
昨日、土曜日。
久しぶりに鉄道旅へ。
お昼の12時から白新線や羽越線や
磐越西線などを乗っていた。
そして夕方、ふと思いついたのが、
SLばんえつ物語号に乗りたいな、
というもの。
鉄道は好きながら、地元の大人気列車である「SLばんえつ物語号」には未だに乗ったことがなかった。なんで今まで乗らなかったのだろうか、自分でも良く分からないが、今日突然に乗ってみたくなった。
夕方4時前、新津駅のみどりの窓口へ。本日のSLばんえつ物語号に空席があるかどうか照会してみると、なんとボックスシートが一つ空いていた。当日なのに空席があったのだ。大人気列車なのに、なんたる幸運だろうか!!
もう夕方だから、乗れるのは津川→新津まで。さっそく津川へ行かなくては。ちょうど16:08発の磐越西線会津若松行き(キハ40の2両編成)に乗り込む。この列車が津川駅でSLばんえつ物語号とすれ違うのである。そして17:13に津川駅に到着。
SLばんえつ物語号とは?
17:19に津川駅のホームに、汽笛も高らかにSLばんえつ物語号が到着。会津若松を15:25分に発車して2時間あまり走ってきたのだ。この津川駅で15分停車し、蒸気機関車への給水や整備作業、また運転席などでの記念写真タイムなどがある。私も蒸気機関車をじっくりと眺めてから、客車に入る。
蒸気機関車はC57の180号機。貴婦人と呼ばれる美しい蒸気機関車である。1946年に製造された蒸気機関車。つまり73年も前の蒸気機関車がこうやって現役で動いていることに感動する。なんとも素晴らしい。
SLばんえつ物語号のために整備をして復活したのが、1999年、つまり20年前から、SLばんえつ物語号を引っ張ってきた。
私の指定席は、6号車の4番A席。進行方向左側の進行方向に向いたいうことのない席。復路のばんえつ物語号の6号車は、7両編成の前から2両目となる。つまり蒸気機関車から2両目の車両。比較的、蒸気機関車に近いので、蒸気機関車の汽笛も良く聞こえるだろうし、走行時の「シュッシュッ」という息吹も感じるかもしれない。
と思いつつ、自分の席へ行くと、なんと荷物が置いてあるではないか。たぶん空いているから誰かが座っているのだろう。いまは蒸気機関車を見に外にいるのかもしれない。少し不機嫌になって待っていると、紳士的なおじさんがあらわれて「すみませんです」といいつつ荷物をどかしてくれた。わたしも「あ、すいません」と言いつつ、自分の席につく。自分の席に座れてホッとしたものの、紳士的なおじさんは、同じボックスの私の斜め前に座った。ボックスシートまるまる空いているはずなんだが?まあ良いけど。
SLばんえつ物語号発車
長~い汽笛が近くに聞こえて、定刻の17:34に発車。終点の新津駅に着くのは18:40だから、約1時間のSL列車の旅となる。
新津駅までの距離は38kmほどだから平均時速もそのくらい。まことにゆっくりなSLの旅。
走り出しは超ゆっくり。ゆっくりゆっくりと、しかも蒸気機関車の鼓動、つまり、「コクッコクッ」という細かい前後動を感じながら加速する。上を見上げると真っ黒な煙がモクモクッと流れてくるのが見える。まさにこの加速の感じは蒸気機関車ならではのものだね。なんとも楽しい気分になってきた。
ちなみに蒸気機関車に乗るのは人生2回目。1回目は今から24年前の専門学生時代。ばんえつ物語号の走る前、限定で走った「SLえちご阿賀野号」(という名前だったかな?)で、新津から津川まで乗った思い出がある。
車内はほどほどの混み具合。各ボックスシートにひとグループずつ乗っている感じ。ばんえつ物語号は、往路は混んでいるが復路はそうでもない、と聞いていたが、復路もなかなかであるね。
列車は美しい景色の阿賀野川沿いをゆっくりと進んでいく。トンネルに入ると車内はうっすらと煙たくなる。しかし煙くてどうしようもない、というほどではない。煙の匂いがするな、くらいのものだ。しかし窓枠には黒いススがあり、指でさすると指先が黒くなった。
最高速は60kmhということだが、あまりそこまでは出さない。山間部では40~50kmhほどで走っているようだ。
三川駅に停車。ホームには2人の鉄道ファンのみ。咲花駅では少し降車があった。咲花温泉に泊まるのだろうか。
咲花からは平野部を行き、撮影者がチラホラ。五泉の手前の早出川鉄橋ではたくさんの撮影者がいた。踏切で待っているクルマの中からも手を振っている人がいるね。やはり手を振っている人を見ると、特別な列車に乗っているんだぞ、という素晴らしい気分になるね。
終点の新津が近くなると、車掌さんが各号車を回り、肉声で感謝のあいさつをしている。車内からは自然と乗客たちの拍手が起きて、なんだかジーンとした。観光列車らしい車内の雰囲気であるね。
そうして定刻の18:40、終点の新津に到着。乗客は新津駅に降り立ち、新潟駅行の電車に乗り込むのだった。
新車がいる!!GVE-400型気動車
SL列車の余韻に浸っていると、となりのホームにやけにピカピカした車両が入線してきた。ん??なんだこれは??
車体をみると、GVE-400と書かれている。
「新発田行き」となっていたので、私の帰る方向でもあり、さっそく乗り込み、ボックスシートに座る。そしてGVE-400とは何なのか、スマホで調べてみる。
ちなみに私は、鉄道は好きであるが、車両などはあまり詳しくはない。だからこのGVE-400とはどういう車両なのかは知らない。
調べてみると、このGVE-400は、先週の8月19日から営業運転を始めたばかりなんだという。バリバリの新車じゃん!!
ウイキペディアによると、このGVE-400型気動車とは、老朽化した気動車のキハ40の代わりに投入される新世代気動車(新世代ディーゼルカー)なんだという。私はキハE120が最新の気動車で、キハ40がいなくなるとすれば、キハE120が増えてくるものだと思っていたので、これよりも新しい気動車が投入されたとはまったく知らなかった。
しかもこのGVE-400は、ただの気動車ではない。普通ならキハ○○という形式なはずなのに、そうではないからだ。GVEってなんだ?
GVEとは、電気式気動車なんだという。つまりディーゼルエンジンで発電し、その電気でモーターを駆動して走るのだ。つまり電車にディーゼルエンジンと発電機を積んだようなものらしい。
GVE-400試乗記
そんなことを調べているうちに、新発田行きGVE-400は発車した。発車すると、一緒にディーゼルエンジンの回転が上がってうなりはじめる。つまりは発電しだすのだ。その電気でモーターを駆動して加速するのだね。
モーターが駆動してるわけだから、電車のようにモーターの音とVVVFインバーターの音がするはずだが、果たして、加速するときは確かにモーターの音は聞こえてくる。しかしとっても静かで、耳を澄まさないとぜんぜん聞こえない。そのモーターの音よりも、発電しているディーゼルエンジンの方がはるかに大きな音だ。
そして加速が強まるごとに、ディーゼルエンジンも回転があがりうなりも大きくなるから、まるでディーゼルエンジンが駆動してるかのように錯覚してしまう。しかしあくまでも駆動しているのは電気モーターである。
そして減速時は、普通の電車ならば、回生するモーターの減速音が響くところなのだが、この車両の場合は、モーターの減速音が聞こえない。どうなっているのかな?
というわけで従来の気動車(ディーゼルカー)から比べると、不思議な乗り心地なのだ。従来の気動車であれば、ディーゼルエンジンが直接駆動するわけなので、発進の際や、ギア変速の際にガクンとショックがあるのだが、(キハE120は、90kmhほどまで加速する際に4回もシフトチェンジするから、その都度ショックがある)、このGVE-400型気動車はそれがない。ディーゼルエンジンは発電のために回っているのであり、駆動しているのは電車のように電気モーターなのだから、気動車のような変速ショックはあるはずもないのだ。そして発進も加速も力強いのは、モーター駆動だからで、こういうところは電車みたいである。
で、結論から言うと、普通気動車であるキハ40やキハE120に比べると、あまり面白くないな、と感じた。特に加速感。キハ40やキハÈ120などの普通の気動車は、エンジン回転の高まりとともに加速していく。しかしGVEー400は、ディーゼルエンジンが直接駆動しておらず、ただの発電機なので、加速の感覚とエンジン回転が合っていない。だから、違和感を感じてあまり面白くないのだ。
クルマの世界でいうと、日産のノートe-powerやセレナe-powerと仕組みは同じ。この2台はエンジンで発電した電気で電気モーターを駆動して走る。この2台も加速感は面白くないものと想像する。乗ったことないが・・・。
JR東日本によると、今後、このGVE-400型気動車は老朽化したキハ40型気動車の代わりに投入していくとのこと。ということは、今後、キハ40がどんどんいなくなり、どんどん、このGVE-400が増えていくということらしい。
私はキハ40が大好きなので、このGVE-400が投入されることで、キハ40がどんどん駆逐されていくのは少し悲しい。キハE120も増えないのかな?
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というわけで、
24年ぶりに乗ったSL列車、ばんえつ物語号、
思わず出会った新車の新世代気動車・・・
楽しい一日であった。