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2012年04月07日

1984年式カリーナGT-R感想文

1984年式カリーナGT-R感想文 2021年9月「AA63に丸二日乗ってみた。」から改題し、再構成、写真追加。

先日、知人が愛車を二日間貸してくれるというので乗り回して参りました。この前はST162系カリーナEDを貸してもらい、通勤に使ってみたり東京まで足を伸ばしてみたり悪の限りを尽くしたわけですが、今回はAA63系カリーナセダンを借りました。



外から見るといかにも古めかしいパキパキ直線の車ですが、当時、既に熟成の域に達していたFR方式のセダン。FFの台頭で乗用車の主流が一気にFFに傾く時代とあってカリーナはかなりスポーティな魅力を訴求するスタイリングです。ロングノーズショートデッキでエッジの効いた意匠、まさしく今では少数派となったオトコくさいスポーツセダンなのです。



朝、あいにくの空模様でしたがE/Gをかけて市街地を走ります。何回か運転させてもらった事のある車ですが、単独運転は初めてに近いです。乗り出してすぐに感じるのはとても視界が開けていて開放感があるという事です。それのそのはずでピラーが細く、ベルトラインが低いので外から見る小さなキャビンからは想像もつかない程ルーミー。そしてフード先端が見えるので運転しやすさも現代の代表的な乗用車よりもグッと優位です。歩行者保護やAピラー前出しのために捨てられたものがカリーナにはありました。



あまりにも有名すぎるAE86と同じ心臓(レーザー4A-α)を積んだGT-Rは見た目もスパルタンですが、乗り味もスパルタンです。大径のステアリングをぐるぐる回し、重いシフトレバーを操作して走らせるわけですが、(経時劣化もあるのでしょうが)2000rpm以下が全く使えません。いや、トルクは出ているのですがE/Gのバイブレーションが抑えきれず、とんでもないレベルのこもり音とも振動とも取れる揺れがキャビンを襲います。従って自然にドライバーは2000rpm以上回して走る事になります。この状態が既に現代の1000rpm付近で走るCVT車との決定的な違いですね。従って住宅地から幹線道路へと繋がる市街地走行だけではカリーナの魅力が伝わりません。



高速道路へ連れ出してやりました。3000rpmを超えると一気にやる気になるのが4A-GE。自分のカローラよりも世代が旧い4A-GEですから低回転域から高回転域へ移るスムースさには欠けますが、むしろそれがドラマチックな加速を演出するのです。現代の流れに乗ろうとするとすぐにキンコンがなってしまう。仕方なく走行車線に戻ってのんびり走るわけですが、100km/h時の回転数は3100pm付近。現代のCVT車が泡を吹いて倒れそうな回転数ですが、いくら高回転であろうと綺麗にE/Gが回っていればドライバーはさほど気にならないことを再認識させてくれます。上り坂に差し掛かると気持ちよく坂道を登ります。CVTはこういう部分に弱点があり、極端な低回転から上り坂で失速し、変速してエンジンを引張るものだからノイジーでマナーに欠ける走りをしがち。その点、MTのカリーナはアクセルを踏み足すだけでE/Gがトルクを出してグイグイ登っていきます。走行車線の流れに乗っている限りは決して不安を覚えるような挙動は見せず、横風の強い橋脚の追い越し車線を走る際は現代の乗用車よりは修正量が多い程度でした。



田舎の山道でカリーナに乗ってみました。こういうドライバーズカーの本領はこのような場所で発揮されます。山道をビュンビュン走らせるとカリーナは水を得た魚の様に走り回ります。実際には決して速くは無いのだけれど、回転合わせしてシフトダウンし、素早すぎる操作をするとワンテンポ遅れるステアリングを回し、俊敏な反応のスロットルをグッとあけてやる動作。この一つ一つが汗臭く、体育会系のスポーツに勤しんでいるような気になるのです。そう、この車のサイドプロテクションモールは格闘技の黒帯なんですね。



昔のヒョーロンカのおっさんたちの常套句「ニホンのスポーツモデルって速いんだけど欧州の素晴らしいスポーツモデルみたいに繊細な動作を受け付けないんだよね、日本のスポーツモデルのスポーツ感は一辺倒で品がないね」というのも、今の私は少し理解できたような気がします。カリーナは車と対話しながら走らせる事もできなくもないのですが、私はエイヤと豪快に走らせた方がこの車の魅力が引き立つように感じます。そして、それはこの車のキャラクターと合っているし何が悪いんだ!と言ってやりたくなりました。

もちろん、私はカリーナのやり方ではないスポーツモデルも大好きですが、カリーナみたいな豪快なスポーティさも何だか清清しいのです。「声出して行くゾーーーーー!!!!」とか言われながらランニングしても良いじゃありませんか(意味不明)。



