

これかな? という道が2本ほどあったのですが、どちらもありえないぐらい酷い状態で、よりマシな方の道はゲートが閉じられていました。


こりゃぁ、いよいよR27号線遠回りコースしかないなと数キロ南下したところで、これまで街中で迷ったときの経験則を思い出し、再びケンハルトの街に戻って、R27号線の1本東側を並行して走る道に乗り換えてみたら、次の目的地であるバンバイクスフレイ(Vanwyksvlei)と表示された看板を発見しました。

ビンゴ!






あ! あの看板は!!









ダートロード~~~。。。








もう、果てしなく続きそうな勢いです。


先ほどまで走っていた「R27号線」が舗装路、そしてこの「R361号線」がダートロードだったことから、300番台はダートロードなんだと仮定して、この先の道を確認してみると、本日の行程ではこの先ほとんどの区間が300番台ダートロード。。。


しかも、本日の目的地のカルー国立公園まで軽く400kmはありそうです。




いやぁ、これは骨が折れそうです。









ひとつラッキーだったのはGetzの最低地上高がi20よりも遥かに高かったことです。

さらにフロントリップラバーなんてものも最初っから付いてません。

これなら(多少)安心して走れそうです。









道の状態も、今のところそれほど悪くありません。

では、頑張って行きますよ~!!









笑っている道路サインに見えますが、川渡り注意の看板です。


最低地上高の高さもあって、川床の段差を越えるのはi20よりは遥かに楽です。今までなら確実にアゴを打つような場面でもGetzは難なく乗り越えていきます。



逆に尖っている石がちらほら転がっていることと、まっすぐ走らない車なので轍を踏み外さないできっちりトレースするのが大変でした。








バンバイクスフレイまで残り100km。

ダートロードに変わってからここまで40kmほど走ってますから、トータルで140kmということでしょうか。



そして、燃料系の針が半分を切ったところからいきなり勢いよく下がり始めました。
先ほどの街で入れておけば良かったと後悔しても時すでに遅し。


100km以上おきという街の間隔からして、とりあえずバンバイクスフレイで入れないとマズそうです。










この辺りも雨が降ったのでしょうか?

少しぬかるみが残っています。









大きくはないですが、水溜りもありました。










本日の行程で1番「ヤバイ!」と思った瞬間がこのシーン。

ぬかるみを走って来たトラックが巻き上げた泥のせいで、すれ違った瞬間前が見えなくなり、こちらもアクセルは抜いていたとは言っても70kmは出ていたので、数秒間前が見えないまま走るはめになりました。


いやぁ、びっくりしました。









よ~く道路を見ていないと、状態の悪い場所につっこんでしまうので、相変わらず気が抜けません。











こんな感じで片側どちらかの車線が走れない区間がほとんどでした。

30分に一回ぐらいしか対向車と出会わないので、その点は問題ないのですが。




ひたすら地面を睨みながら走っていると、ふとチャイパッドに目を移した時に、チャイパッドの画面全体が小さくなっていくような錯覚に陥る現象が起こり始めました。
脳自体が疲れてきたみたいです。



たま~に、ヤギとか牛が居るぐらいで、とにかく何も居ないエリアが延々と続きます。

そう言えば、アロエの木も見かけなくなりました。植生も変わったみたいです。









でかい水溜りも登場しはじめました。

i20じゃなくて本当に良かったです。











T時路が登場したので案内看板に従い右折。











ダートロードにスリップ注意と80km制限の看板。

日本ではありえない組み合わせですね。











朽ち果てた廃墟がポツンと建ってました。











ケンハルトから2時間かけて、ようやくバンバイクスフレイの街に到着しました。











どうやら、ここは黒人の方メインの街のようです。

しかし、道路が舗装されていたので、ここから先もずーっと舗装路なんじゃないかとちょっとだけ期待します。




街中にガソリンスタンドがあるにはあったのですが、いわゆる青空ガソリンスタンドで、もうちょっとマシなところは無いかと街中を走っていたら、あっという間に街を抜けてしまったので、あわててUターンし、歩いていた警察官に「ガソリンスタンドってあそこしか無いですか?」と尋ねると、「そうだよ」とのこと。









これが青空ガソリンスタンドです。









しかし、よく見たら天下のBPでした。


「アンレーデッドフル」(レギュラー満タン)


と、おじさんに伝えてから写真を撮っていると、なにやらおじさんが機械の調子を確認し始めます。


なんだろうと思いながら、車の方に戻って行くと、おじさんがボソっと一言、


「詰まった・・・」


と、言います。


おじさんが給油機のレバーを操作すると料金メーターは上がるのですが、流量メーターは1リットルの所で止まったままぴくりとも動きません。

流量計と料金メーターが連動していないということを初めて知って驚きつつ、修理にどのぐらい時間がかかるのかと思って、おじさんの次の一言を待っていると、



「今日はすまないがペトロール(ガソリン)は売ることが出来ないよ。」



と、衝撃の一言が返ってきます。



「なんとかならないんですか?」



「どうにも出来ない。今日はこの暑さだから機械が詰まってしまったんだ」



「そ、そうなんですか・・・・」



つづく


Posted at 2011/03/06 00:33:01 | コメント(8) | トラックバック(0) | 日記
2011年03月05日 イイね!

南アフリカ&ナミビアドライブ (10)  カラハリTFP

南アフリカ&ナミビアドライブ (10)  カラハリTFP


お互いにとって幸いなことに、ドアは半開きの状態からバタンと閉まり、「オ~ゥ、ソォリィ~」という男性の声がドアの向こうから聞こえてきました。




いやぁ~、びっくりしました。




まさか唯一閉まっているこのドアを開けられそうになるとは予想しておりませんでした。


優雅な嗜み気分も完全に吹き飛んでしまったので、後処理を事務的に済ませてから洗面台に移動します。


すると、別のドアから見上げる身長の白人男性が出てきました。
この建物の中には我々二人しか居ないわけで、どうやらこの方が先ほどドアを開けようとした人のようです。
歳は50歳ぐらいでしょうか。






レストコーナーマークがでかでかとプリントされた紺色のTシャツを着ていて、これ、すっごく欲しいと思ったのですが、旅の間に購入するのを忘れてしまいました。(アイロンプリントで自作しようかなぁ~)



「いやぁ、先ほどは申し訳ない」



と、気さくに話しかけてこられたので、



「いえいえ。このドア、鍵がかからないんですよ」



と、鍵を指さして、悪いのはドアの鍵ということにします。

ついでに、


「南アフリカはトイレのスペースが大きくて」



と、話を付け加えると、



「君、中国から来たの?」



と、突然質問され、



「いえ、日本ですよ」



と、答えると



「そぉか~、やっぱり日本かぁ。日本のトイレは小さいからね~」



と、まったく想像していなかった方向に会話が展開します。



「おじさんは南アフリカに住んでらっしゃるんですか?」



「そうだよ」



「ヨハネスブルグですか?」



「いやいや、ケープタウン」



(笑顔で会話してますが、ヨハネスブルグって思われるのはちょっと心外というオーラを一瞬だけ感じました。先祖はイギリス系の方なのでしょうか。)



「私の名前はジョン、よろしく」



「私はぎんがめです。」



「ところで、君はちゃんと英語を話せるんだねぇ」



「いえいえ、全然ダメですよ」(謙遜じゃなく)



ちなみに、ジョンさんは外国で英語の教師をしてるんじゃないかというぐらいゆっくり丁寧にしゃべってくれるので、とても聞き取りやすかったです。



「いやいや、先日中国の北京に旅行に行ったんだけど、そのときタクシーの運転手にホテルの名前が伝わらなくて、えらい苦労したんだよ」



(内心、タクシーの運ちゃんならそういうこともあるでしょうと思いつつ)



「なるほど。日本人だったら漢字で筆談できるんですけどね」



「そうそう、だから、地図を指さして目的地を伝えたのさ」



「大変でしたね」



「ところで、今回は何日間ぐらいの休暇なの?」



「2週間です。(正確には15日間) 日本人としては、これでも長い方だと思いますよ」



「そ~か~。南アフリカは休みがとっても多いんだよ。今回の休みが終わった後、来月も長い休みがあるんだよ。だから、ここにもしょっちゅう来てるんだ」



と、なんとも羨ましい話。

そして、ジョンさんからの質問はまだまだ続きます。



「ところで、今日は何か動物は見られたかい?」



「はい! (この質問、待ってました) チーターが2匹、スプリングボックを食べているところを見ましたよ」



「おおおお!」



と、言いながらジョンさんが右手を斜め上に挙げます。それが、ハイタッチのお誘いだと気がつくのに一瞬間が開いてしまい、かなりぎこちない動作でタッチをすると、右手をガシっと捕まれてしまい、ブンブン上下されながら、



「よかったね~」


と、褒められます。身長差があるからか、まるでテストの成績を報告した子どものような気分です。

握られた手が解放されたので、



「ジョンさんはどうでした?」



と、質問してみると、



「3匹のチーターを見たよ」



との返事。



「チーターが上からスプリングボックをこう、見下ろしていてね、、、」



と、チーターの見下ろす表情や仕草まで完璧に真似しながら演技しつつ、



「狩りをするんじゃないかと、待ってたんだけど、スプリングボックが、こう、見上げて、、、」



と、今度はヘビににらまれたカエルのように微動だにしないスプリングボックの様子を両腕の硬直具合と真剣に上を見つめる表情で表現し、



「結局、いつまで待っても狩りが始まらなかったから諦めちゃったんだよ」



と、大熱演で今日の様子を教えてくれました。



言われてみれば、私は川床ばかり探していて、土手の上はノーマークだったので、迫真の演技が似ている似ていないかはともかく、この話はすごく参考になりました。

そんな感想とは無関係にジョンさんの熱演はさらに続きます。



「そうそう! 今日はスプリングボックの赤ちゃんを見たんだよ!」



「へ~、そうなんですか」



たしかに、雨期はあらゆる動物の出産シーズンで、草の新芽が生えて来るこの季節が草食動物の子育てに都合の良いシーズンです。(肉食動物も同様)


なんて、本の内容を思い出していたら、突然ジョンさんが洗面所でしゃがみ込んだので、急に具合でも悪くなったのかと思ったら、ものすごい気合いを入れながら、ゆっくり立ち上がり始めます。


今までの流れがあったので、今まさに産み落とされ、すぐに立ち上がろうとしているスプリングボックの赤ちゃんの魂がジョンさんに乗り移ったんだとわかりました。


完全に立ち上がったら間違いなく私より身長の高いスプリングボックの赤ちゃんは、5秒ぐらいの時間をかけてゆっくり中腰の姿勢まで立ち上がります。


赤ちゃん、足が震えながらも、かなり頑張ってます。


すると突然、片方の足の力が抜けたかのようにバランスを崩して1mぐらい向こうに移動し、まさに転ぶというところで踏ん張って踏みとどまり、そこからさらに立ち上がろうとして、今度は反対の足の力が抜けてこちらに倒れ込んできます。


スプリングボックの巨大な赤ちゃんが勢いを殺さず私の胸にタックルしてぶつかったので、そんなことを予想していなかった私は運動エネルギー保存の法則に従いカラハリの大自然ならぬ国立公園の便所で尻餅をつきそうになりつつ、すんでのところで踏みとどまりました。


私にぶつかったことで当然我に帰るだろうと思った赤ちゃんは、そんなそぶりは一瞬たりとも見せずに、唖然と見つめる私の目の前で立派に立ち上がったのでした。



「いやぁ、もう感動的ったんだよ~」



私はジョンさんと違う意味で感動していました。



「君、ちゃんとカメラを持ってきて写真は撮ったかい?」



という質問に、「もちろん! 天体望遠鏡まで持ち込んで」と答えるより先に、



「そっか! 君、日本人だったね!!」



と、一人で納得しながら私の肩をポンポンと叩き、今度は「どこかの日本人の魂」が乗り移ったらしく、上をパシャパシャ、下をパシャパシャと、写真を撮りまくる日本人の様子を目の前で再現してくれます。



そして、実際私も正にその通りなのが何とも言えないところで、これには笑ってしまいました。


そう言えばジョンさん、何度もここに来ていると言ってたなぁと思い出し、



「ライオンってどんなところに居ますかね?」



と、質問してみると、急に本人の自我状態に戻り、



「それは、わからない。たまたま会えた場所が、すなわちライオンが居た場所、というより他ないよ」



「なるほど。。。思ったんですけど、動物って砂漠の中で(保護色で)見つけにくいんですよね。でも、自力で見つけるしかないですよね」



「そうだね」


と、ここまで真顔だったのですが、突然どこかの日本人の魂が乗り移り、



「日本人は移動を急ぐからね~」



と、忙しなく運転しながら写真を撮りまくる様子を再現します。



「ゆっくり走らないと見つけられないですよね」



「そう、ゆっくり、ゆ~っくり走ってしっかりと探さないとね。。。そうすれば、たぶん君は明日ライオンやチーターには普通に会えると思うよ。たくさん居るから。でもね、もし豹に会えたとしたら、それは相当ラッキーな事だと思うよ」



「そうなんですか。わかりました」



「カラハリ-アフリカ最後の野生に暮らす」を読んだ影響で、砂漠の生活に適応したライオンには是非会ってみたかったのですが、豹に関しては特に意識していなかったので、会えたらラッキーな動物として心の片隅に刻まれました。



ジョンさんにお礼を言ってトイレを出ようとすると、



「ウイスキーがあるんだけど、一緒に飲まない?」



と、誘われたのですが、



「今日はこんな時間ですし、明日の朝すぐに出発したいので、今日はもう寝ます。誘っていただいてありがとうございます。」



と、笑顔でお断りしたところ、



「明日もたくさん動物が見られるといいね」



と、右手を差し出してきたので、



「おじさんも」



と、しっかり握手をして別れました。


すっかり眠気が吹き飛んだ気がしましたが、テントに戻ったら、すぐに眠りに落ちました。




1月5日(水) 9日目



夜中に目が覚めて何気なくテントのチャックを開けたら、突然大きな虫が「ブーン」と羽音を出しながら入ってきて顔にぶつかり、めちゃくちゃびっくりしたのですが、懐中電灯で照らしたらトンボでした。これは体験した人にしかわからない驚きです。


星も出ていないみたいなので、再び就寝。



そして、朝5時半に起床。






空が少しだけ明るくなり始めると同時に小鳥たちが一斉に鳴き始めます。









6時にゲートが開いて、パーク内を散策できるようになるのですが、張り切って先頭を走ると、動物を自力で見つけなければならないので、他の皆さんの目も借りるために5分ほど遅れて出発します。


とは、言っても、6時前後に出発する人はそれほど多くないわけですが。






6時10分過ぎにゲートを通過。

曇天の空を見上げ、昨日レセプションのお姉さんが「曇天の日はブラウンハイエナに会えるかもしれない」と言っていたのを思い出して、ちょっと期待してみます。









アオハシコウです。 (Ciconia abdimii

コウノトリの仲間で10羽ぐらい固まって居ました。






太陽が昇り始めたみたいですが、まだ雲の中に隠れてしまっています。









オリックス(ゲムズボック)はまだ寝てますね。









セグロジャッカルは本日も巡回コースをスタスタと歩いて行きます。











お!






