2015年02月15日
ハイブリッド車に乗りはじめて・・・
ホンダのHV車に乗り始めましたが、自分にとっていろいろと新しい発見があります。
純エンジン車しか乗ったことが無い自分にとって、シフトレバーやペダル類の操作の度に違和感が伴います。
「純エンジン車を基準に考えちゃいけないんだ」 「今までとまったく違う乗り物を操作しているんだ」と言い聞かせながら、なんとか受け入れてみようと思って乗っていますが、慣れてしまう前の違和感を第1印象として記録しておきたいと思います(長文)。
ペダル操作に対してクルマの反応が忠実ではない、という第一印象。
電気式の軽いシフトレバーでDレンジに入れて、ブレーキペダルをリリースすると、今までの車ではペダル操作と同時にブレーキパッドが緩んでクリープ前進が始まりますが、今回の車ではブレーキペダルから足を離してから、ブレーキが解除されてクルマがクリープ前進するまで一瞬の間があります。
「止まれ」標識で一旦停止してからすぐに前進するときに妙な間が生じます。
走行中にブレーキペダルを踏むと、まずは回生ブレーキが作動するようです。このときペダル踏力が固めで減速力も予想より強めな感じですが、以前試乗したFITよりはストローク感があり、この辺りは許容範囲。問題は停止寸前のところ。カックンブレーキを避けるべく、停止するときに若干踏力を抜くと、車が「前進」を要求していると判断してクリープ前進を始めてしまい、かえってガクガクします。微妙なペダル操作には忠実ではない印象で、駐車時にあと20cm前進、或はバック、みたいな操作が難しい。
またブレーキペダルを踏んでも必ずしも回生しない時があります。ギヤが偶数段に入っている時なのか・・・?謎
アクセルについても、エンジン車のように回転数をコントロールするのではなく間接的に速度をコントロールする感覚で、なんだかダイレクト感が無い。EVモードに入れるべく微妙なアクセル操作をしてみるが、なかなかEVモードに入れるのが難しいです。
負荷の小さい定速走行中に、微妙な前後揺動を感じたあとエンジンの振動が消えてEVモードに入りますが、少しでも加速したり微妙な上り坂で速度維持しようと、気持ちアクセルを踏み増すとすぐエンジンがかかってしまいます。そんなことを気にしながら微妙なアクセル操作をして運転すると、とても疲れます。
また、アップダウンやカーブのある道路を走っていると、常時負荷が変化します。その変化に対して車速を一定に保とうと微妙なアクセル操作を行うと、時にはモーターアシストが働いて期待以上の加速となったり、突然低めのギヤに入ってエンジンがうなり出してバッテリーの充電を始めたり、あるいはEVモードからエンジンモードに切り替わるなど、絶えず意図しない加減速Gが生じます。一般的には微小なレベルと思いますが、細やかなアクセル操作をする人だと気になると思います。
またこれらの現象に伴って、エンジンの回転数や音と車速が一致しない感覚が結構あります。DCTだからそのようなことは無いと思っていましたが・・・。CVT嫌いの人もよく同じこと指摘しますが、一致しない度合いはCVTの比ではありません(私は日常的にCVT車にも乗っています)。
スポーツ走行において、繊細なアクセル操作に対するエンジンのレスポンスを楽しもう、という人には全くお勧めできません(パドルシフト付きのグレードなら大丈夫かも)。
考えてみれば、エンジン車とはアクセルペダルの先につながっているものや役割が全く違うので、やむを得ないのでしょう。
エンジン車のアクセルは、エンジンに吸わせる空気の量を直接操作(スロットルバイワイヤもありますが・・・)して、結果的にスピードを調節しますが、HV車の場合は、エンジンの回転数やギヤの選択、モーターの介入度合などすべてはコンピュータが決めるのであって、そのコンピュータにリクエストを出すインタフェースがペダル、ということですね(HV車乗り諸先輩方からは当たり前と言われそうですが)。
ブレーキについても、純エンジン車であればペダル操作が油圧システムを介してブレーキパッドを動かす訳ですが、HV車やEVの場合はコンピュータが回生ブレーキ(発電機)とディスクブレーキの協調制御を行う関係で、やはりブレーキペダルはコンピュータに対して減速力のリクエストを出すインタフェース、ということですね。
