BMW 320d 試乗 (Luxury)

熟成の３シリーズ　


久しぶりにBMWディーラーへ。現行モデルになって約2年半、自分にとっては現行3シリーズの初めての試乗。ただし、今回はちょうどディーゼルフェアーが開かれてることもあってディーラーは大混雑、試乗は、ディーラー周辺をほんの一回りした程度の短時間で終わってしまった事をお断りしておく。しかし、その短時間の中で現行Ｃクラスとの街中走行でのテイストの違いを感じ取ることが出来た。

・スタイルはやっぱりいい。非常に均整が取れている。雰囲気はエレガントなＣクラスに対して精悍な3シリーズといった印象。

・内装はいつものBMWの文法通りといった感じで目新しさは無いが質感は高い。

・エンジンは4気筒ディーゼルターボ、外で聞くエンジン音や踏み込んだ最初だけはやはりガラガラとディーゼルである事は意識させられるがそれ以外はそれ程気にならない。何よりトルク感がかなりのものでスピードの乗りは非常に良い。個人的には以前に乗ったアテンザのディーゼルより印象は良かった。

・タイヤは17inchランフラッﾄ であったが、その街中での乗り心地に驚く。現行3シリーズになって、さらに小変更もあって、乗り心地がかなり良くなったとは聞いていたが、確かに殆どランフラットを感じさせない位に良い。個人的には前項で書いた先代CクラスW204のC180ほどでは無いが、C200アバンギャルドの乗り味に良く似ていると思った。当然試乗コースは違うので単純に比較は出来ないが現行Ｃクラスのどのグレードでも感じた直接的な突き上げ感は殆ど感じない。少なくとも街中の乗り心地については、現行の3シリーズとCクラスの関係には、先代３とＣの関係からの逆転現象が見られる。


・ただし、上下動のゆったりした感じからするとランフラットタイヤの硬さを補うべくダンパーやバネ設定をかなりソフト寄りにあえて設定しているらしく、高速道路やワインディングではどうなんだろう？という心配は若干ある。一方今まで試乗した新型Cクラスの印象からすると、Cクラスはおそらく現時点では本国のノーマルタイヤに合わせた足回り設定がされているものと予想する。

・後席は予想以上に広い、おそらくCクラスよりレッグスペースはあるのでは？


まとめ

わずかな時間のせいぜい70km/h程度まででの街中試乗でしたが、予想以上の乗り心地に驚きました。少なくとも街中ではランフラットの硬さに合わせたサス設定がかなり効いているようで、現行Ｃクラスのどのグレードより現時点では突き上げがなくしなやかな乗り心地だと感じました。BMWの持ち味は言うまでも無くハンドリングを含めた走りの楽しさなんでしょうが、普通の街乗りでもメルセデスのお株を奪う走り味の良さを今回の3シリーズに感じました。次回機会があれば是非高速試乗をしたいと思います。

実はBMWは自分とは相性が悪い？ためか、たまたま？か、今まで試乗した中では心に響くモデルは無かったのですが、今回の3シリーズの試乗で初めてグッと来ました。評判通りに素晴らしい車です。

そしてCクラスも今後ランフラットタイヤを履きこなして来ればいったいどんな乗り味に進化してくるのか、BMWとのいい意味でのライバル争いが非常に楽しみであったりします。