先日、日本におけるNASCARの第一人者の方とじっくりお話する時間がありました。
(了解を頂いていないので、お名前は伏せておきます。)
本場アメリカでのNASCARの実戦での臨場感あるお話は、めっちゃ面白くて夢中になって聞き入ってしまいました。
で、今日はNASCARに関するお話をします。
NASCARというと、日本でのイメージは、
・オーバルコースをグルグル
・単調
・南部の荒くれ者のレース
・クルマが洗練されていない
とか、レースに関してはヨーロッパナイズされたボクら日本人には、あまり良い印象ではありませんよね。
ボクも正直そうでした。
でもね、毎週、アメリカのドコかのレース場で何万人という観客を集めて(多い時は16万人!)、2~3時間のレース中ずっと熱狂させるには理由があるハズなんですよ。
アメリカには他にもメジャーなスポーツ(メジャーリーグとかNBAとかNFLとか)がありますから、それらに負けず劣らず面白いから人気があるんですよね。
こりゃ分析しない手はねぇ!
と言う事で、この週末にじっくり考えてみました。
(実際のレースを見に行くのがイチバンですが、予算も時間もありませんので、ネットで調べたレベルの情報に頼ります。ご了承ください。)
まず、NASCARに限らず自動車レースの基本的な魅力を思いつくままに書いてみる事にしました。
・スピード
・爆音
・レーシングカー(がカッコいい)
・最先端メカニズム
・ドライバー(がカッコいい)
・ギリギリのバトル
・激しいクラッシュ
・人間ドラマ
・高額なお金が動く世界
あと、人によりますが、
・きれいなネーチャン
とか。
で、NASCARは他のカテゴリーと比較して、圧倒的に、
「ギリギリのバトル」
「激しいクラッシュ」
に特化しています。
彼らは時速300キロでホイールをへっちゃらで他車にこすり付けます。
そして、激しいクラッシュも頻繁に起こります。
ってゆうか、すぐに壁なんだからクラッシュ起こって当然ですよね。(笑)
そして、クラッシュが起こると、ペースカーが入ってコースの清掃が行われ、再スタート!
つまり、1レースで何回もスタートシーンが見れるワケです。
せっかく必死に走って築いたアドバンテージも1アクシデントで水泡に帰すワケですから、ドライバーとしてはたまったモンじゃありませんが、観客にとってはウェルカムな展開なんです。
あと、単調なレース展開になると、観客がビールの缶やポップコーンの容器を投げ込んだだけでフルコースコーションになったりするそうです。(笑)
兎にも角にも、NASCARは観客を楽しませるエンターテインメントなレースの様です。
クルマはお世辞にも洗練されているワケじゃありません。
キャブだし、パイプフレームだし、鉄チンホイールだし。
スーパーGTのマシンと並べて見ると30年くらいの差を感じます。(笑)
でも、それで良いんです。
野球やサッカーの道具と同じ考えなんです、きっと。
野球のグローブやバット、サッカーのシューズやボールって時代によってデザインや素材に少しの変更はありますが、メカニズム的には大差ありませんよね?
NASCARにおけるマシンは野球のバットやグローブなんです。
無いとプレーできないけど、主役じゃない。
でも皆に愛される。
みたいな。
ですから、マシンの開発競争によるコスト高騰とは無縁です。
大クラッシュしても1000万円程度で復元(ってゆうか新車に)できるそうです。
1000万円って大金ですけど、NASCARのチーム予算からすれば安い安い!
ドライバーが激しいバトルの末にクラッシュしても、チームとしてはそれほど痛くないんです。故に激しいバトルが繰り返されるんですね。
で、盛り上がるから、TV中継も面白いし、スポンサーも付く。
そしてファンも増える。
完全に好循環に陥っています、NASCAR。
う~ん、スーパーGTのようなテクノロジーのレースも大好きですが、NASCARみたいなお祭りレースもあって良いんじゃないだろうか?
と思います。
難しい理屈は抜きにして、ビール飲みながら激しいバトルを見つつ、たまに激しいクラッシュも見れて、やんややんや!と盛り上がれるような。
日本人には向いてないかな?
どうなんでしょう?
フヂイ エンヂニアリング ウェブサイト
http://www.fujii-engineering.com/
Posted at 2010/01/18 13:12:05 | |
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