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2012年09月11日

2012年式ミラージュ感想文

2012年式ミラージュ感想文 2021年10月「乗ってみたーじゅ」から改題

三菱自動車の切り札ミラージュ。

昔、三菱自動車でカースタイリストをしている人が母の親友のご主人でした。
その方は通勤用にブルーメタリックのミラージュ(スーパーシフト)に乗っていました。
子供心にすごくかっこいい車だなと思ったことを覚えています。
昔の車ってスポーティーでかっこよかったですね。

さて、2012年の新生ミラージュ。
タイの優遇税制(エコカーを生産するなら税金面で優遇します)に乗っかって
タイで生産。それを日本に輸入することで格安な乗用車を提供することができるという車。

先行するマーチは、噂によると中国で作った部品をタイに運んでタイでASSYしている
という事らしいですが、はっきり言ってそれまでのタイ製乗用車である
スバル トラヴィックやホンダ フィットアリアのような車と比べると思いっきり
「安く作った」ことがバレバレの車でした。

本来のタイ車というのは、繊細なんですよ。
労働者の質もあそことかあの辺りよりも良くて
しかも、タイでは自動車はぜいたく品だから塗装品質もすっごくこだわるんです。
しかも賃金が安いので日本よりも人が主体で組み立てることができるため、
たとえばトヨタ ソルーナでは日本では消滅した吊り天井という方式の天井を採用して
コスト低減を図っていたくらいなんですね。

ところが、マーチは残念ながら目に見える部分がものすごく低品質。
というより、図面の公差が広いというかクリアランス過大というか、
製品限度見本がフリーダムって感じなんですよ。

いやいや、そこ浮いてるって・・・
この樹脂部品ヒケまくりだろー(汗)

という非常に安っぽい部品から出来上がっています。
私は少し車をかじった人間ですので、目ざといだけなのかな?
フツーのお客さんはわかんないだろう、気にしないだろう、
という某社お得意のロジックが通用するかと思ったんですが、
販売状況はあんまり良くないみたいですね。

「どうせわかんないだろう」と微小なコストカット(性能低下を伴う原価低減)を
やりすぎると積分のように「素人でも分かる」安っぽさとして露呈するものなのです。
マーチ自身も乗ってみれば3気筒エンジンの割りにアイドル振動も良く抑えられて
悪い車ではなかったと思いますが、とにかく金のなさが商品性の無さに直結してしまい、
気の毒な車になってしまいました。7月に乗せてもらった初代マーチは良い車でした。


・・・・あ、全然ミラージュの話してない・・・・。
前置きが長くなりましたが、ミラージュは三菱が10年ぶりにリリースするコンパクトカー。

コルトの時代と異なっているのは、現代のターゲットユーザーは
「エコロジー」「エコノミー」を最重要視しているということなのです。

広さとかデザインとか走りとかそんなんじゃなくて、
とにかく燃費と価格を最重要視するようになっています。世知辛い・・・。

時代の要請に対応しつつ、そんなにお金をかけられない・・・
という非常に苦しい台所事情はものすごく伝わってきます・・・。

三菱はミラージュを単に安いだけの車にしないように気を使っている様子が伝わりました。

エクステリアデザインはものすごく、日産風ですね。
Frバンパーの造形はまさしく日産なのですが、あの意匠には何か秘密があるのでしょうか?
安くできるとか・・・・とりあえず、フードチッピングとダメージャーの成績はよさそうです。

サイドはマツダ・トヨタ風ですね。
Rrドアのディビジョンバー(FIX窓が無いタイプ)をレスにしてコストを意識してます。
ルーフも極力下げていますが、マツダ・トヨタよりも真面目な社風なので
ヘッドクリアランスは確保されていました。

新生ミラージュはエコノミー性能のために燃費を非常に良くしています。
第3のエコカーという言い回しがありますが、ミラージュはまさに第3のエコカー。
1000ccの直列3気筒エンジンでJC08モードで27.2km/Lという低燃費。
ライバルをごぼう抜きしてる訳ですが、三菱がとった戦略は至って正攻法。

