2017年03月21日
今回は、ちょっとトイレに入って思った事を綴ります。
トイレに入って大五郎を生産している時、ふとトイレの洗浄剤を手に取り裏書を見ました。
「界面活性剤」
これって色んな物に入っているけど、なんだろう????
そもそも界面とは、水と油、空気と水等、交じり合わない物質の間のことを言って、この物質の間を取り持ち、交じり合う様な作用をするのが界面活性剤なのです。
と、そんな事はどうでも良いのですが、これを見て、頭の中でこんな会話が浮かんで来ました。
「この界面活性剤って何だろうな~?」
「おめ~それは元気が無いあそこをギンギンにするあの青い薬を溶かしてあるんじゃね~のか?」
「そっそっそ、これをあそこにシューッと一拭きすればもうギンギンって!!
ばかたれ、おめ~、その海綿じゃね~っぺよ!!」
「ゴメンネごめんね~~~~~」
と、、、、、、、、、U字工事風に呼んで頂けると助かりますが、、、、、、
これが笑えるか否かは考えないとして、上の下りを理解するには次の要素が必要となります。
・海面活性剤と言うのがトイレのお掃除スプレーに入っている。
・ちんちんの事を海綿と言う。
・バイアグラはチンチンをギンギンにする。
・バイアグラとは青い錠剤である。
・U字工事を知っている。
たったこれだけの下りを理解するのに、上記5項目の共通した理解が無いとならないのです。
この共通理解
老若男女、住む場所も生活も職業も全く違う人同士で持つのは非常に難しいものなんです。
例えば、千葉県の松戸出身の私にとってMAXと言えばMAX缶
これは激甘缶コーヒーで、今や有名で全国区?
これすら怪しいですが、このMAX缶と言えば、MAX管と呼ばれるバイクの直管に詰めると良い音がすると言う、、、、、、
こんな事知ってる人は本当に一握りでしょう。
同じ地域、同じ年代、同じ行動パターンをしていた一部の人にしか共通体験は無いはずです。
ただ、その一部の人にとっては、MAX管と言うだけで、顔がほころぶ魔法の言葉になるんです。
お笑いと言うのは、この共通体験や共通認識を引き出し、並び替え、誤読、誤用、誇張等をして笑いに変えると言う手法を多くとります。
ただ、この共通体験や交通認識と言うのが難しく、誰をターゲットにするのか、何処で披露するのか等でチョイスする言葉は変ってきます。
「運命のイタズラ」でございます、皆さんとお会いできて。
「何とお礼を申し上げて良いのか、お礼の言葉もありません。ありませんから言いませんが」
「美しい方ばかりです、首から下が」
「大型バスで護送されまして、こちらの会館に身柄を拘束されてやって来ました」
これは綾小路きみまろさんの一節ですが、これは完全にお年を召した女性をターゲットに共通体験や共通認識をチョイスしています。
くたびれた自分、亭主、嫁姑関係、寿命、等、本来ならマイナス思考な状況や言葉を明るくプラス指向で話をするから笑える。
消えそうで消えない小島よしおさんは、実は子供に人気
「そんなのかんけいね~!や、おっぱっぴ~~」
等、僕には到底理解出来ない内容で、ただただ寒くなるだけのギャグとも思えない代物なのですが、
「小島よしお的おゆうぎ会」は連日親子に大人気だそうです。
これは、笑いの対象を子供にしぼり、筋肉で武装し、子供はわき毛が嫌いだからと毛をそり
自ら保育園や幼稚園に出向いてチラシを配ったりして地道な努力をしているそうです。
一番受けているのは、子供の心を掴むリズムとキャッチーな言葉のチョイスの妙。
彼もターゲットを絞って成功しています。
僕が好きなお笑い芸人はナイツさんと博多華丸・大吉さん。
この2組は非常に良く似ています。
ナイツさんは、未だに演芸場で20人程度のお客さんの前でもネタをするそうで、広い箱でのしゃべりと小さい箱でのしゃべりでは、スピードもネタも変えているそうです。
来ている客層に合わせてネタを変え、聞き取れるスピードで話す。
大きな箱では笑い声でかき消される事があるのでつっくりと、、、、、、
小さな箱でよく話が通る時、若しくはショーレース等、お客さんが喰い気味な時は早く。
そんな笑いへの技術的な導入法を身に着けているナイツは凄いと思います。
さらに、そのネタは前記した「共通体験や共通認識」と言う意味では秀逸です。・
塙「どうもよろしくお願いします」
土「どうもーナイツです」
塙「ちょっと昨日も色々パソコソで色々検索してましたけどもね」
土「パソコンだろ ンをソと読むな」
塙「最初若い人の間ではですね 捕鯨って言う音楽が流行ってみるみたいなんですけど」
土「レゲエだよ 捕鯨流行ってねえよ」
塙「で、この捕鯨で今注目を浴びているアスベストをですね ちょっと見つけてしまったんですけど」
土「いやアーティストでしょ アスベストって石綿繊維鉱物ですからさ」
この数秒間の下りだけでも
パソコソ=パソコン
捕鯨=レゲエ
アスベスト=アーティスト
と言う「共通体験や共通認識」の誤用を利用したギャグが盛り込まれています。
しかも、ナイツの上手いのは、この「共通体験や共通認識」を1つ1つ丁寧に説明している所に有ります。
パソコソ=パソコン→んをそと読むなよ
捕鯨=レゲエ→レゲエと言う音楽が若者に流行っている
アスベスト=アーティスト→アスベストとは石綿繊維好物である。
この様に、 塙さんのボケに対して、1つ1つ拾ってゆく土屋さんは、ただ突っ込むだけではなく、1つ1つの言葉に説明を入れて、お客さんに対し記憶の掘り起こしや共通認識の植え込みをするのです。
しかも、非常に沢山の言葉を連続して繰り出すので、笑いのリズムも生まれ、その1つ1つ全てが理解できなくても、引っ掛かるワードが有るとそこからリズムによって笑いの門が開いてしまうのです。
この様に、お笑いは間とスピード、更に「共通体験や共通認識」と言ったものを駆使して引き起こされる物で、その対象や場所によって繰り出すべきネタは変化させなければならない、凄くデリケートで凄く難しい物なんです。
学校では比較的簡単に笑いを生み出すことが誰にでも簡単に出来ます。
これは同世代が同じ時間を過ごしている為、「共通体験や共通認識」が非常に多い為で、学校の先生の物まねはその典型です。
クラスの子に見せると凄く受けるのに、その先生を知らない他の学年の生徒に見せても笑いは起こらないでしょう。
テレビで時々そんな先生の物まねを見ますが、これで笑えるのは、誇張が大きく、その仕草や動きが面白く思うもので、「共通体験や共通認識」で笑っている訳では有りませんので、その笑いは根の浅い物になるのです。
この様に、トイレに入って、界面活性剤と言う単語を目にして、思いをめぐらせてしまったと言うお話でした。
Posted at 2017/03/21 11:16:53 | |
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