
九州と四国を結ぶ国道フェリーの所要時間は70分という近さだ。
出港前に眠りに落ちたがスクリューの激しい逆回転の音と振動で目を覚ました。
Hello 九州。
着岸すると慌ただしく下船の準備が始まりM4のエンジンを始動する。今夜の宿の別府温泉まで佐賀関のフェリーターミナルより50km、あと少しだ。
時刻は21:40・・・自宅を出発してから既に28時間以上経過している。
ホテルにチェックインしたら温泉に入って直ぐ寝ようなどと考えながら別府に向かう。
フェリーターミナルの近くにもホテルはあるが大分まで来て別府温泉に寄らない理由はないだろう。ホテル敷地に駐車場があってチェックイン23:00okのホテルで探すと選択肢は僅かとなり鉄輪温泉のホテルを選んだ。私が選んだホテル鉄輪はお世辞にも豪華とは言えないが温泉に特徴があって青白い濁り湯でありながらさらりとした後味スッキリした名湯である。
翌朝、ひと通りのルーティンをこなし7:30チェックアウト。表通りに出るといかにも別府らしい湯煙りが立ち上る景色に迎えられ2日目がスタートした。
九州の友人から送られてきたコースを基本的に上書きする予定だが自分なりにアレンジしていこうと思う。
先ずは由布院を経由してやまなみハイウェイを流し阿蘇名物のあか牛を食べに行こうと思う。
豊後富士と呼ばれる由布院岳が良く見えるパーキングで小休止しながらやまなみハイウェイに向かう。
九重町に入り一度体験してみたかった炭酸温泉に立寄ることにする。炭酸温泉は小国に何か所かあるが九重ではこちら1カ所となる。営業時間前ではあったが準備が出来ていたようでイチバン風呂をいただくことにした。
お湯の温度は40度と低めだが入ってみるとなるほど・・・炭酸の泡が時間とともに身体中に付着する。40度だからこそこの炭酸なのかと感心した。ゆっくりしたいところだが詰め込んだスケジュールを進めるために炭酸温泉を後にする。
積雪の九重連山を眺めながらやまなみハイウェイに入り長者原に進むと景色は開け日光の戦場ヶ原を思わせる光景が広がる。
火山によって形成された景色は人類の力では及ばない迫力があり阿蘇山に近付いていることを実感する。
やまなみハイウェイを走り阿蘇外輪山を超えるとそこで待ち受けていたのはギザギザが特徴的な根子岳が雲海の合間から顔を出しているではないか。思わず車を停め撮影に没頭する。
やまなみハイウェイに入ってから撮っては進みを繰り返していて中々前へ進まない。
阿蘇外輪山を時計回りに周回しているが後ほど反対側からアプローチする大観峰の入口に到達。
指示されたあか牛料理の「やま康」に到着したが残念ながら休業。そのまま次の阿蘇パノラマラインを目指すとあか牛料理の看板が目立ちはじめ雰囲気の良さげな食事処に吸い込まれた。やま康のメガあか牛丼がどんなモノなのかは分からないが脂身の少ない赤身の牛肉は私の好物であるので大満足のランチとなった。
阿蘇パノラマラインに入っても絶景は続き走っては止まりシャッターを切るを繰り返す。
阿蘇パノラマラインのハイライトである草千里では阿蘇の火口が良く眺められる場所を見つけると、時間が止まるほど見入ってしまった。
阿蘇カルデラ横断鉄道の中央に位置する阿蘇駅で小休止すると真っ赤な気動車がホームに滑り込んできた。
火山地帯と言えば日本各地で酪農が盛んとなり阿蘇周辺も酪農が栄えている。ASO MILK FACTORYで濃厚なミルクを味わいミルクロード経由で阿蘇一番の絶景ポイントの大観峰に向かう。
大観峰エリアで阿蘇らしい壮大な雰囲気を味わいながら大観峰を後にしたが10kmほど進んだ時に何かを思い出したかのようにUターンし大観峰に戻った。
そしてこう叫んだのだ。
時間よ止まれ・・・
この日は福岡県北部にある海岸の美しい糸島に泊まる予定となっている。私の父の古里であり私の幼少期は毎年のように訪れていた場所でもある。
福岡の友人マクフィアスより送られてきたデータにはグリーンロード〜ファームロードを経由して糸島に向かう指示となってたが、新千円札の肖像画になっている北里柴三郎氏ゆかりの杖立温泉に寄るためココだけ私の我儘を許してもらうことにした。
湯に入りて病なおれば
すがりてし杖立ておいて帰る諸人
杖立温泉とは平安時代に旅でこの地を訪れた弘法大師が詠んだこの句が由来と言われている。
杖をついてやってきた人が、帰りにはその杖を忘れて帰るほどの温泉の効能である。という歴史に裏付けされたメタケイ酸を豊富に含んだ良質な湯が特徴だ。
杖立温泉に源泉は数あれど今回私が選んだのは白岩温泉だ。
その都度お湯を張る贅沢なシステムで言ってみれば「生温泉」と呼びたくなる新鮮なお湯である。
メタケイ酸を多く含んでいるだけあって入浴後は肌がしっとりして化粧水に浸かったような肌になった。
あまりにも良質な湯に癒され時間を費やしてしまった。
今日の最終目的地の糸島で一期一会のサンセットと対面する予定にしていたが糸島到着時には既に太陽は沈んでしまっていた。
この後は親戚と会食予定であったが、糸島の海岸線のビーチカフェサンセットの雰囲気に誘われアールグレイとフレンチトーストをいただいた。
こうして阿蘇の雄大な景色と温泉を満喫した1日も終わり、いよいよ今回の旅の最大の目的である長崎のお気に入りスポットでの愛車撮影と友人との感動の再会の九州最終日に続くのである。
Posted at 2025/01/29 12:01:42 | |
トラックバック(0)