
最近,色々なVictorのAMPを聴いているのですがどんどん古いAMPになっていっています。
さて,今回はVictor A-X1000です。
以前はAX-1100でしたがその1年前の1995年頃に発売されたプリメインで,定価129,000円でした。
当時はVictorのフラグシップ機で,型式も1000番を与えられています。
このA-X1000とAX-1100ですと,約1年後に出たAX-1100の方が良いように思いますし実際にAX-1100は150,000円だった事からもVictorとしては1000を超えたと言う意味で1100を付けたのかと勝手に想像しています。
A-X1000もAX-1100も全回路Gmサーキットです。
しかしAMPの中身と言うよりか構造が全くと言ってよい程違います。
そして何故かAX-1100にはパワトラに銅シールドがされていません。
AX-1100はデジタルソース入力2系統が差動アンプになっています。
この違いがどう出るのか非常に楽しみであった事と,やはりVictorの1000番なのでどんな音なのか聴きたくて入手していたのですが,残念ながら良い音で鳴った記憶がありません。
鳴らないAMPはTV用に使ってみるのですが,それさえもした記憶が無いままお蔵入りとなっていました。
その為か,入手時にどんな音だったかほぼ覚えていません…
多分,低音ばかりで高域がうるさくなって柔らかい音しか出なかったのでしょう。
実際,他の方の評価を見ても低音が力強くゆったりとした音で,スピード感の有る音の正反対のように書かれています。
さて今回はどのような音になったか。 Victor S-3000で聴いてみました。
今回のソースはXL-V1100とPS3やBRAVIA 40X1のアナログ出力で聴いてみました。
まずはCDですが,xrcd24版「GENTLE THOUGHTS」の1曲目をかけてみたところ,ハイスピードでありながら低域も豊かに出ていて,中域が抜ける事もなく高域まで繋がっています。
AX-1100と比べると,高級感があり更に余裕をみせた鳴り方となっています。
AX-V1やAX-S313ともまた違った鳴り方で,どうもAX-1100でいきなり音の方向性を変えたように思います。
面白いのは,Gmボリュウムの為か小音量時の音が非常によく,レベルを-6dbの9時まで絞ってもS-3000を小気味よく静かにドライブしてくれるのは非常にありがたいです。
この時の音もAX-S313とまた違った意味で良いです。
PS3(3000)からアナログ出力で繋いでみたのですが,この時の音は少しマッタリになりあまり面白くありません。
PS3からHDMIでBRAVIA 40X1に入れ,BRAVIAのアナログ出力からA-X1000に繋ぐとこれが意外としっかり鳴ってくれるので驚き。
電源が変わってから,HDMIケーブルは全てVictor製に変更しました。
以前の電源ではVictorのHDMIケーブルは高域がピーキーで全く鳴らなかったのですが,電源が変わってからはなぜか逆転。 SONYのケーブルは今までと大差無いのですが,Victorのケーブルは化けました。
Victorってなんなの?と言うかどういった条件でテストしているのか不思議です。
電源を重視するメーカなのは知っていますが,ここまで変わると… こんな事になっているのは家だけではないようで,他の人のVictorのオーディオ機器に対する感想も正反対の物があります。
正直,Victor製オーディオ機器の評価で「良く鳴っている」と言う方の評価や感想が全く理解できない事が多々ありましたが,どうも試聴している電源に大きく左右されているようです。
Victorで試聴して買ってきて家で聴くと全く違った音だったと言う意見も見かけました。
スタジオチューニングモデルは特にその傾向が強いように思います。
スタジオの電源でチューニングされているわけなので,家庭ではなかなか再現しにくそうです。(ほぼ無理?)
変わってSONY機ですが,こちらは電源によって化けるような事はありませんでした。
確かに電源で音は変わりますが,基本は同じままなのです。
壁コンセント直で聴いても,200V→100Vトランス通しても,今回の100VUPSを通しても基本は同じです。 変わり方は,せいぜい電源ケーブルを交換したような差でした。
SONYは家庭の壁コンセントで鳴るようにチューニングしていますと言っているので,その通りだと思います。 (逆にそれ以外の電源だとチューニング通りに鳴らないかもしれないそうです。)
ではVictorは?
電源でも部屋を変えるだけでも全く違った表情を見せてくれます。
違うAMPかと思う位変わるモデルもありました。 逆にそれまでよく鳴っていたAMPは変化が少ない傾向があるので,これはチューニングされた電源が違うのかも…
部屋を変えるだけで同じ電源でも全く違う音になったAMPもありましたから,やはりチューニング環境が大きく影響しているようです。
オーディオ用クリーン電源を入れても変わらないか悪くなったと言う意見もありますが,確かにそう言った機種もあるようです。
こればかりはメーカや機種や年代やチューニングした人によっても変わるようですからやってみないと分かりませんね。
ただ,容量の低いUPSはあまり良い傾向が無いので,なるべく容量の大きいクリーン電源を入れる方が良さそうです。(Victorの場合)
最近分かったのが,SONYはどこで鳴らしても基本は同じ音がでる家電的チューニング。
Victorは個人が趣味で造ったかのようなチューニング。
SONYの家電的チューニングは悪い訳ではなく,どこで鳴らしても良い音で鳴る事は良い事だと思います。 実際,その為にVictorからSONYに切り替えていたのですから…
Victorのチューニングは,ソースに忠実に鳴るだけではなくエネルギーや音楽性までも再現する方向なのでかなりチューニングがシビアな気もします。
昔からVictorは音楽を聴かせるメーカなどと言われていますが,まさにその通りなんですね。
家ではVictorが音楽を聴かせてくれる事が殆ど無かったのでこの意味が分かりませんでした。
オーディオ的に音が良いだけではDIRECT DISCやxrcd24は全く鳴ってくれないのですね…
今までVictorの録音は殆ど聴けたものでは無かったのですが,最近はやっと聴けるレベルになってきました。 やしきたかじんの「その時の空」もだいぶ鳴ってきてはいます。(AKG K141Mで)
もっと電源を強化すればもっと良い結果が得られるのでしょう。
非常に楽しみですが困ったものです。 とりあえず,Victorの高級機は捨てずに持っておくと化ける事があります。
A-X1000とS-3000で聴くTVはBRAVIA 40X1のSPで聴いているのと同じようなバランスで,S-3000の大径SPから出ているとは思えないほどです。
しかし低音は出ているし,声も前に出てくるので小さい音でも聴きやすいのが良いですね。
なかなかS-3000でまともにTVを聴く事は難しいのですが,A-X1000は相性が良いようです。
今はAX-V8000が欲しい… AX-D701も聴いてみたいですね(^^♪
V8000はなかなか中古が出ないのでV7000かV5500になるかも。
Victor最後のAV AMPと言ってしまうと寂しいですが,どんな仕上がりだったのか興味津々です。
この日の画像は,Victor A-X1000です。