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Hirota Engineeringのブログ一覧

2025年07月30日 イイね!

Ferrari 308GTS:エンジンとトランスミッションの結合作業 完全ガイド #パワーチェック リベンジ第21話

Ferrari 308GTS:エンジンとトランスミッションの結合作業 完全ガイド #パワーチェック リベンジ第21話

本日は、フェラーリ308 GTSのエンジンとトランスミッションの結合作業、と言う内容でお伝え致します。エンジンとトランスミッションを結合させる事で、パワートレインと言う一つの大きなアッセンブリーを形成する事になりますので、本日は、大変達成感のある作業となります。

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フェラーリ308のパワートレインレイアウトは現代の一般的な日本車ではまず見る事ができない、極めて特徴的な構造をしておりますため、作業自体には大変新鮮味がありますが反面、戸惑う事多々、普段の作業では決して見る事ができないシーン満載となります。

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このパワートレインの全体的な構造として、まず、クランクシャフト後端に位置するフライホイールとクラッチから、その後にある3つのギアトレインに動力が伝えられ、そこで30:27のギア比により減速された後、今度は一番下のギアから180度向きを変えて横平行2軸のトランスミッションのインプットシャフトに動力が伝えられるようになっています。つきましてトランスミッションはエンジンのオイルパンのちょうど真後ろにレイアウトされる事になります。これにより、パワートレイン全体の幅を短縮し且つ、重心を下げています。通常良く見られるエンジンの横隣に配置されるトランスミッションの構造とは全く異なるレイアウトになります。これらの事を念頭に置き、本日エンジンに組み付ける部品は、

・トランスミッション+オイルパンAssy

・クランクケース後端の一部となるサンドイッチプレート

・フライホイールとクラッチ

・ベルハウジング

・3つのギアのギアトレイン

となります。

まずは、トランスミッション+オイルパンAssyの搭載になりますが、分解前の状態では、エンジンオイルやギアオイルの漏れが非常に激しく、外側はそのオイルの汚れや煤で真っ黒でした。従いましてまずエンジンへの結合作業を行う前にその外観の汚れをきれいにする必要がありました。スプレータイプの洗浄液を汚れている部分にひたすら掛けては拭き取り、それを丹念に繰り返す事できれいにしていきます。トランスミッションと今回対象の部品トータルの洗浄に10本余りのスプレー式洗浄液を消費しました。

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そのような状況でしたので、内部のオイル漏れ対策も今回は綿密に行い、可能な限り全てのオイルシールパーツを交換しています。しかしこれに難儀を要し、格闘する作業のオンパレードでした。

詳細は、YouTube動画の方で詳しく解説しておりますので、是非ご参照下さい。
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この動画は、エンジン組み立てのマニュアル的な物とお伝えはしておりますが、そういった技術内容を理解した上での正しい作業手順をこの動画の中で紹介致します。普段なかなか聞く事ができないような内容も含まれていますので、本日もフェラーリファン、エンジンマニアの方々には絶対にお勧めできる内容となっております。是非どうぞ最後までじっくりと御覧頂きたく思います。


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Posted at 2025/07/30 02:23:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2025年07月16日 イイね!

Ferrari 308GTS:バルブクリアランスの調整、バルブタイミングの計測完全ガイド パワーチェックリベンジ第20話

Ferrari 308GTS:バルブクリアランスの調整、バルブタイミングの計測完全ガイド パワーチェックリベンジ第20話本日は、フェラーリ308 GTSのバルブクリアランスの調整、及びバルブタイミングの計測と調整と言う内容でお伝え致します。
 本日の作業におきましては、エンジンの姿には変化は無く、進歩が見えづらい作業となりますが実はエンジンの性能を左右する非常に重要な工程の一つとなります。良く、誰々さんが組んだエンジンは違う、と言う形で名チューナーさんの腕が評価される事もありますが、本日の作業はそう言った細やかな調整作業部分の一つになると考えます。 
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バルブクリアランスはカムのベース円部分とバルブリフターとの間に設けられた僅かな隙間の事を言い、ここに意図した隙間を設ける事には非常に重要な意味があります。熱による金属部品の収縮、膨張、振動、音、耐久性など、多くの課題をこのバルブクリアランスで対応しています。同様に、バルブタイミングも性能、環境、燃費、音、耐久性など多くの要素を司るキーとなります。 これらの値をまずは正確に計測し、設計値とされる値に調整する事で、本来その車や部品が設計された時に意図された性能を発揮する事ができるようになります。 
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それらはエンジンを組んだ時に正確に調整する事が重要である事は言うまでもありませんが、長らく車を運転していると変化してしまう要素でもあります。従いましてこれらの作業は既に組み上がった車載状態のエンジンに対しても実施する価値があり、実施する事もできます。車種問わず当てはまる内容となりますので、今からすぐに実践でき、効果を体感できると言う方も多い作業となります。 
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動画の後半は、フェラーリ308の整備書に掛かれた独特なこの部分の作業方法をご紹介致します。現代の車と違い、各部品の寸法精度がやや落ちる部分もある為か、バルブタイミングを1台1台調整し、設計値に正すと言う事が前提の設計になっており、組み付け作業も現代の見慣れたエンジンのものとは異なります。そんなこともあり、この作業は車好きの方々にとってはとっておきのお話しのネタになるかと思います。是非知っておいて頂き損はないかと思います。 
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この動画は、エンジン組み立てのマニュアル的な物とお伝えはしておりますが、そういった技術内容を理解した上での正しい作業手順をこの動画の中で紹介致します。普段なかなか聞く事ができないような内容も含まれていますので、エンジンマニアの方には必見、是非どうぞ最後までじっくりと御覧下さい。

