ペーパーコーン幻想

だーきしめたー!<それ違う

いろんなところでペーパーコーンをやたらありがたがるみたいな風潮があるのもなんとも。

大体、オーディオにこだわりだすとちらつくよね。

なんで?ってきくと、自然な音が魅力だから。柔らかい音が魅力だから。音色が魅力的だから。
こんな答えを漠然と返してませんか?

やりこんでる人ほどペーパーコーンは好き嫌い分かれますね。

うちはウーハー以外はペーパーはいいや。

んで、ペーパーコーン。特性まで知ってて欲しい欲しくないを語ってますかね?
ここすごく疑問なんです。いつも。

というのも現存するカー用ペーパーは比較的お値段はります。理由はあるのですけどね。
買って後悔するのがオチかなぁと。
一部の人のそのふざけた幻想をぶちこわすために書いてみようかなと。

まぁ、その欠点も含めた上で魅力だと思ってる人は対象GUYですので。

まず、ペーパーコーンには3種類あります。

プレスドペーパーコーン
→紙の分子を整えて整形する。コーンの裏がまったいら。

ノンプレスドペーパーコーン
→紙の分子を整えずに整形する。コーンの裏が和紙みたい。

ミクスドペーパーコーン
→何か別の素材を混ぜ合わせて整形する。元の素材より軽く、純ペーパーよりコーンが硬い。

それぞれ利点は異なります。

プレスド→コーンを軽く作れるので反応がよい。明るい音色。
ノンプレスド→素材の粘性が高いのでより腰のある音が出せる。
ミクスド→あわせる素材によるが、比較的軽くしなる。

有名なメーカーだと
プレスド→FOSTEX、純正、eiju、Phass
ノンプレスド→HELIX、Phass
ミクスド→Carrozzeria(RS系)

ね、それなりに値段するでしょ?
壊したら痛い額でしょ?

そもそもペーパーの利点とは何かというと。
軽い、粘る。
この2点が大きいのではないかなぁと。

まぁ粘るといっても紙を触って粘つくわけでもなく、微細に歪むから体感的な域での音数が増えるくらいなのですが。

これらは裏返しにもなっていて。

軽い→高反発マグネット使えない→VC細い→大きい音無理

粘る→コーン歪む→湿気に弱い→気圧、気温、湿度に大きく左右される
　　　　　　└→大音量では暴れる→大音量無理

というわけです。

え?PA用ペーパーコーン?SW用ペーパーコーン?
奴らは別格でもあるのですが、これらに仕掛けがしてあるのです。

PA用ペーパーのほとんどはエッジをゆるくして、ダンパーやマグネットで制動してます。
ということで、VCも太く出来るから耐入力も大きく出来ます。

あと、コーンの表面を良く見るとちょっと艶っぽかったり、さわってがさついたりしてませんか?あれは表面に耐候コーティングが施してあるのです。それも紙の製造時から。それが紙の強度アップにもつながってるわけですな。

カー用のペーパーは上記のPA用などと同じようなコーティングがしてあります。
なので、ドアに入れても一応大丈夫なだけの耐候性能を持っているのですが。
ホーム用ではこのコーティングがしてあるほうが稀です。

だめになったら買い換えるならいいのですけどね。
1本4000円くらいが標準的なお値段なので、ペアで8000円。
半年でだめになったとして、年間16000円。
3年も使えば高級スピーカーに手が届きそうなお値段ですが、それを高いと見るか安いと見るか。

ミクスドでは、上記の弱点は他の素材に頼ることで改善してますが、同時に完全なまでのペーパーとしての魅力は求められません。

最後に対抗馬として注目されている別の素材は

軽さ→アルミ、チタン、カーボン、PP、マイカ、ケブラー、ノーメックス
粘り→チタン、マイカ、PP、ケブラー、竹、ウール、ノーメックス、ジュエル、銅箔

などがありますね。

ジュエルコーンとかノーメックスコーンとか竹コーンはまだカー用には無いみたいですね。
銅箔はペーパーにのせるような感じで使われますので、ミクスドの一種かもしれません。

あとは弱点を構造でカバーすることも増えてきましたね。
コーンの弱さを六角形(ハニカム)にすることで剛性をあげたりとかね。

さて、ここまで読んだ上で、まだペーパーじゃなきゃ!といいますか?

ここまで知った上で覚悟を決めてる人は真のペーパー使いだと思う。