2011年09月03日
SFJ製作が凄い事になっている件。
以前から「SFJ作ります!」と宣言していたものの、
ちゃんと詳細をお知らせできていませんでした。
もったいぶっていたワケじゃないんですけど、いろんな人と人が関わり合って動き始めたプロジェクトなので、説明させていただくまでにじっくり時間を頂きました。
以下、フヂイ エンヂニアリングのSFJ製作に関するリリースです。
2006年に創業したフヂイ エンヂニアリングは、当初、一般整備・鈑金塗装といった、いわゆる「街のくるま屋さん」というスタイルでスタートしましたが、常に、僕(代表者藤井 充)の頭の中には、夢と言うか裏テーマと言うか、大きな野望がありました。
それは、「オリジナルデザインのクルマを造りたい!」という大それた野望でしたが、創業当初は日々のお仕事で精一杯だし車を作る資金も時間も技術もありませんでしたから、具体化する糸口も見つけられないまま3年が過ぎたころ、日々膨張を続けていたクルマ造りへの衝動が爆発し、勢いに任せてM01というスーパーバイクエンジンを搭載したFRレーシングカーを造りました。
全て独自に開発したM01は、これはこれで大変に勉強になったし面白い車が作れた!と気を良くしていたのですが、よくよく考えてみるとこの車、JAFの安全規則に則っていないし、レーシングカーとしてもどのカテゴリーにも適合していない!し、つまり、レーシングカーなのに参加できるレースが無い!!!というちょっとした(致命的?)欠点に気づき、藤井 充の記念すべき1台目の車は、いともアッサリ暗礁に乗り上げたのでした。
そういう訳で、次はレースに参加できるレーシングカーを作ろう!と当たり前の事に気づいた藤井は、次の目標をS-FJに決めました。
しかし、目標を決めるのは簡単ですが、S-FJは、東京R&D、WEST、ミストなどの老舗コンストラクターがしのぎを削る激戦区であり、M01を造っただけの経験では手の届かない世界です。それでも、あきらめるつもりが毛頭ない僕は、中古のS-FJを買ってきて、まずはフレームだけの製作から手を付けようかとか、いろいろ策を巡らせていた頃、JMIAの会合で出会ったZAP SPEEDの笹川氏に私の夢を話したところ、ちょうど笹川氏もS-FJの開発を計画中という事で一気に話は盛り上がり、それからZAP SPEEDを見学におじゃまするなどお付き合いが始まりました。
ZAP SPEEDは、日本最大級のレーシングカー保有台数を誇り、F4やS-FJの運用実績も豊富なレーシングチームで、最近は、F4のF108の生産販売を開始してコンストラクターとしても注目を集めています。
そんな、私にとっては高嶺の花のような有力チームですが、笹川氏のS-FJ開発への意欲は並々ならぬものがあり、いつしか、協力してS-FJを開発しましょうという流れになっていきました。もとより、私にとっては渡りに船のようなありがたい話ですから喜んでお手伝いさせていただくことにしました。ZAPさんのデータと経験があれば、現在最速のマシンであるRD10Vより速い車が出来るかもしれない!と一気にテンションが上がりました。
しかし、テンションは上がったものの、冷静になって考えると、ZAPもフヂエンもレーシングカーの基本シャシーからの設計開発は未体験ゾーンであり、号砲と共に勢い良くスタートしたものの、一歩目から壁にぶち当たったようなものでした。一見、はなはだ行き当たりばったりに見えますが、実は、笹川氏にはちゃんと腹案があったようで、「大丈夫、JMIAの林会長に相談に行きましょう」と、アポイントを取ってくれました。
私も以前からS-FJの開発などに関して相談に伺っていますから初対面ではありませんが、童夢に払うような開発費がある訳も無く、どのような話をするのか想像もつかないまま、笹川氏と童夢を尋ねました。
当初は、「スチールシャシーは安全性の点で推奨できないし、JMIAとしてはカーボンモノコック以外の車に関与しない。」と断られてしまいましたが、私も笹川氏も、事前に打ち合わせたとおり、次世代のレーシングカー・コンストラクターの育成という観点から力を貸してほしいというJMIAの泣き所をつく作戦で必死の説得を試みたところ、やはりそこが急所だったのか、断るのが面倒になったのか、最終的には、設計を引き受けて頂ける事になりました。
しかも、しかもです!「キミたち、コンストラクターとしてやって行きたいのなら、この機会に勉強しなさい。」と全ての開発工程とデータを開示して、設計の打ち合わせにも深く関与して勉強する機会を頂ける事になりました。
こんな最高の話、あっていいんでしょうか?信じられますか?でも、本当の話なんです。
秘密のベールに包まれたレーシングカー開発現場のノウハウを惜しげもなく開示して後進の育成に力を注いでくれる童夢という会社は凄いです。
しかもタダです。
という訳で、ZAP&フヂエンのS-FJ開発プロジェクトはスタートしました!
プロジェクトの概要は以下の通りです。
・基本設計は童夢に協力を仰ぐものの、製造に関しては、ZAPとフヂイ エンヂニアリングが担当する。
・既存車両の価格帯を維持しながらも大幅にクオリティを向上させる。
・マーケットとしては海外を強く意識する。特に、これからレースが盛んになるような国の発展の牽引力となるような商品を目指す。
・レース発展途上国の状況を勘案するに、現地での修理などの取り扱いが容易な構造が求められる。
・国内西部での各種サービスやレース活動に関しては、ZAPの協力のもとフヂイ・エンヂニアリングが担当する。
・コスト・パフォーマンスやユーザーへのスペアパーツ・サービスなどの観点から、出来る限り東京R&Dのパーツを流用し、互換性を高める。
・年内にシェイクダウン。
・フヂエンも、開発に参画する以上、もちろん!レース活動を目指す。
と、まぁ夢のような話が進行中です。夢のような話ですが意外とボクは浮かれていません。
「こんな最高の環境で勉強するチャンスは二度とない!今やらんかったらアホ」と、ググッと兜の緒を引き締めて取り組む所存です。
諦めかけたレーシングコンストラクターへの夢が、もう一度見えてきました。チャンスを頂いた林さん、笹川さんに感謝しつつ全力で走り抜ける覚悟です。
頑張りますので、これからも応援よろしくお願い致します。
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Posted at
2011/09/03 05:05:53
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