すっごく、かっこいいですよね!!(親バカ)
ミラ、というのは星のとある種族の名前です。
ミラ型変光星といって、太陽の0.85倍から8倍の重さの星が死ぬ間際に到達する進化段階です(ミラの質量下限値は議論の余地あり)。
ミラ型変光星の特徴は、何と言っても明るさが時々刻々変化することです。
典型的には1年くらいの周期で明るくなったり暗くなったりします。
望遠鏡が発明されるより昔、くじら座のオミクロン星(ο Cet)を観測していた先人が、ある日突然、夜空に星が現れたかのように見えたので、ラテン語の「不思議なもの」という意味の「ミラ」(ミラクルの語源)と名付けました。
実際のところは、人間の目で見えるのは6等級までなので、ミラが6等より明るくなったタイミングで見え始めたことから、突然星が現れたかのように見えた、というのが真実のようです。
ミラ型変光星は大変興味深い天体で、我々の太陽もあと50億年くらいするとミラ型変光星に進化する可能性があります。
このとき、太陽は今より200倍くらいに膨れ、地球を飲み込む寸前くらいまで膨張します。
そうなると、これまで太陽の中心核で核融合反応によって生成してきた炭素や、酸素といった元素が、3rdドレッジアップと呼ばれる物質の大循環によって星表面に運ばれ、恒星風によって宇宙空間に放出されます。
我々の人体を構成する炭素や酸素、鉄などは、全て恒星の活動によって作られたものなのです(鉄は大質量星の超新星爆発時に放出される)。
つまり、我々は星の王子様、お姫様なのです!(大学時代の准教授のお言葉)
ミラ型変光星を研究することは、太陽の未来を予想することであり、とても重要な研究分野であると思います。
自然科学の研究では「2番目」では意味がありません。日本の基礎研究はこれからも世界をリードしていかなければならないと思います(まあ、太陽が死ぬ頃には人類は生存していないのですけれど...)。
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ミラバン | 日記
Posted at
2022/05/29 19:58:49