• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2014年08月09日

1992年式センティア感想文

1992年式センティア感想文









●お子様だった当時の僕にはわからなかった。


カペラから発展したアテンザがマツダのフラッグシップになって11年が経つ。2003年まではミレーニアがフラッグシップであったが、2000年まではセンティアがフラッグシップだった。センティアはルーチェの後継モデルとして1991年に発売された。

個人的な話になるが、広島出身の伯父がかつてRE搭載のルーチェに乗っていた。子供の頃何回か乗せてもらったが、いつも乗せてもらうときは大人しい伯母の運転だったので、REの実力を味わうのは大虎さんのFCを運転するまではお預けとなっている。この親戚は一家揃って香港へ転勤し、帰ってきたのが2000年ごろ。

当時、伯父は中古車で2代目センティアを買った。4WSでシャンパンゴールドだったことは覚えているが、実はあまり記憶に残っていない・・・。当時の自分はラージカーに興味を示さず、スポーティなセダンや欧風ハッチバックに興味を示していたからだ。とにかく中が広いことだけは覚えている。

そして2014年も半分が過ぎた頃、初代センティアをドライブする機会を得た。ところでセンティアという車名を調べると車名のセンティアは、

>フランス語で「感じる」を意味するsentirと
>ラテン語で「場所」を意味するiaとを組み合わせできた造語で、
>「感動を呼ぶ洗練された空間」の意味合いが込められている。

とのこと。センサーとかセンスとかと同じ語源を持つ様だ。「感じる場所」って思春期の少年が聞いたらそれだけで妄想が膨らむような名前だと思う。(あらやだ)

話題を車に戻す。外からセンティアを眺めると、とんでもなく大きく感じる。しかし、それは見るものを萎縮させるような威圧感ではなく、手で触れてみたいと思わせるような優しく柔らかい曲面の融合体である。この時期のマツダデザインは自動車の本場たる欧州でも評価されたという。

ボディサイズは全長4,925mm 、全幅1,795mm、全高1,380mmという堂々たるサイズ。当時のクラウン(140系前期)と比較すると全長で125mm長く、全幅で45mm広く、全高は60mmも低い。

だから日本的な高級車とは佇まいが違う。ボディカラーも深みのある赤ワインのような色で、とんでもなく艶めかしいオーラが漂っている。低く長いノーズ、ヘッドランプもグリルも薄く、日本の高級車が持っている威圧感が全く無い。グリル、ヘッドライトなどパーツで主張することなく、量感のバランスで勝負しているデザインなのではないかと考える。

乗り込んで見ると、外装のイメージそのままの内装が迎えてくれる。包まれ感が強い曲面デザインだ。現代採用例が増えているセンターコンソールのステッチや白の内装色も進んでいるといえよう。また、助手席側の空調レジスターも省略されるなどデザイン性をとても大事にしているが、狭苦しくなったりしないのはこの車がフラッグシップたるボディサイズを持っているから。

自動車は人間が運転するものである以上、ある程度以上の室内空間が必要だ。低く長く優雅なプロポーションを得るためにはそれなりのボディサイズが必要。居住性とスタイリングを両立させるのは高級車ということになりやすい。センティアも豊かなボディサイズをスタイリングにたっぷりと使用している。


エンジンを始動した。V62.5Lエンジンは何の振動も感じさせず軽快なアイドリング音を奏でている。エンジン回転を示すメーターもありがちな計器類スペースの中にあるというよりは、インパネ面をくりぬいてメーターが存在するイメージ。何とも従来の高級感とは違うところを目指してることがよく分かる。

駐車場から出る際、車体の大きさが気になった。試乗当日は昭和スーパーめぐりを実施しており、1988年竣工のスーパーから国道へ出たが屋上駐車場からの道路が狭く、非常に神経を使うスタートになった。センティアが出た1991年の感覚だととてつもなく大きいクルマの一つに挙げられよう。

大通りに出ればボディサイズの大きさを気にする必要は無い。昨今、再び見直されているオルガン式アクセルペダルを踏み込むとセンティアは軽快に発進する。FRらしい加速感覚、ステアリング振動の遮断は素晴らしい。予断だが、オルガン式アクセルペダルとFrホイールの位置関係は近年のスカイアクティブ車と類似しているように感じた。

変速機は電子制御の4AT。当時既に5速ATも存在していたが、4ATで十分に時代の流れには乗っていた。比較的引張り気味のセッティングなのが独特だが、大柄なボディの割りにスポーティさを感じる乗り味だ。