軽く作って空気抵抗を減らす、ということ。

アイドルストップや充電制御などはやっていますが、
他社のようにミラーサイクルや直噴などを使っていないのです。
使ってないというか金がかかるから使っていないのかもしれません。

真面目な三菱は軽自動車をベースとしたコンパクトなプラットフォームを使い、
外寸を極力切り詰める。
さらに空力を磨いて走行中の風の流れを整えるという至ってフツーな対策で勝負してきました。
ドーピングするよりも原理原則で勝負したほうがそりゃ合理的ですわな。

ボディの角は渦を綺麗に飛ばすために角ばっていますね。
トヨタがエアロコーナーって言ってるアレです。
Frバンパーはエラが張っててスポイラー付のような張り出し。

サイドはロッカーモールが奢られていて整流しています。
耐チップ性能も有利ですが走行安定性にも有利でしょうね。
あと、ボデーシェルの端末を管理しなくて良くなるので
見栄えの悪化を気にせずにスクラップレスにしやすいと言うメリットもありそうです。

Rrスポは巨大です。
ちょっとえぐい形状ですが空力的にはものすごく意味があるようです。
でかすぎて後方視界が心配でしたが試乗してみたところ問題なしです。
ただ、バックドアを開閉するたびにカタカタ言ってたのは
オーバーハングが長いRrスポの弱点ですね。

CD値0.27は立派です。特に短いコンパクトカーは本当に苦しいですよ。
お金をかけないとなかなか数値は取れませんから、ここにコストをかけているんだと思います。

ボデーの軽さも立派です。量販グレードで870kgは立派。
ライバルよりも100kgは軽いと思いますが、これも外寸を小さくしたことが効いていますね。
ネットによると3気筒専用なので4気筒が乗らないらしくて、
それが今後の商品展開上ハンデになりそうです。
さらに4WDも切り捨ててしまうという割り切り方。
それでも軽量な素性を取ったということです。
軽いほうが総合的な性能向上に寄与しますね。

ミラージュでは590MPa級の高張力鋼板を使っているそうです。
ちなみに日産は440MPa級で留めていますし、国内生産のトヨタは980MPa級を使っています。

一部の理系自動車雑誌では「ホットプレス万歳」「超々ハイテン万歳」の大合唱ですが、
新興国の生産車種で590MPaの材料を使って車を作ることは、
ドイツのメーカーが環境の整った工場で
最先端の素材と設備を使って作るボデーと同じくらい難しいことだと感じます。

新興国で生産するということは、材料をどうやって入手するかが大事だからです。
欲しいグレードが無い、とか欲しいグレードだけどコイル幅の自由度が無くて
大物部品に使えないとか、そこはクリアできても
調達先が一社しかなくてリスクヘッジできないとか色々あるわけです。
日産はも同じような課題があったのでしょう。
590MPaを使わず、440MPa材を使い、線の通りを綺麗にすることで
新興国での生産と衝突性能をクリアしています。(これはこれで大正解)

先進国よりも不利な設備の製鉄所でどうやって高張力鋼板を安定して入手するか。
こういう部分は車の設計というよりも、
調達部門や製造部門のがんばりで決まるようにも思えます。
こういう目に見えない部分をクリアして初めて高級な素材を使うことができるわけです。
目を引く新しい技術だけがエライ訳じゃないことをミラージュは教えてくれます。
まさにチームプレイ。

また、先行する日産を見ている分だけミラージュは見た目品質もそこそこ気を使っています。
樹脂部品のクオリティもひとまずライバル以上です。
キラキラ輝くスクリュー(一般的には黒塗装のスクリューを使う)や
パワーウィンドゥスイッチベゼルのウェルドラインは気になりましたけど・・・。

内装もお金がかかっています。
「本革のステッチ」「ひんやりするアルミオーナメント」みたいなお金のかかる加飾はしていません。
しかしながら、ピアノブラックのセンタークラスターやサイドレジスターのシルバー塗装。
なかなかお金をかけたように感じます。
国産の軽自動車でも高いやつには負けるかもしれませんが、
なかなかセンスの良い室内だと思います。