おおお!









スプリングボックがきちっと群れてますよ!









今が狩られ時なんだということが、はっきりと伝わってくる群れ方で、移動速度もかなり速いです。


双眼鏡を取り出し、後方を中心に肉食獣を探したのですが、見つかりませんでした。


やがて川の反対岸の土手の向こうに群れが消えていってしまったので、さらに先に進みます。






おじさんくさい仕草が私の中で大人気のケープアラゲジリス君です。









お! つがいなんですね。

雌はちょっと若い子(娘)に見えます。







求愛行動が始まりました。

私は心の中で「おじさん」に擬人化して見ているのですが、ぜひ皆さんも台詞を当ててみてください。













♂「○○○○○」


♀「○○○○○」






♂「○○○○○」


♀「○○○○○」



どんな感じだったでしょうか?

たぶん、雄に当てた台詞は普段皆さんが酔った勢いで口説く(もしくは口説いてもらいたい)台詞なんだと思いますよ。

もちろん、私も「おっさんくさ~い台詞」を当ててこの光景を眺めておりました。

追っかけてるところまではキム○クの「待~てよぉ」だったんですけどね~。







続いてダチョウの雌。

珍しく逃げモードに入っていないところを撮影できました。









道路脇の木の枝に停まっていたエンビハチクイ(Merops hirundineus

名前の通り、ハチなどの昆虫を主食とする鳥で、和名の「エンビハチクイ」よりも英名のスワロウテイル・ビーイーターの方が体の特徴を現している気がします。(他のハチクイも似たような色なんですよ)







さて、本日の朝食です。

例によって厚さが1cmも無いパンです。


酵母のおかげで常温で日持ちするし、重さも軽い上に300kカロリー以上あるので、大変重宝しております。





続いて今更ながら助手席の様子。

このときは双眼鏡と超望遠が転がってます。

超望遠には砂避けも予てカモフラージュテープが巻き付けてありますが、手前のところだけ巻かれていない部分は、三脚取り付けアダプターを装着するスペースです。

しかし、この旅行すべての期間を通して、一度も三脚(と一脚)は使わなかったのでした。(わざわざ両方持って行ったんですけどね~)

写真でも雰囲気が伝わるかと思いますが、窓やドアを開けるたびに砂が入り込んでしまうので、車内は砂だらけになってしまっています。これはカラハリTFPでそうなったと言うより、ここまでの行程すべての積み重ねの結果です。

なので、サブのコンデジのほうは砂にやられないようケースに入れて仕舞い込んでおり、防塵防滴のデジイチ(K5と防塵防滴レンズ)一本で記録を続けています。






今日はやたらと燕が飛んでますね。









あ! スプリングボックの赤ちゃん!









昨日は一匹も見かけなかったのに、今日はあっさりと出会えました。(ジョンさんのおかげ?・・いやいや、出産ラッシュが始まったのでしょう)









こちらは砂遊びをするオグロヌー。









ヌヌヌヌヌ・・・・・・・











ゴロゴロゴロー!


と、台詞を当てて私が和んでます。








別の群れにて。

やはり出産ラッシュが始まったみたいですね。


この子はまだ毛並みからして生まれたてという感じで、歩き方もかなりぎこちないです。







セグロジャッカルのペア。
(親子?)







かわいい顔をしていますが、ハンティングの名手です。(地元では牧場の牛の子どもを襲ったりするので害獣扱いです)









片足立ちで寝るナベコウ(Ciconia nigra
かなり大型の鳥です。








ブッシュの中を隠れながら走っていたスレンダーマングース。(Herpestes sanguineus











再びケープアラゲジリスくん。



昨日、2匹のチーターがスプリングボックに貪りついていたあたりに、四駆が右車線(河床側)に一台停まっていたので、その後ろにつけて、周囲に何か居ないか探してみたのですが、何も居る気配がありません。


四駆の左横に車をそろりと進めて、助手席に座っていたおばあさん(車内は白人の老夫婦)に、



「昨日、この辺りでチーター2匹を見たんですけどね」



と、声をかけると、



「私達は3匹見ましたよ」



との返事。たぶん、ジョンさんが言っていたグループだと思います。
ここで何を見ているのか尋ねる意味も含めて、



「今日は何か見られました?」



と、さらに質問してみると




「ン~チキン!」




と、吐き捨てるように力強い返事が返ってきます。


はて、鶏?

ホロホロチョウのことでしょうか?


少し考えてから「ゼロ、不発」の意味だと理解し、



「私も今日は何も見てませんよ」




と、話を合わせます。

実際のところ、私はすでにここまでかなり楽しんでいたのですが、皆さん大型肉食動物目当てですからね~。


もう太陽もかなり上がってしまいましたし、草食動物たちのくつろぎ具合からして、ハンティングの時間は終わってしまったのでしょう。

二人はここでUターンして戻るとのことでしたので、私はそのまま先に進みます。




すると、車がまたもや右車線に一台停まってます。

例によって河床には何も見あたらないのですが、念のため後ろに車を停めて、前の車に乗っている人たちの様子をうかがいます。

すると、何やら車のすぐ横にある木の枝(浮いた寝)の下を観察したり撮影したりしているようなのですが、暗いし枝が邪魔して何が居るのかわかりません。

デジイチに超望遠を取り付けて、ファインダーを覗きます。









え! ライオンの雌!!?










いや、ライオンの子ども!?









望遠レンズで覗くと大きさがよくわからないのですが、あどけない表情からして子どものようです。









車を移動させて別角度から見てみたのですが、どうやら子どもだけが3匹木の下に隠れていて、親たちはここに居ないようです。


さすがに2台車が停まっていると、次々に車が集まってくるので、けっこう賑やかになってきました。








それを嫌ったからか、子ども達は木の下を出て、川床の反対側へと歩いて行ってしまいました。









さきほどの老夫婦、もう少し粘ればライオンの子どもに会えたんですけどね~。
(彼らは捕食シーンにしか興味がないかもしれませんが)









もう、こうなってしまうと、普通の人には見つけられないと思います。

3匹写ってるんですがどこに居るかわかりますか?
(夫婦で写真をご覧の場合、きっと奥様の方が先に見つけると思いますよ。女性には採集能力が備わってますから)








場所が予め分かっていて双眼鏡を使って探しても、一度でも見失うと再び見つけるのが難しかったです。










シャカイハタオリの巣を見学。(カラハリTFPまで来て鳥の巣の写真を撮ってるのは私ぐらいなもんです)

肝心の鳥達が居なかったので、蛇に襲われてもぬけの殻になった巣かもしれません。







ライオンの子どもが居たところから少し先にスプリングボックがくつろいでいました。

どうやらライオンの親たちはどこか遠くへ行ってしまっているようです。




さらに先へ進むと、再び車の列発見。

(セルフゲームドライブとは言っても、大物系は皆さんが見つけてくれるので楽ちんです)






しかし、列に並んで車を停めてからは自分で探さなければなりません。

(何が居るかわかりますか?)









お~、カラハリライオンの雄です!

単独で居たのでプライド(群れ)のリーダーなのか、放浪個体なのかはわかりませんが、カラハリライオン特有の鬣が黒くなる現象がかなり進んでいたので、成熟した牡のようです。

わざわざカラハリライオンと書いてますが、実際にサバンナのライオンとは鬣の色もそうですし、プライドの行動ルールも若干違うみたいです。(もちろん「カラハリ-アフリカ最後の野生に暮らす」の受け売り)


さすがに威厳がありますね~。







って、眠そう・・・









ムニャムニャ~。

(以下数分動かず)



まぁ、ネコ科の動物ですし、今は真っ昼間ですもんね。









たま~に、キリリとしますが、基本的にムニャムニャ状態です。


しばらく双眼鏡で観察していたのですが、立ち上がるそぶりすら見せなかったので、先に進むことにします。



すると、対向して走ってきたピックアップトラックがすれ違うタイミングで車を停め、運転していた若い白人男性が



「この先にチーターが居るよ」



と、声をかけてくれます。

さらに、


「この先にレストコーナーがあるでしょ。そこを上がってから6時の方角を見ると、そこに木が一本立ってて、その下にチーターが一匹眠ってるから」


と、親切丁寧に教えてくれました。
6時の方角という言い回しに軽く感動を覚えつつ、



「この先にライオンの雄が居ますよ」



と、お返しを兼ねて教えると



「うん、知ってる。これから観に行くところだよ」



と、すでにご存じの様子。

ならばと、ライオンの子どもを紹介したのですが、自分で紹介しておきながら、見つけるのが難しいという話までせざるを得なかったのですよね~。


レストコーナーの交差点に到着すると、まずは言われたとおりに、レストコーナーの坂を登ります。

すると、白人のおじいさんが双眼鏡で、私の背後の方向、すなわち6時の方向を覗いていたので、きっとチーターを見ているのだろうと、車を停めてからおじいさんの方へカメラを持って歩いて行きます。(レストコーナーは車から降りられますので)



「チーターですか?」



と、声をかけると、手招きされたので、おじいさんの横に立つと、河床の反対岸(今まで走っていた道路がある真上)にある一本の木を指さします。





超望遠で覗いてみると、居ました、チーターです!


超望遠でこのサイズですから、200mぐらい先でしょうか。







なるほど、あそこ(土手の上の方)だと道路から見つけられない場所になってるのですね。

後から写真を見て気がついたのですが、首に発信器が付いてます。

チーターが全速力でこちらに走ってくると、遮る物は何も無い状態なのですが、そんな緊張感は一切感じない雰囲気でした。



ジョンさんが言っていたとおりで、普通に走っていればライオンやチーターには出会えると言うことがよくわかりました。







レストコーナーに居たトカゲ君。



チーターを思う存分観察してからレストコーナーを出発し、さらに奥へ進んでいくと、再び車が3台ほど停まっています。
周囲にはスプリングボックが群れているので、肉食動物系では無いみたいです。



ちょうど私が到着するのと入れ違いで2台の車が出発して行きました。






あ~、なるほど、ちょうど出産シーンだったみたいです。

まだへその緒も垂れ下がってます。








なので、私が到着したときに子どもが立ち上がったぐらいのタイミングだったというわけですね。






昨日は全然気がつかなかったのですが、よく見るとお腹が膨らんでる雌がけっこう混ざってます。

スプリングボックは繁殖期に雄が20~30頭ほどの雌を引き連れてハーレムを形成するらしいので、この群れのどこかに雄が混ざっているのでしょう。







あれ?









何か様子が変です。









母親が立ち上がれない子どもを鼻で突きますが、まったく立ち上がることが出来ません。

背中の毛を逆立てているのは興奮しているためだそうです。








しばらすくすると、見捨たかのうように歩いて行ってしまいました。


あまりに残酷な展開に、私以外に残っていたもう一台の車も去って行ってしまいました。





私はこの後何が起こるのか興味があったので双眼鏡片手にそのまま残ります。









しばらくすると、2匹のスプリングボックが戻って来ました。

1匹は立てない子どもの母親でしょうが、もう一匹利他的行動を見せている個体は娘か母親などの血縁関係の個体でしょうか?
(一回り大きく見えるので、母親(子どものお婆さん)かもしれません。

ちなみに雌は生後半年で成熟して子どもを産めるようになるそうです。






もう一匹の雌は積極的に助けるわけではなく、しばらくすると去っていきました。









子どもが再び立ち上がり始めます。









なんとか立ち上がりましたが、明らかに弱々しい踏ん張りです。









それでも本能がそうさせるからか、必死に母親の乳房に向かいます。









母親も子どものために体の向きを変えて迎え入れます。









が、しかし、すんでの所で崩れ落ちてしまいます。









再び立ち上がろうとする子ども。









ふらつきながら、必死に乳房に向かって歩いて行きます。








まずは母乳にありつけるかどうかが運命の分かれ目になりそうです。









あとちょっとのところで、どうしても届かないみたいです。









ついに子どもは完全にうずくまり、母親は背を向けて草を食べながら移動を開始しました。


いよいよ見捨てるんだなぁと思って、そのまま見ていたら、






母親が急に戻ってきて子どもの横にしゃがみました。




が、すぐに立ち上がります。




見捨てる、見捨てないの間で母親も揺れ動いているようです。








やはり、この場を去るようです。









今までで、一番遠くに離れました。(それぞれ写真の両端)




子どもは見捨てられまいと立ち上がる仕草を始めますが、すぐに崩れ落ちます。




母親はその様子をしばらく見つめた後、、、









子どものところに草を食べつつ戻ってきました。









しばらく子どもの様子をうかがった後、、、









近くの草を食べながら、子どもが立ち上がるのを待つようです。
(子どもは写真の左側でフレームの外です)








再び立ち上がるように促し始めました。









それに応え、なんとか子どもが立ち上がって乳に向かい、母親がこちらを見つめたので私も観察を終了させました。




たぶん、この子には直後に過酷な運命が待っているのだと想像します。









こちらは別の親子。

子どもはすでに元気に駆け回ってます。

そうでなければ、速攻で肉食動物の餌食です。






再び車が1台停まっていたので、後ろに付けます。



木の枝に大きな猛禽類が留まっているのが見えました。







何かを捕まえて木の枝に運んだようです。

(この時はてっきり先ほどのスプリングボックの子どもかと思いました)



写真でよく見てみたら、餌食になったのはケープアラゲジリスです。








車を移動させて、別角度から見てみました。 ゴマバラワシ(Polemaetus bellicosus)です。

動物園ぐらいでしか見たことが無いような大きなワシで、翼長は2mに達するのだとか。
(実際にそのぐらいのサイズでした)









こうやって、生態系が回っていくのですね。









昨日Uターンした場所よりも先のエリアまで来たところ、突然巨大な水溜まりが登場して焦ります。

(なんせ、フロントリップラバーの件がありますもので)







オグロヌーの群れ。









レッドハテービースト(Alcelaphus buselaphus caama)です。


ハート(Hart)とビースト(Beast)で「鹿獣」になりますが「牛」の仲間です。(オランダ語でherte-beestが名前の由来だそうです)








今日は一日曇天かなぁと思ってましたが、晴れ間も広がってきましたね~。









アフリカワシミミズク(Bubo africanus

他の車が1台停まって観察中だったので、私も発見できました。











あまりに微動だにしないので、しばらく粘って首が少し動いたところで再び撮影。










ようやくマタマタに到着しました。

すでに12時40分になってます。

トゥイーリフィエーレンからマタマタまで、コースタイム2時間半のところを、なんと6時間半かけて移動してきました。


つまり、同じペースで戻ると、予約していたナイトゲームドライブ(サファリ)の集合時間(18時半)に間に合わないことが判明しました。

こりゃぁ、ノッソブ方面に行くのは諦めなければなりません。



まずはガソリン給油を済ませます。



続いて、楽しみにしていたミートパイを売店で買うのです!


って、なんで12時半から13時半まで売店が昼休みなんですか!!
(理由:たぶん一人でレジ打ちやってるから)







ため息混じりの酵母パンですよ!



朝と同じですよ!



ジュースも無いから温い水で流し込むですよ!



とにかく、まっすぐトゥイーリフィエーレンに向かうですよ!