一方、センティアのシャシーを語る上で無視できないのは4WSだろう。カペラで実用化した4WSはセンティアにも採用されているが、一般走行時にその恩恵にあずかる事も違和感に苛まれる事も無かった。ちょっとペースが速いときの身のこなしは軽快。アップダウンとカーブが多い中央道や東名の大井松田~御殿場の山岳区間をセンティアで走ると本領を発揮するはずだ。短時間の試乗であったために山道や高速道路を試していないが、一度だけ片側二車線の道路をUターンする機会に恵まれた。

全長5m近い巨体のUターンなので切り返しが必要かと思いきや、なんと一発でUターンを終えてしまった。お見事!!運転しているほうが「小回りきくなー」と感心したが、実は外でその一部始終を見ていた関係者たちからは歓声が上がったようだ。

少し乗っただけでもセンティアが従来型の高級車と一線を画する存在だったことが理解できた。いわゆる分厚い高級感はなく、繊細で柔らかい高級感がセンティアの持ち味だ。

この時代は他にもレパードJフェリーのように従来とは違う高級感を狙った新商品が世に問われたことがあったが、十分な成功を収めることができなかった。これが海外ブランドのクルマであったなら「やっぱり日本車には無い魅力がある」と理解されただろうが、当時の国産高級車市場のメインはクラウンやセド/グロである。あの手の本流を正とする市場に対して「外し」の選択をする人はまだまだ少なかった。

輸入車を好む層は富裕層で車の魅力よりもブランドで車種を選択し、マツダの「外し」を理解する人がさほど多く無かったことから、2代目では分厚い方向にシフトしたとも考えられる。今なってはその国産本流ブランドすら敷居を下げてきた輸入車に市場を奪われているのは残念だ。

実は私は今回改めてセンティアを見るまでセンティアの魅力を理解してこなかった。若かりし頃の自分のセンティア評は「まるっこくてダラーっとした意匠で目を引く部分が無い」「ひたすら大きくてかっこいいスポーツカーの様でもRVの様でもない」という青臭いものであった。

センティアはパーツパーツの造形よりも美しい量感バランスの美を訴えかける車であるが当時の私はそういう訓練が十分でなかったのである。しかしある程度大人になった私にはセンティアの魅力がよく伝わった。

オーナーに感謝。
ブログ一覧 | 感想文_マツダ | クルマ
Posted at 2014/08/09 10:53:27

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

タイヤ交換見積もり
ひで777 B5さん

ハーレーで行く 京都府 道の駅 ガ ...
☆じゅん♪さん

原付海苔、サイクリストの聖地を征く ...
tompumpkinheadさん

ドアうぇ~🎵
.ξさん

試合を応援した後•••
shinD5さん

滋賀県 伊香具神社の八重桜は葉桜で ...
myzkdive1さん

この記事へのコメント

2014年8月9日 12:07
MS-9(確か出た当初はこれだった)は未だ一度も乗ったことが無いです。

しかしあの巨体で(片側2車線とはいえ)一発でUターン出来るとは恐れ入りました。
(同じような大きさのJZZ30ソアラでは切り返しが必須ですので…。)

丁度この頃なんですよね、日本車の3No政策が替わったのって。
マツダからはMS-6(及びクロノス)が発売され程なくしてMS-9の登場、ルーチェが廃止されその代わりがセンティアだった…、ので5No.サイズ好きの私には縁の無い車でした。
(今は3No.のスカ乗りですが…。)

余談ですが、3代目プレリュードから始まった各社の4WS技術、最近4WS採用の車を見かけなくなったのですがどこへ行ってしまったのでしょうかねぇ…。
(日産もHICAS付き車両はR34時代以降発表していないですよね…。)
コメントへの返答
2014年8月10日 14:30
Uターンですがすごいですよほんとに。

今と違って各駐車場も狭くて車がとめにくい。
巨体を少しでも扱いやすくするための効果的な装備品だと思います。

確かにクロノスあたりの3ナンバー化を思い出すと、マツダはボディを大型化するのが好きな会社かもしれませんね。(マニアはクロノスの次のカペラ萌えかも知れませんが)

4WSは面白い技術だったと思いますが、
2000年代に絶滅しましたね・・・・。
ロングホイールベースな現代の車には魅力的ですが、トーションビーム全盛の現代では採用できないのかも。(ステアリング切れ角で対処してるかも)
2014年8月9日 15:21
こんにちは~。

初代センティア、デビュー時には驚きましたねぇ。スタイリングが画期的でしたから。
素晴らしいコンディションの個体ですね。

販売が低調になったのは、メーカー側の問題もあると思います。
当時、知り合いが購入したのですが、内装が他社より安っぽく見えました。知り合いも不満と言っていましたが、それでも購入した理由は下取増額も駆使した有り得ない大幅値引き・・・。売れるようにする為、本来ならば商品力向上すべきところをメーカーが選択したのは投げ売りだったという・・・。
当時の会社を取り巻く環境からすると、改良したくても出来なかったのでしょうけど。