私が目ざといだけかもしれませんが、Frピラーガーニッシュとインパネの見切りの部分。
Frピラーガーニッシュの切り欠き形状が丸見えです。
明らかに見栄えが悪いのになぜ放置したのか。
金型の関係とかでこうならざるを得ない部分だったのかもしれませんが、
もう一ひねり欲しかった。運転席から余りにも目立っていました。

ちょっとだけ運転してみましたが、乗り味は比較的おっとり型です。
軽いから加速が良い、良く曲がる、というより若干ダルさを感じさせる乗り味。
加速もCVTがひたすら変速して加速も軽自動車レベル。
ステアリングを切るとロールが少し大きめで直進への戻りもよくありませんが、
これは狙った味付けかも知れません。
個人的にはエンジンブレーキを多用するのでDsレンジに落としたときのショックが大きく感じます。
あくまでも近距離用というキャラクターを狙ったものと思われます。

グレードは3種類。営業車グレードEが99万8000円。思ったよりも安くない・・・。
メイングレードのMは118万8000円。空力パーツなどの装備を考えるとこれが一番お買い得。
上級グレードのGは128万8000円ですが、キーフリーとコンライト、
インパネ加飾やらシートテクスチャー程度でこの価格差はちょっと割高です。
お勧めはMですね。

色々書きましたが、他の大企業のようにコストをかけてやれない中で
ミラージュは一生懸命知恵を絞った痕跡がたくさんありました。
本当はもっとこうやりたかった・・・という部分があるでしょうが、
まずこれでカネを稼がねばなりません。台数がしっかり出れば良いのですが・・・・。

でも個人的にはあのブルメタのチェック柄のシートのフェンダーのオレンジの反射板が
かっこいいミラージュが本当に懐かしいです。
本当はそんなミラージュが見たかったというのはおっさんの懐古趣味なのでしょうか・・・。
ブログ一覧 | 感想文_三菱 | クルマ
Posted at 2012/09/11 00:38:46

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この記事へのコメント

2012年9月11日 8:32
学生時代に教師がブルメタ&スーパーシフト&4ドアのミラージュに乗っていました。
普通の塗料なんだけれど現代にない色合いの荒目のメタ塗装の感じが好ましかったです。
現行車はグリルレスな感じが何処となくミライースに似て、吊目で派手顔な他の車より親しみが持てます。
何処のメーカーも採算の問題からか海外製もしくは部品輸入の国内組み立てが殆どかと思いますが、これからも車種統合とグレード整理が加速するのでしょうね。

現行ミラージュ、軽い車重を生かして軽量スポーツ車等(コルトスポーツの様な)が出れば若者受けするかもしれませんね。
コメントへの返答
2012年9月12日 23:08
懐かしいですね。
あの頃のメタリック塗装はアルミの粒子が粗いし、粒子の方向がバラバラだったので独特の光り方をしていました。

今思うと、あれが懐かしいのですけど。

海外の部品、というより中国の部品は価格競争力が国内の努力でまかなえるレベルを超えて良いのでしょーも無い部品からどんどん海外製にシフトすると思います。

現行ミラージュでスポーツグレードは厳しいかもしれませんねー。1200ccMTを持ってきてラリーアートのエアロで武装するくらいはやってやれないことはなさそうですが・・・。
2012年9月12日 22:02
イッチーもミラージュでしたね.ドアミラーをガムテで補強してたのが懐かしい.
コメントへの返答
2012年9月12日 23:09
ミラージュでした。あのミラージュ良かったよねー。RVRに買い換えてたけど、今は何なんだろう。順当に行けばフォルティス。あえてのD:2・・・・・。
2012年9月12日 23:44
D:3かもしれない運転
コメントへの返答
2012年9月13日 21:22
さすがにまだRVRではないだろう運転。

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「10年ぶり位のディズニーシー。開演前からエントランスで待ち、直行して並んだアナ雪のアトラクションみっちり3時間経過。6分間の為に頑張るもまだ辿り着けない、、、、。心折れそう(笑)」
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