よよよ~・・・・・







逃げてゆく立派なサイズのダチョウの雄を見たぐらいでは、この心は癒されないのです。









って、あれは!!









キリンだ!! (アンゴラキリン (Giraffa camelopardalis angolensis

(打って変わってハイテンション)


水溜まりに集まってます。







30分前にここを通過したときにはキリンどころかめぼしい動物は何も居なかったので、帰りも淡々と走るんだなぁと思ってましたが・・・。
ジョンさんが言う通り、どこでどんな動物に会えるかは、行ってみなければわからないって感じですね。









水を飲んでいたキリン達もそこでゆっくりしているわけでなく、数分の間にどんどん移動して行ってしまいました。


昨日に引き続き「アノブ川往復(同じルート)で残念」と思ってましたが、そんなことはまったく関係ないのでした。









ありゃ、正面方向でスコールが降ってますよ。

テント、大丈夫かな、、、









マタマタ付近には何カ所かアノブ川を挟んで平行して走る2つのルートが設けられていて、行きは時間優先でショートカットっぽいルートを選んでいたのですが、帰りはノソブ川方面を諦めたことで多少時間に余裕が出来たので、遠回りっぽいルートをチョイスします。









遠回りと言っても1キロ、2キロの話だと思うのですが、どちらかと言うと道の状態が悪いことが問題です。

水溜まりに入り込まないよう、出来る限り道の縁に片輪を乗せて走って行きます。









お、ダチョウの親子ですね。


遠回りルートが終わり、本道と合流してしばらく走ったところで車が数台停まっていました。


車に乗っている人たちの向きからして、川床反対側の木の下に肉食動物が居るようです。

早速超望遠をデジイチに取り付けてファインダーを覗きます。







なんと、本日もチーターが獲物を食べていました。(道路から100m近く離れています)









最初はよく分からなかったのですが、どうやらチーターが3頭居るようです。

右の個体だけ一回り大きいので母親でしょう。







周囲を警戒しながら食べるのは3匹になっても変わりません。(ハイエナにすら獲物を奪われますから)









3匹の間で奪い合いが始まりました。









このシーンは双眼鏡でも見ていたのですが、ここで獲物がオグロヌーだということが分かりました。









「子どもA」(と仮に呼びます)は満足したからか、一足先に満腹モードに突入です。









続いて母親も。


「子どもB」はまだ食べ足りない様子です。









「子どもA」は母親が近づくや否や顔を舐められ、最初は舐め返そうと頑張っていたのですが、、、









お母さんの舐めパワーはすさまじく、結局されるがままに。

「子どもB」は、たまに「苦い部位」か「食べにくい部位」を囓っているらしく、目を閉じてしかめっ面をしながら空中を「ウニャウニャ」と噛み続ける動作をする様子がえらいかわいかったです。






ひたすら食べ続ける「子どもB」。

そして、それを眠そうに待つ残り二匹。









「子どもB」がなかなか食べ終わらないので、一応周囲を警戒しつつ待つ2匹。








ようやく食べ終わりました。









3匹揃って満腹モード。


本日もハイエナやライオンによる強奪シーンは見られませんでしたが、、、









先ほどから気になっていたのが、チーター親子が居た場所から100mほど先でこの光景をじっと見つめていた別のオグロヌー。


彼女たちに食べられてしまったのは、仲間なのか血縁関係の個体なのか?


チーターの観察を終えてキャンプ場に向かって車を走らせ始めたところ、ちょうど同じタイミングでオグロヌーも同じ方向に川床を走り始めました。






「モー!、モー!」

と、鳴きながらどこまでも走る様がまるでチーターに文句を言い、仲間を失ったことを悲しんでいるようにも聞こえました。


(ちなみに、英語圏では無く声が「ヌー、ヌー」と聞こえたから、ヌーと名付けられたのだとか)







朝にも見かけたアオハシコウがたくさん居ます。









午前中通過したときにはまったく無かった巨大な水溜まりがたくさん出来ています。


スコールはもっと向こうで降ってると思っていたのですが、かなり手前だったみたいです。

時速50kmで戻る計算をしていたので、かなり焦り始めます。



そして、こんな時に遅い四駆を先頭に5台ぐらいがトレイン状態でノロノロ走っているところに追いついてしまいました。




しかも、時折先頭の四駆が車を止めてしまいます。

すると、後ろの車もそれを追い抜かさずに車を止めます。

そして、すぐにまたノロノロと進み始めます。


これは川床に何か居るんだと思い、斜め前を探してみると、、、、









なるほど、ライオンの雌が川床を歩いてましたか。

皆さん、それに併せて車を進めているようです。









超望遠で撮影。



私は最後尾なので、顔すら見えません。



というか、急いでいるのですよ!



次々に登場する深い水溜まりのせいで、四駆達も道の真ん中や右端、左端を縦横無尽に走るので、とても追い越すことが出来ません。(この時、デジイチに超望遠を付けていたので記録写真がありません。強烈に印象に残ったシーンですが1枚ぐらい撮っておけばよかったです)



このタイミングで追い越すと、ライオンを前から見たいがために秩序を乱す日本人という風に思われるのも何だったのですが、いつまで待っても状況が変わらなかったので、ついに車の鼻先を前方の四駆の右後方に突っ込みます。

驚いたドライバーがこちらを振り返るたびに、頭を下げながら、少しずつ追い抜かしていきます。

深い水溜まりを力強く走らねばならず、フロントリップラバーが外れないかものすごく心配なのですが、こうなったら祈るより他ありません。


たぶん皆さん、「なんだこいつは!」と思ったと思いますが、かなり強引に5台を抜き去り前方に抜け出しました。


そのまま、100mほど車列とライオンを引き離してから、、、





1カットだけ撮影。

(しかし、慌てて写したのでピンズレ&手ぶれ。私自身が落ち着いて観察してないので本当にただの記録写真)







こちらもちょっと珍しい光景で、スプリングボックの群れが走ってます。

「カラハリ-アフリカ最後の野生に暮らす」によると、獲物が得やすい雨季にライオンが捕まえる労力の割りに大きさも小さいスプリングボックを積極的に狙うことは無いそうなのですが、さすがに雌ライオンが近づいてきたので逃げるのでしょうか?










しかし、すごいスコールだったんですね。川底が延々と水浸しになってます。

(この川がちゃんと流れるぐらいまでに雨が降ったのは2000年が最後だとか。今年は1月下旬に10年ぶりに流れるかどうかというところまで行ったらしいのですが、マタマタの30km手前で流れが止まったみたいです。ただし2月、3月が本格的な雨シーズンなので、今年は流れるのかもしれません。リフタスフェルトでポンツーンが運行停止になったオレンジ川も今年はかなり暴れていて、ナミビア側の道路が通行止めになったというニュースが先ほどと同じサイトで出てましたので、今年はある意味「雨の当たり年」だったみたいです)








川だけじゃなく、道路も延々とこの有様です。

いやぁ、これには参りました。







ようやく水溜り地帯が終わったようです。


スプリングボックさん達、もしよかったら早く渡ってね~。









レストコーナーに立ち寄って車を降り、いの一番にフロントリップラバーを確認。


ちゃんとついていてくれて一安心。



さて、モタモタしてると、せっかくライオンのところで追い抜いた四駆達に再び前をふさがれてしまうので、すぐに出発です。









本日もアフリカオオノガンが水場に来ていました。









そして、なんとか集合時間の30分前、18時にゲートを通過。









最後の最後まで水溜まり状態でした。






まずはキャンプ場に車を置き、すぐに売店に向かいます。


そしてナイトゲームドライブに出発する前に、夕飯を済ませておくことにします。




んが、なんと、ミートパイが売り切れ!! オゥ!ノー!


意気消沈しながらもATMで残りの行程で必用になりそうな最低限のお金を引き落としつつ、、、







とにかく腹の足しになりそうなものを購入。(これしか無かったんですよ!)








そうこうしているうちに、ゲームドライブ用のトラックの前に人が集まってきてたので、私もそちらに移動します。


白人カップルのちょっと体格の良い感じの女性(写真では左のカップル)がガイドと思われる男性の方に




「豹が見たい!!」



と、アピールしています。



二人はお揃いの高級高ズーム倍率コンデジを首からぶら下げていて、



「今朝のツアーで豹を見たの!」(※ゲームドライブは早朝もやってます)



と、いいながら豹の親子が歩いているムービーを周囲の人やガイドさんに見せていました。




ガイド付きのツアーに「動物大好きな感じのリピーター」の存在・・・

この光景、どこかで見覚えがあります。




そうだ、たった1回を除いて10年以上連戦連敗の神子元ハンマーヘッドシャークダイビング!!

(ハンマーダイビングではハンマー狙いのリピーターの巣窟(人の事は言えませんが)で、毎回誰かのハンマームービーを見せ付けられます)




これは絶対に「豹が見たい」「ブラウンハイエナが見たい」って思っちゃダメだ、平常心が大切だ! と、思ったのですが、



「もし豹に会えたとしたら、それは相当幸運な事だと思うよ」



というジョンさんの言葉がこんなタイミングで頭に鳴り響きます。


いいんです、豹やブラウンハイエナに出会えなくても!

と、豹が見たいと盛り上がりまくる女性をぼーっと眺めながら、心の中で念仏を唱えておりました。



昨日予約をしたときに「お金は明日払ってね」と言われていたので、てっきりガイドさんに直接払うのだと思い財布からお金を出して待っていたのですが、皆さんトラックに乗り込みながらチケットをガイドさんに手渡しています。

私が乗る番になったので、お金を出してみると、ガイドさんの受け取る手が固まってます。

しまったと思いつつ、



「すみません、予約はしていたのですが、チケットをまだ買ってないんですけど・・・」


と、正直に申告すると、



「じゃぁ、明日でもかまわないのでレセプションに行って払ってもらえますか?」



と、言われたのですが、、、



「明日、朝6時にここを出発したいのですが、レセプションって開いてますかね?」



と、自分の勝手な都合をひとまず説明してみます。

ガイドさんは、



「いや、朝6時には開いてないんだけど、・・・」



と、答えてしばらく考える顔をした後、



「わかったよ。僕がお金を預かっておいて、明日代わりに払っておいてあげるよ」


と、笑顔でお金を受け取ってくれました。(145ランド、1800円)
親切なガイドさんで助かりました。


昨日レセプションで「明日払って」と言われた理由は、どうやら私が予約した時点では最低催行人数(たしか6名)に達していなかったからのようです。









そんなこんなでトラックに乗り込み、座席に腰をかけると、後から乗り込んできた親子連れ(母親と小学生の男の子)のお母さんが、



「あら、あなた!、ソーサスフレイ(ナビブ砂漠)で一緒のシャトルに乗った人でしょ!」



と、突然声をかけられます。



なんと、ナミブ砂漠のビッグダディの停留所で降りていった親子(母と息子のみ)です。

なんたる偶然。


ビッグダディに登ったのか尋ねてみた所、疲れたので途中で引き返したとのこと。

そりゃぁ、砂山で標高差300m以上あったら大変ですよね。
(しかも、お父さんは子どもを背負っていましたし)









早速トラックが出発しますが、まだゲートが普通に開いている時間なので、ナイトゲームドライブという感じはしません。

しかも、今走っている道は、私が昨日と今日走った道なので、こんなんで「豹」や「ブラウンハイエナ」に会えるんか・・・、いや、会えなくても良いんです!







この小さなレイヨウ、実はスプリングボックの子どもが単独ではぐれて歩いているのかと思ってました。

ステインボック(raphicerus campestris)でした。(ちゃんと聞いてなかったので、スプリングボックと聞き間違えました)

こう見えて成獣です。

今までナミビアなどで何度かこのサイズのレイヨウを見かけてきたのですが、たぶん、皆スティンボックだったんだと思います。







川床を進むのであれば、右側の席の方が見やすいはずと予想し、ソーサスフレイで一緒だった親子の後ろ(最後列の右側)に移動します。









なるほど、別料金払ったガイドツアーだけあって、ちゃんと一般人立ち入り禁止エリアに入るわけですね。

ガイドさんが南京錠の鍵を開きます。








ガイドさんがオオヤスデを手に載せてあれこれ解説してくれます。
(英語が堪能だったらなぁ~)









こちらはオリックス(ゲムズボック)の亡骸。









頬に当たる風が気持ち良いです。

ポテチをつまみながらコーラを飲んで空腹を満たします。









太陽が沈んで行きました。

これからが本番です。(19時15分)









川床に到着しました。たぶんノソブ川だと思います。

さぁ~、豹もブラウンハイエナも出なくていいぞ~!







ここで全員トラックから降りてガイドさんの話に耳を傾けます。

昨日の夕方はライオンの親子が川床の向こう岸を歩いていたのだとか。



ガイドさんの説明を聞いていると、ソーサスフレイの叔母さんが小声で


「私はこの子の付き合いで来たんだけど、本当はお酒さえあれば幸せなの、ふふふ」


と、耳元でささやきます。


写真真ん中の白人カップルはカメラも持たずに双眼鏡だけ持って来ていて、純粋に動物観察で来た様子。


そして、質問コーナーのときに、左側のリピーター-カップルの女性の方が



「今日、川床にライオンのメスが歩いてたんだけど、、、」



と、話を始めます。

たぶん、私も見たあの個体の事だと思います。



「スプリングボックも居たから、カメラ構えて待っていたら、、、」



その話は私も興味があります。スプリングボックに襲い掛かったりしたのでしょうか?




「ナッシング!  もう、本当にナッシング!!」



なるほど、何も起こらなかったのですか。

あまりに彼女が力強く言うので内心で吹き出してしまいました。






そして、空は燃えるように赤く染まりながら我々を見下ろしていたのでした。




トラックに戻ると、ガイドさんが巨大な懐中電灯を二つ用意して、一つはリピーターカップルの男性に、そしてもう一つは自然観察系カップルの女性に渡しました。

(たまたま二人がそれぞれ左右前方に座っていたからだと思います)


そして、豹は木の枝に居るから、そこやブッシュを中心に照らして探してねと指示します。








さて、いよいよ川床ドライブの開始です。









どんどん暗くなってきました。









こんな感じで左右に懐中電灯で照らして動物を探しながらトラックは走っていきます。



リピーターの彼氏はさすがに目が良く、レイヨウや兎なんかを次々に見つけて声を上げます。

そのたびにトラックが止まり、ガイドさんがその動物の生態をその場で説明してくれます。







逆に自然観察系の女性の懐中電灯捌きはちょっと頼りない感じで、それじゃぁ何も見つけられないよと内心やきもきします。

これだったら、リピーターカップル二人に左右別々に座ってもらって探してもらったほうが良いんじゃないかと、自分勝手な願望を持ちながら懐中電灯がフラフラと照らす先を目で追っかけます。


しかし、驚いたのがガイドさんで、懐中電灯の光なんかと関係なく、どんどん動物を見つけます。(車のライトだけでです)

いや~、さすがですね。


自然観察系カップルの男性が(たぶん見かねて)懐中電灯役を交代したので、大分良い感じになりました。



順調にレイヨウや兎を見つけながらトラックは進んで行きます。




これで、豹が居ても見逃す、、、、いや、豹は居なくても良いのです!




