
今朝6時に工場に帰着。
連日の寝不足に加えて7時間のレースマネージメント、さらに深夜の高速移動、そして月曜ですからお仕事、完全にグロッキーです。
早く家に帰ってビール飲んで寝たい気分ですが、記憶が鮮明なウチに初参戦のもてぎJOY耐を記しておきます。
まず、JOY耐について。
すっかりボクはJOY耐をナメてました。
いわゆる「良い雰囲気のアマチュアレース」レベルに思っていたのですが、もてぎに着いてみると、プロドライバーは多数いるし、ピット裏には立派なテントが張られホスピタリー充実してるし、凄いやんけ!
気軽に来てしまった。(笑)
その中でも、今回お世話になったチームTOYOのピットはとりわけ本格的。
1ボックスのピット裏を完全にTOYOブルーのテントでブース設営して、モニターでVTR流して、商品を展示して、美味しい食べ物をケータリングして、至れり尽くせりな環境。素晴らしい!!
さて我がトランピオレビン★フヂエンは、土曜日の予選を思い切り決勝の燃費重視シフト回転数で走るという暴挙(笑)に出て、案の定、88台中81位という思い切りテールエンダー。
まぁ、今回は完走が目的だからね~、と意に介さないそぶりをしていましたが、プリントアウトされた公式予選結果表を見ると81位はちょっと悔しい。
エンジンの回転数の縛りをもう1500回転上げれば、もう数秒稼げたはずなので、監督として今更ながら反省・・・。
ピット裏で出会う人達に「何かトラブルあったの~?」なんて聞かれちゃって、決勝用回転数で走ってたなんてナメた事を言うと、他チームの真剣度に水を差す気がしてバツが悪くて、
「えええ~、ちょっと調子悪くて・・・。」
って嘘つきました、ゴメンなさい。
別にトラブってたワケじゃないんです。
正直なところ、レブリミットぎりぎりのところのECUのマッピングを煮詰めてなかったので、不用意にその領域で走らせてエンジンにストレス掛けたくない、というのもありまして、決勝用回転数で走ってもらいました。
決勝前夜には前夜祭として、宿泊していたロッジ(小屋?)にてディクセルTOYOアルテッツァの仲間と共にBBQしながら深酒する、というこれまた暴挙に。でも楽しかった~~!
決勝の燃費管理とドライバー交代シュミレーションを夜やる予定でしたが、お酒大好きだけど弱いボクはすぐにKO!
やむを得ず、早朝3時に起きて寝静まった部屋でPCのキーボードをパチパチ叩きながら非常に?綿密な燃費計算&シュミレーション。
これが後で生きてくる事に。
決勝レースは10時半スタートの夕方5時半ゴールの7時間の長丁場。
25年前に生産された86というご老体にはシンドイレース。
もしかして壊れるかもしれない部位は指折り数えて両手じゃ足りない。
その不安を口にすると現実に起きてしまいそうで怖いので、「壊れるかもしれない」部分は自分の中にしまっておきました。
決勝前に燃料タンクを空にしてから封印、そして指定の給油所で30Lだけ入れてもらいます。
貴重な貴重な30Lのガソリンです。
そしてグリッドに整列してマシン紹介、クルーがコース外に退場して、いよいよ決勝レースがローリングスタート!!
約90台のレースって初めて観ました。
20台程度のレースをピットで見てると、20台の爆音のカタマリが前を通過していくドップラー効果がしっかり判るのですが、90台もいると、ずっと音のカタマリが続くので変な感じ。
凄い迫力でしたね。
で、トランピオレビン★フヂエンチームは、ボクとオクムラの2人編成ではなく、Aドライバーの吉田選手が勤務する京都の日進製作所のモータースポーツ同好会「NRD(NISSIN RACING DEVELOPMENT)」の仲間と合わせて16名の大所帯。
ですから、サインガードにはNRDの若手2名が常時立って、タイム計測とチャート記入、サイン出し、そして給油エリアでもNRDのメンバーが2名待機して携帯電話で連絡を密にして連携を図ります。またドライバー交代時にはドアの開閉やシートベルトの補助をNRDのメンバーにやってもらいました。
NRDのメンバーに初めて会った頃は、とっても大人しくてマジメそうな好青年たち、というイメージで少し頼りなさを感じたのも正直なトコロでしたが、実戦の現場に飛び出してみると、みるみるウチに目に輝きが出て来て、グイグイと前に出てくるのが判りました。
凄いな~、レースは人を育てるっていうのは本当だなぁ。
そして2時間を経過したあたりからストレートを通過するトランピオレビン★フヂエンのエキゾースト音がおかしい!とサインガードのメンバーから報告が!
「ボロロロロロ~」とどこかから排気漏れしてる。
すぐにエキマニだ、と判りました。
このマシンにはステンレスの社外エキマニが取り付けされてるのですが、薄肉で良い音が鳴るのですが、よく割れる。
前に岡山国際でも割れた事があったので、もてぎ出発前にはエキマニを取り外してLEDライトで照らしながらクラックを確認したのですが、レース序盤で割れてしまった~・・・・。
残り5時間、あまり状態が悪化するとオレンジボール旗を提示されてピットインして修理を支持される可能性があります。
割れたエキマニは交換するか、溶接するしか解決法はありません。
ヘタしたらリタイヤしなきゃいけなくなる可能性もありますので、これ以上悪くならないのを祈るばかり。
さらに1回目の給油時に待機時間の10分が終了して再始動する際に、キーシリンダーをひねってもエンジンが掛らない!!