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Posted at 2025/07/16 01:14:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2025年06月29日 イイね!

Ferrari 308GTS:シリンダーヘッド搭載とタイミングベルト装着作業の完全ガイド パワーチェック リベンジ第19話

Ferrari 308GTS:シリンダーヘッド搭載とタイミングベルト装着作業の完全ガイド パワーチェック リベンジ第19話

本日は、フェラーリ308 GTSのシリンダーヘッド 搭載、及びそれに関連してカムシャフト、カムスプロケット、タイミングベルト装着の作業をご紹介致します。フェラーリ308 GTSで、30kgfmの最大トルクと、300PSを発生させるこのプロジェクトを通じて、エンジンの組み立てマニュアル的な動画を連載でお伝えしております。 

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本日の作業の組み立て順は、そのエンジンの形式や形状によって異なり、人によっても異なる場合があります。本日は最も一般的で失敗の少ない方法で組みますが、実はそれはこのフェラーリ308のエンジン整備書に掛かれている方法とは全く異なります。通常、と言っても私がよく目にする一般的な日本製のエンジンの場合ですが、タイミングベルト、またはタイミングチェーンを組み付けた後、側面のカバーを装着させずエンジンをクランクプーリー側から見た時、タイミング系を合わせるための全ての合いマークが目で見える設計となっています。しかしこのフェラーリのエンジンの場合、それが一切ありません。もちろんタイミング系を合わせる方法はきちんとありますが、その方法が非常に特殊であるため今回は組み立て方法を一般向けにアレンジしました。ただし一般的な方法で組み立てを行うには元々エンジンが組まれていた時に全てのタイミング系の位置をマーキングしておく必要があります。今回は分解前にそれを行っていたので、一般的な順番の組み方が可能となったと言う事です。

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 以上の様な背景がありますので、今回の動画はフェラーリ308の組み方、と言うよりもかなり一般的なエンジンのシリンダーヘッド搭載方法を解説した内容になっております。まずは、エンジンを組んでしまい、次回の動画でご紹介する、バルブクリアランス、及びバルブタイミングの計測と調整の作業に繋げていきたいと思います。 

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今回もこれからエンジンを組んでみようと言う方に役に立てるような事を念頭に置き、動画の方を作成してみました。そうでなくとも知っていて決して損になる内容ではないので、是非どうぞ最後までじっくりと御覧頂きたく思います。


Ferrari 308GTS:シリンダーヘッド搭載とタイミングベルト装着作業の完全ガイド #パワーチェック リベンジ第19話【Hirota Engineering】82 #フェラーリ #オーバーホール

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Posted at 2025/06/29 23:34:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2025年06月15日 イイね!

