
この度、みん友さんから静電気の放電施工について説明して頂けないかとお話を頂戴しました。
私も先人の方々の施工や静電気に付いての資料を元に勉強中ではあります。
しかしせっかくの機会ですのであくまでもこれから静電気放電対策をやってみようという方、向けに自分の学んできた事の復習も兼ねてお話をさせて頂きます。
もうやっている方、良くご存じの方はスルーして、イイねも付けなくて構いませんので、よろしくお願い致します🙏
このブログは車の静電気について誰でもわかるように説明させて頂きます。
あの世界的コストカッターのトヨタさんが真面目に技術特許を取り、実際に販売車に施工してまで力をいれている問題であり、それによって成果・効果も確認されているものです。
先ず静電気の仕組みについて説明させて頂きます。
良く子供の頃に、頭に下敷きを擦りつけ下敷きを持ち上げると髪の毛が下敷きに引っ張られるという経験をされた事があると思います。それはどういう事かと図解で表してみます。
このように、帯電していない状態ではプラスイオンとマイナスイオンがバランス良く揃っています。
それに摩擦・剥離・振動を加えると、図の様にイオンが移動を始めプラスだけ、マイナスだけという状態になる事があります。これは素材によってプラスだけになるもの、マイナスだけになるものがあります。
また金属の様に電気が流れる(電子が移動しやすいもの)物は帯電せず、電気が流れない物は帯電すると言えます。
違う見方をするとプラスに帯電するものは水に馴染みやすく、水に馴染まないものはマイナスに帯電するということになります。
この様に帯電(電子の偏り)したものは、様々な形で本来の動きや流れの邪魔してしまいます。
それではこの静電気が自動車でどのように関係してくるかを説明させて頂きます。
先ず実際にどこに帯電するのかをお話します。上図はトヨタさんの静電気施工のポイントを示した図ですが、ご覧になってわかると思いますが、殆んど全部と言っていいと思います。
それがそれぞれの性能の邪魔をしている事が検証されており、その部分に貯まる静電気を放電させて本来の性能を出そうという事です。
対応方法として、導電率の高い金属を使ってアンテナ状にして空気中に放電する事です。
本来、銀・銅・金など導電率(電気が流れやすい)の高い物を使えば良いのですが、対腐食性やコストを考えると使いづらいので、その次くらいに導電率が良く比較的コストも安いアルミニウムを使って放電(除電)させる様になりました。
実際の放電加工について
トヨタさんは下記の様なアルミテープが発売されています。
これを買って張り付ければ良いのですが、何しろ高い。一枚当たり7~800円位します。これをあちこちに貼ったらいくらあっても足りません。
そこで、先人の方々が市販のアルミテープを使って施工され、同様の効果を実現されております。
そこで問題なのが、どこのどんなアルミテープが良いの?という話になると思います。
先ず、良く話に出てくるのが接着糊の導電性があるかどうかですが、トヨタさんは使っているテープの糊は導電性有りです。
導電性糊を使う事でテープ全面が放電するので、効率は一番良いと思います。
事前加工としてテープの放電効率をあげる為にばさみを使ってカットしますが、非導電性糊のテープでもカット後に貼り付けると対象物とテープ表面のアルミが接触するようになり導通状態となります(検証済)。元々、0.03~4mmの糊層ですから、カットする際に潰してしまう事になる為だと思います。
ギザギザばさみは、ギザギザ刃をもっているハサミ(キッチン用が多い)を使いますが、ダイソー等でも販売されています。目的はトヨタさんの市販品の様に出来るだけ鋭利な部分を多くすれば放電効率をあげられるという事です。
ギザギザばさみでカットしたアルミテープ
これで導電性アルミテープに近い効力を発揮するようになります。
あとは接着糊のクオリティですが、住友3M、寺岡製作所、ニトムズのテープは、テープの専門メーカーですから間違いありません。
ただ、エンジン廻り等高温になる所は耐熱性(ガラスクロス入り等)のあるテープを選んだ方が安心だと思います。
ダイソーにもアルミテープ(非導電性糊使用)は、ありますが接着力に難があるので、おすすめ出来ません。
ホームセンター等で、販売されているメーカー物を使いましょう。
たまりやすいポイント
自動車は擦れ合うところ、回転するところ、大電流が流れるところ、圧力がかかるところがあります。
材質で見ると、樹脂製、ゴム製の物が導電しないのでたまりやすいですが、金属でも電気の流れが良くないとたまります。
トヨタさんの特許資料を元に全て放電加工をすればベストでしょうが、素人ではやりづらい、やれない所もあります。
そこでどの車でも比較的やりやすい場所を御紹介します。
代表的なポイント
①ステアリングコラム
タイヤが地面と擦れあってタイヤ周辺にため込む静電気をステアリングコラムで放電させる
②フロントガラス
走行時に当たる風によってガラス自体が帯電するので、目立たないところに放電機具で対処することで、走行安定性が向上
③バンパー(前後)
ガラス同様走行時に当たる風によって帯電するので、放電機具で放電させる
④ラジエーター、電動ファン
内部の冷却水の流れと圧力+走行時に当たる風によって帯電する。除電する事で冷却効率がアップする。
⑤ドアミラー
走行時に当たる風によって帯電するので、除電することで風切り音が軽減される
⑥ブレーキオイル
常に圧力がかかっていることとブレーキパッドがローターと摩擦することで帯電する。リザーブタンクやパッドのピストン部(ゴム)などに除電機具をつけることで除電。
⑦アルミホイール
地面との擦れにより帯電。一応タイヤ内部にも放電させる工夫はされています。
⑧タイヤハウス
前から取り込まれた空気がタイヤからの風で乱気流を起こすので、帯電しやすい。それを除電してあげると回転抵抗が改善される。
⑨バッテリー
大電流が各電気パーツから戻りますが、それと共に静電気も貯まりやすい。これを除電してあげると電気の流れも改善される。
⑩エアインテーク
スロットルから吸入された空気が、吸入速度の変化で帯電しやすい。これを除電してやるとアクセルレスポンスの向上が期待出来る。
⑪エンジンオイル
エンジン内での循環で帯電し、効率・劣化に影響を及ぼす。これを改善する為に、オイルキャップ・オイルゲージ・オイルエレメント・オイルパンにアルミテープを貼り付け、除電して改善を図る。
やり始めると他にもたくさんやりたくなります。先ずはこれらがトヨタさんの特許内容にもあり施工例も多いところで分かりやすいポイントだと思います。
先ずはアルミテープとギザギザばさみを用意してお試しを。
静電気の話を検索すると色々出て来ますが、トヨタさんの特許資料にリンク出来るブログを添付しますので、参考にしてください。
オカルトがオカルトでなくなる話でした🤗