フェラーリ308GTS キャブレターの電子制御化②の続きです。
先回のブログ、フェラーリ308GTS キャブレターの電子制御化②では、機械式のキャブレターはそのままに、機械式点火制御の部分だけを電子制御化しパワーチェックを行いました。その結果得られたトルク/出力の向上効果は、0.7kgfm/13PSであり、27.2 kgfm/221 PSを達成しました。
今回は、機械式キャブレターの部分も電子制御式インジェクターに交換しました。こうする事で、点火制御、燃料制御共に電子制御式になり、いわゆるフル電子制御という事になります。
インジェクター化には、アメリカのTWM Borlaというメーカーから販売されておりますフェラーリ308用のインジェクターキットを用いる事にし、MoTeC M150 ECUの制御でエンジンを制御します。
↓フェラーリ308用TWM Borla製独立スロットルボディ+インジェクターキット
作業の第一段階として、まず初めにノーマルのキャブレターをエンジンから取り外す必要がありますが、これが簡単そうでかなり大変でした。とにかく手が入らなし、工具も入らない。
↓ノーマルのキャブレター仕様 ウェーバー40DCNF 4基です。
どうしても工具が入らない部分があったので、近所のホームセンターでそこそこ安い工具を買ってきて、工具を加工し専用工具を作成しました。何とかキャブレターが外れたものの、購入したスロットルボディー+インジェクターキットの方もなかなか思い通りに取り付ける事ができず、かなり苦労しました。
また、キットを取り付ける事ができたものの、スロットルワイヤーの先端形状がどうしても純正品とは合わず、泣く泣く加工しました。
で、何とかこのキットの移植に成功しました。
↓見た目はやはり美しいです。キャブレターに比べるとだいぶスッキリですね。
キットを取り付ければすぐにエンジンがかかるわけではなく、燃料ポンプの取り付け、燃料配管の作製、ハーネスの作製、ブローバイホースの修正、ECUデータセットなどを行いようやく始動。エンジンは大変掛かりが良く好調です。
その後、8気筒分のスロットル開度を正確に同じ位置に合わせて、全部の気筒から等量の空気が流れるように、バイパスエア量を調整します、いわゆる同調作業です。
作業の詳細をYouTubeチャンネルで紹介しています。是非ご覧ください。
キャブレターの時の始動性の悪さはすっかり改善され、アクセルペダルを踏むことなくキーを捻るだけでエンジンは一発始動、始動後のエミッションも非常に良いです。
その後、この仕様でエンジン出力試験、いわゆるパワーチェックを行い、キャブレターのインジェクター化によってどれだけトルク/出力が向上したかの計測を行いました。
結果は動画をご確認ください。
この動画の中で、今回の一連の作業に掛かった費用の方も一挙公開しております。
ノーマルの機械制御仕様 26.5kgfm/208PS のトルク/出力に対してどれだけ向上代があるか、動画を通じて是非ご確認ください。
Posted at 2023/02/02 22:06:30 | |
トラックバック(0) | クルマ