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イイね!
2009年09月27日

レースって戦争なんだよ、きっと。

昨日、美浜サーキットへ向かうトラックの中で若手フォーミュラドライバーといろんな話をしました。
盛り上がるのはやっぱりレースの話。
ボクが参戦していた頃の思い出話やこれから造ってみたいレーシングカーの話、彼が今抱える問題やこれからの話。
最後に辿り着いたのは、「レースって何だろう?」という根源的な話題。



ボクも彼も小学校からずっとサッカーをやってきたスポーツ少年だったワケです。
学校の授業が終われば日が暮れるまでサッカー。休みの日は試合。
そんな生活が大学3年まではずっと続いていました。

で、ボクはレースをその延長線上の「スポーツ」と捉えて参戦した為に、何の結果も残せないまま引退する事になってしまった、と分析しています。
失敗から学んだ分析から、ボクは彼に「レースって何だろう?」という話をしました。
(あくまでボク個人の意見ですからね。一般論ではなく。)



モータースポーツ、という言葉がありますが、レースは少なくとも「スポーツ」ではありません。

サッカーなら一生懸命練習してチームを強くして大会を勝ち上がって目立てば、選抜チームに呼ばれたり、その先には強豪校への進学、そしてプロチームとの契約、というステップアップの仕組みが機能しています。(最近のサッカー界の詳細に疎いので、今はどうか判りませんが)
レース界にもJSS(ジャパン・スカラシップ・システム)という立派な名前の団体があって、FJやF4のレーサーを上のカテゴリーへ引っ張り上げるという大義名分を掲げていますが、全く機能していません。だってこの10年、FJからプロドライバーって輩出しましたか?おそらく業界の一部への利益誘導の為の団体、というのが理解しやすい考え方だと思います。

話が逸れましたが、サッカーならボールコントロールの技術を磨いて、90分間ピッチを走り回れる心肺機能を獲得すれば、世界のどこの国に行っても、すぐにプレーできます。
一瞬でチャンスを作れるスルーパスが上手いとか、圧倒的に足が速いとか、持ち味があれば重宝がられて、すぐに試合で使ってもらえるかもしれません。
しかしレースの場合、どんなに正確に運転できても、4Gに耐えられる首に鍛えても、お金が無くてマシンが用意できなけりゃ何もできません。
他の資金潤沢なドライバーがレースをやる姿をピットから傍観するしかないのです。
今年の佐藤琢磨のように。


「レースってモータースポーツとか言いながら、カネが無きゃ何もできないじゃん!レースって何だよ?」ってイライラしながら何度も自問しました。

そして得られた答えは、

「レースは戦争。」

でした。

レーシングドライバーは歩兵部隊か戦闘機のパイロット、といったところでしょうか?
戦闘訓練をして肉体を鍛えて、戦闘技術を磨きます。
しかし、実際に戦うには武器が必要です。兵士の場合は、それがM16ライフルだったりRPG-7、パイロットならF16戦闘機ですね。
この武器たちがつまりレーシングマシンにあたるモノです。
戦闘に勝利して生き延びるには、より命中率が高く、射程距離も長く、装弾数が多く連射機能も壊れにくい武器が必要です。
レーシングマシンに、より高性能を追い求めるのと同じ事ですよね。

そして次に、武器があったとしても弾薬や燃料、食料といった兵站が充実していないと、長期戦には耐えられません。兵士のモチベーションにも関わる大切な部分です。
この兵站が、レースの場合は「資金」にあたるものと考えています。
消耗して次から次へと交換しなきゃいけないパーツやタイヤ、メカニックのギャランティ、マシンの運搬費用、サーキット走行料、ガソリン代、「資金」はどんどん流れ出て行きます。

