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2023年12月04日

バラッドをお前に・13

バラッドをお前に・13

























アンソンとナムルの身体は、既に痺れを通り越して、全く何にも感じていなかった



そして、アンソンの目は自分でも、開いているか閉じているか分からない程、腫れ上がり、微かに声が聞こえるだけだった






「おい、黒猫で京浜地区の有名人だからって、横浜をナメ過ぎじゃねーか」



両手を後ろに縛られた、パクちゃんの顔面に、剣走の頭の哀川がサッカーボールキックすると


ガハッ!

アンソンの耳に、呻き声が、かろうじて聞こえる



「殺すなら早くやらねーと、オマエが死ぬぞ」



パクも、既にボロボロになっていたが、ナムルとアンソンに比べれば、まだまだ気力が残っていた





「オメー野口英世って、朝校で習ったか?」




哀川が縛った後手を、ナイフで解き、パクの右手を握り、ガムテープでグルグル巻きながら言う




「生憎、俺は中級までだ」




「だったら、教えてやるよ、野口英世ってのは、火傷して指がくっついちまって、手が開かなくなっちまったんだってよ」



そう言いながら、ジッポオイルをグルグル巻きにした、右の拳にかけだす




「なっ、テメー」



「甘ぇーんだよ!」



哀川は、さらにパクの腹にキック




「ほら、良く燃えるように、二度と単車に乗れないように、全部かけてやるよ」





そう言って、更にジッポオイルをかけ、ドップドップとオイルが流れる音が不気味に倉庫に響きわたり




「根性焼きなんて、ガキみてーな事はしねえからな」




哀川がジッポを取り出した










大編隊で、豊子と豚子を乗せたケンメリが廃倉庫に着くと、既に他の川猫支部が到着していて、剣走は一人も居なく何台か剣走のステッカーが張った単車が乗り捨てられていた





「暇だから、掃除しといたぜ」





デブ巨摩が、ケンメリから降りると


スナックにいた、赤毛リーゼントが来て言う








サンキュ~デブ巨摩は、赤毛リーゼントに挨拶すると、


「二人は待ってて」



豚子と豊子に告げ、コンビニでも行くように、廃倉庫の中に消えていった




「あっ、大丈夫なんですか?」



「中にも何人かいるんちゃうの?」



豚子と豊子が、赤いリーゼントの人に思わず聞くと



「全然平気だよ~ん」


笑いながら、言う










ガン!がん!

分厚い鉄製の、廃倉庫の扉を叩く音が響いた



「なんですかね?」


剣走の一人が言った




ガン!ガン!



「すみません、開けて下さ〜い」




「ちっ、なんだよ!おい見て来い!」



哀川が命令すると、鉄製の扉から一番近いメンバーがドアを開けた瞬間



「あっ!」


と言った瞬間に、首から上が吹っ飛び、後頭部からブッ倒れた





「えっ・・・」



(; ̄O ̄)(; ̄O ̄)




倉庫内に居た、剣走のメンバーが驚く




「おーい、パクちゃん生きてる?」


デブ巨摩が、友達の家に来たように叫ぶと





「なんだテメーは!」



剣走の一人が殴りかかろうとしたが、金縛りあったみたいに、止まった




「あーなんだ、このデブは?」




哀川がジッポをしまい、近寄ろうとすると




「あの特服は、川猫の頭っす」


アンソンを木刀で滅多打ちにした、剣走のメンバーの一人が呟いた




「なんだとー!外に居るウチの奴等はどうしたっ?」



哀川が叫び、剣走の奴等が外を見ると、全て川猫の大群であった



「哀川さん、ヤバイっす囲まれてます」



「なんだとー!」




「とんでもない台数ですよ・・・」


「ゴーストもいます・・・・」


覗きこんだ、違う剣走の特服も震えながら、哀川に注げると





ブォーン!ぶぉーん!