Ferrari 308GTS:シリンダーヘッドサブAssy の組み立て完全ガイド パワーチェックリベンジ第18話

Ferrari 308GTS:シリンダーヘッドサブAssy の組み立て完全ガイド パワーチェックリベンジ第18話本日は、フェラーリ308 GTSのシリンダーヘッド サブAssyと言う内容でお伝え致します。フェラーリ308 GTSで、30kgfmの最大トルクと、300PSを発生させるこのプロジェクトを通じて、エンジンの組み立てマニュアル的な動画を連載でお伝えしております。
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世の中には本当に数限りない程の性格のエンジンが存在しますが、その特徴を決定付ける最も大きな要因の一つはシリンダーヘッドにあると私は考えております。シリンダーヘッド内側の形状をじっくりと観察できるのはエンジンが分解された状態の時に限られますので。本日はシリンダーヘッドサブAssyの作業を解説するのと同時にその技術的視点もお伝えできればと思います。
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 エンジンの技術にはトレンドと言う物があるような気が致します。年代年代で、その時に流行っていた技術がその時のモデルに投入されたりしますが、そのトレンドが過ぎ去ってしまうと次のモデルにはまた別の技術が投入されたりしますので、ある技術が入ったモデルが欲しいとなった時はその歴代の系譜の中からその技術トレンドが盛んだった頃のモデルを探して来ると言う事が必要となります。しかしそれがまた面白い部分でもあります。
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私が所有するフェラーリ308 GTSは1978年製でありますが、特にシリンダーヘッドの燃焼室形状にやはりその時代的トレンドが強く反映されています。当時はシリンダー内に空気を多く取り入れるための手法として、とにかくインテークバルブの径を大きくする傾向がありました。そのために燃焼室を球面形状にして表面積を多く取り、インテークとエキゾーストバルブを寝かせ両方のバルブステム同士が作り出す挟み角を46度と言うかなり広いレイアウトにしています。このため、圧縮比が低くなってしまい8.8と言う現代のターボエンジン並み以下となっています。これがこの時代のトレンドでしたが、1980年代に入ってから4バルブヘッドが主流になるとバルブ総開口面積が大きく取れるようになったため燃焼室をコンパクトなペントルーフ形状にして高圧縮比を狙い、そのためにバルブ挟み角を極力狭角化する事がトレンドとなりました。この頃のバルブ挟み角は20度代が多かったと思います。
このようにこの車の燃焼室形状は当時の技術トレンドが投入された特徴的なエンジンとなりますが、エンジン運転中に非常に高温にさらされるエキゾーストバルブの摩耗対策は、今も昔も同じコンセプトで設計されています。

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この動画は、エンジン組み立てのマニュアル的な物とお伝えはしておりますが、そういった技術内容を理解した上での正しい部品の洗浄方法も含めてこの動画の中で紹介致します。普段なかなか聞く事ができないような内容も含まれていますので、エンジンマニアの方には必見、是非どうぞ最後までじっくりと御覧下さい。


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Posted at 2025/06/16 00:21:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2025年06月01日 イイね!

Ferrari 308GTS:300PSプロジェクト再開 腰下組み立て作業前のおさらい パワーチェック リベンジ第17話

Ferrari 308GTS:300PSプロジェクト再開 腰下組み立て作業前のおさらい パワーチェック リベンジ第17話本日は、このチャンネルの中で連載してきた、私のフェラーリ308 GTSの300PSプロジェクト第17話になります。
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第16話まででエンジン腰下を組み上げる作業をご紹介して参りましたが、気付けば、一番最後に動画を投稿したのは2024年の2月であり、既に1年以上、時間が経ってしまっておりました。多くのご視聴者様、並びに私のガレージにいらっしゃったお客様から『フェラーリ308のエンジンはどうなりましたか?大変楽しみにしているのですけど』 と言うお声を頂いており、本当に申し訳なく思っております反面、ご期待頂いていると言う事と解釈もでき、大変ありがたくも思っております。これほど長い期間、連載が止まってしまった理由は、他の活動で時間が無くなってしまったためであり、時間を見つけては少しずつ作業を積み重ね、この度ようやく、エンジンのコンプリートAssyを組み上げる事ができました。
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今後、何回かの動画に分けてまずはエンジンの組み立て作業が完了する所まで丁寧に解説して参りますが、先回のシリーズ動画から既に1年以上経過しておりますし、この度、新規にこのシリーズ動画をご覧頂く方もいらっしゃるかと思いますので、今回は今までの全16話をギュッと1話にまとめたダイジェスト版をご覧頂き、いままでの経緯をお楽しみ頂けたらと思います。
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そして次回からは、シリンダーヘッドのサブAssyの組み立て、シリンダーヘッド搭載、バルブタイミングの計測、ギアボックスAssyとの連結、そして、パワーユニットAssyのコンプリートまで内容を順次お伝えして参りますが、今まで以上に突っ込みどころ満載の出来事が多発しました。その後のエンジンの車両への搭載、試運転、そしてエンジン出力試験はこれから実施する事となりますが、その内容ももちろん余すことなくこのチャンネル動画の中でご紹介していく予定でおります。
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更にフェラーリ308GTSのライバル車と成り得る3L NAクラスの車種のエンジン出力試験も既に多数台実施済みであり、ネタとしてご用意できております。精度よく、正当に評価した比較結果をこの動画の中でレポートして参ります。先々の事を考えると非常にワクワクしてきますね。
フェラーリV8エンジンの組み立て工程をじっくりと観察できる機会もなかなかないと思いますので、是非どうぞ最後までじっくりご視聴頂けたらと思います。

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Posted at 2025/06/01 23:33:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ

プロフィール

「errari 308GTS:エンジンとトランスミッションの結合作業 完全ガイド #パワーチェック リベンジ第21話 http://cvw.jp/b/377010/48571180/
何シテル?   07/30 02:23
Hirota Engineering 代表 一般的な会社員でありながら趣味で車を楽しんでいる者です。 車を楽しむ中でも、特にエンジンや動力系の部分に趣を...
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