こんにちは。
フヂイ エンヂニアリングの藤井です。
梅雨明けして暑い日が続いていますが、フヂエンの鈴鹿工場にはエアコンがあるので、ギリギリ快適に作業しております。
四日市工場の時は、もちろんエアコンなんて無くて、塗装していたら額から流れ落ちた汗が塗膜に落ちてやり直し「あちゃ~~!」、なんて事もありました。
クーラー万歳!!
さて、SSK4 PROJECTは、目に見えての進捗はあまり目立ちませんが、実は水面下で?コツコツと進めております。
以前、紹介しましたモックアップはひとまず完成しました。
これは、F4モノコックを最大限活用した際にどのような形状が最適か?を確認するためのモックアップです。
シングルシーターと言えばオープンボディですが、オープンボディのクルマは、どんなに車体を頑強に造ってみてもドライバーの頭部が露出しています。ヘルメットを被ったとしても、重量物が飛来したら、薄い強化プラスチックのヘルメットではひとたまりもありません。
F1でもビアンキの事故以降、頭部保護が議論されていて、これは2018年あたりにも導入されるかも?という話です。
ですが、実は、本プロジェクトの監督総指揮の林みのる氏はず~っと以前からドライバーの頭部保護の必要性を唱えていました。
遡ること7年、2009年に童夢が製作したF20にはドライバー頭部保護の試みとしてキャノピーが装備されていました。

(画像はAllabout辻野ヒロシ氏のコラム「国産の新フォーミュラF20が走った!」から転載)
http://allabout.co.jp/gm/gc/192508/
SSK4で製作されるクルマは、「ドライバーが絶対に死なないクルマ」というテーマも持っています。
ですから、今回はもちろん強固なロールバーを装備します。
デザインはこれからですが、カーボンで作る予定です。
本番はカーボンで造りますが、モックアップはとりあえず鉄パイプを手曲げしました。

本番用でしたら、しっかりした治具を組んで曲げも専門のパイプ曲げ屋さんに依頼するのですが、あまり精度を必要としないモックアップですから、早さが命!あっという間に出来る方法で秒速で造ります。(笑)
(実際には秒速では造れませんが。)
そして、このロールバーを装着すると、物凄く腰から背中を捩じらないと乗降出来ない事が判明。(汗)
感覚的にはLMPと同じくらいな感じです。
スマートなレーサーならギリいけますが、メタボな方(僕を含む)にはちとツライです。
という事で、侃々諤々(かんかんがくがく)議論した結果、ポップアップ式で進める事になりました。

ロールバー(キャノピー)がポップアップした姿は、駐機場で出撃を待つ戦闘機みたいでかなり素敵です。僕は気に入っています。
という事で、大筋でF4モノコック改造の方向性が固まりかけていた7月末頃、事件は起こりました。
フヂエンで行われたプロジェクトミーティングで、ミーティング開始早々にプロジェクト監督総指揮の林みのる氏が、
「いろいろと検証してみた結果、F4モノコックの改造では、エクステリアデザイン的にも、性能の面でも、どうしても大きな妥協を強いられる。だからモノコックを新作しよう!」
わお!!
凄い事になってきました。
僕は以前からずっとCFRPモノコックの製作に携わってみたいと思っていたので、願ったり叶ったりです。
という事で、モノコックを新たに設計から起こす事になりました。
だからと言って、今までのF4改造モックアップでの検証は無に帰する訳では無く、とてもたくさんの検討課題と知見が得られました。
新規モノコックの製作でも大きく生きると思います。
さっそく、新規モノコックのレイアウト検討に取り掛かりました。←今ココ
正直言って申し訳ないですが、今は最高に楽しいです。
大好きなクルマ造り、しかも師匠のクルマを作れる、そんな楽しい事をやっているのは世界でも他にいないんじゃないかなぁ、とか思いながら仕事しています。
引き続き、頑張ります!!
フヂイ エンヂニアリング
http://fujii-engineering.com/
Posted at 2016/08/06 19:30:10 | |
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