トラックがUターンしました。



来た道を戻るみたいです。


午前中に出会ったお婆さんの「ン~チキン!」という吐き捨てるような台詞が、こんなときに頭をよぎったので振り払っておきます。








コシジロウオオワシでしょうか?









こちらはフクロウだそうです。
さ~、豹もブラウンハイエナも出なくていいぞ~







いいぞ~・・・





いいんだぞ~!





そして、、、、


本当に何も出ませんでした!
(ガックシ)




トラックは21時にキャンプサイトに戻ってきました。



ガイドさんにお礼を言ってテントに戻ります。




いいんです、豹に出会えなくても。


いいんです、ブラウンハイエナに出会えなくても。





るるる~・・・・





(※豹の数はライオンより多いと言われておりますが、その臆病で樹上生活メインな性格から出会うのが難しいというのも有名な話です。ブラウンハイエナも例の本で登場するのは中盤戦に入ってからでした。なので最初から難しいとは思っていたのですが、ついつい期待しちゃうんですよね~)





さ、気を取り直してスパゲッティと缶詰でも頂くとしますか!

(周囲のテントはすでに寝静まっているので、私のところに虫が大集合状態です)




あとは、錠剤&プロテイン、シャワー、歯磨きと寝る前儀式を順調に済ませていきます。








オオヤスデがテントのところに居たので、習ったやり方で手に乗せてみようと思ったのですが、恋路を邪魔しちゃ悪いと思って遠慮いたしました。



ライトを消してから10分ぐらい時間をあけて、虫が居なくなったのを確認してからテントにもぐりこみます。

テントの中の気温は28度。まだちょっと蒸し暑い感じです。



デジイチを取り出して写した写真を見ながらこの2日間を振り返ってみたのですが、本当にすごい場所でした。


明日の朝一で出発しなければならないのが、本当にもったいない感じです。


絶対にまた来ようと心に誓いました。(次は四駆借りてボツワナ方面にも行きたいです)


明日はここから数百キロ離れたところにある国立公園のキャンプ場に行く予定だったので、「地球の○○方」を久しぶりに取り出し、少し調べてみます。(宿泊場所ぐらいにしか思ってなかったので、どんな国立公園なのか事前にまったく調査していなかったのと、さらに言うと、どこにキャンプ場があるのかよくわかってなかったので)


しかし、この本のタイトル、○○には「迷い」という字を当てたくなります。例えばカラハリTFPの項だとマタマタは通過できないゲートになっちゃってますし、次に行く国立公園も、掲載されている地図がなんか変だなぁと思って、別のガイドブックと照らし合わせてみたら、200kmほど東にある別の国立公園の地図を間違えて掲載していたみたいでした。
レストランもショッピングもホテルも利用しない私の旅のスタイルにあわないガイドブックなので、端っから当てにはしてないのですが、「ここの宿がお勧め!」というところを避ければ、日本人に会わなくて済むという使い方は出来るとは思って持ってきたわけですが、今回は宿すら使ってませんから出番無しです。


ま、結局キャンプ場はどこにあるかよくわからなかったけど、国立公園ですし行けばなんとかなるでしょう!


では、おやすみなさい! (22時半)




つづく




Posted at 2011/03/05 01:08:04 | コメント(10) | トラックバック(0) | 日記
2011年03月03日 イイね!

南アフリカ&ナミビアドライブ (09) キートマンスフープ → 南アフリカ カラハリTFP

南アフリカ&ナミビアドライブ (09) キートマンスフープ → 南アフリカ カラハリTFP


1月4日(火) 8日目



雨がボンネットを叩く音で目が覚めました。(5時)


だいぶん小降りになったみたいなので、そのうち止むでしょう。





エンジンをかけてライトをつけると、思いっきり水たまりのど真ん中で寝ていたことがわかりました。









水溜まりから車を少し移動させて、お世話になった宿(レストコーナー)を記念撮影。

こんな感じで北側が斜面に覆われたレストコーナーで、安心して眠ることが出来ました。


さて、早速カラハリTFPに向かうとしますか!








昨日の夕日に引き続き、本日も幻想的な日の出になりました。今日から南アフリカ本番と言えるイベントが待っているので棘がないことを祈ります。

ちょうど写真にキートマンスフープ入り口の検問のライトが写っているのですが、黒人警察官のおじさんが道路脇の椅子から少し立ち上がっただけで「行っていいよ」のハンドジェスチャーで通過させてくれます。








マリエンタールから230km走ってすでにひと目盛りぐらいガソリンが減っていたので、街中のエンゲンに立ち寄り給油することにします。


写真のとおり、綺麗で立派なガソリンスタンドだったのですが、驚いたことに南米系の顔立ちをしたおじさんやおばさんがたくさんスタンド内に座ってました。



ナミビアドルはすでにマリエンタールで綺麗に使い切っていたので、黒人の若い従業員さんに


「おつりは南アフリカランドでもらえますか?」


と、尋ねてみると、大丈夫だとのことだったので、満タン給油をお願いします。今までの感覚から、満タンにして100ドルを少し切るぐらいだと思っていたので、もしお釣りがナミビアドルでもジュースでも買えば使い切れると思ったわけです。



座っている方々から熱い視線を感じ、嫌な予感がしたのですぐに窓を閉めたのですが、案の定座っていた南米系の方々がこちらに歩いてきて、窓をノックします。

たぶん、ヒッチハイクのお願いだと思うのですが、何かトラブルが起こると嫌だったので、窓を閉めたまま、お断りのジェスチャーをします。
それでも、次々に違う人がノックしてきます。


しばらくすると、黒人のスタッフさんがレシートを持ってきたので料金を確認すると、なんと103ドル。

嫌な予感がしつつ財布の中を確認すると、今手元にあるのが南アフリカの100ランド紙幣とコインは2ランドちょい。


満タンでと言ってしまったことと、貝殻みたいに窓を閉め切って給油メーターを目視で確認して「ストップ!」と言わなかったことを軽く後悔しつつ、200ランドを手渡します。


キオスクのレジに持っていったスタッフさんを目で追いかけると、レジに立っていた黒人おばさんと何やら話している様子。二人の表情からして嫌な予感満点だったのですが、若い黒人スタッフさんが持ってきたお釣りを見てびっくり仰天、硬貨まできっちりナミビアドル!

(内心ナミビア紙幣をおっさん紙幣と呼んでましたが、このときは本当に「なんでおっさん勢ぞろいなんだ!」と心の中で叫びました。ちなみに、この叔父様はヘンデリック・ウィトブーイさんでナミビア独立の父だそうです)


たった1ランド足りなかったばかりに、一昨日の夕方ぐらいからナミビアドルを減らそうと努力してきたのがすべてパーです。



「お釣りは南アフリカランドでってお願いしましたよね?」


と、つい大人げなく確認してしまったのですが、返答に困っているスタッフさんを見て、この程度のことで非を責めるようなことをしてしまったことを反省し、


「どこか、両替できるところってありませんか?」


と、尋ねてみると


「カラスバーグなら・・・」


とのこと。



どこだっけ? それ? と、思いながらチャイパッドを外して確認してみます。


う~む、南に200kmほど行った街かぁ。両替のためだけにそこまで遠回りは出来ないなぁ。。。


気がつくと南米系の方々もドヤドヤと集まってきて、あれこれ地名を教えてくれるのですが、聞き慣れない名前ばかりでさっぱりわかりません。

チャイパッドを南米系のおじさんに見せ、


「ここ(Klein Menasse)の国境を越えたいのですが、手前のアノーブの街で両替は出来ますか?」


と、尋ねてみると、発音が悪く通じなかったのとチャイパッドに表示されている文字が小さすぎて見づらそうだったので、そのままおじさんに本体ごと手渡し確認してもらいます。(なんか親切そうな人たちで、とても物を盗むような感じには見えなかったので)


「あ~、アノーブなら両替できるよ」


との、返事。


従業員さんに(南アフリカランドで)チップを払い、ナミビア97ドルを財布に突っ込んでキートマンスフープを出発です。(6時)







キートマンスフープからはC16号線を東へ向かいます。


地平線へと続くダートロードを走っていたら、自分があまりに小さいことに拘っていたことがバカみたいに思えてきました。



ナミビアのお金はそのまま残しておいて、次に来た時に使えば良いだけですもんね。(どうも、途中からナミビアドルをゼロにするということが自分の中で目的化してしまっていたようです)








お、小さなレイヨウだ!

(写真左、柵のところ。個人的には手前の廃タイヤも気になってしまうのですが)


リフタスフェルトに近いエリアまで戻って来たからか、アロエの木もちらほら出現します。








昨日のスコールで車もすっかり綺麗になりました。


ところで、今日は一日中曇りなのですかね?

だとしたら、南(写真奥)の方は晴れてるように見えますし、予定を入れ替えて、先にここより南にあるオーグラビズフォールズという滝を見に行った方が良いんじゃないかと少し悩みます。



しばらく考えてから、「まぁ、雨期に旅しているわりには雨や曇天を食らってない方だし、たまにはこんな天気もあるでしょう!」と思い直し、結局予定は変えず直進することにしました。








道路の状態は大変すばらしく、ここまで遠回りしたかいがあったというものです。









道路脇には山羊がたまに登場し、草を食べています。









お、正面方向も晴れているような気がします。










キートマンスフープから南アフリカとの国境まで200km、まだまだ先は長いです。









う~む、この辺は昨晩スコールが通過したのでしょうか?

ちょっと道の状態が悪くなってきました。


せっかく車が綺麗になったのに、これじゃぁ台無しです。








久しぶりに車線変更以外でハンドルを切りました。


すでに午前8時を回りましたが、気温は未だ22度。曇っているからですかね?







道の状態がどんどん悪くなってきます。

特に川を渡るところが厳しいです。


ぬかるみや深い轍を越えるたびに車から降りて、フロントリップラバーが外れていないか確認します。







しまいには、かなりの深さの水たまりを渡らされます。

なかなかスムーズには行かせてもらえないみたいです。







かなり大きなオサムシの仲間です。



写真を撮ってから車に戻ろうと振り返ると、フロントリップラバーの片方が完全に外れて、地面に垂れ下がっているのが見えました。


今までは真ん中が外れただけだったので、簡単に再取り付けができたのですが、ついに片方のねじ止めをしている箇所がねじ穴のところでちぎれてしまったようです。


ぶら下げたまま走るわけにもいかず、一度ネジを緩めてちゃんと取り付け直すか、いっそのこと反対側も外してパーツをトランクに放り込むなりしなければならないのですが、バンパーの下に手を突っ込んで確認してみると、ボルトとナットで止まっていたらしく、どう考えても車載工具だけでは手も足も出ません。

幸いアノーブの街の手前まで来ていたので、フロントリップラバーのちぎれた方をフロントグリルに突っ込み、そのまま走っていきます。







アノーブの街にもちゃんとガソリンスタンドがあったので、早速立ち寄ります。(8時15分)


黒人の若い従業員さんに事情を話して再取り付けの手伝いをお願いすると、快く引き受けてくれました。


別の黒人のおじさん従業員さんがフロントバンパーの下に段ボールを敷き、そこに仰向けに寝ころんで車の下に潜り込みます。さすがにジャッキアップする装置は無かったようです。

もう一人の若い従業員さんが四つんばいになって下を覗き込みながら、ネジの場所をあれこれ伝えているのですが、私の見間違いでなければ、ペンチ1本で作業をしている気がします。

慌ててトランクを開けて車載工具を漁ると、小さなレンチが一本だけ出てきました。(あとはドライバー1本)


このレンチが使えることを祈りつつ、若い従業員さんに渡すと、ちょうどボルト&ナットと同じ径のレンチだったようで一安心。

二人が車の下に潜り込んでいて、私が加わる隙間が無かったので、申し訳ないと思いつつ、作業の様子を見守ります。


気がつくとガソリンスタンドに20人ほどの人が集まってきていて(当然、全員黒人の方で子どもからおじいちゃんまで)、皆さんもの珍しげに見物しています。


皆さんと一緒に作業を見守ること15分、きっちりと取り付けできました。(もちろん、ボルト穴のところが引きちぎれてしまっていたので、ボルトとナットの挟む力だけで固定されていることになります)



従業員さんにお礼を言いつつ、「いくら払ったら良いですか?」と修理代を尋ねてみると、


「いらないよ」


と、笑顔の返事。


「ありがとうございます!」


と、答えつつ、


「じゃぁ、ガソリンを97ドル分、じゃなくて、90ドル分入れてもらえますか?」


と、チップで7ドル渡すことを思いつきつつお願いすると、


「え? 90ドル分だけでいいの?」


と、確認されたので、キートマンスフープで入れたばかりなので、90ドル分入るかどうかも怪しいことを伝えます。







ガソリンを入れてもらっている間、見物に来ていたおじさんに、


「水溜りで外れたんですよ。この後も道の状態悪いんですかね?」


と、尋ねてみると


「悪いよ~」


とのこと。


さらに


「国境越えて南アフリカに行っても道の状態は悪いんですかね?」



と、尋ねてみると


「悪いよ~」


と、まったく同じ調子で返事を返され、がっくり肩を落とします。







(ガソリン単価が高かったからか)きっちり90ドル分入り、何度もお礼を言ってから、ガソリンスタンドを出発しました。

黄色いシャツの方は見物の人で、車の後部に少し写っている白い帽子に赤いシャツの方が車の下に潜り込んでくれた若い従業員の方です。








さて、街中を抜けて国境に向かうわけですが、なぜか国境に向かう道が見あたりません。(8時45分)


Uターンして戻ると、なんとお世話になったガソリンスタンドのところが交差点になっていて、そこを曲がらなければならなかったのでした。

せっかく皆さんにお礼を言いながら手を振って出発したのに、再びガソリンスタンドの前を通過するのはちょっと恥ずかしかったです。

(きっと、彼らは出発直後に「間違った方向に行っちゃったよ」と思っていたのでしょうが)








さきほどおじさんに聞いたとおり、川通過注意の看板が早速登場します。


一カ所、どうにもならないぐらい泥沼の川跨ぎがあり、そこでフロントリップラバーが例によって外れたのですが、幸い先ほどネジ止めした場所は外れなかったので、胸をなで下ろしつつ取り付けなおします。







レイヨウが居たのかと思ったら、ロバの牧場なんですね。









先ほどの酷い川跨ぎを越えてから国境に近づくにつれ道の状態も次第に良くなり、南アフリカ側も同じ状態だといいなぁと期待します。





あ!



しまった!



ガソリンスタンドのお世話になった二人にチップ渡すの忘れた!!




引き返すかどうか悩んだのですが、先ほどの川跨ぎ箇所もありますし(そこで、ネジ止め箇所が外れたら、なんの意味もないですし)、ちょっと思うところもあり、そのまま先に進みます。







キートマンスフープから3時間ちょい、ナミビアの国境(Klein Menasse)に到着しました。(9時20分)


事務所の中に入ると、黒人の若いスタッフが対応に当たってくれます。その方がオバマ大統領を若くした感じで、いかにも清廉潔白そうな人だったので、先ほど考えた作戦を実行に移します。


「あなたは、このオフィスに住んでるんですか?」


「はい、そうですけど?」


「アノーブの街に行くことはありますか?」


「えぇ、もちろんありますよ」


「実は、かくかくしかじかでして、大変お世話になったスタッフの方にチップを渡したいのですが、お願いできませんでしょうか?」


「いいですよ。赤い制服を着たスタッフが居るガソリンスタンドですよね?」


「そうです! 日本人で青い小さな車に乗ってたと言えばわかるはずです。じゃぁ、これ、お願いします」


と、残っていた7ドルを手渡したのでした。


これで、ナミビアドルは綺麗さっぱり無くなりました。

ヤングオバマさん、頼みましたよ!



