ＪＲ北海道　苗穂工場見学

JR北海道の苗穂工場公開に行ってきました。
以前から子供を連れて行ってみたかったのですが、ここ数年事故・不祥事続きで工場公開がされていませんでした。
9時半の開場前からたくさんの鉄道ファンや家族連れが列を作って並んでいました。

息子は、まずはミニＳＬへ。
火の入っていない本物のD51とミニD51。ミニでもよくある電動ではなく石炭を炊くホンモノ！
周りに大きさを比較できるものが写っていなければ本物に見えそうです。
もし売っていたら１０００万円くらいするんじゃないか？と思える精巧さ。

小さなボイラーの中に炎が見えます。


牽引されて動くC62-3。

全体的に大きな機関車ですが、旅客特急用として駆動力よりスピードを重視して採用されている３つの大径の動輪がさらに迫力と優雅さを醸し出しています。大人になってから見るC62は均整の取れた本当に素晴らしい姿に見えます。
なんとこの動くC62の運転席に乗ることができました。火は入っていないのに転がるだけでピストンの辺りから「シューッ　シューッ」と迫力のある音がでます。構内なのでMAX20kmくらいしか出てないですが、ほとんどリジッドな乗り味で乗り心地は最悪です。屋外同然だし、煙にむせるだろうし、夏も冬も大変そう。機関士の過酷さが偲ばれます。
外から動いているのを見ると、大きな動輪が回る姿が感動的に優雅。


今回から初めてというガイド付き工場ツアー（1回当たり20名限定）にも参加することができました。
ヘルメットを被って、無線イヤホンを借りて見学・・・

クルマのパーツを基準に考えると、鉄道車両のパーツの化け物級のデカさに驚きです。

金属感たっぷりのピカピカ光るクランク


磨かれた車輪


ブレーキパッド


エンジンオーバーホール中のディーゼルカーの直６エンジンブロック。


こちらはディーゼル機関車用？のＶ１２エンジンブロック。１０００馬力くらいかな？


これはディーゼル特急用？水平対向１２気筒ツインターボ！エンジンだけで軽自動車１台分くらいある？


オーバーホール中のブロック。


北海道ではよく見るＪＲ貨物の電気式ディーゼル機関車。
これは２０１１年製と真新しくバリバリの現役車輌だけど、内部を公開していて子供を運転席に座らせてくれる。


機関車内部の発電用エンジン。意外とスペースに余裕が。
コマツ製のＶ１２！　たしか１８００馬力くらい。


重さは１００ｔ近くあるようです。
クレーンでその重たい機関車の車体を持ち上げるところを実演していました。
１００ｔを４点で支えるウマもデカい！


整備の終わった車体をクレーンで釣り上げて移動させ、台車に乗せる「足入れ」作業も実演していました。全長20ｍの車体が吊り上げられて頭上に迫って来るのを見ていると迫力があります。


継ぎ目のないロングレール化するための現場での溶接作業も実演して見せてくれていました。

ロングレールってどうやって作って運ぶんだろう？と漠然と不思議に思っていましたが、現場で鉄を流し込むような手間のかかる溶接作業をやっているというのを初めて知りました。


さすが北海道、工場内に入庫しているのは大半がディーゼルカーかディーゼル機関車でした。
全体的に年季が入った建物が多く、レンガの建物は明治時代のものだそうです。
最近の工場にありがちな見学通路のようなものは無く、それがかえって生々しくリアリティがあり「工場を見学した」という実感がありました。
午前中で帰るつもりでしたが、見ごたえがあったので結局最後（３時）まで居ました。
鉄道の車両や施設を維持するのには大掛かりな設備が必要で、大変な労力がかかっているんだなぁと勉強になりました。
普段からＪＲ北海道を利用してます。もうすぐ新幹線も来ます。今後大きな事故が起こらないよう安全運行を祈ります。