幸せの国

日本では餓えて死ぬ人はいない。
そう考えている人はどのくらいいるのだろう。

つい最近、派遣切りが問題になった。

そこで注目されたのが生活保護のお金。

本来、生活保護とは何らかの理由で就労に困難をともない、生計が成り行かない人に払われるべき最低限の文化的な生活を保証する為のお金。

これを規定するのは地方自治体であり役所の管轄である。

正確で明確な審査基準はない。

とある自治体では自家用車所有で、冷暖房完備の快適なマンションに暮らしていても支払われる。
しかし、とある自治体では70代の一人暮し、冷暖房なし自転車がせいぜいあるだけの慎ましやかな生活の人が認可されず、年金に頼り切り生活をし、餓死するという事件が起こった事も記憶に新しい。
また、派遣切りにあい、ホームレスにならざるをえなかった人間がホームレスだからという理由で断られたこともある。

その一方で、自治体は未だにプール金を行い、それが発覚し、謝罪するという繰り返しだ。
また、公務員には独身手当、結婚手当、出産手当など手厚い手当が支給されるだけではなく、時価相当10万円以上の物件に4万の家賃で暮らせるという既得権益まである。

確かに給料は安い。
一般企業の2/3程度である。
しかし、総支給で考えれば手厚い手当で一般企業のそれを上回ることさえある。

もう一歩踏み込もう。
給与にかかる税金のはなしだ。
その殆どは基本給に基づいて計算される。
つまりは給料を抑えることで税金を少なくしているのである。
これを金隠しと言わずに何と言おう！

地方自治体には怪しい意図が見え隠れする。

ではこのような不信感の責任はどこにある？

私は国にあると信じて疑わない。

国の代弁者である代議士、その集まりの政党。
その政党が形骸化し、空中分解して代議士の考えではなく、利権で繋がった成れの果てが1秒に億単位の損失を生む我が国ではないだろうか。
独裁政権や二党制をのぞけば40年以上政権が交代しない国家も珍しいだろう。
それが島国独特の保守的な考えの結果なのか、正当に評価した結果なのかはわからないが。
各党が街頭で配っているマニフェストに目を通しているが、やはり地方自治体の暗部には詳しく触れようとはせずに、適正化するや人員削減で片付けている。

具体的に手当の支給の廃止、給料の引き上げを歌っている政党は皆無である。

また、生活保証も子供手当や高校の無償化を歌うが年金にたよらざるを得ない人や地方自治体の生活保証の規定には触れようとはしていない。

なるほど、国民の政治離れも進むわけである。
生活の地盤が固まらないのであれば政治どころではない。

くしくも月末は総選挙が控えている。
民意がどうなるか、楽しみだ。