更に、直管が集まる音が聞こえ





「おおーやっと、海側の問題児達もきたな」


デブ巨摩が言う




「オメーが、川猫の頭か?」




「あー誰よオマエは?」



「テメー!ふざけんじゃねーぞ」




「おーい、パクー大丈夫か?」



デブ巨摩は、剣走のアタマ・哀川を、シカトしてパクに近寄り声をかけると




「うっす、すんません・・」



「よっし、平気だな、こっちの小僧二人は?おーい!」



「うっうっ・・」



アンソンとナムルは、喋る気力が既になくなっていた



「ちょっとヤバイかな~おい、ウチの奴、6人ぐらい呼んで来い!」



デブ巨摩は、ドアから覗き込んだ、剣走の奴に命令





「えっ?」




「そう、お前、呼んだら、そのまま逃げいいからよ」



「えっ・・・?」





「逃げていいから、早く呼んで来いって」


野良犬でも追い払うような手つきをしながら、デブ巨摩がいうと、剣走の奴は、ダッシュで倉庫から出ていった



「おい、待て!」


哀川が叫ぶと




「さてと、これで終わりにするか、剣走をオマエの代で潰すかどっちか選べ」





「なんだと?」



「ホラ、逃げたい奴は、裏から逃げていいぞー」



デブ巨摩が叫ぶと、一斉に倉庫に居た剣走メンバーが裏口に向かって走りだした




「テメーら逃げんじゃね!」



哀川も叫ぶが、あっという間に一人になってしまい





「アンソーン!」


黒猫パシリの4人組と、豊子と豚子が叫びながら、倉庫の中に走って入ってきた



「大丈夫?」


「生きてるんか?」


「どっちが、アンソン?」


「GSのツナギだから、こっちじゃね?」




皆で、瀕死のアンソンとナムルの顔を覗き込むと





「なんだよ、風神雷神まで来たのかよ」



振り向くと、ボロボロになったパクちゃんが、座り込んでた




「パクちゃーん!」


二人はパクちゃんに抱きついた





赤いリーゼントの人達も入って来て、アンソンとナムルを担ぎ上げて運びだす




「よっし、帰ろうか」



デブ巨摩の号令で、皆んなが倉庫から出ようとすると



「おい!テメーら待てよ!」


剣走の哀川が怒鳴った



「なんだよ?」



「俺の、オトシマエはどうなるんだよ?」



「知るか、オメーなんか興味ねーよ」



デブ巨摩が、吐き捨てるように言うと、哀川は地面にへたりこんだ






倉庫から出ると、豚美達も来ていて




「うっす、ありがとうございました!」


豚美、ラッシャー、黒猫全員が、並んでデブ巨摩に挨拶





「豚美ちゃーん!借りだよね~」




「うっす!」



「じゃあ、Xmasイブにデートねっ!」

・・・(*´艸`)




「じぇじぇじぇ!」




「豚美ちゃん、モテモテじゃーん!」



「オメーは、うるせーんだよ!」



麻衣子が茶化すと、豚美が怒鳴なり、



ボロボロの特攻服を纏った皆んなが笑った














帰りは、来た時より多い台数で、パトカーも交差点で指をくわえて見ているだけで、まるで参勤交代だった



ケンメリの後部座席で揺られながら


豊子は店に残してきたユンソナの事を考えていると




「デブ巨摩総長さん、ちょっと助手席に移ってもエエですか?」



「えっ、なんで?」



デブ巨摩の許可も貰わないうちに、豚子は後部座席から無理に助手席に移る



「ちょっ、ちょっと豚子ちゃん危ないって!」



デブ巨摩が注意するが、「よっこらしょ」と言いながら豚子は窓を全開に



「ちょっと、寒いから閉めなさいよ!」



「一度やってみたかったんよ~」



豊子も注意するが、豚子は聞く耳もたずで、なんと体を乗り出してハコノリりしだした



「ちょっと、豚子ちゃん!」


「危ないから止めなさいよおおお!」


デブ巨摩と豊子が注意するが



「いええええ~♪」


豚子は手のひらを返し音頭をとり、ケンメリの周りを走ってる、単車をあおる



ブン!ブブブン!ブン!ブブブン!


一斉にコールが返ってくる





「いえ~豚子ちゃ~ん!」



麻衣子さんの青いヨンフォアが、総長のケンメリを追い越し、激しいローリングをみせる



「いえ~麻衣子さ~ん」




ブン!ブブブン!ブン!ブブブン!



「お~い!豊子~」


キムコとゼットンも来て、コールしながら叫ぶ




「総長さん、すいません・・」



豊子が謝ると、




「今夜だけ、サービスね」



パラリラ ♪パラリラ~ ♪



ケンメリからヤンキーホーンが流れ



ハコノリしている、豚子のポニーテールが



冬の澄んだ空気の夜空に舞った


















































第一部 おわり










ブログ一覧 | スローなブギは、止めてくれ | 日記
Posted at 2023/12/04 22:32:15

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ありがとう〜🥹

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車やバイクは詳しくないのでスルー出来るけど

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。。。つい」
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