もてぎ前にキーシリンダーをバラして接点不良の部分は解消したハズなのにぃ!!
やむを得ず押し掛け!
もちろん、ピットロードでの押し掛けは禁止されています。
ハイ、ペナルティ頂きました。
ドライバー時代ぶりにコントロールタワーに呼び出されて、
「〇時〇分頃、ピットロードで押し掛けしましたね、間違いありませんか?はい、では60秒のピットストップペナルティです。」
ガーン!60秒?厳しいなぁ。
押し掛けでコースインさせたものの、まだ解決していない不具合ですから、次のドライバー交代時も同様な症状が出たら押し掛けするしかありません。そうなると再びペナルティですから、次のピットインの際に修理する事に。
工具、ジャッキを準備してマシンが帰ってくるのを待ちます。
規定の周回を終えたドライバーが帰ってきました。
ピットに入れて即ジャッキアップ!
おりゃあ、不具合箇所を探せ!
と、マシン下に潜り込んでスターターを点検しようとしたその時、
ブルルン!とエンジン始動!
メカニックオクムラがキーシリンダーを点検しながら「あれ、何でやろ?掛る!」
何回やっても掛る。
なんやそれ!(笑)
じゃあいいや、という事で、またジャッキダウンしてピットロードに押し戻してドライバーが乗り込んでコースに戻ります。
う~ん、微妙に接点がオカシイけど、今は大丈夫みたいだ。
次のピットインで不具合が出ない事を祈るしかないなぁ。
さて、今回の我がトランピオレビン★フヂエンチームの作戦は3回給油作戦を採用しました。
同排気量のシビック等は4回給油で行くチームが多いみたいですが、ハチロクのノーマルエンジンでは同じだけ回転数引っ張ってもシビックと同じスピードでは走れないので、開き直って燃費優先で走ってもらいます。
燃費走行ですから、1周のラップタイムは8秒程度落ちるのですが、給油ごとに課される10分の待機時間が1回分無いわけで、そのメリットが多きいという考えで3回給油作戦を選びました。
実はコレ、計算ではギリギリでした。
給油ピットイン前にはハチロクのノーマルタンクのポンプで吸えるギリギリの量で計算していましたが、本当に想定周回数でガス欠症状が出たりしてボクの計算方法が正しかったのはちょっと嬉しかったものの、ギリギリの綱渡りであることも判明してドキドキが倍増。
余裕が無いのはマズイ、って事で5時間経過時からさらにシフトポイントを500回転落として走ってもらうようにドライバーに指示しました。
ここからが凄かった!
各ドライバーが粘りの走りを見せてくれたのです。
500回転もシフトポイントを落とすと、エンジンのトルクピークから外れたまんまで走るような感じですから、タイムはガクっと落ちます。
でも必死に落とさないように頑張って、チカラを振り絞って走ってくれました。
ドライバーもレース中にどんどん成長してる!
おかげで残り45分のドライバー交代時に燃料計を確認すると、何とか持ちそうな感じ。
あとはトラブル出ないように祈るばかり。
最後10分を切ったトコロで、アンカーの平井選手にステアリングを託して再びコースへ送り出します。
残り2分、トランピオレビン★フヂエンのチームメンバー全員に呼び掛けてサインガードに集まります。
さぁ、チェッカー受けるのを見届けよう!!
7時間が経過してトップのマシンがチェッカーを受けました!
さぁ、トランピオレビンは来るかな?まだかな?まだかな?
次々と他チームのマシンがホームストレートを通過して行きます。
最終コーナーのほうを見て待ちますがなかなか現れません。
う~ん、やばい、何か起きた?
と、その時、トランピオレビン★フヂエンのマシンが最終コーナーを立ち上がって来ました!
やった~~!
やったぞ!!
チームスタッフみんなとガッツポーズ!
握手して労をねぎらいます。
感動してウルウルしてしまうかと予想していましたが、
ず~~~っと「壊れたらどうする?」という不安と緊張が心の中にあったので、その緊張の糸がプチッと切れてドッと疲れが出て立っているのもシンドイ状態に。
でも、こんな疲労感もたまらないもんです!
普段の生活では自分をここまで追い込む事ないですから、なかなか出来ない経験できて、素晴らしかった。
最終結果は、62位完走。
こんなに耐久レースが素晴らしいモンだとは想定の範囲外でした。
短期決戦でマシンの能力とドライバーの集中力を全開にして戦うスプリントも好きですが、チーム全体が一つのまとまりになってゴールという一つの目標にまい進する耐久レースの素晴らしさに心打たれてクラクラしちゃってます。
もう既に来年のJOY耐が待ち遠しい気分です。ワクワク。
来年はもうちょっと戦闘力高めて上位をうかがいつつ、上位を狙ってみたいですね。
このチームメンバーは本当に素晴らしいので、ぜひ来年も同じメンバーで戦ってみたいですね。
そして、もうひとつ面白トピックとして、来年はトランピオレビン★フヂエンに加えて、
バイオディーゼルのTDIのマシンを仕立てて参戦する事に決まりました!
マシンはまだ決定していませんが、VWのゴルフか、シロッコあたり。
DSGのモデルでやりたいです。
こちらもお楽しみに!!