
2016年にトヨタさんが車に溜まる静電気の放電で本来の性能を発揮出来ると多くの特許を発表してから、このみんカラ内でも多くの先人の方々が実践され、それを見て私も色々勉強させて頂きました。
それを糧に、これまで車に溜まる静電気を放電させる施工を散々やって参りました。
おかげさまで、静電気放電に興味を持たれてるたくさんの方々とみん友さんになって頂きました。
今回は、興味ない方、これから始めてみようかなと思う方、既に色々施工されてる方も含め、静電気を上手く放電させる手段を経験を元にご案内させて頂こうと思います。
先ず、どこに溜まるの?と言う話ですが、はっきり申し上げますが、車全体です。
車で静電気が溜まる要因としては、
①エンジンが回る事で起きる摩擦
②走る事での風との摩擦
③走る事での地面との摩擦
④流動体(燃料・冷却水・電気)が流れる事で起きる摩擦
⑤人が乗り降りすることで起きる摩擦
これらが主な要因となります。
これらによって、元々電気である静電気は移動します。電気を流す金属は容易に移動しますが、非導電体の樹脂は溜まるだけ溜まって移動しません。
これを導電体である金属を使って放電させる事になります。昭和中期頃まではバンパーも含め金属使用率が高かったので現代の車に比べたらさぞかし上手く放電していたんだろうなと思います。それでも溜まる場合は昔はアースベルトというベルトを車体から道路に接触させて放電させていました。
しかし、このベルトの難点は常に道路と接触しているので、磨耗して効果が発揮出来なくなる事でした。それで今では絶滅危惧になっていると思います。
そこで、トヨタさんの話に戻りますが、市販車にも放電器具を取り付け静電気が車にとって悪であると提唱して以来、今やオカルトネタでは無くなりました。
さて本題ですが、
どうやって放電させるの?という基本的なお話に入ります。
一般的なのは市販のアルミテープを放電させたい部分に貼り付ける手段です。
ここで大切なのは、テープの面で放電させるのでは無くテープ断面で放電させます。少しでも放電効率をあげる為に、ただカットするだけで無くギザギザカットさせる事で、先端が鋭利になり放電されやすくなります。
この放電効率をあげる為に、アルミより導電率の高い銅テープを使用したりする場合もあります。
これを重ねる事で、異種金属間で微電流が流れるという理論もあり静電気を放電しやすくなります。
この場合はアルミテープが腐食しやすい銅の保護的役割も果たします。
次に今とっても旬なのがスタティックディスチャージャー
元々は、車以上に静電気の溜まりやすい飛行機に実装されている物から、形を変えて車に応用されています。
これの一般的にやられているタイプは、平織りアーシングケーブルをラグ端子に取り付けた物。
これが、これまでアルミテープで効果を体感出来なかったところも激変!
やっぱり航空技術力の高さに感服致しました。
私も流体理論や異種金属理論を教えて頂いたりして、幾つか作ってみました。
①1mmアルミワイヤー+無酸素銅22sq対応ラグ
②1mmアルミワイヤー+0.9mm銅ワイヤー+無酸素銅14sq対応ラグ
③ガトリングディスチャージャー
(排気系に使用)
④ガトリングディスチャージャーtypeM
(吸気系に使用)
代わり種として
⑤渦電流式ディスチャージャー
・1号機
・2号機
・3号機(現在の仕様)

これは、それなりに理解されている方向けで、ネオジム磁石を併用しております。効果も絶大ですが、条件によっては悪さをする場合もあります。
磁力は電気と密接な関係がありそれが力となり邪魔する場合も😵
ここで、アルミテープとスタティックディスチャージャーの違いを数値、見た目で表すと
一般的なアルミテープの断面面積(厚み0.05×幅15×2+厚み0.05×長さ100mm×2)は、11.5平方mm
これを1mmアルミワイヤーに置き換えると
0.5×0.5×3.14=0.785
11.5÷0.785=14.649681528662
つまり、1mmのアルミワイヤーを約15本分となります。
私が作ったディスチャージャーで比較すると、②のタイプとの違いは使用本数はアルミワイヤー16本+銅ワイヤー6本で22本。しかしながらワイヤーの両端で放電させるので44本分。
と言う事は、数値では3倍の能力がある事になります。
またイメージで表現すると
こんな感じ。
体感度合いからこの様な違いがあると思います。
ただ、アルミテープも時間が経つと結果的にはそこそこ放電すると言う感じです。
要するに片寄ったイオンの移動する時間がかかると言う事になります。この状態を中和と呼びます。
あとは、市販品でこの様な商品もあり
特殊超低温処理された放電プレートですが、ちょっと高価な為、銅プレートタイプの擬きも流行っています。
アルミテープがダメと言う事では無く、取り付ける場所、効果の具合に応じて使い分けするのが良いと思います。
・まとめ
これまで、トヨタさんの特許資料と先人の方々のご指導の元、あれこれ試して参りましたが、一番肝となるところはボディ。
前提として、ボディに静電気が溜まらない事が重要だと経験上思います。
ボディから上手く放電出来ていれば、各パーツに放電策を施工すれば、雨の日、洗車後調子いいと言う事も無く、安定した流れになると考えております。
それは昔からあるアーシングにも同じ事が言えます。いくらアーシングしても受け元に静電気が溜まると良い結果は生まれません。ボディ内でも電気的に導通が悪いと溜まると言う事です。
また最近わかって来た事ですが、個々に対策して効果が出たと思っていても、後にやった対策の結果、何かしっくり来なくなると言う事もあります。
その際はバランスが大事と言う事です。
だから、この世界は奥が深いと実感した今日この頃です。
これで、これまで静電気対策をやって来た現状報告とします。
最後まで読んで頂けた方には深く感謝致します🙏
コッペパパ
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2021/05/05 01:02:29