現代の洗練された車と比較してカリーナには分かりやすい広さも、静粛性も、快適性もそんなにありませんが、こいつにはがむしゃらでやんちゃなハートがありました。

少しフェミニンな方向にシフトした自動車も世の中に絶対に必要ですが、いかにも男らしいカリーナのような車があっても良いような気がしますよね。FRクーペとして86が復活したんだからその4ドアバージョンを開発して是非63と名づけて欲しいです。未だに中古価格が下がらないアルテッツァのよき代替車になりうる可能性を秘めています。

丸二日間、850km程度運転しました。燃費は13km/L弱ということでまぁこんなものかと思います。レギュラーでOKというところも非常に経済的ですね。



また機会があれば面白い車を貸してもらう予定です。オーナーさんありがとうございました。感想文終わり。

3代目カリーナのブログ
1982年式1800ST-EFI
1984年式1800SG豪華マイロード

5代目カリーナのブログ
1991年式サーフSXリミテッド


2021年9月追記
この車で高速道路や山道を力一杯に走らせたときの胸の高鳴りは今でも簡単に思い出せます。たった5年後に生産された私のカローラが持つ俊敏さ、軽快さとは違う荒々しくて豪快なスポーツ性能は、後年試乗した同年代のスカイラインRSにも通じる魅力でした。そして車から降りれば見入ってしまうエクステリアデザイン。私の好みにドンピシャなので未だにこれを超えるデザインには出会えず仕舞いです。この個体は錆が酷かったボデーを、カーマニアの板金屋さんが当時のパネル分割線を活かしながら補強を加えており、オーナーのコダワリが良く反映されていました。
ブログ一覧 | 感想文_トヨタ・レクサス | 日記
Posted at 2012/04/07 00:23:32

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この記事へのコメント

2012年4月7日 0:38
よかったら私の車も試乗をどうぞ。
リッター16くらい行く時あります。
カヤバのショックにせざるを得なくなって、乗り味は硬くなりましたが、コーナーは安定しました。
車重が軽いので、変速次第で面白い車になります。
しかし、トルク不足で2速発進が困難なのと、坂道はきついですね。
それより、ロータスやイルムシャーの方が走り自体は楽しいですね。
みんカラ未登録の方のロータスに試乗させてもらいましたが、
たった100ccの違いでここまで違うのかと愕然とします(笑)
コメントへの返答
2012年4月7日 8:05
希少車の申し出ありがとうございます。
まずはミーティング時にクルっと一周乗せてください☆

FFのメリットは軽量にできることなのでこの時代のFF乗用車はかなり軽量設計になっているようです。

スポーツモデルの方がしゃきっとしているのはまぁ仕方ないですね、何しろそのためのプラスαを支払っているわけですからね。
2012年4月7日 1:34
この頃のトヨタFRって確かステアリングはボールナット方式だったはずです。
そのため、現代のラック&ピニオン方式に比べると大味で、クイックな動きはできません。
(カローラもTE71まではボールナット式です。が、AE86(AE85)のラックピニオンが移植できるそうです)

自分の乗るR33はステアリングがクイックすぎて、常に修正梶を当てないとまっすぐ走れません。
でも本当の平面なら、手放しでもまっすぐ走ってくれますが…)

個人的には、小型でクイックなハンドル操作が必要ならラック&ピニオン、大きな車でゆっくり目な動きが欲しいときはボールナット方式が合ってると思います。

(なので教習車にはSX70クレスタみたいな車が一番合っているのでは…。)
コメントへの返答
2012年4月7日 8:11
仰るとおりこの頃までのトヨタ車はボールナットが主流でしたね。持ってたTE71もそうでした。KP61がラッピニを自慢してましたっけ。

AA63も4A-GE搭載なのでラッピニなんですよ。まぁユニット自体の素性がクイックだったとしてもボデーの前後剛性が不足気味なので素早いレーンチェンジをすると前と後ろが遅れて動いてしまう感覚があります。TE71と比べると、大いに進化しているのですが衝突安全で勝手に剛性の上がった現代のボデーと比較するのはちとかわいそうですね。

教習車も最近は3ナンバーになっていますね。コース幅は同じというのに・・・・。市販されている車が大抵大きいわけですから、デカイ車が教習車でも良いのでしょう。
2012年4月7日 22:09
サイドモールが黒帯を示しているとは知らなんだw
カラードよりも黒帯の方が勇ましく見えるのはそういうことか(BMWとか

やはり音質は非常に重要で,4A−GEみたいにストレスのないキレイなエンジン音であれば,回していても疲れないし,むしろ回したくなってくるものなんですよね.近頃のエンジンは2500r/min以上で,心地良く回るエンジンには出会えていないですね.
回転数が上がると急にしんどく感じるのは,そういう数字では語れない特性が影響しているような気がします.
コメントへの返答
2012年4月8日 12:24
71レビンも黒帯です。

自分が乗ったクルマだとルーテシアRSが文科系なスポーツモデルだと感じました。

気持ち良く汗をかく体育会系も悪くないよね。

音質は重要。4A-Gは低回転域からの変化が実力以上の速さを演出してる。

最近は音質にこだわったエンジンが出てきてないだけなんだろうね。トヨタの小排気量スポーツツインカムでないかな。

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