ボクの場合は、あっという間に「資金」が底をついて弾切れ、ジ・エンドでした。(笑)
弾切れになったら、とりあえず退却して弾丸を補充してもう一度前線復帰するか、白旗揚げて降伏するか、銃剣を手に敵陣めがけて突進するか?のどれかです。(ボクの場合は白旗でした。白旗揚げた後は、ツライ捕虜生活(借金返済生活)が待っていました)

そういう不幸な状況を作り出さない為には、やはり「戦術」「戦略」が必要です。
自分が持てる戦闘の為の資材(マシンや資金)をいかに効率的に運用して結果に繋げるか?
もちろん、資材を援助してくれる人を探す努力も欠かせません。
そして、どこでいつ戦闘するべきなのか?経済状況や業界の流れを読み取るチカラも必要です。

そうやって考えると、レース参戦時のボクは、武器・兵站・戦略の全てが欠けていました。
勝てるワケがありません。
武器の使い方を覚えたからと言って戦争に行って生き残れると思ったら大間違いです。(笑)


レースは戦争、という例え方で捉えると理解しやすくないですか?


最近、F1をはじめ、レースの世界がいまいち世間の人から冷めた目で見られている原因も、この考え方で説明できます。
戦争には大義名分が絶対に必要です。
太平洋戦争時代は、「大東亜共栄圏の建設」、先のイラク戦争では「大量破壊兵器を撃つ」が大義名分として大衆に支持されて戦争に突入しました。

現在のレースの世界には大衆に支持される大義名分が欠けています。
かつては、高速移動の手段としてクルマが夢の道具として大衆に支持されていましたから、
その高速移動の頂点にあるレーシングカーは憧れの存在だったのです。
そして1秒でも速く走ろうとするレーシングカー開発に巨額の資金が流入してきました。

しかし、今は右も左もエコの時代ですから、
「そんなにスピード出してどうするの?」
「タイヤすり減らして、ガソリン燃やしまくって、資源の無駄使いだし環境破壊だ!」
と、なるワケです。
レースをやる意味、大義名分が見出せない状況が続いています。

大義名分の無い戦闘や、大義名分があったとしても支持されない戦闘行為の場合は、ゲリラ戦やテロ行為と分類されてしまいます。反社会的な行動として犯罪者扱いです。(汗)

どうやったらボクらのレース活動を社会貢献活動として一般の皆様に支持していただけるようになるか?はこれからずっと考え続けていかなくちゃいけない命題かもしれません。

しばらくはテロ行為を続けますが。(笑)



いや、テロ行為はマズイな。
革命を求めて邁進する「チェ・ゲバラ」って事にしときますか。(爆)

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Posted at 2009/09/27 07:55:35

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この記事へのコメント

2009年9月27日 12:51
レーサーを目指していたわけではありませんが僕も同じような漠然とした疑問を持ったことがありまして、
もてぎのコレクションホールの一角に掛けられている本田宗一郎氏の言葉で
「レースとは技術の優劣を明らかにするものである」というのを初めて見たときに衝撃を受けました。
なるほど!と思いました。証明の為の手段であって、レースそれ自体が目的ではないのですね。

車の設計技術、整備技術、ドライバーの運転技術、レースマネジメントの技術、資金調達の技術などなどのことを指しているのかなと勝手に理解してます。
メーカーは技術力の高さを証明するためにレースに参戦し、スポンサーは最も広告料効果の高いであろうメーカーに投資する・・・。
戦争も国力の高さを他国に示すための(一方的な正義の場合も多いですが)手段という意味では同じなのかもしれませんね。
コメントへの返答
2009年9月28日 5:33
レースをやる時、「好きだから」やり始める人が殆どですが、やっているウチにいろんな壁にぶち当たって、誰もが「レースて何だ?」と自問自答するようになります。

ボクは初めの頃は「レース=モータースポーツ」と考えていた為に、人より回り道したような気がします。

宗一郎さんは、はじめっから「レース=スポーツ」なんて考えは無かったでしょうから、あのような取り組み方になったのだと思います。


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