先日、新型アテンザを見る機会がありました。これは・・・志半ばで終わってしまったユーノス・アンフィニを受け継いでいるのではないでしょうか。スキ無く完成度が高いですね!!
マツダの作りたかったこと全てが盛り込まれているように思います。
作りたい車の姿がブレていないとは、マツダ天晴れです♪
コメントへの返答
2014年8月10日 14:34
コンディションのよさは驚きでした。
内外装ともに非常に綺麗。
ブレーキダストが少し固着したアルミホイールはワイヤーブラシで鋳肌をごしごしやれば完全に新車に戻りそうな勢い。

内装の安っぽさ=威厳のなさとも言え、確かに光モノが無いんですよね。あくまでも造形によるバランス美を訴えかけるタイプ。白の内装色も膨張色なので締りがなく見えたかもしれません。(しかしこれが現代の高級車では見せ所になるのだから不思議です)

マツダ地獄という言葉がありましたが、大幅値引きで素晴らしい車が買えた良い時代だともいえますね。

今のマツダは値引き幅も落ち着いたようでよい商売が出来ていていいと思いますし、ブレない車作りを続けているあたり非常に共感している次第です。
2014年8月9日 17:55
こんにちは

この色のセンティアは、私の乗っていたJZX81と15番違いが、駅前の駐車場に止まっていて、ほぼ毎日見かけていたのを思い出します。

81を見慣れた目には、大きくて有機的なデザインに見えましたね。一度偶然に駐車場から発進するところを見たのですが、あのリヤデザインに後輪の動きが加わるのですから、実に目を引くものがありました。このセンティアは数年でシルバーの2代目に変わりましたが、純粋なデザインは初代の方が良いと思っていました。

当時の日本では、ボディサイズと高級感がリンクしていないと認められないところがあって、サイズだけで初代マジェスタ辺りと比較されてしまったのが不幸でしたね。

あと、従前のマツダユーザーは、あまりの変容振りについて行けなかったようです。(父の知人は最終ルーチェHTに乗っていましたが、このシリーズに興味を示すことはありませんでした)

今にして思えば、当時の評価は不当に低かったと思うので(私も理解できなかった一人です)、こういう状態の良いクルマが残っているのは嬉しく思いますね。
コメントへの返答
2014年8月10日 14:43
こんにちは

本当にセンティアは有機的です。
私自身、本当に30歳を超えるまで理解できない高級車でした。

ボディサイズと高級感がリンクしていないといけないというあたり、確かにそうだったと思います。小さな高級車もなかなかうまくいきませんでしたしね。

うちの伯父さんも初代センティアには手を出さなかったので着いていけなかったのでしょうね。ちなみに二代目センティアの後は2代目ウィンダム、先代カムリと乗り継いでいます。

歴史に埋もれてしまったと思われるセンティアもこうして再評価されて趣味の対象として羨望の眼差しを向けられる時代になりました。時代に先んじ過ぎたのですね。

プロフィール

「10年ぶり位のディズニーシー。開演前からエントランスで待ち、直行して並んだアナ雪のアトラクションみっちり3時間経過。6分間の為に頑張るもまだ辿り着けない、、、、。心折れそう(笑)」
何シテル?   04/30 12:29
ノイマイヤーと申します。 車に乗せると機嫌が良いと言われる赤ちゃんでした。 親と買い物に行く度にゲーセンでSEGAのアウトランをやらせろと駄々をこねる幼...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/4 >>

   12345
6789101112
13141516171819
2021222324 2526
27282930   

リンク・クリップ

スバル フォレスター Premium (再)試乗記 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/04/14 10:35:09
キャニオンゴールドさんのホンダ フィット 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/03/16 20:52:21
ロータリーエンジン じゃましないでね 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/03/02 08:18:40

愛車一覧

トヨタ カローラ トヨタ カローラ
1989年式(マイナーチェンジ直前) カローラGT。 ヤフオクで発見し、 不人気車ゆえに ...
トヨタ RAV4 L トヨタ RAV4 L
1996年式 標準グレード。 私が小学生だった1994年、RAV4が颯爽と登場した。私 ...
トヨタ プログレ トヨタ プログレ
2000年式 NC250。 長年、趣味の先輩達と車談義を重ねる中で定期的に「プログレは ...
シトロエン DS3 シトロエン DS3
2011年式 スポーツシック・エディションノアールII。 ラテン系ホットハッチ(プレミア ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation