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イイね!
2023年12月03日

バラッドをお前に・12

バラッドをお前に・12


















皆さん、わんばんこ!

写真は、伊香保博物館のケンメリの前で、センチメンタルジャーニーな想いに浸ってる豊子さんです

・・・(*´艸`)








では、バラッドをお前に





どうして、日本の学校に転校した事を、ユンソナに直ぐに報告しなかったんだろ




どうして、ユンソナに会いに横浜に行かなかったんだろ




そりゃ、私だって中学時代は必死で在日って事を隠して、一人も友達を作らなかったし、修学旅行の積み立ても出来ないから行けなかったけど




それは、それで、全然平気だった


母親が蒸発したけれど、父親は帰って来てくれたし、弟もいた


土手部落は優しいオバちゃんばかりで


中学からバイトしてる店のオバちゃんは、母親のようだったから



日本の学校に転校し、全然平気だった理由を、今更、気付いた





そして、ユンソナは私と違っていて、たった一人で横浜に転校したのに



そんな当たり前の事を、私は感じられていなかった



しかも、高校で豚子と一緒になり、あっと言う間に仲良くなり、何でも話せる友達ができた






皆んなと遊ぶのが楽しくて、ユンソナの事を忘れていた自分が、薄情で最低だと、さっきユンソナに言われたことで、思いしらされた









三段シートからノーマルに戻され、掴む場所が無かったので、豊子は豚子の背中にしがみ付き、そんな事を考えていた













・・・北ウイング・・・







豚子が伝言を頼まれた、南口の北ウイングって、ややこしいー店は、どぶろく横丁を通り過ぎると


ケンメリと族車が三台止まっていたので直ぐにわかった


二人が店内に入ると





「いらっしゃーい、アレ?」


特攻服とスカジャンの二人を見て、綺麗なママが不思議そうな顔をした




「デブ巨摩さん、いてますか?」


豚子が綺麗なスナックのママに尋ねる



「あーそっち関係ね、奥に居るわよ」

ママは細長い、狭い店内の奥を見て、細い綺麗な指を差して教えてくれた





豊子と豚子は初めて入る、煙草の煙と酒の匂いが充満したスナックに内心ビビりながら、奥のテーブルに歩いていくと





そのテーブルには、不良が四人座り酒を飲んでいて



「おっ、何だか可愛いのが来たぞっ」



真っ赤なリーゼントが二人を見て驚いた




「デブ巨摩さんは、どちらでっか?」



「お嬢さんこそ、どちら様ですか?」


真っ赤なリーゼントが、豚子に聞き返した



「浜川崎の使いで来た、豚子です」



「豚子?」


四人が、顔を見合わせた


「もしかして、豚美の妹?」




「はい」



「そっちの特服の、気合い入ったお嬢ちゃんは?」


「黒猫パクちゃんの後輩の豊子です」




「・・・・・・」




「デブ巨摩さんじゃなくて、巨摩さんだけで、いいんだけどなー」



一番、体格のいい男が、おしぼりで顔を拭きながら、豊子と豚子に言った




「これ、渡してくれって頼まれました」



「おっ、ついにラブレターかっ」


デブ巨摩さんが、受け取りメモを見る



「なになに?ハラミ定食に生ビール1500円?」




「違います、裏ですわ裏!」



デブ巨摩さんが、声をだして読み上げると、豚子が慌てて訂正




デブ巨摩さんは、裏を見ると




「俺に、このメモの場所に来いって豚美ちゃんが言ったの?」


メモをテーブルに乗せ、他の三人に見せながら言った






「はい、借りを作らせてくれとの、伝言ですわ」




「豚美ちゃん、一人で行ったの?」



「いや、鮫島さんと大師の黒猫です」



豊子が補足の説明をした



「鮫島とパクも?」



「パクちゃんは、既に先に一人で突っ込んでます」



「昨夜の産業道路と環八の件か?」


真っ赤なリーゼントが呟き、煙草をガラスの灰皿に押し付けた




「何でパクは、先に一人で突っ込んだの?」


「昨夜、後輩が拉致されたのを、勝手に一人で助けに行きました」




「・・・・・」



豊子が説明すると、四人とも酒を飲むのをやめて、急に黙り込んだ




「おい、本隊は30分以内、他は、この住所に走らせろ」



「他はって、どれくらい?」


赤毛リーゼントが、デブ巨摩さんにきいた



「都内も含めて全支部だ、バックレた支部は俺が潰すって言え」



「都内って、ゴーストも?」



「そっちは、県内の相模原だけでいい」




デブ巨摩さんが言うと、ついさっきまで酔っ払いだった三人は、ダッシュで店から出て行ってしまった



「二人とも、ちょっと待ってて」


デブ巨摩さんは、店の奥の住居スペースに入って行ったので



「はあー緊張したわ」

豚子が残りのグラスを飲んだ



「ちょっと、ヤメなさいよっ!」



「ほら、こっちは水や」


豚子は豊子に水をつぎ、豊子も一気に飲み干す




豚子はスナック独特の高いんだか安いんだか、どっちか分からない、赤いソファーに座り煙草まで吸い出した





「ちょっと、アンタ、くつろぎ過ぎよ!」



「なかなかエエ感じやから、豊子も座ってみ~」




豊子の注意を無視し、バカ社長のように、くつろぎまくってる豚子が煙草を吸い終わり、灰皿で揉み消すと





「さて、一緒にドライブに行こうか」



なんと、デブ巨摩さんは、白い特攻服に着替えていて、背中には何代目 代○期 総長の金文字が



豚子と豊子は驚いて、顔を見合わせる




「ほら、早く早く!」



デブ巨摩さんに、後ろから背中を押されて店をでると、既に5〜6の単車が集まって来ていて






「二人は何で来たの?」



「あのインパルスですわ」


豚子が指を指す



「おぉぉーいいね!でも単車は置いて、コッチに乗って」



デブ巨摩さんは、ケンメリのドアを開け、助手席のシートを倒した



「でも、こんな場所にほっておけんし」



大丈夫、この店の前なら、鍵つけっぱでも、盗まれないから




ガボーン!



ソレタコデュアルのケンメリが重低音の排気音で唸り、二人を乗せて走りだした




5分程、デブ巨摩さんのケンメリがゆっくり走ると、線路の高架下の駐輪場には、何台もの族車が集まっていたが





「おおー大体揃ってんな」


パラリラ ♪パラリラ~♪


デブ巨摩さんは、そう言っただけで、ヤンキーホーンを鳴らすと、殿町のような気合いの挨拶もルート説明もせずに素通り



ブオォーん!

ブン!ブン!ブブーブン!




すると、駐輪場から直管の単車が次々とケンメリの後を追うように飛び出して来た





「豚子ちゃんは、普段も関西弁なんだねー」


デブ巨摩さんは、ハンドルを握りながら豚子に聞いた



「いや、ちゃんとスナックでは標準語やったし」




「えっー!」

豊子とデブ巨摩が二人で叫ぶと



「なんや?豊子まで」


「いやいや、全然標準語になってなかったって」



「ちゃんと、ハイやらデスって返事してたやんか」



「ハイとデスが標準語って・・」



「二人共、面白いねー」


デブ巨摩さんは、体格通り大声で笑う



「ところで、拉致られたダチって女の子なの?」



「いや、黒猫の男子です」



「昨夜、浜連と剣走が走ったのが関係してんでしょ、原因は何?」




「その黒猫男子、アンソンっていうんですけど、アンソンと仲がイイのが朝校の剣汝のレディースだったんです」



豊子が後部座席から説明する




「おおー青春してるね!でも何で剣走が乗り込んで来て、拉致られんの?黙ってりゃ済んだ話じゃん」






そこからは、豚子が黒猫パシリ達と、剣走の二人と剣汝の頭をブチのめした経緯を説明したんだが、



豚子の説明中に、三人が乗っているケンメリの前にも、族車が走りだし



次から次へと、族車が合流してきて、いつの間にか、極楽寺集会より多い台数で走っていて





(まるで、百鬼夜行のようだ)





豊子は、ケンメリの後部座席の小さな窓から眺め、恐竜の尻尾のように大きな、流れる単車のテールランプを見て思っていた




やっと、豚子の説明が終わると




「なるほどねー鮫島って意外とイイ奴だろ」



デブ巨摩さんが、意外にも鮫島さんを評価した




「それっ!ウチも最初は大嫌いやったんよ」



「極楽寺集会あたりから、なんか、イメチェンしたよね」




「パクは、あのまんまだけど、鮫島は見た目と行動が逆で陰湿だから誤解されやすいんだよ」


デブ巨摩さんがフォロー



「なるほどやねー」




「パクちゃんのFXって、デブ巨摩さんが譲ったんですか?」



「いや、俺の先輩だよ」




「あのーホンマにデブ巨摩さんは、ウチらの総長なんでっか?」



「ちょっと!なんて事聞くのよ」



「ハハハ〜総長には見えないってか?」



「いや、オネーが先輩とか借りとか言うから、もっと恐い人を想像してたんやけど」



「そりゃ、豚美ちゃんの方がよっぽど恐いよねー」





ガボーン!ガボボー!



デブ巨摩さんは豪快に笑って、ギヤを落としケンメリを少しだけ加速させた















・・・横浜デスロード・・









豚子と豊子が、デブ巨摩総長のケンメリに乗り、港北の工業団地に向かいだした頃


殿町のいつもの集合場所では、極楽寺集会より多い台数が集まり


鮫島は気合いの訓示を無しにして拡声器を持ち、皆の前に立った






「港北の工業団地、ルートなし!的は剣走、見つけたら一匹も逃さず、ぶっ殺せ!」




「ういっす!」


全員が気合いで答える



「他所の浜連はシカトしろ、とにかく港北の工業団地まで死ぬ気で走れ!」



「ウイッス!」


皆が挨拶すると、鮫島はラッシャーに拡声器を渡す





「パクちゃんとアンソンを助けるまで、帰れねーからなっ!今日は大師が頭で突っ込むぞ!」



「ウイッス!」


声が一段と大きくなる




「テメーら畳の上で死ぬんじゃねーぞ!」



最後に豚美が怒鳴ると



「ウイッス!」



「出ろやー!」


豚美の、合図で三支部は一斉に走りだした















産業道路に爆音が響き、鶴見をシカトして生麦も超えようとしていたら


案の定、生麦の浜連、消暴とカチ合った




「テメーら毎回毎回、ただで通れると思ってんじゃねーぞ!」



「横浜なめてんじゃねーぞ!」





いつものなら、ラッシャー君が運転でパクちゃんがケツなのだが

ゼットンが代わりにFXを運転し、ラッシャー君がケツに乗っていた







「どけやー!」



ラッシャー君は飛び降り、木刀を持って消暴に一番に突っ込んだ


生麦に混じって、剣走もいる



「浜連死ねやー!」



「クソ猫があぁ!」



「テメーら邪魔なんだよー!」


あちこちで単車を降り、乱闘が始まる





「ここは、いいから先に行けっ!」


鮫島が黒猫軍団に言うと




「すみません、行かせてもらいます!」




「馬鹿野郎〜どけえぇ!」


ブン!ブオォー!



叫びながら、キムコのヨンファが、乱闘の隙間をぬって一番に走り抜けた




「続けぇー!」



ラッシャーが、FXのケツに乗り叫ぶと、乱闘の間を縫って、次々と黒猫の単車が走り抜ける



ブン!ブオォー





「馬鹿野郎!黒猫は通すんじゃねーよ!」




「ボケっとしてんじゃねーよっ!」



大仏パンチさんが、次々と殴り倒す







すると、後ろから、喧嘩集団の鶴見の死天狂の軍団が、襲いかかって来た






「豚美ー死ねやー!」




鶴見の大会で、一触即発になった、少年ヤクザの松方が、挟み打ちするように、現場で使う解体用の特大のバールを引き摺りながら突っ込んで来た






「テメー等上等だよ!」



「オラッー!」



見逆えなく、特大バールを振り回す、死天狂の松方




豚美支部は、後ろから来た鶴見の死天狂に応戦したが



その死天狂は、単車の他に砂利トラに何人も乗せて来たので、乱闘になっている今夜は、ここぞとばかりに強さを発揮した





「おらー!」



「豚美とパクを狙え!」



松方が特大バールを振り回しながら叫び、川猫軍団をブチのめしながら歩く




挟み打ち状態なので、ジリジリと追い詰められる、鮫島支部と豚美支部



「豚美!コイツらに構ってないで、お前らも先に行けやぁ!」




鮫島が叫ぶが、



「自分の心配してろやー」


鉄パイプを振り回しながら豚美が叫び、死天狂の松方に応戦する



「死ねやー!」


豚美が松方に鉄パイプで殴りかかるが、特大バールで弾き飛ばされ、前蹴りでふっ飛ばされた




「パクがいねーじゃねーかよ!」



怒鳴りながら、倒れた豚美に、松方が特大バールを振り上げた時







ブオォー!ドンっ!


「ぐっえぇー」



青いヨンフォアが、特大バールを振り上げた、松方を横から跳ね飛ばした





「豚美ちゃ〜ん!」



なんと羽田と蒲田の猫支部と怒羅美を引き連れて、麻衣子が後ろから死天狂に襲いかかっていた





「麻衣子!」


豚美が叫びながら、麻衣子に跳ね飛ばされ、疼くまってる松方の脇腹に渾身の蹴り



「ひでっぶっ」


そして特大バールを持った右手を、踵でおもいっきり2回踏み付け、何本か指が折れる音を確認し、最後に顔面を蹴り上げた





「おらっー!剣走出て来いやぁー」



鬼神のように、ヌンチャクで次々とブン殴りながら、怒羅美の麻衣子が手当たり次第にブチのめす




後から来た、3チームのおかげで、逆に挟み撃ちに出来、死天狂のアタマ、松方をKOし勢いにのった




「豚美ー!ここは、俺らでやるから、早く行けって!」



鮫島が、剣走の一人を引き摺りながら怒鳴る




ファンファンファン


直管の爆音に混ざり、パトカーの音も微かに聞こえてくる




「よっしゃ、ウチらも走れー!」



豚美が叫び、京子と麻衣子も単車に飛び乗り、次々と豚美支部と怒羅美が、乱闘の隙間を縫って走りだし



アンソンが拉致られ、パクがたった一人で乗り込んで行った


港北の工業団地を目指し、アクセルを捻った










































つづきま~す🐷















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Posted at 2023/12/03 20:34:15

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ありがとう〜🥹

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