皆様こんにちは。
お久しぶりです。
SSK4プロジェクト、じっくりじっくり進めております。
モノコックの仕様変更が決まり、再設計する事になった訳ですが、軽自動車枠の中でいかにコンパクトかつローポジションにコンポーネントを収めるか?それを探し出す作業が日々続いております。
監督総指揮の林みのる氏の指示はいつも強烈です。
あらゆる設計的指示が高難易度で、僕らの技術的ストライクゾーンのちょっと高めに速い球が投げ込まれます。
なので、フヂエンの設計部隊のTomiと僕は「おおおお!」って面食らったりもしますが、「童夢の高い技術力はこうやって鍛えられたのか!」と食らいついております。
現在の懸案は、モノコックの全長とドライビングポジションの兼ね合いです。
全長3.4mの中に前から、
フロントストラクチャー
モノコック
エンジン&ミッション
リヤストラクチャー
を合理的にレイアウトしないといけません。
クルマは小さくても、人間の大きさは同じですから、普通にレイアウトすると、モノコックだけが妙に大きい不恰好なクルマになります。
足元ゆったりのレイアウトにすると、リヤセクションの長さが足りなくなるし、あっち立てればこっち立たず、二律背反なのです。一挙両得と行きたいところですが。
↓モックアップを作製して着座姿勢を確認している様子。
フォーミュラを例に挙げると、F1のホイールベースは3300mm〜、F3は2800mm、 SFJは2300mmくらいです。
横から見ると、SFJはF1に比べて寸詰まり感があります。ドライバーの長さはF1ドライバーもSFJも同じですから、モノコックがどうしても大きく見えてしまいます。
(ちなみに僕のいちばんの好みはF3のスタイリングですね。ベストバランス!)
SSK4はSFJよりもさらに小さいですから、普通に作ると寸詰まりのクルマになります。
なので、如何に格好良く作り込むか?常に考えています。
街で良く見るようになったHONDAのS660、よく見て見てください。
あれはとっても良く考えてレイアウトしてあります。正にレイアウト設計の妙技です。
現在の保安基準ではヘッドライトの高さが地上から500mm以上無いといけません。だから低くトンがったノーズは事実上無理です。
さらに、非常に背の高いS07A エンジンを直立させたまま乗せています。僕だったらアクティ&バモス系のE07Z型の前傾エンジンを選んでエンジン高を低く抑えたいところですが、今のHONDAの軽自動車主力エンジンはS07A ですから、S07A 以外の選択肢は無かったのでしょう。
なので、高いエンジン高をネガティブにしない為に全体のシルエットを塊のイメージで小さくまとめ上げてあります。
かなり厳しい制約の中でHONDAのエンジニアとデザイナーは非常に素晴らしい仕上げをやり遂げていると思います。
さて、僕らはS660を観察した上で、さらにオリジナル度の高いレイアウトを考え出さないといけません。
なかなか簡単じゃあありません。
でも、こうやって悩んでいる時間も「自動車造り」として楽しんでいます。
フヂイ エンヂニアリング
藤井 充
Posted at 2017/03/29 20:05:54 | |
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