出国審査で手荷物検査は無いと思っていたのですが、車のところに立っていた警察官にトランクを開けるように命じられます。


「ファイアーアーム(武器)は持ってる?」


と、突然聞かれて面食らったのですが、


「いえ、持ってませんよ」


と、答えると、


「では、行って良し」


と、トランクは開けさせられたものの、特に中を調べるでもなく検査は終了しました。






続いて南アフリカの国境事務所です。

なんか、道路が舗装されているように見えて嬉しくなってきました。(スタンドに立ってたおじさん、南アフリカの道路状況についてテキトーに答えていたみたいですが、考えてみたら当たり前ですよね)



事務所で入国手続きを終えて、車に戻ると、若い黒人女性警官が「How are you?」と声をかけてきたので、フロントリップラバーの件と舗装道路を見たうれしさから、つい「いやぁ、大変な道でした!」と正直に答えてしまい、「あら~大変だったわね~」と、婦警さんにねぎらわれてしまいました。


ついでに南アフリカ側の今日の天気を尋ねてみると、今日は晴れるんじゃないかと嬉しい返事。

そして、パスポートと運転免許証を提出し、指示されたとおりトランクを開けます。


別の男性警官がトランクの中を覗きこみながら、


「キラーウェポンは持ってる?」


と、真顔で質問してきたのが妙におかしくて、笑っちゃいけないとこらえつつ、「持ってません」と答えます。

南アフリカサイドの持ち物検査は入念で、助手席のドアも開けさせられます。


そして、そこに転がっていたのが三脚ケースに入った超望遠レンズ。俄然興味を示した女性警官が「これは何?」と尋ねてきたので、「天体望遠鏡です」と答えると、ケースから中身を出すように指示されます。

中からレンズを取りだし、デジイチに取り付けつつ、これでカラハリTFPで動物をアップで撮りまくるんだと熱弁したところ、男性警察官がファインダーを覗いて「こりゃすごい!」と喜んでました。


さらに、ボンネットも開けろと指示が出ます。

ハンドルの下あたりにレバーでもあるだろうと探し始めたのですが、全然見つかりません。

男性警察官に探すのをバトンタッチして、グローブボックスから取説を取り出して、該当ページを探します。


結局男性警察官がレバーを発見して(2人で5分近く探していた気がします)逆に場所を教えてくれました。

エンジンルームを3人で眺めて検査終了。


ようやく入国許可が下りたので、車に乗ってエンジンをかけたら、女性警察官が慌てて走ってきます。


「これ、返すの忘れてました!」


と、いいながらパスポートと運転免許証を渡されました。

いやぁ、もらい忘れてたら、次にどこで気がついたのでしょう・・・。考えただけでもぞっとしますが、このときは笑いながら受け取りました。



気がつくと、ナミビアの7ドル託したヤングオバマさんが南アフリカ国境に遊びに来ていて、こちらの警察官と談笑しているのが見えました。






なんともまぁ、のんびりした雰囲気で南アフリカ入りです。(9時45分)









看板の「Kgalagadi」で「カラハリ」と読みます。

さて、これからカラハリTFPのトゥイーリフィエーレン(Twee Rivieren)のゲートに向かうわけですが、さっそくチャイパッド(Google Map)に掲載されていない道に乗ってしまいました。


しかし、これがちゃんと舗装されているし、方角的にはあってるので、そのまま進んでいくことにします。









山羊が交通整理を行う小さな街を通過。









街外れではいつもの通りヒッチハイク待ちの方がいます。









制限速度120km、ってことは、かなりしっかりした道がこの先も続いているのでしょう。

さすが南アフリカ! ほとんどダートロードだったナミビアとは違います。









赤い地層、見えますでしょうか?

カラハリ砂漠の核心部に近づいてきた実感が沸いてきます。









地図上では湖の上を走ることになっていて、乾燥地帯では涸れて水が無いのが普通なのですが、ここは本当に水が満たされていました。









湖というよりも、スコールで出来た超巨大な水たまりといった感じでしょうか。









たま~に柵の内側に居るんですよね~、山羊が。

こちらは時速120kmで走っているので、ヒヤヒヤもんです。









お~、ロバの馬車。

手を振って挨拶したら、手を振り返してくれました。









昨日、ウイントフックの街で買ったホットドックを食べようと紙袋を開けたら、なぜか中からチョコレートパイが出てきました。

なぜかも何も、注文を間違えたようです。









相変わらずGoogleMapには登録されていない道を走ってますが、あの湖(水たまり)を越えたところで、トゥイーリフィエーレンに向かう道に合流できそうです。




 




お~、ちゃんと合流しました。

舗装路をまっすぐここまで走ってきたので、えらいショートカットした気分です。

交差点の脇に子どもが寝そべってるように見えますが、まぁ、ここは南アフリカですしね。(理由はわからないのでアフリカならではってことにしました)







トゥイーリフィエーレンに向かう道は、カーブで60km、直線で80km制限でした。

これまで120kmペースで走ってきたので、えらい遅く感じます。







シャカイハタオリの巨大な巣が至る所にありました。(木の枝にくっついてます)









あ! 道路脇にブッシュマン!



が、住んでるわけがないので、減速せずにスルーします。

(他にも一カ所こんな場所がありました。お土産売りだそうです)








遠くから見えていましたが、本当に真っ赤っかです。









道路上にたくさん居た手のひらサイズのオオヤスデ(Archispirostreptus sp.)をなんとか手に乗せようと頑張っているところなのですが、危険を感じると背中から油分を出すらしく、手が滑ってつまみ上げられません。

しかも、その油分が黄色く臭うので、手が臭くなってしまいました。(写真でもすでに黄色くなってます)

あとで、パークガイドの方に教えてもらったところ、背中からつままずに、普通に手に載せればよかったのでした。(もしかしたら噛まれるかもと背中に拘りすぎてしまいました)

まぁ、オオヤスデくんにとっては良い迷惑だったでしょうが。







キートマンスフープから5時間、ようやくカラハリTFPのゲートに到着しました。(11時15分)









ここ(緑色の場所)は野生動物に出会えるいわゆる動物保護区なのですが、南アフリカならクルーガー国立公園が有名ですし、ナミビアにもエトシャ国立公園というところがあって、例えばビックファイブに効率よく会いたいのならそちらのほうが断然有利だと思います。
(※ビックファイブとは、その昔ヨーロッパから来た人間様が動物狩りをするときに、銃を恐れず立ち向かってくる危険な動物5種類のことで、ライオン、豹、バッファロー、象、サイです。仕留め損ねるとハンター自身が命の危険に晒されるので、これを仕留めたのが勲章だったのだと思います。それが今ではナショナルパークで出会いたい動物5選に変化しており、南アフリカ紙幣はこのビックファイブのデザインになってます。ゆえにナミビアのおっさん紙幣じゃなくてウィトブーイさん紙幣と容易に見分けがつくわけです)
私も旅の計画を立て始めた当時は上記どちらかの国立公園か、ボツワナまで足を伸ばしてオカバンゴデルタなんかに行ってみようかと思っていたのですが、とある写真家の手記を発見し俄然ここに興味を持ったという次第です。
一番魅力に感じたのは、「日本人にあまり知られていないということ」と、ビックファイブは無理(そもそもサイや象、たぶんバッファローも居ません)ですが、こだわりは無いので(私の場合植物や昆虫ですら興味の対象範囲なので)、マイナーで空いているであろうカラハリTFPがすごく魅力的に感じたのでした。


ところが、マイナーだと思っていたのはとんだ勘違いで、現地の人たちにとってはクルーガー国立公園に勝るとも劣らぬ魅力がある場所に位置づけられており、ホリデーシーズンにはキャンプ場の予約を取るのも困難だということに気がついたのは出発の2週間ぐらい前でした。慌てて予約を入れたところ、公園内にいくつかあるキャンプ場はほぼすべて予約で埋まっており、唯一空いてたのがゲート入ってすぐのところにあるトゥイーリフィエーレンだったわけです。(本当は公園内をキャンプしながら渡り歩きたかったんですけどね~)


ここに来るきっかけになった写真家が「カラハリ-アフリカ最後の野生に暮らす」という今は絶版になった本をお勧めと紹介していたのでAmazonから古本を入手。かつて(1970年代)、現地の人ですら誰も住んでいなかった未開のカラハリ砂漠のど真ん中(ボツワナ側)にアメリカ人の若い夫婦が7年間住み込んで、人間を見たことがない動物達に囲まれて主に肉食動物の生態調査を行った手記なのですが、これが死ぬほど面白くて、電車の中にザックを置き忘れるは、飛行機の中で涙を流して泣くはの大盛り上がりを見せていたわけです。なので、(カラハリと言っても彼らが調査していた場所とは全然離れた場所ですが)カラハリTFPに来るのが楽しみで仕方がなかったわけです。それは彼らが調査した対象の肉食動物(セグロジャッカル、ブラウンハイエナ、カラハリライオン)に会ってみたいというだけでなく、彼らが体感したカラハリ砂漠の雰囲気を少しでも味わってみたいという気持ちでした。(まぁ、そうは言っても国立公園内の動物はそれなりに人間のことを知ってしまっているのでしょうが)。そして本のサブタイトルが示すとおり、手つかずと言える状態で残っていたのはアフリカと言えどもボツワナ中央部のカラハリ砂漠ぐらいしか当時ですら残っていなかったわけです。


いずれにしろ、動物好きな人には強くお勧めできる1冊です。安い中古本が出回ってるみたいですので、ぜひ読んでみてください。(まぁ、普通の人は泣かないと思いますから、そういう期待はしないでください(笑))



まずは受付に行き、入園手続きを行います。キャンプ場の予約を取るときにすでにキャンプ場利用料金はオンラインで支払っていたのですが、入園料は払っていなかったので、ここで徴収されます。
2泊申し込んでいたので、1日120ランド、3日分で360ランド(4500円)でした。あまりの料金の高さに、つい、

「3日目は朝一でここを出発するのですが。。。」

と、口走ってしまったのですが、それで割り引かれるわけないですよね。


カラハリTFPをネットで予約するときに、つい勢いで別のナショナルパークのキャンプサイトを明後日の日付で予約してお金を払ってしまっていたのですが、後からよくよく調べてみたらここからけっこうな距離があることが判明し、明後日は朝一にカラハリTFPを出発して夕方に次のキャンプ場に到着というスケジュールになってしまったのです。これは今考えてももったいないことをしました。(「3日目の入園料が」という意味じゃないですよ、2日じゃとても回りきれないという意味です)


受付を済ませて公園内規則やキャンプ場の案内を間単にしてもらい、さっそくゲートを通過して公園内に入ります。






入ってすぐの場所がトゥイーリフィエーレンなので、ひとまずキャンプ場の様子だけ確認してから先に進むことにします。









入ってすぐのところに大きな水たまりがあり、トンボが集まっていました。

受付で、2本あるメインの道路のうち1本は水が溢れてしまって通行止めになったと言われたので、ここ最近スコールが来たのでしょうね。


川越えで外れたフロントリップラバーの件もあるので、深い水溜まりが道路を塞いでいないことを祈ります。








(公営・私営含めて)動物保護区には大きく2つのパターンがあって、一つはガイドの乗ったサファリ(こちらではかつてのハンティングの名残からかゲームドライブと呼んでます)専用カーに乗って動物観察をするタイプ。

もう一つは自分の車で自由に敷地内を走り回ってかまわないけど、指定された場所以外で車から絶対に降りては駄目なタイプ。

カラハリTFPは後者のパターンですので、自分のペースで走り回れるのは嬉しいのですが、動物は自力で見つけなければなりませんし、私の車の場合、万が一フロントリップラバーが外れた時に困ったことになりそうです。


さらに、カラハリTFPでは夜7時までに必ずキャンプサイトに戻らなければならないというルールもあり、公園内にもゲートがあります。


公園内ゲートを通過するときに、やっぱりテントぐらいは張っておいた方が良いかと思い直し、一度Uターンしてトゥイーリフィエーレンに戻ります。










キャンプ場に行く前に売店に顔を出してみると、なんとミートパイがあるではないですか!

早速水と一緒に購入です。



キャンプ場には受付が見あたらなかったので、売店レジのお姉さんに場所を教えてもい、そこに向かいます。建物のドアを開けると中は暗くなっており、スライドを使った説明会の真っ最中で、視聴者が一斉にこちらを振り向きました。
私に気がついた白人のスタッフのお姉さんが走り寄ってきて、小声で「どうしました?」と声をかけてくれたので、「テントを張りたいんですけど」と答えると、建物の外に出てきて「予約してるんだったらどこに張っても大丈夫ですよ」と教えてくれます。






右が売店、左の大きな建物がレセプションでスライド上映会をやっていた建物です。(後から撮影した写真です)









ちょうど目の前にカラハリTFPの大きな地図看板があったので、


「どこかお勧めのスポットはありますか?」


と、スタッフのお姉さんに質問してみると、


「昨日はここでライオンが見られたみたいですよ」


と、地図の一カ所を指さします。


「実はカラハリの本を読んだのですが、どうしてもブラウンハイエナに会いたいんですけど、どこかに居ますかね?」


と、質問してみると、


「まぁ、なんてすばらしい! でも、ブラウンハイエナは夜じゃないと活動しないし、臆病だからなかなか会えないと思いますよ」


とのこと。(もちろん、それは私もわかってます)


「曇りの日なんかは、早朝に見かけたりすることはあるんだけど」


「なるほど。ここってナイトゲームドライブってあるんですか?」


「ありますよ。あそこの受付で申し込めますよ」


とのことだったので、お姉さんにお礼を言い、早速メインゲートの受付に戻って明日のナイトゲームドライブの予約をします。料金は明日払ってねとのことだったので、集合時間と場所だけ確認してキャンプサイトに移動します。

まだ、空いてる場所がたくさんあったので、テントの出入り口がキャンプ場の外を向くように設置します。


設置したテントを見ると何か違和感が。。。

あ! ポールが折れてる!!

