みなさん初めまして。みんじど特派員のSです。
突然ですが、みなさんはドリフト競技
「フォーミュラ・ドリフト・ジャパン」 をご存知ですか??
「ドリフト競技」 は簡単に言えばドリフト走行時のカッコよさや美しさを競う競技で、通常のレースとはまた違った難しさがあります。
現在は様々なドリフト競技があるのですが、
「フォーミュラ・ドリフト」はアメリカ発祥のモータースポーツ。
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フォーミュラ・ドリフト・ジャパンを運営しているMSC代表の岩田さんが、アメリカでフォーミュラ・ドリフトを見たときに、プロのモータースポーツとして確立されているのに感銘を受けて、交渉し日本での開催にこぎ着けたとのこと!
こうして2013年にフォーミュラ・ドリフト・ジャパンが日本で開催されました。
プロスポーツにこだわったフォーミュラ・ドリフト・ジャパンは、審査基準を始め各種レギュレーションがホームページ上で公開されているのも面白いところ。これにより誰もが納得のできる結果を出すことができるのです。
※フォーミュラ・ドリフト・ジャパンのサイトより(https://formulad.jp/fdj-history/)
そんなコンペティションなドリフトに拘ったフォーミュラ・ドリフト・ジャパン。その魅力はドリフトに長年携わってきたドライバーはもちろん、次世代のドライバーにも伝わっているようです。
長年ドリフト競技に参戦している
ベテラン から、
中学生ドライバー(!)の箕輪大也選手 まで、幅広い年齢層のドライバーが戦っているのが特徴的です。
聞くところによると、箕輪大也選手のエントリーを認めてもらうために運営代表の岩田さんは、
箕輪選手が通う中学校に直接出向いて校長先生に直談判 したんだとか!
それだけ、ドリフトの発展に対する熱い想いがあることが伝わってくるエピソードです。
そしてフォーミュラドリフトジャパンの魅力は他のカテゴリーで活躍するドライバーにも広がっている様子、昨年は
WRCチャンピオンのカッレ・ロバンぺラ選手がスポット参戦をしていきなり優勝(!) を飾り話題となりました。
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今回の富士の開幕戦にも参戦していて、多くのファンがサインを求めていました。
そして今回は新たに国内トップカテゴリーである「SUPER GT」や「スーパーフォーミュラ」に参戦する
大嶋和也選手もスポット参戦!
話題性の高い開幕戦となっていました。
大嶋和也選手はもともとドリフトに興味があり、様々なタイミングがかみ合って今回の参戦になったとか。
でもドリフトに目覚めたのはGRモデルを始めとした
トヨタの市販車での開発でスライドコントロールをしたことがキッカケ とのこと。
>>合言葉は「壊してくれてありがとう」。レースで鍛えられた新型GRヤリスの過激すぎる進化の中身
フォーミュラ・ドリフト・ジャパン参戦にあたり、モリゾウ氏にも相談したところ
「なんでも挑戦してみたらいい!」 という声を貰って参戦を決意したそう。モリゾウ氏も現地に応援に来ていて、ドリフトマシンに興味津々の様子でした。
4月6日の土曜日に行われたのが予選です。
予選では1台ずつ走行、それだけの選手には2本の走行機会が与えられます。
採点は、ドリフト角度の
「アングル」 、指定されたポイント(ゾーン)を通過するかの
「ライン」 、そしてスピードや迫力、タイヤスモークやパッションなどの
「スタイル」 の3項目の合計得点で順位が決まり、2本の走行の内、得点が高い方を反映します。
ここで会場を沸かせる走りをしたのが
カッレ・ロバンぺラ選手!
1本目で唯一の90点超えとなる92点を記録!
2本目ではそれを超える96点を記録!
解説をしていたドリフト出身のレーシングドライバー谷口信輝さんも
「お手本のような走りだね!」 と絶賛。
しかし、それを超えてきたのが
中学生ドライバー箕輪大也選手 。2本目でほぼ減点するべきポイントがないような走りを見せ98点を記録!
これで予選トップ通過となりました。
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翌7日には決勝トーナメントが行われました。
予選トップ32の選手たちが戦うTOP32では、先行の
「リード」 と後追いの
「チェイス」 の2台同時走行で、リードとチェイスを入れ替えて1つのバトルに付き計2本走行します。
2台同時のドリフトは迫力満点です。
そしてTOP32の1組目でまさかの展開が!
なんと予選トップの箕輪大也選手がミスをしてしまいまさかの敗退。昨シーズンチャンピオンのKANTA選手もマシントラブルによりTOP32で敗退と波乱の展開となりました。
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カッレ・ロバンぺラ選手はTOP16でチームクスコのチームメイトである草場佑介選手と対戦。好勝負を見せ、草場佑介選手がTOP8へと進出。日本人選手の意地を見せていました。
最終的に優勝したのは小橋正典選手。2位には高橋和己選手、3位に山下広一選手が入りました。
山下広一選手はドリフト競技歴20年以上の大ベテラン!
様々な年齢層のドライバーが入り乱れて、誰にでもチャンスがある。そんな面白さがフォーミュラドリフトジャパンにはあります。
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カッレ・ロバンぺラ選手や箕輪大也選手など、話題のドライバーが多くいる強豪の
「チームクスコ」 。選手たちのテクニックももちろんですが、チームにも強さの秘密があるようです。
元々ラリー競技などで名をはせたクスコは、トラブルに対する対応も迅速!
フォーミュラ・ドリフト・ジャパンでは競技中のトラブル時、5分間だけ修理が認められているのですが、この5分間で確実に直すためにクスコはあらゆる対策をしています。
予選終了後の土曜日の夕方、チームクスコのピットを覗いてみると、
何とリアメンバーのAssy交換の練習をしていました!
「スタート!」 という合図と共に素早くジャッキアップをし、タイヤを外し、デフやプロペラシャフト、サスペンション周りが一体となったリアメンバーを外して、もう一つ用意していたメンバーAssyと入れ替える!しかも5分で!
F1のピット作業よりもスゴ技かもしれません。もしものトラブルの時は素早く対処できるAssyごと入れ替えるのがクスコ流。こんなバックアップ体制もドライバーが思い切って攻められる勝利の要因になっていることでしょう。
次回のフォーミュラ・ドリフト・ジャパンは
5月18日、19日に鈴鹿ツインサーキットで開催予定 。気になった人はぜひ観にいってみてください!
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みんじど特派員 S
大人びた風貌と物怖じしない強心臓、溢れ出る自信からベテラン感を漂わせているが、実は想像よりずっと若いフリーの自動車ライター。
富士スピードウェイを自身の庭と豪語し、サーキットによく出没しながらイベントレポートも多く執筆、また自身でヘルメットを被りステアリングを握る日もある。自称いま期待の若手のホープ(?)。