それらの制御はペダルからの入力(人の意志)だけではなく、バッテリーの充電量やエアコンの設定温度をはじめ様々なパラメータにより、同じシチュエーションで同じ操作をしてもクルマの反応が毎回異なることが「違和感」となって感じられているのだと思います。同じ操作をして毎回同じような違和感を感じるのであれば、それは「クセ」としてすぐに慣れると思いますが、HV車の場合、同じ操作でも毎度のようにコンピュータが異なる制御を行うため、なかなか簡単には慣れないかもしれません。
HV車諸先輩方からは「何を今さら」とお叱りを受けそうですが、加速・巡航・制動のための手段は全てはコンピュータが判断・制御、ペダルはそのコンピュータに対して自分の希望を伝えるための入力装置だということを、少しハイブリッド車を運転してみて、今さらながら初めて体感しました。
ポジティブに考えると、全く仕組みの異なるパワートレーンを、従来の純エンジン車と同じ操作方法で運転できるように仕立ててあると考えると、良くデキているのかな、とも解釈できます。
でも、異なるパワートレーンならば明らかに異なる操作感覚を創り出してもよいのでは?とも思います。自分が思いつくのはBMWのi3。アクセルペダルを離すだけで2速のエンジンブレーキ並の回生ブレーキが利き、そのまま停止してしまいます。とても「エンジン車と同じ」とは思えません。そのぶん、「違和感」とは感じず「全くの別物」だと感じます。これに慣れるか慣れないかは人それぞれでしょうけど。
さらに先を行っていると思えるのが三菱アウトランダーPHEV。回生ブレーキの利きをパドルシフトで確か6段階に調節できます。個人的意見ですが、回生ブレーキ付きのクルマは、i3のアクセルペダルのフィーリングにアウトランダーの回生ブレーキパドルが付けば最良ではないか、と思います。
もしかしたら「ハイブリッドは性に合わないかも」と思うほどのファーストインプレッションとなりました。
それでも、純エンジン車の感覚をいったん忘れて「ハイブリッド車とはそういうもの」という気持ちで向き合って乗っていると、少しだけ慣れてきたのと、HV車ならではの運転の面白味もあるかも、とも思えるようになってきました。
燃費について触れておくと、郊外路8,市街地1,高速1くらいの割合で1000kmちょっと、燃費を気にしながら走って20~21km/lほど。カタログ値29.4kmだと、新車おろしたてと考えてももう少し走ると期待してましたが...
郊外の流れの良い一般道ではエンジン車でも効率が良いのか、HVのアドバンテージはさほど大きくない印象です。
高速道路になると飛ばしてないのに17km/lほどに低下。ほとんどエンジン車と変わらないのでは?と思うほどです(実際にほぼエンジンのみで走行)。この辺りは圧倒的にディーゼル車の方が優れているんじゃないでしょうか。だからヨーロッパではHVよりディーゼルなんだな、と納得。シトロエンなどではディーゼルのHV車(日本未導入)があるようですが、高速はエンジン主体、市街地はモーター主体で走るなら、それぞれの長所を補い合い、短所を打ち消しあって良さそうです。
HVのメリットが活きるのはやや混雑している市街地(せいぜい50~60kmしか出ない流れ)で、流れの良い郊外とほぼ同じ20km/lほど走るのが驚きです。これは純エンジン車の常識では考えられないことですが、エンジンは加速時だけ稼働し、巡航時と減速・停車時はEV走行になって燃料を使わないため、このようなことが可能になるようです。北海道の郊外のような流れの良い場所よりも、都市部のほうが燃費面でのメリットが発揮できるのでしょう。
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ひとりごと | クルマ
Posted at
2015/03/01 23:24:12
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