
動画配信で、昭和30年代の東宝特撮映画を鑑賞。
90年代後半から'00年過ぎ頃だったと思うが、洋画で天体の地球衝突をテーマとした映画「ディープインパクト」「アルマゲドン」等があったが、それよりも数十年前日本でもっと恐ろしい映画が製作、公開されていたのである。
'62(昭和37)年公開の、「妖星ゴラス」 当時のゴジラシリーズ同様に、田中友幸プロデューサー、円谷英二特技監督、本多猪四郎監督により制作された。
当時は米ソの宇宙開発競争が繰り広げられていた時代で、それが制作の背景にあったらしい。
設定年代は'79年となっている。宇宙探検に出発した宇宙船が地球に接近する褐色矮星「ゴラス」を発見するが、そのゴラスは大きさは地球の3/4だが質量が地球の6000倍もある天体であった。しかもそれは太陽系を目指して進行していて地球に衝突することが判明する。
この危機を打開するため、人類が奮闘するストーリーだが発想がなんとも突飛であり、質量があり過ぎるゴラスを止めることはできないので、南極に水爆の原理を利用した超巨大ジェットパイプを無数に建造し、地球を動かしてゴラスを回避しようという作戦が敢行される。
地球全体を動かすという発想の映画を制作したのは、たぶん日本だけだろうな。しかしそんな事どんなに科学が発達しても絶対に不可能だろうし、無理やりそんな事をしたら地球が滅茶苦茶になってしまうのではないかな。
ところがこれにより起きた異変といえば、ジェットパイプの高熱で南極の地底に眠っていた怪獣マグマが目覚めて出現しただけ。

おいおい、本来なら怪獣が出る程度では済まないであろう。
当初怪獣を登場させる計画はなかったらしいが、「東宝特撮だからやはり怪獣を登場させてほしい」という要望があったそうで後付けされた。
このマグマはセイウチをモデルとしているようだが巨大な爬虫類の一種という設定。しかしこれは蛇足だった。
ゴラスが地球に接近する場面で、月が飲み込まれてしまうのだがこれは「この時点で地球も飲み込まれているはずだ」という指摘があった。

YouTubeの動画で見たのだが実際に月が無くなったりしたら地球にも大異変が発生する。
日本の映画史に名を残す何とも奇想天外な映画であった。しかしこんな時代からこんな発想をする日本人は凄いなと思った。
この映画からすでに半世紀以上。設定年代からももう40年以上経過しているが近年日本でも中国やその他の国でも宇宙開発の研究が行われている。
かつてのSFみたいに、人類が宇宙の果てまで探検が出来る時代はあとどれくらい先だろうか。将来はどんな未来になるかな。
ゴラスのような天体が地球に接近する可能性は、宇宙は無限に広いので0に等しいであろう。でもこんな事が現実になったらどうなるかな。
そんな事に永遠にならないことを願います。
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Posted at
2021/04/05 10:07:18