たぶん、ポールのジョイント部分の組み付けが甘く、テントのテンションをかけたときに、そこに力がかかって折れてしまったのだと思います。
一応予備ポールは持ってきていたので、その場で交換しましたが、強風で折れたのならともかく、自分のミスで折ってしまったのがなんとも情けない気分です。





盗難にあう可能性もあったので、テントの中身は空にしたまま、ペグでしっかりと固定してから出発です。









出発してすぐに、シャカイハタオリの巣の上にも居たコシジロウオオワシが出迎えてくれました。









国境のお姉さんも言ってましたが、今日は本当に良い天気になりました。











とは言っても、日差しがかなり強いので、動物たちが木陰に隠れて活動しない可能性が高いんですよね。(贅沢な悩み)

気温は31度ですが、日差しは刺すように強烈です。









お、ダチョウの雌ですね。

ダチョウは今までもさんざん見てきたので、ここはスルー。











えーっと、あのレイヨウは・・・・(日本から持っていった図鑑をめくり)、オリックス(Oryx gazella gazella)です。

こちらではゲムズボックと呼んでいて、カラハリTFPのマスコット動物だそうです。









超望遠使ってこのサイズですから、けっこう距離が離れています。









野生動物に出会えると嬉しくなりますね~。









雌はいないのかと思ったら、雌雄ともに角が長いのだとか。









いや、本当に長いです。レンズの焦点距離が長すぎて、納めるのにえらい苦労しました。
(写真でも足がまるまんま写ってませんが)




丘と丘の間にある細長い窪地に下りて来ました。




すると、窪地に生えている木の下に草食動物が数頭居ました。

早速車を停めて観察してることにします。







オグロヌー(Connochaetes taurinus)とスプリングボック(Antidorcas marsupialis)です。

(左上にオグロヌーの子どもが写っていたのは帰国後に写真を見て気が付きました)








こんな感じの場所に居て、最初、木陰に数頭居るなぁと思って見ていたのですが、実はたくさん周囲にスプリングボックが居ることに超望遠で覗いてから気がつき驚きました。

スプリングボックはカラハリの土の色に見事に同化した配色なんですね。

遠くに居るスプリングボックを発見するときは、たいてい「違和感」のようなものがきっかけになります。視界の片隅で景色が少し動き、なんだろうと思って車を停めて観察すると、スプリングボックを1匹発見します。1匹発見すると続いて周囲のスプリングボックが急に見えるようになってきて、実は数十匹の群れだったという感じです。

ダイビングでホウセキキントキの群れなんかを発見するときがまさにそんな感じです。









ちょっと距離が離れているので双眼鏡で観察してみますが、双眼鏡、やはり便利ですね~、よく見えます。









誰にせかされるわけでもないので、思う存分観察します。(レイヨウを熱心に観察していたのは私ぐらいなもんでしたが)









こちらはオグロヌーの群れです。









クロオウチュウ (Dicrurus adsimilis

英名はフォークテイル、尻尾がフォークのような形になってます。







お~、排泄中(失礼)のセグロジャッカル。









さすがカラハリTFPに住んでる個体だけあって、人間に餌をねだる仕草なんかまったくみせずに、たぶん彼の巡回ルートであろうコースを立ち止まることなくスタスタと歩いて行きました。









あ!


そっか!


ここは細長い窪地じゃなくて、川底に沿ってコースが造られてるんだ!!



車の中で一人で大喜びです。



というのも、「カラハリ-アフリカ最後の野生に暮らす」の著者である二人の若い研究者が7年間暮らした場所はまさにカラハリ砂漠の涸れた川底で、川底が砂漠に住む動植物の生態系にどれだけ重要な役割を果たしているかが、きっちりと説明されていたからです。







なるほどなぁ、どおりで道路脇にレイヨウ達が集まってきていて、簡単に出会えるわけです。


レイヨウが集まれば、当然朝晩は肉食動物による狩りが行われるわけで、運が良ければそんなシーンに出会えるという寸法ですね。








受付で渡された地図を改めて確認してみると、メインの道はアウオブとノソブの2本の川に沿って作られていることがわかります。

で、私が泊まっているキャンプがある場所が一番下のトゥイーリフィエーレンですが、調べてみたところ、この地名はアフリカーンス(オランダ)語のようで、英語表記で横にTwoRiversと書いてありましたので、2本の川の合流地点という意味になります。(キャンプ場自体はノソブ川にあるらしいです。ですからマタマタに向かうために、一度土手を上がってからアウオブ川に入ったみたいです)









ちなみに、写真に写っている看板は川向かいの土手にある展望台のサインで、展望台はありますが、そこで車から降りることは出来ない場所です。

念のため川を渡って展望台に上がって確認してみましたが、とくに何の動物も見当たらないので戻ってきました。







川を渡っているところです。(ちゃんと渡る為の道があります)







地図に記載されている各ポイントは風車で地下水をくみ上げる装置の付いた水場になっていて、乾季(冬)には動物達が水を求めて集まってくるようにデザインされているみたいです。

写真の場所はアウオブ川に2箇所あるパーキングで、車から降りることが許されているトイレと休憩所付きのレストコーナーがあります。

写真にはちょうど土手を下ってきた四駆が写ってます。







ちょっと車から降りてみたくなり、レストコーナーに立ち寄りました。

写真に写っているとおり、ベンチとトイレ、あとはパネル展示の簡単な資料館があるだけなので、車から降りられること以外に特に良いことは無いです。

これが乾季だったら足元の水場に動物達が集まって来ているんでしょうが。








というわけで、再出発しつつクーラーの効いた車内でミートパイを頂きます。

う、、、、、美味い!!









え~っと、ノソブ川に移動するのに35km。
マタマタまで80km。


明日ノソブ川方面に行くことにして、本日は直進してマタマタ方面に向かうことにします。









ちなみに公園内の道路は50km制限で、「レーダーで監視してますよ」と看板が出ていますが、動物を探しながら走ると、時速30kmがせいぜいです。

私も20kmぐらいでノロノロ走っている時間が長かったと思います。


くわえて、アウオブ川の2つのパーキングに挟まれた区間は洗濯板状態なので、なおさらペースが落ちます。






なので、今までみたいにアベレージ100km! みたいな感覚で計画していると、全然予定が狂ってしまいます。
(この時はまだ動物達を探すことに夢中でそのことを強く意識していませんでしたが)







スプリングボックの群れがのんびりと道路を渡るのを待つのも楽しいものです。









空を舞う猛禽類。


ふと、ここで残りの距離と必要な時間を計算して、実はマタマタまで時速50kmで走って、帰りも時速50kmで走り続けなければゲートが閉じる時間に間に合わないことに気が付きました。(15時15分)











別にマタマタにたどり着くことが今日の目的では無いので、そろそろ引き返すことにします。








お、ヘビクイワシですね! (Sagittarius serpentarius

ナビブ砂漠でも見ましたが、身長1m以上はある大型の猛禽類です。








これは別の場所で発見したヘビクイワシのつがい。









コブラ狩りでも見せてくれないかなぁと思っていたのですが、どうやら夫婦のお目当ては水溜まりの水だったようです。



邪魔しちゃ悪いと思って、しばらく待っていたのですが、私もそろそろUターンして戻りたい時間になってきたので、そろりそろりと前進します。







さすがに逃げていきましたが、1匹はそれでも水溜まり付近に残り、水を飲み続けていました。





その後、ちょうどノソブ川へと続く枝道があったので、そこでUターンします。








再び水溜まりにさしかかったところで、オグロヌーが歩いてきました。









一応こちらを意識しているみたいですが、そのまま水溜まりに向かって歩いて行きました。









こちらも大型の鳥で、アフリカオオノガン (Ardeotis kori)です。










堂々とした振る舞いが印象的でした。
(歩き方はヘビクイワシに似てましたが、こちらはツルの遠い親戚です)







道端に居たケープアラゲジリス。(Xerus inauris







尻尾を立てて日避け代わりにしてます。


外気温を確認すると、すでに38度まで上昇していました。








こちらは木陰でくつろいでいるところ。


まぁ、なんというか、仕草が「おじさんっぽくて」、見ていて大変和む動物でした。


(左奥で別の個体が巣穴を一生懸命掘ってます)







あちらこちらで見かけるスプリングボックの群れですが、「カラハリ-アフリカ最後の野生に暮らす」の本に書かれていたとおり、こちらが車の中に居る分には、こちらの存在をほとんど意識していないみたいです。
(もちろん車の外に降りたらどうなるか試したわけではないですが)















道路脇に居る場合は、そのまま群れの真ん中に車を停めると、間近に行動を観察することが出来ます。









最初、河床を舐めているのかと思っていたのですが、実は生えたての草をむしるように食べていて、エンジンを止めると草を食いちぎる音が「ボリボリ、ボリボリ、、」っと、聞こえてきます。









草だけでなく、木の葉っぱなども含めて、常に忙しなく何かを食べながらゆっくりと移動していきます。


群れは広い面積に散らばってしまっているので、どのぐらいの頭数なのか把握が難しかったのですが、だいたい目算で数えて100頭前後です。

そして、繁殖期を除くと群れはすべて雌と幼獣で構成されているのだとか。



真っ昼間は木陰で休んだりしている個体が多かったのですが、16時を回るころになると、ゆっくりとは言え、進行方向が決まっているみたいで、ある程度固まって動いているように見えます。


群れのしんがりには見張りの個体が居て、草を食べる時間よりも周囲に目を光らせる時間の方が長く、常に「ブ!、ブ!」と短い声で鳴きながら、群れに状況を知らせているようでした。

こちらが車のエンジンをかけたりカメラを構えたりすると、見張り役の個体だけはちゃんとこちらを見つめて、状況確認をしようとしているみたいでした。


カメラを抱えて真剣にスプリングボックの群れを眺めていたら、後ろから走ってきた質実剛健な四駆の助手席に乗っていた若い白人女性に「何か居るの?」と、尋ねられてしまいました。


「スプリングボックだけですよ」


と答えると、笑顔で手を上げ走り去っていきました。







カラハリ砂漠の土は赤と言うよりも、綺麗なオレンジ色ですね~。









ピンボケですが、空を舞っていた猛禽類、その2。

出発前のトンビでの練習はここではまったく活かされませんでした。








木陰に何か居るなぁと思ったら、普通のカラスでした。

こんなところにも住んでるんですね。








スプリングボックの群れがさらに固まって動くようになってきました。

肉食動物が狩りを始めたのでしょう。









お! 車がたくさん停まってます。きっと肉食獣か何かが居るんだと思います。







なんと、チーターがハンティングを終えて、獲物にかじりついているところでした。(Acinonyx jubatus

(以下、残酷なシーンがアップで登場しますので苦手な方は読むのをお控えください)
















道路からそれほど離れていない場所で、数台の車が目の前に停まってますが、そんなことはお構いなしにかぶりついています。

内臓の残り具合から考えて、つい先ほどハンティングを終えたばかりのようです。






食べながらも周囲に対して常に警戒しているみたいで、たまに顔を上げて見渡していますが、別に我々が気になっているということでは無いみたいです。









肉を切り裂く音だけが響いてきます。









カラハリ砂漠における獲物横取りの序列は(「カラハリ-アフリカ最後の野生に暮らす」によると)、ライオン、ブチハイエナ、ブラウンハイエナ、豹、チーター、ジャッカルというような順序だったと思いますので、実は内心ブラウンハイエナが奪いに来ないか期待していたりします。









持ってきて良かった超望遠レンズと双眼鏡。









あ! 何か来た!

と、思ったら、チーターがもう一匹。









後からやって来たチーターに獲物を譲り、見張りをするようです。

親子なのでしょうか?

それとも兄弟でしょうか?








仲良く食べているなぁと思っていたら獲物の奪い合いが始まりました。


ここで、はじめて獲物の頭部が見えて、スプリングボックだったということがはっきりとわかりました。








動物園では見られないシーン、そして表情です。











いつまでも観察していたかったのですが、残念ながらタイムアップです。



他の方々は1台を除いて全てすでに走り去っており、私もここから時速50kmペースで走らないと19時半にキャンプ場手前のゲートに戻れない計算です。








ちなみに最後まで残っていた1台は、先ほど声をかけてきた質実剛健な四駆のカップルで、フロントウインドウを倒して業務用のビデオカメラとウン十万、下手したら百万以上はしそうなレンズをつけたデジイチをチーターに向けていました。

私が袖を引かれる思いで出発するときも、焦ることなく撮影に集中していたので、プロのカメラマンか何かで特別な許可をもらっていたんじゃないかと思います。








いつの間にやら空に雲が広がり、雨もぱらついて来ました。
風も強くなっていて、テントが飛ばされていないか心配になってきました。

気がつくと気温も下がっており、すでに26度になってました。









本日最初に出会ったスプリングボックとヌーの群れですが、ちょうどヌーの群れが川床を引き上げ去っていくところでした。









ヌーの子どもです。









後は脇目もふらずにぴったし時速50kmで走り続けます。

道路の先に落ちてる黒い長い物体はアフリかオオヤスデです。

ちゃんと踏まないように避けて走っております。







19時22分にゲートを通過。









気になっていたテントですが、ちゃんと固定されていました。

昼には空きが目立ったテントサイトはすでに満杯になっており、皆さんバーベキュー(こちらではブラーイと呼んでるみたいです)を始めてくつろいでいます。
どこのテントサイトでもそうなのですが、コンパクトカーで旅しているのは私ぐらいなもので、皆さん四駆の横に巨大なテントとタープにダイニング、発電機にクーラーは標準装備の様子。
快適バーベキューもちょっと羨ましかったですが、ゲートが閉まるギリギリまで河床で粘ればチーターの補食シーンに出会えたりするのにもったいない話だなぁとも思ってました。
そう言えばと思い出し、施設内のガソリンスタンドに行ったのですが、すでに閉まってました。。。


さらに明日の朝飯でも調達しようと売店に顔を出したら、こちらもすでに閉まってます。


ぎりぎりまで粘ったら粘ったなりに困ったこともあるわけです。。。



朝食の代わりになる食料は日本から持ってきているので大丈夫なのですが、問題はガソリンです。



カラハリTFP内のガソリンスタンドはここ(トゥイーリフィエーレン)とマタマタ、あとノソブ(川の名前ではなくて、中間地点ぐらいにあるキャンプ場)の3カ所にあるのですが、残量から考えると明日は近い距離にあるマタマタへ最初に向かわなければならないようです。

(早朝・夕方が肉食動物のハンティングタイムなので、ガソリンスタンドが開いてガソリンを入れてから出発という選択肢はそもそも考えていませんでした)



まぁ、本日と同じコースになってしまいますが、同じ動物が同じように居るわけじゃないでしょうし、これは仕方がないところです。






各サイトには電灯、テーブルと椅子、そしてバーベキュー用の台があります。
(電源装備のサイトもあります)













今回はきちっと風除けをしつつお湯を沸かし、インスタントラーメンと魚の缶詰、いつもの錠剤プロテインドリンクセットを準備します。
アルコールストーブの取り扱いにもだんだん慣れてきました。


そして、暗くなるにつれて虫が大量に集まってきました。特に電灯の方はすごいことになってます。
キャンプ場ではよくある話ですが、今回の旅では初めての現象です。


虫たちにラーメンや缶詰にダイブされたらたまったもんじゃないので、早めに腹に放り込みます。(味わうような食べ物でもありませんし)



シャワーを浴びたのですが、まだ気温が下がりきっておらずけっこう暑かったので、テーブルのところで風を受けながらガイドブックや今日もらった地図でも眺めようかと思っていたのですが、どんどん虫が集まってきて、終いには服の中まで入ってくるぐらい大人気状態だったので、ファンを邪険にあしらう人気アイドルのようにテントの中に退散しました。

しかし、髪の毛や体にまとわりついていた虫の払い落としが甘く、けっこうな数の虫をテントの中に招き入れることに・・・・


テント内で明日以降の調べ物をしつつ、虫を発見しては指でつまんで外に退出いただいておりました。



メールと天気予報でも確認してみようかと、ナミビアでは使えなかった香港ハチソン3のプリペイドSIM入りWifiルーターを取り出し電源を入れてみます。


さすが観光地、アンテナ3本立ちます。



早速PCで接続してみると、南アフリカに入国して6日目にしてようやくインターネットに接続できました。
南アフリカ国内企業のプリペイドSIMカードは入手が面倒という情報があったので、香港の通信会社のプリペイドSIMとSIMフリーのWifiルーターを事前購入して持ち込んだわけですが、当然南アフリカでは国際ローミングになるのでパケット代はDocomoやソフトバンクと一緒でバカ髙です。
プリペイドにしたことで高額請求を防ぐという意味合いぐらいしかなく(一昨年、オーストラリアで天気予報をちょっと確認しただけで3万円ほどの請求を食らったので)、メール確認を優先し、天気予報は画像データの表示をオフにしてパケットを節約するように設定して、プリペイド分を使い切ったら終わりという使い方にしたわけです。



まずはメールを確認し、緊急のメールが入っていなかったことに安心しつつ、実家に生存報告メールを書きます。(親宛なので電報並の短文ですが)

メール送信ボタンを押しますが、なぜか送信されません。

なんでだろうと思いつつ、ブラウザーで確認してみると、パケット通信がすでに切れてしまっています。

Wifiルーターのアンテナはあいかわらず3本立ってますし、Wifi接続も問題ないみたいです。

プリペイド分(4000円分ぐらい)使い切ると言っても、まだメールの件名と内容を少し読んだぐらいで、キロバイトレベルの通信をしたに過ぎません。

嫌な予感がしてウイルス対策ソフトを確認します。

あ~! しまった、自動更新を切るのを忘れてた!!



というわけで、PCをネットにつないだ瞬間にウイルス対策ソフトのアップデートが裏で自動で行われ、自宅に電報メールを書いているうちにあっという間にプリペイド分を使い切り、送信ボタンを押す前に息絶えてしまっていたのでした・・・・
ネットに接続できなければ、SIMカードに追加でチャージすることも出来ません。


「無事に生きてるからね~」と心の中で念じつつノートPCを閉じます。
PCの電源を入れたことで、テント内に入り込んだ虫たちが画面に集まってくれたので、効率よく追い出すことが出来たのは良かったです。



いや~、しっかし、静かなテントサイトですね~。



夕方までは大量の小鳥が飛んでいましたし、先ほどまでは周囲の話し声が聞こえてましたが、今は本当に静かです。皆さんも寝てしまったんでしょうね。



では、私も寝るとしますか!


お休みなさい。






12時頃、一度目が覚めたので、外に出てみました。


満天の星空です。(電灯を消し忘れているサイトがあったりして、パーフェクトに見えているわけではないですが、それでも天の川ぐらいは余裕で見えています)


こんな時間ではありますが、なぜか大きい方をもよおしたのでLEDライト片手にトイレに向かいます。




トイレとシャワーを兼ねた建物に入ると、さすがにこんな時間ですから、すべての扉が開いていて選びたい放題です。


なんとなく心引かれた一番奥のトイレに入ると、ドアの鍵が壊れていて鍵をかけることが出来ません。
しかも便座が奥の方にあって、座ってしまうとドアに手を伸ばすことも出来ないので、万が一の時にドアを他人に開けられてしまうことを手で防ぐことも出来ない広さです。


とは言え、こんな時間に他の人が来るわけじゃあるまいし、ドアを閉めっぱなし状態にすることは出来るみたいなので、そのままドアを閉めてズボンとパンツを脱いで便座に腰を下ろし、自然の成り行きに身を任せます。


ちなみに国立公園内のトイレは南アフリカ、ナミビアどちらも清潔で、日本人の感覚でも問題なく使用できるレベルです。(トイレットペーパーが切れて無かったことすらありませんでした)




しばらくすると、ドアの向こうに足音が聞こえます。


私が入っている場所以外はすべてドアが開け放たれているので、大丈夫だろうと思っていたのですが、足音がまっすぐこちらに向かってきます。


まさかね~と、思っていたのですが、よくあるトイレの怪談のテンポを遙かに上回るペースで足音のボリュームが大きくなり、ドアがガチャっと音を立てて開き始めたところで、




「入ってます!!!」




と、カラハリTFPの便所で深夜に叫んだのでした。




つづく




Posted at 2011/03/03 22:37:18 | コメント(12) | トラックバック(0) | 日記
2011年03月02日 イイね!

南アフリカ&ナミビアドライブ (08) ケープクロス → キートマンスフープ







ようやく雲が千切れてきました。









さきほどの岩塩無人販売地帯です。


車の後方に、売り上げを回収しに来た人が写ってます。










釣りのメッカということもあり、すれ違う車はかなりの確率で釣竿を積んでます。


積んでますというか、こちらには釣竿を畳むという習慣は無いんですかね?


釣りのスタイルは砂浜からの遠投っぽいので、竿が長いのは理解できるのですが、こりゃまた豪快な積み方です。







釣竿2本ぐらいなら、まだかわいいほうで、、、








3本コース、、、















4本コース、、、










5本コース、、、









ちょっと飛んで、10本コース!!



いやぁ、皆さん、どんなけ釣り好きなんでしょう。



(2月~4月なんかはサメ釣りスポットになるらしいです)








あいかわらず曇天が続いていますが、それはそれで景色とマッチしてます。












道路脇には何も無いように見えて、植物が小さな砂瘤を作ったりしています。











こちらはヘンティスベイ付近にあった黒人の方々の居住区。

ナミビアもかつては南アフリカ領としてアパルトヘイトを実施した歴史があります。









ソルトなんたらの看板の意味がわかりました。

道路に(白線などの)サインが無いという注意看板でした。



道路脇の風景を撮影しようと前に停まっているカローラみたいに路側帯に車を下ろしたら、そんな段差でフロントリップラバーが外れてしまいました。

いやはや、これには参りました。








お~、バイクだ!

ナミビアでは始めて見たかもしれません。











昨日スワコプムンドの街中でキャンプ場が見つからなかったら、ここに泊まろうと思っていたキャンプ場がありました。


完全に海岸線沿いですが、ここでも良かったかもしれません。











スワコプムンドの街に戻ってきました。(10時30分)











ナミビア環境省(MET)のオフィスに顔を出し(車を停める場所を確保するのにえらい手間取りました)、2階のオフィスでウェルウィッチアドライブのパーミット(入場許可証)を50ドル(650円)で購入します。
(※ウェルウィッチアとはこの辺固有の植物で、それを観に行くための道がウェルウィッチアドライブです)

スタッフの方からもらった地図に見所を赤ペンで記入してもらいました。


ウェルウィッチアドライブを走った後、そのままナミビア首都のウイントフック方面に向かうつもりだったので、まずはガソリンを満タンにしておきました。(走行260kmでガス代2000円)  
エンゲンの立派なガソリンスタンドだったので、試しにクレジットカードが使えるか尋ねてみたら、「使えるけど手数料6%かかるよ」と言われて、現金で払ってしまいました。まぁ、ナミビアドルを減らさないといけないので、今はまだクレジットカード払いにこだわる理由も無いですしね。


その後キオスクに立ち寄り「ベーコンホットドック」とジュースを300円ほどで購入。


これで準備万端。


昨日立ち寄ったBP(ガソリンスタンド)の前を通過したときに、洗車しようかなぁと考えたのですが、どうせこの後ダートロードに突っ込むし、ウイントフックで雨が降るだろうと予想して素通りしました。








B2号線で内陸に入るとすぐに霧が晴れてしまいました。


街を出てすぐの所で検問をやっていたのですが、私はウェルウィッチアドライブに向かうところだったので、検問の手前でC28号線へ右折。

かえって怪しまれるんじゃないかと心配になってしまいました。









スワコプ川を渡ったところですが、空は気持ち良いぐらい快晴です。


地勢と気象って密接に絡むんですね~、と、今更ながら感心します。










先ほど購入したベーコンホットドッグをパクつきながらウェルウィッチアドライブを目指します。











C28号線を南東におよそ20km走ったところでD1991号線とウェルウィッチアドライブの案内看板が出たのでそちらに入ります。











Dナンバーの道なので悪路を覚悟していましたが、観光道路だからか道は意外に走りやすかったです。











お! ウェルウィッチアか! と、思ったら全然違う植物でした。











道がクネリはじめました。











「ムーンランドスケープ」という展望台です。











直訳すると「月面景観」って感じでしょうか。火星に続き、月面にまで来てしまいました。

月面に似てるかどうかは別として、すばらしい景観です。(この手の奥行きがある景色は写真で写すのが難しいです)









気温は21度とそれほど暑いわけでも無いのですが、日差しが強いからか、窓全開でなんとか凌げるぐらいの状態です。


ところで、ここはマイナーな観光地なのか、ほとんど誰とも会いませんね。









何の看板かと減速しながら覗き込んでみたら、「パーミット(入園許可)が必要」の看板でした。

雰囲気満点の看板だったので、てっきり見所か何かがあるのかと思ってしまいました。









見所と言えば、こんな場所も見所になってます。

第一次世界大戦真っ只中の1915年、南アフリカ軍がこの地でキャンプを張り、そのときの遺物がそのまま残されています。

写真は洗車のキャタピラです。

(他にも周辺を探すといろいろ落ちているみたいですが、探さずに先に進みました)










見所になるような場所には番号が書かれたサイン看板が出ています。(写真では「8」)

しかし、ここには見所になるような場所が無かったので不思議に思いつつ、T時路を左に曲がります。









ムーンランドスケープの展望台から遠くに見えていた渓谷の方に入って来ました。

遠くからの眺めもよかったですが、実際に中に入り込んで走るのも感動的でした。











低い岩山の間だを縫うように走って行きます。











お、これはもしや・・・


ちょうど登場した注意看板に「リバーベッド(川床)走行禁止」と書かれています。

どうやら、ムーンランドスケープで見えていたのはスワコプ川が作り出した渓谷だったようです。











そして、ここが川床なのですね。









花も咲いてます!

いやぁ、驚きです。











こちらは多肉植物。

ここもリフタスフェルトと同じような雨の降らない環境なんでしょうね。









川を越えて平地に出てくると、左右になにやら植物が、、、、











あ! ウェルウィッチアだ!!(Welwitschia mirabilis


葉っぱを触ってみると、見た目どおりで乾燥した昆布みたいです。


元の葉っぱはたったの2枚で、縦に裂けやすいので、この個体でも6枚ぐらい葉っぱがあるように見えます。







雌雄別株らしいのですが、なんとなく雌なんじゃないかと勝手に思っております。











違う種類かと思ったら、ど真ん中に多肉植物が生えていただけでした。

(私以外の足跡もけっこうあったので、騙された人は私だけじゃないみたいです(笑))











円の中に入るなと注意書きが出てます。

大きく育った株は保護しているのでしょうか?











あ! あれは!  (この写真で何が写っているか気が付いた人はすごい)











スプリングボックだ!

(超望遠ノートリミングでこの大きさ。気が付いた私も偉い(自画自賛))











無理やりトリミング。

こんなところに居るんですね~。

(このときは素直に感心していましたがスプリングボックは乾燥に強いレイヨウでむしろ砂漠専門だと後で知りました)










そう言えば、前々から気になって居たのですが、雨が降らない乾燥地なのにうっすらと緑色に染まってるんですよね。











よくよく見てみたら、植物の新芽が一斉に発芽しています!

どうやら、ここ数日以内に年数回と言われる雨が降ったみたいです。








実は右側が正解の道路です。(看板で気が付きました)


確認のために改めて管理事務所でもらった地図を見直してみると、別の用紙に実は今まで見てきた案内看板の番号ごとにちゃんと詳しい解説が載っていることに今更気がつきました。

Beacon(標識)は1番から12番まであって(番外編で13番もあるらしいですが)、私はすでに11番まで来ています。

この解説を読んで、先ほどのスワコプ川で囲んでいた渓谷の黒い岩はドレライトだとわかりました。

もっと早く気が付いていれば・・・








先ほどの分岐から少し進んだ先のエリアはごらんの通りの景色。


乾燥地帯とはとても思えない光景が広がっていました。


気温は29度、肌を射るような太陽光線が降り注いでいます。









標識12番(最終地)、樹齢1500年以上といわれるウェルウイッチアが生えている場所に到着しました。











こりゃぁでかい!


のですが、厳重に囲われているので、近づくことは出来ません。









こちらは、囲われていなかった別の個体で、大きさを示すために奥の石の上に100円ショップで(真剣に選んで)買った財布を置いておきました。

これがたった2枚の葉っぱが育った姿だとはとても想像できません。











花序の形が違ったので撮影。こちらが雄株でしょうか。











タイミングよく他のグループが展望台に上がってくれたので、一緒に撮影。









ウェルウィッチアは誰かが植えたかのように並んで生えているなぁと思っていたら、雨が降ったときに水が流れるような場所に生えているのだそうです。

(ここにも水の流れの跡がありますね)










周辺を散策してみたのですが、ウェルウィッチアだけでなく、いろいろな植物が生えていて、いろいろな花が咲いてました。

これには驚きました。


さて、だいぶん時間も押してきたので、そろそろウイントフックに向けて出発するとしますか。(13時)









帰りにも別の場所でスプリングボックを発見。(あとダチョウも)










標識ナンバーをどんどん巻き戻りつつ、その場で解説を読んで改めて感心。

B2号線へショートカットで抜けるため、ムーンランドスケープの所で右折します。(この道もD1991号線でしたから、ウェルウィッチアドライブ自体は番号のついてない道かもしれません)











そのまま、スワコプ川へと降りて行きます。











ウェルウィッチアドライブでのスワコプ川越えも楽しかったですが、こちらも負けてませんね。













いや、むしろ迫力ならこちらの方が上だと思います。

すっげ~~~!











スワコプ川の川床です。

車が入って行った跡があります。











人が住んでいる気配が・・・

川床は人が住むエリアなのでしょうか?











反対岸を登って行きます。











川を越えてしばらく走ったところで巨大な給水パイプ(だと思います)が登場。西オーストラリアを思い出しました。











パイプを越えてすぐにB2号線に出ました。











ここからは、快適舗装路で一気にウイントフックに向かいます。

気温が32度まで上がり、我慢の限界を超えたので窓を閉めてエアコンをつけます。









お、貨物列車だ!

(B2号線は線路に沿って走ってます)











さすが資源国。鉱山の入り口がちらほらあります。
(ナミビアも国民は別として金持ち国です)










あ~、ついに登場しました。乾燥地帯の雨期名物のスコールです。











この天気、見覚えがあるんですよね~。(オーストラリアのアウトバックで)











こうやって、遠くのスコールを眺めている分には「すっげ~!」ぐらいの感想で済むのですが、いざ巻き込まれるととんでも無いことになるんですよ。











パラパラと雨が飛んで来ましたが、まだ大丈夫です。

コース上に発生しないことを祈るぐらいしか出来ません。










この無数に広がる積雲、いよいよもって嫌な予感がします。

他の人のブログでウイントフックでスコールにぶち当たったという記述は読んだことが無いのですが、ウイントフックの雨の天気予報って、まさか毎日スコールが来るって意味なのでしょうか?







こりゃまた立派な積乱雲。(広角で写してますが、思いっきり見上げないと頂上が見えないぐらいの高さです)

発生場所が進行方向じゃなくてよかったです。








ウイントフック(地図では「B」地点)まで遠回りのB2号線を走るか、直線的に抜けるC28号線を走るかで悩んだのですが、先日走ったC14号線が酷い悪路だったので、遠回りでも確実に舗装路のB2号線の方が速いと睨んでの選択でしたが、C28号線を使っていたら、あの積乱雲の真下に行ったんじゃないかと思うとぞっとします。

ちなみに、帰国後調べてみたらB2号線でウイントフックまで370kmの舗装路、C28号線はクネクネと300kmダートで、それほど短縮にはなっていないのでした。(危ない危ない)







B2号線に乗ってから100km、ウサコスの街を通過します。











街中をヤギや牛が歩いていて、なんとも長閑な感じです。











しかし、前方の光景はまったくもって長閑じゃありません。











チャイパッドで進行方向を確認しつつ、前方のスコールに突っ込みそうかどうか確認します。

ついに、突っ込みそうな気配です。。。












お~、すごいトンビ柱!!


ちょっと、写真だとわからないかもしれませんが、100羽単位のトンビ柱が何本も数キロに渡って延々と続いています。

いったい、このエリアに何千匹居るんでしょう?









日本でも漁師町でトンビ柱ぐらいは見たことがありますが、ここまでの数のものは見たことがありません。


こりゃすごい!


(って、レストコーナーに車を停めてまで口を開けて上を向いて眺めていたのは私ぐらいなもんだったので、珍しくもなんともない光景だったのかもしれませんが)



急いでなければここで1時間ぐらい空を眺めていたかったです。





ふと、気が付くと、後ろにパトカー。

別に違反をしてるわけでも無いですし、悪いことをしたわけでもないですが、海外だと知らない標識や交通ルールがあったりするので、ちょっと緊張します。











続いてカリビブの街を通過。












予想通りスコールに突っ込みます。

オーストラリアでもそうでしたが、気温が一気に20度まで下がります。

道路の水捌けが良いからか、ワイパーが追いつかないレベルではありましたが、問題なく通過できました。








スコールもこの程度で済むのなら、なんとかなりそうです。

しかも嬉しいことに車がすっごく綺麗になった気がします!



そういえば、道路脇に「トランス カラハリ ハイウェイ」(Trans Kalahari Highway)って看板が出てましたが、カラハリ砂漠のエリアに入ったんですかね?

(B2号線自体をそう呼ぶとWikipediaに書いてありました。ハイウェイ本体はボツワナ国内のA2号線のほうだそうです)








幹線道路のB2号線ともなると、交通量もそこそこあり(ナミビア第二の都市スワコプムンドと首都ウイントフックを結ぶ道ですしね)、トラックやキャンピングカーなど遅い車も多いので、皆さんに続いてガンガン抜かしていきます。









急に小腹が減ったので、登山用のウェストポーチから掘り当てたクランキー(行動食)を食べて空腹を満たします。











高さ2mはあろうかという蟻塚。

やはり、オーストラリア(の豪雨)を思い出してしまいます。








うわ~、こりゃすごい!

数キロに渡って花が咲き乱れておりました。









左前方にすさまじいスコールが発生していますが、幸いウイントフックは右前方方向です。





オカハンジャの街の入り口で検問をやってましたが、私はスルーされました。








オカハンジャの街でB1号線に入ります。


B1号線はナミビアのど真ん中を南北に貫く道で、南下するとリフタスフェルト付近の国境で南アフリカのN7号線に接続する道です。









オカハンジャは人口も多そうですけど、ヤギも多いのでした。











ありゃぁ~、ついに事故現場に遭遇です。

こんな天気の中、時速100km前後で走っていれば、そりゃぁ事故の一つや二つは起きますよね。











イボイノシイですか。

まだ会ってないないですね。









オカハンジャから南へ約70km、ウイントフック手前の検問です。(ナミビアでは大きな街毎に検問があるみたいです)

今回もスルーかと思いきや、左の敷地へ誘導されてしまいました。

黒人のおばさん婦警さんに誘導され、彼女のところに車を停めて窓を開け、笑顔で挨拶します。


「今日はどこに行くの?」


「マリエンタールまで行くつもりです」


「目的は?」


「サイトシーング(観光です)」


「え? 何?」


「サイトシーング・・・・、トラベリングです」


「あら、一人で?」


「はい。」


「次に来るときはガールフレンドでもつれて来たら?(笑)」


「あっはっは、そうですね・・・・、ところで、ウイントフックは毎日雨が降ってるんですか?」


「う~ん、だいたいそうね。たまに降らない日もあるけど」


「そうですか。ところで写真とってもいいですか?」


と、カメラを取り出してみると、顔を真っ赤にしながら全力でお断りされてしまったのでした。


こんな感じで終始和やかな雰囲気で検問は終了し、ナミビアの首都ウイントフックに足を踏み入れました。










お~、久しぶりの片側2車線道路ですよ。











げげげ、ハイウェイを歩いて渡ろうとする人々が!


こちらは時速120km出してるんです、怖いんですよ!


(追い越しているわけでも無いのに右車線に逃げたら、それにあわせてズンズン前に出てきました。超アグレッシブです!)








彼らにとってはハイウェイも普通の道路も同じ感覚なんでしょうね~。









この「S」の意味、ここに来てようやくわかりました。

「Don't Stop」です。

ヒッチハイクポイントなんかによくあったので、こんなところでヒッチハイクするなという意味も含まれているのでしょう。











ガソリンを入れるためにウイントフックの街に入ろうと思っていたのですが、路上を歩く人に気を取られている隙にインターを降り損ねてしまったので、大分南のインターから街中に入って、中心部に向けて北上します。









派手に道路が濡れていますが、空は少し晴れてますね。











荷台にたくさん人が乗っていたので、ついつい撮影。











さすが首都。ビルの高さが違います。

(人口23万人、長野県松本市と同じ規模です)











まずはガソリンを満タンにします。(3000円)

街を行く人やガソリンスタンドのスタッフが心なしか「都会人」っぽい感じがします。表情が足りないと言うか、何事にも無関心というか・・・








キオスクに立ち寄り、ミートパイが無かったので、ホットドックとチキンバーガー、あとはジュースを購入します。(380円)











せっかくなので、街中観光をしながらドライブします。(急いでいたのに道に迷っただけという噂もありますが)

街中でもどんどん人が飛び出してくるのは変わりがありません。









左正面、アパートなんですかね?








なかなかかわいらしいデザインの教会です。愛知県人には結婚式場にしか見えないと思いますが、本物の教会です。









バスで旅行するときはこのターミナルが出発地点になるのでしょうか。




通りがかりのガソリンスタンドの従業員が、「ガソリン入れてって~!」とジェスチャーを送ってきたので、もう満タンというジェスチャーを指と顔で返してみたら、「オッケー!」という感じで笑顔で親指を立ててくれました。


なんだ、都会にも陽気な人が居るじゃないですか(当たり前)。










相変わらず隙あらば人が飛び出してきます。









その後、チャイパッドに登録した地図を頼りに走っていたら、さらに迷子になって住宅街に入り込んでしまいました。

(登録した地図の縮尺がでかすぎて、細かい構造がどうなっているかよくわからなかったのです)









やっとのことでB1号線に戻り、街外れで検問を受けます。(18時過ぎ)


ここは目的地を質問されたぐらいで通してもらえました。









前を行くのは大きなトラック。

ちょっとしたワインディングロードなのですが、時速100kmで走ってくれるので、追い抜かす必要が無かったことに驚きました。

(120km制限の区間で追い抜かしましたが)





ウイントフックから南に100kmのところに、Reho Spaという温泉の看板が出ていました。
水着を持ってきておけばよかったなぁと後悔しました。








右前方の四駆、パトカーです。











路側帯に石が並べてあって怖すぎます。(あんなのに車が当たったらただじゃ済みません)


そして、これがナビブ砂漠をオレンジ色に染めたカラハリの赤土なのでしょう。












先ほど購入したチキンバーガーを頂いたのですが、チキンが竜田揚げみたいになっている上にマヨネーズドレッシングがたっぷりかかっていて、とてもじゃないですが、半分も食べられません。









お~、これはなんとも神秘的な空。

スコールの巣に進んで飛び込んだ特権ですね。










えらいかっ飛ばすオーバーランドツアーのミニバスに追い越されつつ(前を走ってます)、左前方と真正面のスコールの動きを観察します。

両方ともかなりの頻度で稲妻が走っているので、相当なスコールだと思います。








さて、本日の予定なのですがマリエンタールの町からダートロードを100kmほど進んだゴチャスぐらいまで行って車中泊でもしようかと思っています。理由は、単純にその辺にキャンプ場がなかったからなのと、明日の午前中にカラハリトランスフロンティアパーク(以下カラハリTFP)にマタマタゲート(南アフリカとの国境)から入りたかったからです。

ウイントフックが雨が多いというのはわかってましたが、まさか数百キロ南のマリエンタール周辺一帯がスコールの巣になるとは思ってませんでした。


マリエンタールからマタマタまでけっこうな距離があるので、ダートロード+スコールの組み合わせに突っ込む決心がつかないまま、左前方のスコールの動きを眺めていたわけです。


代替のルートはマリエンタールからさらに230km南にあるキートマンスフープまで一旦南下して、そこからダートロードでアローブの国境を抜け、トゥイーリフィエーレンからカラハリTFPに入るという方法です。


あちらこちらにスコールが発生しているみたいなので、今のところどっちもどっちですが、とりあえずマリエンタールまで到着してから考えることにします。









19時半過ぎに太陽が沈んで行きました。

マリエンタールまであと100km、1時間弱ぐらいでしょうか。

本日はすでに850kmほど走っていて、そろそろ休みたい気分です。








だいたい、こういう美しい日没には棘があるんですよね・・・・










マリエンタールの40km手前、ついにスコールに突っ込みました。

写真だと普通に写ってますが、かなりのスコールです。


こりゃぁ、マタマタ方面に向かうのは無理だなぁと諦めモードに入ります。



ハーダップダム(マリエンタールの10km手前)のあたりで、小雨になり、ほっと一息ついたところで検問がありました。

車の後部座席を覗き込んだ黒人女性の婦警さんが、


「これは何の道具?」


と、尋ねてきたので


「キャンプ道具です」


と、答えると、


「アロ~ン?」


と、また独り身であることを質問してきます。独り旅って珍しいんですかね?

マタマタ方面へ行きたいことを伝えて道の状況を確認すると、「マリエンタールに宿があるから今晩はそこで寝たら?」と、もっともなアドバイスをしてくれました。








B2号線を外れてマリエンタールの街に入ります。

早速ガソリンスタンドに入り、ナミビアドルがあと30ドル残っていたので、南アフリカランドも混ぜて綺麗に使い切ろうと画策し、ガソリンを130ドル分入れてもらうようにお願いします。
すると、120ドルちょい入れたところで満タンになってしまったので、チップで2ドル払ってもナミビアドルがまだ7ドルほど残ってしまいました。

小銭を握りしめたままキオスクに行き、7ドルのプライスタグが着いていたコーラをレジに持っていくと、なぜか8ドルだったので南アフリカランドも混ぜて払い、これで綺麗にナミビアドルが無くなりました。


道路が乾いていたので不思議に思い、「今日は雨降りましたか?」とスタンドの店員さんに尋ねてみると、「今日は降って無いよ」と、驚きの返事。


これは、マタマタ方面にいけるんじゃないかと、喜び勇んでそちらに向かうことにします。







マタマタに抜ける道を探してマリエンタールの街中でさんざん迷った挙句、B1号線に再び戻ってきたところで先ほどよりも全然立派なガソリンスタンド(レストラン付き)を発見してしまいました。

ウイントフックじゃなくて、ここで朝食とか手配すればよかったんだなぁ~。










散々迷ってからようやくマタマタ方面に抜ける道を発見し(写真右の看板に消えかかった文字でゴチャスと書かれています)、意を決してダートロードに入った途端、なんとスコールが降ってきました。

どうやらスコールの雲が北から移動してきてしまったようです。


とほほ。。。
(考えようによっては、深入りする前に食らって良かったかも)


仕方無しに、一旦B1号線に戻り、230km南のキートマンスフープまで移動してから車中泊することにします。


このとき本人は気が付いていなかったのですが、本日の走行距離は1200kmオーバーになっておりました。どおりで疲れたわけです。


スコールが降りしきる中、B1号線を南下。

せっかく買ったコーラを冷えているうちに少しでも飲んだほうが良いかと思い、口に含んでみたのですが、のどが渇いていないときのコーラはゲップが出るだけの飲み物なのでした。








前方のスコールではかなりの頻度で雷が鳴ってます。

あんなのに突っ込みたくないなぁ~。











突っ込みました!!




間違いなく人生でナンバーワンのスコールです。




砂漠地帯で水捌けが良いからまだいいものの、どこに何があるやらさっぱりわからない上に、、、








四方八方で雷ビカビカです。

近くに落ちたときは、間髪入れずに車の中まで炸裂音が鳴り響きます。








気が付いたら対向車線走ってたなんてのはザラで、とにかくセンターラインだけは見逃さないようにして走っていきます。(それすら難しいのですが)


結局ギブアップして道路脇にハザードつけて雨宿りしました。


しかし、雷の位置からスコールの雲が南へ移動していることがわかったので、最後は諦めて、悲壮な覚悟で一気に走ってようやくスコールの前方に抜けました。









スコールの前に出れば、道路は普通に乾いているのでした。


(左側走行なのに)左前方に対向車のライトが見えたので、なんだろうと思っていたら、B1号線と平行して走る列車が走ってきたのでした。(チキンバーガー食べながら運転していたので写真撮り損ねました)



最後は気力だけでキートマンスフープの手前まで走り、うまい具合に隠れることが出来るレストスペースを発見し、そこに車を停めました。ここならB1号線を南下してくる車からはまず見えませんし、北上する車も木の陰に私の車を見つけたときには時速120kmで通り過ぎていることでしょう。



気温は28度。出来れば窓を開けて寝たいところですが、蚊が飛んでくるかもしれませんし、安全かどうかもわからないので、我慢するしかありません。




あ、大雨が降ってきた。


どうやらスコールの雲に追いつかれたようです。


いつもの錠剤をプロテインで流し込み、歯磨きを済ませてから椅子を倒しました。



いやぁ、今日は疲れました!!



おやすみなさい。(23時45分)



つづく・・・
Posted at 2011/03/02 21:48:11 | コメント(7) | トラックバック(0) | 日記
2011年03月01日 イイね!

南アフリカ&ナミビアドライブ (07) ナビブ砂漠 → ケープクロス

南アフリカ&ナミビアドライブ (07) ナビブ砂漠 → ケープクロス



すみません、長くなりすぎて「みんカラ」の容量をオーバーしたのでこちらに置きました





Posted at 2011/03/01 21:53:24 | コメント(11) | トラックバック(0) | 日記

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